青い狸猫の異世界冒険記   作:クリスチーネ小林

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今回少しごちゃごちゃして分かりづらいかもしれません。何卒ご勘弁を···


27話 ノノカの地球

時は24世紀の未来。野比のび太の孫の孫であるセワシの、更に孫の孫に当たるノノカ・F・タチバナは地球で生まれ、普通に暮らしていた。

 

曽祖父(セワシ)から記録(ログ)キューブを譲り受け、暇さえあれば自身のご先祖様に当たる野比のび太とその親友、ドラえもんの数々の大冒険の記録を鑑賞し、幼い頃より彼らに強い憧れを抱いていた。

 

先祖である高名なロボット工学者(・・・・・・・・・・・)、野比のび太が発明したロボット、ドラえもんとその道具は素晴らしい未来社会を生み出した。

 

だが、その一方で歴史を歪ませる程の時空犯罪者を生み出すなど強い悪影響を及ぼした事により、ノノカの生きる24世紀の未来においては一部の秘密道具を除いて、大半が情報ごと廃棄処分されていた。

 

そんな環境の中、ノノカはいつか自分の手でご先祖様(野比のび太)のようにドラえもんのようなロボットや、その秘密道具を自身の手で作ってみたいと考え、ひたむきに努力を重ね、数多くの発明をして実績を積み上げ、見事24世紀の未来のにおいて最高レベルの工学系の大学に合格するなど順調にキャリアを重ねていった。

 

 

そんなある日突然、原因不明の謎の次元震による惑星消滅事件が起きる。

 

 

初めの内は、遥か遠く離れた太陽系銀河の外れにある既に廃棄された小さい資源衛星が粉々に砕けただけの出来事に過ぎなかったのだが、それを皮切りに周辺の星々が次々と消滅してゆき、人類が未だかつて経験したことのない前代未聞の大災害へと発展していった。

 

この未曾有の危機に対応するため、各国の政府首脳陣は様々な解決案を打ち出した。

その解決案の一つとして、かつて余りの危険性により廃棄された幾つかのドラえもんの秘密道具の復元を満場一致で決定した。

 

当時のノノカはその能力と実績を買われて、学生の身ながら各企業からの指名で災害避難と住居可能な惑星探索との兼用タイプの超大型宇宙船の建造に携わっていた。

 

そんなノノカに政府から直々に、最悪の事態に備え、ある秘密道具を復元してもらいたいとの依頼が来た。

 

その秘密道具こそが『創世セット』である。

 

幼い頃より憧れていたドラえもんの秘密道具の復元···人類の危機の前に不謹慎だと思っていても胸の高鳴りを抑えきれず、ノノカは

二つ返事でその依頼を受けた。

 

しかし、廃棄された情報をサルベージするも肝心な部分の情報が所々欠けており、何より道具の作成に最適な材料が資源惑星の消滅によって枯渇してしまい復元は困難を窮めた。

 

どうにか代用品を使用するなどして工夫し、限られた時間の中、幾度もの苦心の末、ようやくノノカは新しい宇宙と星々を創造する秘密道具、創世セットの復元に成功したのだ。

 

早速、試しに道具を使い新しい地球を創造してみたが、不完全な状態で復元した創世セットで創られた人工の地球は余りに不安定な環境に晒されていた。

 

人工の地球の様子を観測してみると、深刻な天変地異が常に発生しており、空は激しい嵐と雷が疾走り、山脈は噴火し灼熱のマグマが流れ、海は荒れ狂って津波が起きる等、到底人類が移住してマトモな生活は出来そうになかった。

 

更に様々な場所で【次元の渦】が開き、それが原因で惑星の生物が突然変異して凶悪な魔物に変貌したりと厳しい状況が続いていった。

 

そんなある日、ノノカが何時ものように観測を始めると、突然明らかに場違いな正体不明の謎の集団が出現しているのに気がついた。彼らは白衣姿やサバイバル的服装をしており、所持している小さなボールからモンスターらしき生物を解放して、未だ安定していない新しい地球の大地を踏みしめている様子が映った。

