雷の鳳は天を翔る   作:ルプス・ハティ

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第8話鳳と龍の激突

今日は、クラス対抗トーナメントの日だ。この日のために、今まで血の滲む訓練をしてきた。何回か、走馬灯を見たのがいい思い出だ…。やべぇ…涙が出てきた…。

 

社「さてと、対戦相手は誰だー?」

 

控え室にあるモニターで、対戦相手が分かるシステムはすごい便利だな。ふむ、どうやら。簪と乱ちゃんが対戦か、鈴と乱ちゃんは最初は代表をやる気がなく断っていたのだが、鈴のクラスの代表が風邪で欠場となり代わりに鈴が抜擢されたと聞いた。乱ちゃんのクラスは、部活中のケガでしばらく安静にしとくように言われたって言ってた。そこで、鈴同様に専用機を所持している乱ちゃんが抜擢されたと言ってたな。ただ、2人共今回だけと条件をつけたようだ。幾ら、代表候補生で専用機持ちとは言えまだまだ未熟な部分があるのでと、取って理由をつけていた。簪はなし崩し的に選ばれたと愚痴ってた。あれ?コレ俺クラス代表断れたんじゃなかろうか?

 

社「しまった。断れたじゃん。」

 

雷鳳『でも、断れる雰囲気だった?』

 

社「…ねぇな。」

 

雷鳳『でしょ?』

 

あー、ちくしょうめ。俺の押しの弱さよ、恨むぜ全く。

 

雷鳳『あら?マスター、貴方の対戦相手が決まったわよ。中々面白い試合になりそうよ。』

 

珍しく、雷鳳の声が弾んでいた。そんなに面白い相手なのかと思い俺はモニターに映されたトーナメント表を見て思わず口角がつり上がったのを自覚した。

 

社「確かに、面白い試合になりそうだぜ。雷鳳、アレ使うかも知れねぇ。」

 

雷鳳『使用許諾は、マスターに一任されてるから。好きに使っても問題ないわ。むしろ、今回は私からお願いしようと思っていたもの。』

 

雷鳳が高揚しているのが肌で分かる。実際、俺自身も高揚している。さぁ、面白い試合にしようぜ。

 

~アリーナ会場・第三者視点~

 

MC『さぁ!始まりました!学年クラス代表対抗トーナメント!!今年の新入生には、期待値大の人物が2人もいます!1人は!あの織斑先生の弟!織斑一夏!!現在は諸事情により、参加出来ません!そして!もう1人は!記憶に新しい!2人目の男性操縦者!刀隠社!!なんと!あの織斑先生と互角に闘える新入生!彼の秀麗優美な蹴り技に酔いしれろ!!』

 

そんなアナウンスを聞いて、社はその場に蹲り顔を両手で覆っていた。そんな彼の耳は真っ赤になり、頭からは湯気が立ち上っていた。要は恥ずかしいのだ、彼はまだ16歳の少年。だが、会場は彼とは裏腹に最高潮の盛り上がりを見せていた。

 

社「何あの、アナウンス。めっちゃ恥ずかしい。」

 

雷鳳『盛り上がってるわねー。』

 

社「たまったもんじゃねぇよ。俺は…。」

 

その時、控え室のスピーカーより案内のアナウンスが流れた。

 

MC『まもなく、第一回戦を開始致します。両代表は、至急ピットまでお越し下さい。』

 

その、言葉に社は気持ちを切り替え。自販機で買った缶コーヒーを飲み干し、ゴミ箱に捨ててから控え室を後にした。ピットに行くまでにセシリア達とはすれ違わなかった。それもそのはず、今彼女達はクラスメイトと共にアリーナの観客席での観戦を行っているからだ。クラス代表を決める決闘の名を借りたリンチ紛いの時とは違い、正式な試合なので関係者以外は立ち入り禁止となっているからだった。ピットの前に立ち、一度だけ大きく深呼吸してからピットのドアを開ける。電気ドアならではのモーター音が、ピットに入室する。ふと、見覚えのある女子生徒達が見えたので、軽く挨拶だけしていくことにした。

 

社「こんにちは。」

 

声を掛けられた女子生徒はビクッと、反応を見せ。おずおずと言葉を発した。その間に他の女子生徒もビクビクと怯えた表情をしていた。そう、この女子生徒達はあの時織斑一夏に加担した生徒達だったのだ、違法と知りながらも、織斑一夏の口車に乗せられ、目の前の男性操縦者の刀隠社に蹴り飛ばされたその本人達なのだから、本来なら、退学処分のところ彼の言及のおかげで、奉仕活動と整備班への出向処分だけで済んだのを、後に整備班の人達から聞き及んだのだった。

