さてさて、こんにちは。刀隠社でございます。簡潔に今の状況を説明しましょうかね。織斑との決闘騒ぎは、上級生にも話しが回っており。姉ちゃん達は爆笑しながら休み時間に教室に乗り込んできやがった。ん?姉ちゃん達が誰かって?一人は俺と同じ亡国起業の代表の「レイン・ミューゼル」我社の社長の姪っ子だ。俺は、親しみを込めてレイン姉ぇと呼んでいる。もう一人は同じく亡国起業代表の「フォルテ・サファイア」どこがとは言わないが小さい。本人に言ったら氷漬けにされるから言わない。こちらはフォル姉ぇ。もう一人は、姉ちゃんではないが年上の幼なじみの更識刀奈。本人曰く、「楯無を継ぐのが面倒。」という前代未聞の当主の座を蹴った女だ。ある意味図太い神経を持っている。刀奈は刀奈だ。この呼び方は変えられない。1週間後の決闘の名前を借りたケンカに姉ちゃん達は、快く訓練を引き受けてくれた。もちろんセシリアと簪も引き受けてくれた。同タイミングで俺の部屋も判明したんだけどね。まさかのルームメイトがセシリアだって。セシリアが真っ赤な顔で「ふ!不束者ですが!」と叫んでしまい、クラス中に知れ渡ってしまった。織斑先生が追撃と言わんばかりに「避妊はしろよ?」と笑いながら言ったもんだからカオスと化した教室を俺はトリップしているセシリアを連れて早々に離脱した。幸いにも織斑ともう一人は、この時には居なくなっていたおかげで部屋バレしなくて助かった。織斑先生、次は専用機で決着つけてやる。そして、今現在。放課後なのだが…。
社「どうして、こうなった?」
皆様、聞いてもらいたい。俺は部屋で荷解きしてから、落ち着いたセシリアとの親睦を深める為に晩飯を作るって話しになったわけ。そして、購買で材料を買って帰る途中に織斑の取り巻き(?)に強制的に剣道場に連れてこられた。さて、ここで想像して欲しい。学生服を身に纏い、両手にパンパンのエコバッグを持った男が剣道場のど真ん中に立っている姿を。スッゲエ、シュールで草生える。生えねえけど。タチの悪いことにこの取り巻き(?)購買を出た直後に連れて来やがった。どうしよ?アイス溶けないだろうか?オマケにギャラリーまで群がる始末、あっ、織斑発見。なんかニヤニヤしてやがる。気に入らねぇなぁ。
箒「貴様!人の話しを聞いているのか?!」
社「ん?いやぁ、アイス溶けないかどうかの方が心配なんだが?後卵が割れないかどうか。」
溶けたアイス程美味しくないものはない、分かる?一度溶けて再凍結させたアイスの味のちょっと薄くなってるの、オマケに特売で買った卵。激しく動いたら割れるだろうが。
社「考えてみたら、俺アンタの名前知らなかったわ。確か、クラスにいたよな?」
箒「貴様に教えてやる必要はない!早く構えろ!」
イヤイヤ、何言ってんの?だったらこのエコバッグどうすんだよ、卵にアイス。それに晩飯の材料入ってんだぞ?ちなみに今夜はハンバーグをするゾ!女性でも食べやすい豆腐入りじゃい!それになんか簪もどうせ食べにくるだろうし、押しかけられても大丈夫なように多めに買っておいた。やったね、社君キミの予感は的中するよ!