 

ノノカは独自に開発してあったサポートAIロボットの『カトウ』を自分の代理にして送りこんで接触を試みる。

 

ファーストコンタクトは大層、驚かれはしたものの、集団の中心的人物のフジ博士が快く話し合いに応じてくれた。

 

彼らの正体はかつてポケモンを生み出し、愛した22世紀の科学者達とその協力者達だった。かつて苦渋の決断により、自ら生み出したポケモン達をこの手で廃棄し、消去しなければならなかった行為を悔やみ、深い悲しみに明け暮れ、ポケモン達の命と存在を否定する22世紀の社会に彼らは絶望してしまっていた。

 

「このまま地球に留まっていてはポケモン達に未来がない····」

 

そう考えた彼らはポケモン達が健やかに自然に暮らせる場所を求め、科学者と研究員、そして博士達の理念に賛同した数多くのポケモンを愛する協力者らが集まり、共に皆で宇宙船に乗り込み地球を飛び出し、新しい新天地を求めて宇宙に旅立つ計画を立て、実行に移した。

 

だが、旅立った宇宙の先で突然何の前触れもなく発生した【時空乱流】によって、宇宙船は残らず次元の穴に飲み込まれる事態となる。

 

亜空間に放り込まれ、しばらく漂っていると目の前に次元空間の裂け目が発生し、博士らは藁にもすがる想いで飛び込むと、たどり着いた先は荒れ狂った未知の環境の惑星だった。

 

何の因果の巡り合わせなのか?彼らはノノカが創世した不完全な地球に降り立っていたのだ。

 

『カトウ』を通じて情報をやり取りして互いの状況を把握するとフジ博士はノノカにある提案を持ちだす。

 

それは極めて強力な能力を持つポケモンの

レックウガ、グラードン、そしてカイオーガと呼ばれる天・地・海を司る3体を活動させてノノカの創った惑星の環境を整えさせ安定させるという案だった。

 

この星の環境の安定と発展を条件にノノカにこの新しい地球でポケモンと共に暮らす事を認めて欲しいと願ったのだ。

 

ノノカはしばらく考えん込んだ後、その提案を受け入れ約束し、彼らと良好な協力関係を結んだ。

 

三体のポケモンの力は凄まじく、瞬く間に環境と気候を整え、安定した土地に22世紀から持ってきた秘密道具で研究施設を設置し、本格的に惑星の開発に取り組んだ。

 

だが、それでも次元の渦の出現は止められず、一部の森では頻繁に規模の大きい渦が生まれ、その影響により元々この星に生息していた動物と植物や、自然現象までもが邪悪で狂暴な魔物に変貌する事態となった。

 

そして、そこはいつしか【災禍の森】と呼ぶようになり、第1級危険指定領域に認定される事となった。

 

災禍の森は惑星を侵食するかの様にその規模を広げてゆき、とうとう研究施設にまで危険が迫り、やむを得ず施設を破棄せざる終えなくなった。

 

断腸の思いでモンスターボールや培養カプセルに眠っているポケモン達を置いて脱出した博士らは必死に対策を練り、苦労の末バリアフィールド発生装置を開発し、惑星全土を始め、その広まった危険領域に強力なバリアを発生させて囲って覆い尽くし、それ以上の侵食を食い止めることに成功する。

 

そして、ミサキを始めとした研究員と博士の志しに賛同した協力者達が危険領域に置き去りにされたポケモンを救い出す活動を昼夜を問わず続けているのだった。

 

 

 

◇◇◇

 

 

    

····話しを聞いていたドラえもん達は衝撃を受けてせっかく用意したどら焼きに目もくれずに頭に入ってきた情報の整理に没頭する。

 

「まさか2世紀先の未来の世界がそんな危機的状況になっていたなんて····」

 

「私達、異世界じゃなくてドラさんの復元された道具で創られた星に居るんだ···!」

 

「ピノとミニドラさんが保管されていたあの地下の科学研究施設もイーブイも、全部その22世紀からやって来た科学者の皆さんがもたらしたんですね···」

 