 

女子生徒「こ、こんにちは。」

 

女子生徒が挨拶を返しくれると、社はそのまま頭を下げ、ある言葉を投げかけた。

 

社「ごめんなさい。」

 

女子生徒「え?」

 

突然の謝罪の言葉と行動に、女子生徒達は困惑した。本来、謝罪するのはこちらの方なのに、何故彼は私達に頭を下げているのだろうかと、困惑した顔をしながら彼女達はお互いを見合った。

 

社「あの時、顔面を蹴ってしまって。ごめんなさい。冷静に考えたら、女の子の顔面蹴るなんてダメだったよな。」

 

彼が謝罪した理由。それは、織斑一夏に加担したことに腹を立てその場のテンションで思い切り彼女達の顔面を蹴り飛ばしたことだった。その言葉を聞いて、キョトンとしているところに彼は続ける。

 

社「旅の時も、結構襲撃されてるから。その時のクセで顔面蹴ってしまった。いくら絶対防御があるとは言え、俺のISはそれさえも突破してしまう。その事を知っていたのに、俺は女の子の顔を蹴ってしまった。だから、ごめんなさい。」

 

納得がいった、彼は優しいのだ。基本的には優しいだが、曲がったことをすると容赦なく怒る。そんな性格なのだと、彼女達は納得がいった。そんな彼を彼女達は、一度とは言え敵に回した結果が謹慎と整備班への出向だった。冷静になってから退学処分にされると思っていたのだが、これだけの処分で終わったのは彼がお願いしたからだと、後に聞いて自分達の行動が如何に恥ずべき事と自覚させられた。

 

アナウンス『両代表は、カタパルトにて準備が出来ましたら、ご連絡下さい。』

 

そのアナウンスを聞くと、社はロザリオに手をあてISを展開させた。軽く機体表面に電流が流れ、エネルギー体のマフラーがたなびいた。そこから、ゆっくりと歩き出しカタパルトに両足を固定させ、管制室に通信を入れた。

 

社「こちら、刀隠社。準備できました。」

 

真耶「確認しました。向こうも準備ができましたので、発進シークエンスに入ります。ハッチ解放、進路クリア、カタパルトのリニアボルテージ上昇。発進タイミングを刀隠社に移譲します。」

 

社「アイハブコントロール、刀隠社。蹴り飛ばすぜ!!」

 

カタパルトが勢いよく、射出され。社の身体は宙に投げ出された。それに合わせ、社はアクロバットを決めながら着地すると同時に会場に歓声が沸いた。中には、横断幕まであり、そこには「ファンクラブ一同揃って応援してます!!」とデカデカと書かれていた。

 

社「え?ファンクラブ?いつ出来たの?」

 

雷『ほら、あのクラス代表決める時の…。』

 

社「マジか…。どうしよう…。」

 

雷『とりあえず、手でも振っとく?』

 

自身の専用機に促されるまま、社は右手を上に突き上げた。すると、先程より大きな歓声が上がり、余計に社は困惑した。

 

社「おいおい、すんげぇことになったぞ。」

 

雷『いやぁ、これは予想外かも…。』

 

そんな会話をしていると、大きなアナウンサーが流れた。

 

アナウンサー『さぁ!降り立った、一筋の雷光!!世界で、2番目に発見され!今や世間を大騒ぎにさせている人物!!疾風迅雷!刀隠社ーー!!』

 

社「恥ずかしい紹介やめれーーー!!!」

 

そんな本人とは裏腹に盛り上がった会場は、最早鎮火不可能なレベルにまでヒートアップしていた。

 

鈴「アンタ、すんごい人気ね。」

 

社「嫌味かこんちくしょうめ。」

 

鈴「率直な意見よ。ファンクラブなんて、いつ出来たのよ?」

 

社「いやー、お前が来る前に色々あってな。どうやら、その後出来たらしい。」

 

鈴「色々ね…。ま、それはおいおい聞きましょ。今は、この武闘劇に興じない?」

 

社「いいねぇ、俺も雷鳳も。早くやりたくて仕方ないんだ。もちろん、お前もな。」

 

その言葉の通りなのか、両者の間の空気が一変した。

 