箒「だぁぁぁぁぁぁ!!」
社「っ?!」
あっぶね!あっぶねぇ!コイツ!何の合図もなしに木刀で殴りにきやがった。咄嗟に後ろにバックステップして躱したけど、あの太刀筋間違いなく俺の脳天狙いやがった。
社「いきなりかい?!」
箒「うるさい!!貴様男だろ!避けずに受けろ!」
社「お前バカか?!んな木刀(もん)受けたら大怪我沙汰じゃねぇか!」
箒「うるさい!うるさい!私は篠ノ之束の妹だぞ!そんな事なぞいくらでももみ消せる!」
ん?チーフの妹?あれ?確か…。
社「あれ?確かお前さん、チーフに絶縁されたんじゃ…。」
箒「知ったことか!あんな事、両親が言うわけない!全部姉さんの妄言だ!」
あぁん、話し通じねぇ。なんとか、エコバッグに当たらないように立ち回ってるがそろそろ俺も時間も限界だ。
社「雷鳳!アイツを迎撃する。格納空間借りるぞ!」
雷鳳『合点承知之助!!』
ホント我が専用機はノリがいい!瞬く間に両手のエコバッグが雷鳳の格納空間に粒子となって格納された。コレ便利だな。買いすぎた時はまた借りよう。
社「突撃しか能がねぇのか?そんな直線的な攻撃じゃ俺の首は取れねぇよ。」
箒「えぇい!のらりくらりと!」
さっきから、動きが雑だし、直線的だし予測するまでもねぇ。ギャラリーもザワザワしてきたし、そもそも丸腰相手に木刀振り回すヤツなんているかね?あ、いるわ。目の前に…。
社「とりあえず、ちょっと寝てろ。」
名前が分からないので、とりあえず猪女と呼んでおこう。猪女の突撃に合わせて、俺も床を蹴る。ヤツとの距離はせいぜい2メートルそれなら、一足飛びで事足りる!その際、床踏み抜いてしまったのではと言わんばかりの大音量が剣道場を震わせ、ギャラリーが悲鳴を上げ耳を塞いだ。この時、猪女が間合いに入ったと目で訴える。だが悪いな、ここは俺の距離でもあるんだよ!!
箒「死ねぇぇぇぇぇぇ!!」
容赦なく振るわれる木刀。軌道は、再び脳天狙い。そんなもん、織斑先生の方がまだ速い!!お前の太刀筋なんて俺には『止まって見える』ね!
社「墳ッ!」
木刀が当たる瞬間、俺は身を捩りながら姿勢を低くし、木刀を躱す。躱した瞬間猪女の驚く顔があまりにも滑稽だった。低くした姿勢を保ち、左足を前に出しフルブレーキをかけながら更に身を捩り、右足の狙いを定め蹴りの体制を整える。俺の両足のバネは弾き出されるのを今か今かと待ちわびる。狙いは一点。腕の隙間から覗く無防備な顎の部分。
社「刀隠流・蹴脚術…。」
猪女は狙いが分かったようだが、もう遅い!!
社「秋月!!」
両足のバネを一気に解放すると弾き出された右足は、寸分違わず猪女の顎を捉え、更に同じく弾き出された左足は、俺と猪女を押し上げる。頂点に達すると右足から猪女の顎が外れその身体は宙に放物線を描いた。それと同時に飛び上がった俺は、空中で体制を整え着地に備え時間にして、約2秒後に着地。猪女は気を失ったのだろう、受け身をとる事なく床に落下した。ザワザワしていたギャラリーは、いつの間にシーンと静まり返っていた。
社「手加減はした。顎砕かれてねぇから安心しな。」
千冬「しまった!遅かったか!」
おろ?織斑先生???そんな怪我で走ってきたのかな?めっちゃ焦った顔してるし。
千冬「刀隠、状況の説明はできるんだろうな?」
うーわ、怖っ!静かに言うから余計に怖っ!コレはぐらかしたらダメなヤツだ。
雷鳳(はぐらかしたらダメでしょ。)
ですよねぇ!とりあえず今までの経緯を説明すると、織斑先生は納得してくれた。説明しながら格納空間からエコバッグを取り出して中身を確認すると、アイスは溶けないし、卵も割れてなかった。スゲェ、俺の専用機は有能か!