「次元震による星の消滅···人工の地球···災禍の森···まさかここまで混沌とした状況だとは思いませんでした」

 

 

ドラえもん・佐天・シリカ・雪菜の四人はそれどれ深い息を吐いて考えを巡らせる。ふと、ドラえもんは自分の記憶との食い違いに疑問をもち、ノノカに尋ねた。

 

 

「あっ、そうだっ。一つ気になる事があるんだけど、のび太くんが僕を作ったロボット工学者だって言ったよね?それってどういうことなの?僕の記憶が正しければ大人になったのび太くんは動植物環境保護局員という公務員になってた筈なんだけど···」

 

「ああ、それはね···私の知ってる限りの情報だと、20世紀の過去の世界へ彼の世話をしにやって来た君は、ある日突然電池切れを起してしまい、全機能を停止させてしまったんだよ」

 

「えっ!?電池切れ?そんな馬鹿な···!!」

 

「···事実さ。そして普通ならば単純に電池を交換するだけでいいのだがここで致命的な問題が発覚したんだよ」

 

「致命的な問題って?」

 

「それは記憶のバックアップだよ。

機能停止したドラえもんくんを前に野比のび太くんはタイムテレビで君の妹のドラミちゃんに相談して初めて分かったんだ。

旧ネコ型ロボットは通常ならば電池入れ替え時の補助記憶回路を耳においてあるのだが、ドラえもんくんの場合は耳をなくしてる為、記憶のバックアップがない状態だったんだよ。故に無理に電池交換してしまうと今までのび太くんとすごしてきた全ての記憶を失うという極めて致命的な問題がね···」

 

「そっ、そんなっ····!!」

 

「そして悩みに悩んだ野比のび太くんはある重大な決断をしたんだよ···

自分でドラえもんくん。君を自分の手で直して見せるとっ····!」

 

「のび太くんが僕を····!?」

 

「無理に電池交換して記憶を失うよりも、自らの手で君を、親友を助けたかったんだろうね···そして君がのび太くんの手によって直り、改めて生まれたその日、その瞬間···

地球の文明が一足飛びに進化した日となったんだ。この事実は歴史が狂うほどの危険性をもっているため、全世界のトップ達に未来から『彼の者へノ干渉を禁ズ』とわざわざ通達される程の超重要極秘機密事項なのさ···」

 

「えっ!?私達聞いちゃいましたけど、いいんですかぁ!?」

 

シリカが顔を青くして叫ぶ。

 

「それは大丈夫だよシリカさん。今となっては(・・・・・・)最早さほどの大事じゃないから···」

 

「ノノカさんの話しを信じるならタイムパラドックスが起きたという結論になりますね」

 

「ああ、そのとうりだよ雪菜さん。恐らくあの瞬間こそが様々な未来の可能性が生まれ、数多く存在する並行世界へ枝分かれした分岐点だったのだろうね」

 

「えっと···そうなるとちょっとややこしいけど···ノノカさんの世界とドラさんの世界は同じだけど別の世界という何だか複雑な事になるんですよ···ね?」

 

余りの事実と情報に軽く困惑しながらも佐天はノノカに確認する。

 

「まあ、そういう事になるね。だが事実としてここにいる私自身は、ドラえもんくんの製作者である野比のび太くんの遠い子孫である事に変わりなく、私の生きている24世紀の地球を含めた太陽系銀河の星々は滅亡の危機にある····と、言いたい所なんだが実は

もう既に滅んでしまったんだ(・・・・・・・・・・・・・)······」

 

 

 

  「へっ?」「えっ?」「はいっ!?」

 

 

       ・・・・

 

 

 「「「「何だってぇ~~~~~!!??」」」」

 

 

ドラえもん、佐天、雪菜、シリカ達のこの日一番驚いた声がキャンピングハットの部屋に響き渡った····

 

 

 

 




今回のび太がドラえもんを発明したロボット工学者という設定は、幻の同人誌『ドラえもん最終話』から流用しました。

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