鈴「そうだ、社。コレ観てくれる?」

 

そう言って、鈴は空間ディスプレイを操作し社の網膜ディスプレイに自身が持つ武装一覧を閲覧した。

 

社「鈴、コレは?」

 

鈴「まぁ見てなさいよ。」

 

再び、ディスプレイを操作すると。全ての武装がロックされた。それを見た社は、ムッと表情を歪め一目見ても明らかに「不機嫌です!」と言ってるような表情と、オーラが鈴には見て取れた。

 

社「オイ、鈴。どういうことだ?返答次第じゃぁ・・・。」

 

鈴「ちょっと落ち着いて、別に私はアンタを嘗めてるワケじゃないの。ただ・・・。私は、素手でアンタに勝ちたいだけ!」

 

そう叫んだ鈴は、中国拳法の構えをとった。その姿に社は、先程の自身の感情を恥じた。そして、同時に思い出していた。それは、まだ社が中国で路銀を稼ぐために鈴の実家で住み込みのバイトをしていた時に良く鈴と乱で手合わせをしていた。あの頃は本当に楽しい時間だった。鈴と乱の中国拳法によって社の動きは洗練された。それは、鈴と乱にも言えることだが、お互いの動きをある程度なら見切れる程にこの三人は手合わせを繰り返した。

 

社(楽しかったなぁ、あの頃は・・・。)

 

雷(なら、あの頃に戻って。試合しましょう。それが、鈴ちゃんに対しての礼儀じゃない?)

 

社(そうだな。なら、相棒。付き合ってくれるよな。)

 

雷(当たり前でしょう。私は、その為にいるんだから。)

 

社は、ありがとう。と雷鳳に伝えると。鈴を見据え、口を開いた。

 

社「鈴、謝る。スマン、勝手に手加減されたと思っちまった。」

 

一瞬、キョトンとした顔をした鈴が、構えを解き。首を横に降り、言葉を紡いだ。

 

鈴「謝んなくていいわよ、そう思われても仕方なかった行動だし。私こそ、ごめんね。」

 

その言葉を聞いて、社は少し意地悪な顔をした。

 

社「まだあるんじゃないか?謝ること。」

 

鈴「うわ、ヤな人~。」

 

そこで、2人は笑い出した。ひとしきり笑うとアナウンスが2人を現実に引き戻し、気持ちを切り替えさせた。

 

アナウンス『えーと、お二人の仲の良さを見せつけられたところで、織斑先生に試合開始の合図をお願いします。』

 

千冬『うむ、では双方。用意はいいな?では・・・。ん?なんだ?ボタンの故障か?』

 

何とも締まらない状況である。

 

千冬『仕方ない。双方構え!!ISファイトー!!レディー!!!!ゴー!!!!!!』

 

その、アナウンスを聞いた誰もがポカーンとしたが同時に、ガキーン!!と金属同士が衝突する音が、鳴り響き観客の視線を、会場へと引き戻した。そこには、鈴の拳を社が足でブロックしている最中だった。

 

鈴「グギギギギギ・・・!」

 

社「ぬぅぅぅぅぅぅ・・・!」

 

互いに押し合いをする度に、金属が擦れる音が木霊し、駆動系が唸りを上げる。瞬間、社の足が鈴の腕に巻き付き残った足で鈴を仕留めんとする勢いで蹴りを放つが、すんでのところで鈴が、体制を強引に変えたせいで社の蹴りは不発に終わった。鈴は体制を変えた勢いを利用し、そのまま社を地面に叩き付けようとするが。社がこれに反応し、両手のひらにPICを集中させ、空中で逆立ち状態になった僅かな瞬間を狙って、両腕の力だけでその場で回転し、その遠心力を利用し鈴を『投げ飛ばした。』投げ出された鈴は、持ち前の反射神経と瞬発力を総動員し、体制を整えながら、地面を滑っていった。辺りに土埃が立ち上り、少しの静寂が訪れた。

 

社「あっぶねぇ、随分レベルアップしたみたいだな。」

 

鈴「それはこっちのセリフよ、絶対アレ入ったと思ったのに。相変わらずの反射神経と身体能力ね。」

 

社「おっかねぇ奴だ。脳天かち割る気満々だったじゃねぇか。」

 

鈴「これなら、アレ使っても良さそうね。」

 