雷鳳(ふふーん♪もーっと、褒めてもいいのよ~♪)
また今度な。それよりも…。
社「で、織斑先生はどうしてここに?」
千冬「ん?剣道場で、怪獣(刀隠)が暴れてると聞いてな。駆けつけたんだが遅かったようだ。」
ちょっと、今怪獣と書いて刀隠って言ったでしょ?俺怪獣じゃねぇし。それよか、織斑先生の方がまだ怪j『POWER!! 』オイ!オイ!オイ!なんでアンタそれ持ってんの?!あ、待って待って。親指で開けようとしないで、メキャメキャ言ってるから。止めたげてよー!
社「そ、それよりも。部長さん、お騒がせして、すみません。」
部長「えっ!あぁ、うん。それより刀隠君?だっけ?」
社「はい、刀隠社です。刀を隠すと書いて刀隠。社はそのままお社の社です。」
部長「そうなんだ。変わった苗字だね。 」
社「よく言われます。何か質問でも?」
部長「あ、そうそう。何で竹刀なり、木刀なりつかわなかったの?」
千冬「私も気になっていた。モンドグロッソでは、蹴りを混じえて戦う選手はいたが、お前のように始終蹴りのみの奴はいなかった。」
あー、それ聞いちゃう?他のギャラリーも聞きたそうにしてるし、織斑はっと。いねぇ、猪女と共にいなくなってら。大方気絶した猪女でも担いで医務室行ったか?なら好都合だな。
社「単刀直入に言うと、俺の一族は『武器を扱うセンスが皆無』なんですよ。」
おーおー、は?みたいな顔してやがんよ。まぁいっか、もうちょい説明しとこ。
社「刀振ったら、刀が明後日の方向にすっぽ抜ける。銃を撃てば、跳弾やらで被害甚大。弓を放てば、弦が切れてエライめに合う。こんな風に武器を扱うセンスをどっかに落っことしてきた一族なんですよ。」
千冬「なら、徒手空拳ではダメだったのか?」
部長「そうだよ、わざわざ蹴りだけを極めたみたいな…。あっ!」
お?部長さん、気づきましたな?100億点あげますよ。
社「部長さんの予想で正解ですね。そう、俺の一族は『足技だけのセンスは飛び抜けて高かった』んですよ。」
はい、ここテストでますよー。
雷鳳(いや、でないでしょうに…。)
にょほほほほほwそうなんだけどねぇw
千冬「なるほど、それで蹴り技なのか。しかし、それだけか?」
社「他にも、ありますが。あんまりネタバレはしたくありませんので。」
一子相伝の技で、後継者がいないってのが現実だけどね。
千冬「分かった。今までの経緯からして、巻き込まれただけのようだから処分はない。ただもうちょい手加減してやれ。」
えー、あれでも十分手加減したのにー?
千冬「全力出したければ、織斑まで取っておけ。ま、アイツは全力を出さずとも勝てる相手だがな。」
社「あ、すいません。そこは全力でやります。アイツの顔面偏差値爆下がりさせたいので。」
あれだけ、宣言したんだ。有言実行はさせてもらいます。
千冬「なら、知り合いの整形外科医でも紹介しておこう。」
わっはー。この人ノリノリだー。
社「織斑先生?弟さんお嫌いで?」
そこはかとなく聞いてみる。
千冬「あぁ、たまに絶縁したくなる。」
こりゃまた、あっけらかんに言い放ちましたなぁ。ギャラリーも剣道部員も、ザワザワしてたけど渦中の人は知ったことかと言う風だ。
社「よっぽどですねー。」
千冬「アイツには、散々迷惑していたんだ。それぐらい思ってもいいだろう?」
どうやら筋金入りのご様子。
社「では、先生。俺そろそろ戻ります。アイスが溶けちまう。」
千冬「あぁ、アイツ等の処分は直接私の方から言っておく。気をつけて部屋に戻れ。」
社「うぃーす。」
やれやれ、なんで、復帰早々こんなことに巻き込まれんのか。不思議で仕方ねぇわ。部屋戻ってご飯作ろ。
雷鳳(旅してる時もたまに巻き込まれたわね。)
それな、ドイツは仕方なかったけど。
雷鳳(アレは、お腹空いてたんだし仕方なかったのかな?)
まぁ、それはもう言いっこなしで。おっ!部屋着いたな。えーと、カードキー、カードキーはっと。
雷鳳『上着の胸ポケットよ。取れる? 』
社「おー、大丈夫、大丈…。ブッ!」
雷鳳『マスター?! 』
痛って〜!何だ?!急にドア開きやがった!あ!卵!卵は無事か?!良かった。無事だ。
簪「社、ごめん。声聞こえたから開けてあげようと思って。」
簪か、やっぱりいたな。材料多めに買っといて正解だっな。
社「大丈夫さ、俺も近づきすぎたし。簪はアレか?晩飯食いにきたんだろ?」
部屋に入りながら、来た理由を訪ねる。ん?今視界の隅っこになんか荷物が見えたぞ?俺のはもう荷解き終わってるから俺のじゃない。
社「簪さん?あの荷物は…。」
簪「私の荷物。私もこの部屋になったの。」
ウッソだろお前。ウッソだろお前。
雷鳳『大事なことなので2回言いました。』
えぇい、茶化すない!誰の差し金じゃい!
簪「あっ、お姉ちゃんと織斑先生から伝言。」
あの二人か、なんだよ?嫌な予感しかしねぇぞ。
簪「お姉ちゃんからは、「義弟と旦那様になるの待ってるから♥」と織斑先生からは「腹上死だけは勘弁して欲しい。」って」
よーし!二人して覚悟しとけよー!蹴り入れてやらー!
でもその前に…。
社「簪、これアイス入ってるから冷凍庫入れとけ。」
簪「チョコある?」
社「あるよ。風呂上がりにでも、食えよ。セシリアもな。」
セシリア「あっハイ。ありがとうございますわ、社様は戻ってこられるのにお時間が、ありましたがなにかあったのですか?」
社「あー、それな。ちょっと晩飯作りながら説明するわ。コラ、簪。俺のアイス食おうとしてんじゃねえ。」
油断も隙もあったもんじゃねぇ。とりあえず、晩飯を作りながら、今までの経緯を話し処分についても話すと目に見えて二人の機嫌が悪くなった。
セシリア「なにを、お考えなのでしょうか。相手の実力を測らず。ましてや、丸腰の社様に木刀を振りかざすなど。」
簪「社、その人達。潰していい?」
社「ステイ、ステイ、簪ステイ。とりあえず、ハイライトさんを出張させるな。その目は俺にきく。」
いや、ホントやめて欲しい。フランスでの出来事を思い出すから。
社「とにかく、そいつらに関してはお前ら。特に簪。なんもすんなや?フリじゃねえからな。マジのお願いだ。ややこしくなるから。」
簪「分かった。中指だけ立てる。」
社「やめーや、女の子なんだから、大人しくせぇ。」
セシリア「あの?中指を立てるとは?」
社「セシリアは知らなくていい…。簪「こうするの。」実践すんなって!」
セシリア「こうですわね!」
社「やめて!淑女だろ?!」
立てんなってんだよ!イギリス淑女がやることじゃないよ!
雷鳳『あら〜、結構思い切ったことする娘ね♪気にいっちゃった♪ 』
社「雷鳳、頼むからあんまり二人を焚き付けるの止めろよ?何するのか分かんねぇんだからな。特にセシリア。」
セシリア「わ!私ですか?!」
だって、簪は幼なじみだから大体予想つくけど。セシリアとはまだ知り合っての日数が少なすぎて予想できないんだもん。
社「とにかく、二人とも。アイツ等とはあんまり関わるな、念を押すからな。」
二人とも何か思うところがあるだろう。でも、俺の問題で、二人を巻き込むわけにゃいかねぇ。厄介事は俺が引き受けよう。面倒だが…。
簪「社がそこまで言うなら。」
セシリア「分かりました。」
頼んだぞ?こっちから関わることはないが向こうから来る場合がある。その際に中指なんて立ててくれるなよ?