社が鈴の発言を疑問に思っていると、鈴のISの拡張空間から1本の蒼いボトルを咥えた小さな機械のドラゴンが現れ鈴の周りを旋回し、その小さな頭を鈴に擦り付けた。

 

社「鈴、そのドラゴンは?」

 

鈴「この子は、『クローズドラゴン』。私は、可愛くないから『小龍(シャロン)』って呼んでるわ。」

 

社「へぇー、で?その子に何かしらの役割があるんだろ?」

 

鈴「察しがいいわね、この子にはこの甲龍の戦闘力を上げる役割があるのよ、それを見せてあげるわ。小龍!」

 

鈴が右手を掲げると、その手に向かって咥えたボトルを投げ渡した。鈴は受け取ったボトルを振り、キャップ部分のロックをはずすのと同時にドラゴンの頭と尻尾が折りたたまれ、鈴の左手に納まり右手のボトルをドラゴンの背中部分に差し込むと『Wake Up!』と機械の音声が流れ、そのまま腰サイドアーマーのスリットに差し込むと『Are you!Ready?!』と音声が流れると鈴は、1度目を閉じ、大きく息を吸い込むと、カッと目を見開いた。

 

鈴「吼えなさい!」

 

そう力強く宣言すると、『 Wake up burning! Get CROSS-Z 甲龍! Yeah!』と音声が流れると、甲龍の色がマゼンタからコバルトブルーに変わり、肩にドラゴンの爪を模したアーマーが装着され、顔の横には、ドラゴンの頭を模したヘッドギアが装着された。

 

社・雷『おぉ・・・。すげぇ・・・。』

 

思わずハモる専用機と主人公。それに勝ち誇ってドヤ顔する鈴。

 

鈴「凄いでしょう、言っとくけど。戦闘力はさっきの3倍よ!!」

 

次の瞬間、鈴が瞬間加速を使い社の懐に飛び込み。社の腹部に渾身の右ストレートが叩き込まれ、物凄い勢いで社はアリーナの壁に飛ばされると、壁が崩れそのまま社は生き埋めとなった。

 

鈴「ごめんねぇ、加減が難しいからつい、全力で殴っちゃった。」

 

少し挑発気味に言葉を発すると、瓦礫が弾き飛ばされ社が姿を現した。

 

社「痛って~。雷鳳、大丈夫か?」

 

雷『私は、大丈夫。SEを少し持って行かれたわ、装甲及び駆動系は問題なし、戦闘継続は可能よ。』

 

社「了解、ならコイツを使っても問題ないな。」

 

すると、社の右手にメーターのついた赤いトリガーが握られていた。

 

鈴「それは?」

 

社「コイツか?お前の小龍と同じさ、コイツは雷鳳に施されたリミッター解除用のアイテムでな、一応使用許諾は俺に一任されているのさ!」

 

すると社は、トリガーの上部に着いた青いスイッチを押し込むと警告音のような音の後に『HAZARD ON!』と鳴り響き、社はガンマンが如くトリガーを指で回し右側のサイドアーマーのスリットに差し込むと『Are you Ready?!』と音声が流れ、社が構えをとって解放の文言を高らかに叫んだ。

 

社「轟け!!」

 

瞬間、雷鳳を中心に雷鳴が轟き。凄まじい放電が始まり、普段赤く光っている部分が次第に青く輝いていき。放電が終わると、そこには少し身動ぎしただけで体表を紫電が走り、空気がパンッ!と弾ける音が響いた。

 

鈴「うわ、ヤッバ。勝てる気しないわ・・・。」

 

社「言っとくが、これでも1段階リミッター外しただけだからな。全開で外した状態はまだちゃんと制御できてないんでな。コレで勘弁して欲しいもんだ。」

 

鈴は驚愕すると同時に額から冷や汗をながした。

 

鈴(あれで1段階外しただけ?!冗談じゃないわよ?!肌で解る、圧倒的な出力と社自身の強さ、断言出来る。社は、あの織斑先生より強い!)