社「ほれ、この話しはお終い。メシ食おうぜ。せっかくのハンバーグだ。温かい内に食っちまおうぜ。」
ひとまず、織斑達のことは放っておいて。晩飯に舌鼓を打とう。案の定、セシリアと簪は喜んで食べてくれた。片付けをしてる最中に何か話し合っていた。会話までは聞こえなかったが、話題はどうにも恋バナっぽかったのでスルーする。
雷鳳(どうしたの?恋バナ苦手?)
正直な、結構苦手。俺どっちかっていうとそんなに好かれる方じゃないと思うんだけど…。
雷鳳(ハァ~~。私のマスター。鈍いのか鋭いのか。)
な、なんだよ?なんで、呆れてんだよ?一応、好意にはそれなりに敏感だぞ?
雷鳳(うーん、ならいいのかな?無碍にしちゃダメだよ?)
しねぇよ。そんな事してみろ、社長やら職員からめっちゃ責められるわ。特に父さんと母さんがなぁ…。
雷鳳(結婚して、16年。未だラブラブカップルみたいな夫婦。あんな夫婦になりたいわね。マスター。)
社「俺かよ?!」
簪「え?社?」
セシリア「ど、どうされましたの?」
やっべ、声に出しちゃった。
社「あー、悪い。雷鳳と喋ってた。びっくりさせちまったな。」
雷鳳『ごめんなさいね、 思念会話控えようかしら?』
社「場所によりけりじゃねぇか?聞かれたくない会話は思念会話にしようぜ。」
雷鳳『そうしましょ。マスターとのお話は楽しいもの。 』
社「俺もだよ。ん?どうした?二人とも。」
簪「ううん、羨ましいなぁって。」
セシリア「そうですわね。専用機との対話、私達IS乗りの最大の目標ですもの。」
雷鳳『私は、比較的に早くに自我に目覚めていたし、マスターとお話したくてずっと待ってたんだもの。』
社「待ってた?」
片付けを終えて、テーブルに雷鳳を置いて会話に専念する。二人も雷鳳の会話に興味深々のようだ。
雷鳳『えぇ、私達はコアだけでは対話は出来ないのよ。仮に対話できても、条件が揃わないと対話すらできないわ。』
簪「条件?」
雷鳳『条件は、そのコアによってマチマチなの。だから私の条件が、そのコアの条件に当てはまるとは限らないわ。後一応、コアにも性別というか、男性側と女性側がいるから。それは、対話してみてのお楽しみね。』
社「あ、一応性別みたいな概念あるんだ。」
雷鳳『正確には、性別というより。個体差って概念ね。私が、たまたま女性側ってなだけよ。 』
なるほどね。つまり、各国の専用機のコアが一律で女性側とは限らないってわけか。これは貴重な話しを聞けたなぁ。しかも始まりのコアの話しだから信憑性は高い。
簪「二式、アナタとお話できるかな?」
セシリア「ティアーズ、私もお話したいですわ。」
雷鳳『二人はまだ、条件が満たされてないから。対話は難しいわね。でも、焦っても私達は応えないから。ゆっくりと歩み寄ってあげてね。』
ん?俺どこで条件満たした?幾ら10年一緒にいたとして、IS起動させたのがホンのひと月前だ。その間に何かしらの条件を満たした?うーん、考えてもわからん。
雷鳳『悪いけど、私の条件はマスターでも教えられないの。ごめんなさいね。』
ふむ、条件については、教えて貰えないと。こればっかりは自分で気づけってわけか。
社「ま、いいさ。その内、解き明かしていくさ。二人もな。」
その言葉に、二人は頷いてくれた。さて、明日から訓練開始だ。今日は早めに休もう、二人を先に入浴するよう言ったが、先にどうぞと、押し切られてしまったので。先に入浴していたら、簪とセシリアが水着姿で突撃してきた。思わず、悲鳴をあげた。だって、こっちは近場にあったバスタオル一枚だけなんだもん。二人には悪いが軽く蹴り出した。ホント油断も隙もあったもんじゃねぇ。入浴を終えて、着替えてから説教しといた。次やったら飯抜きを伝えてから二人を入浴させ。アイスを食おうと思って冷凍庫を開けた。その時、携帯が鳴り響いた。やっぱいいよな、エイムズショットライザーの必殺技待機音。着信画面には、チーフの名前が浮かんでいた。
社「もしもし?チーフどうしたんです?」
束『やっほー!やっくん。久しぶりだね、あれから身体は異常ないかい?』
社「ありませんね、強いて言うなら。食欲が上がったぐらいでしょうか。」
束『にゃはは~♪ それはやっくん、何時ものことじゃん♪』
社「そうですが、それに輪をかけてって感じですね。」
束『そっかー、それぐらいなら問題なさそうだね。社長達も心配してたよ。』
社「うわ、しまった。連絡するの忘れてた。社長怒ってないかな?」
束『大丈夫だよ。私からの説明とくーちゃんが今そっちにいるから。』
社「え?クーさん。こっちに来てるの? 」
束『うん、今は雷ちゃんの専属整備士として。こっちから出向中だよ。』
社「やっべー、クーさん。拗ねてねぇかなぁ。」
束『やっくん、襲われないでね?』
社「それ、性的に?物理的に?」
束『………性的に。』
社「束さん、まだ俺散らしたくねぇです。」
束『うん、いざとなったら雷ちゃんの電撃浴びせれば大人しくなるかも?』
社「確証はないんです?」
束『雷ちゃん次第かなあ?割りと雷ちゃん、身内に甘々だから。』
社「あぁ、ありそうですね。」
雷鳳『今の優先順位はマスター1番よ。』
社「そん時は頼むわ。」
雷鳳『任されたわ。』
束『んじゃ、そろそろ。おやすみなさいだね。ごめんね、こんな時間に電話して。』
社「いえ、大丈夫ですよ。心配かけてすいません。」
束『やっくん、約束して。怪我するのは男の子だから仕方ないよ?でも、死にかける怪我だけはしないで。絶対にだよ?やっくんには私達の夢を叶えて貰いたいから。』
社「分かりました。約束します、死にかけるのはさすがにもうコリゴリなので。」
束『うん、分かった。やっくん。弟くんに負けることはないけど。頑張ってね。』
社「了解です。チーフ、ありがとうございます。絶対負けませんから。」
束『雷ちゃんとやっくんのコンビは最強だから、やっくんは雷ちゃんをしっかり信頼してね。そしたら雷ちゃんの実力は一気に跳ね上がるから。』
社「分かりました。それについては、俺はもう雷鳳のことを信頼しています。伊達に10年一緒にいたわけじゃないんですから。」
束『その言葉を聞けて良かった。じゃ、やっくん。おやすみなさい。』
社「はい、おやすみなさいチーフ。」
そう言って、電話を切ると。いつの間にか入浴を終えた二人がアイスを食べていた。俺もアイスを食べて、歯を磨き。床に、寝袋をセットして寝ようとしたら。簪も入ってこようとしたので空いていたベッドにボッシュートしといた。その隙にセシリアも入ろうとしていたので同じくベッドへボッシュートした。今日は色々あったから疲れたせいか、すぐに眠りについた。明日から更に忙しくなることを予感しながら、俺は意識を手放すのだった。
亀更新ですが、よろしくお願いします。