 

鈴は、自然と恐怖していた。だが、そんな自分を無理やり抑え込み、大きく息を吸い込み、そして・・・。

 

鈴「やってやろうじゃないのぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

咆哮が如く吼えた。古来より、龍が吼えるのは、自身を鼓舞し、成長させるためにとも言われていた。そして、今まさに己を鼓舞し、成長させるために小さな龍が大きく吼えた。勝とうが負けようが関係ない、相手は己より格上。それがどうしたといわんばかりに、吼える。そんな決意を瞳に宿し強敵に挑む若く小さな龍。その決意を汲み取り、全力で応えようとする鳳。静まり返るアリーナ、お互いの呼吸音と空気が弾ける音が支配する中で、観客席の生徒が手にした飲み物の、水滴がポタっと落ちたのを合図にお互いにとびだした。再び始まる蹴りと拳法の舞闘劇、観るものを魅了し、言葉すら紡がせない。そんな不思議な魅力があった。その証拠に、観客席からは、声援が飛ばす実況者である千冬さえも魅了されていた。それからどれだけ時間が流れただろうか、お互いに殴り、蹴りの押収が続き、SEもみるみる減っていた。

 

鈴「甲龍!小龍!お願い!届かせて!あの人のいる、あの領域まで!!」

 

社「雷鳳!まだ行けるだろ!雷が如く!熱く!疾く!」

 

次の瞬間、鈴の小龍から『RadyGo !』と鳴り響き鈴の周りに紅い龍のオーラが飛び、鈴の右足に収束され、鈴は飛び蹴りの体制を取った。

 

鈴「届けええええええええええ!!!」

 

鈴の蹴りは真っ直ぐに社目掛けて疾走し、その想いに応えようと社も技の体制を整えた。同時に社のトリガーから『RadyGo!』と音声が流れた。

 

社「刀隠流・・・。」

 

社は、右足を弧を描くように後ろに引き絞り。カウンターの要領で鈴の飛び蹴りに合わせ、技を発動させた。

 

社「夕立ぃぃぃぃ!!!」

 

蹴りと蹴りがぶつかった衝撃とエネルギーが、観客席のシールドバリアを激しく叩き。観客席から悲鳴が上がるが、当の本人達は押し合い圧し合いの真っ最中なので、それどころではなかった。

 

鈴「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

社「でぇぇりゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

僅かばかりに社の右足が押され出し、鈴は『勝った!』という表情を一瞬浮かべたが、それを良しとしないのがこの男だった。

 

社「雷鳳!脚部プラズマコンバーターを全開にしろ!」

 

雷鳳『おっまかせぇ!』

 

次の瞬間、雷鳳の脚部から膨大な量のプラズマエネルギーが放出され、まるで、翼を広げた一羽の雄々しき鳳が羽ばたいた。

 

社・雷『だぁぁぁぁぁぁぁ!!!』

 

徐々に押されていた社が、鈴を押し返していき。鈴を弾き飛ばす勢いの蹴りは、鳥の鳴き声のような甲高い音を発し遂に、社の蹴りが鈴を弾き飛ばした。

鈴「きゃぁぁぁ!!」

 

弾き出された鈴は、地面を2、3回バウンドした後にアリーナの壁に激突しその場で気絶した。

 

『鳳鈴音選手、戦闘不能により。勝者、刀隠社。』

 

とアナウンスが流れると観客席からは、賞賛の声が社に投げかけられ。その声に社は、ISを解除してから握りしめた右手を天高く掲げると大きく声を張り上げた。

 

社「っしゃーー!!勝ったぞー!!」

 

ひとしきり、勝者の余韻に浸った後に社は鈴に駆け寄り。所謂、お姫様抱っこで抱え込むと、客席からは黄色い声が飛び交う中気恥しい気分で社はそそくさと、アリーナから退散することにした。そんな様子をアリーナの階段端から一人の黒髪の少女が微笑みを浮かべて見ていた。

 

???「フフ、さすがだね。あの頃よりまた強くなってるや、楽しみだなぁ。もうちょっと、もうちょっとしたら会えるからね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お兄ちゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




補足設定

小龍(シャオロン):正式名称『クローズドラゴン』、鈴には可愛くないと言う理由から小龍(シャオロン)と命名される。普段は、神龍の拡張空間に入っており、呼び出すと出てくる。鈴はしょっちゅう呼び出したままで授業を受けたりしている。(元ネタ:仮面ライダービルド)

ハザードトリガー:雷鳳専用アイテムで、雷鳳に施されたリミッター解除用アイテム。ボタンを押す強さでリミッターを段階的に外すことができる。軽く押すと、リミッターを1段階外した状態になり。この時、雷鳳の赤く光るクリア部分が青く光り輝く。強く押すと完全にリミッターを解除した状態になり、全てのパラメーターが、跳ね上がる。この時、クリア部分は紫色に光り輝く。
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