青い狸猫の異世界冒険記   作:クリスチーネ小林

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書き終えて気づいたら、今回ひみつ道具を絡めた特訓をやっていない事に初めて気づきました····ま、いっか。それと後から修正したり、セリフや説明を追加しておりますので時間があったら読み直して下されば嬉しいです。感想もよろしくです。


7話 ひみつ道具で特訓です!前編

異世界生活約3日目の朝がやってきた。

 

 

壁紙寝室やポップ地下室の照明は外の時間に合わせて日の出と日の入りに合わせて自動的に作動する様調整されていた。

その為、地下空間の中においてもしっかりとした生活リズムが保たれていた。

 

 

そんな中、日の出と共に久々の熟睡から三人の内の誰よりも早くに目を覚ました姫柊雪菜は強い決意に燃えていた。

 

 

顔を洗い、歯磨きをし、壁紙寝室から出ると昨日同様にドラえもんも壁紙押し入れから大きな口を開けて一際デカイあくびをして眠たそうな目を擦っているのを見て思わずクスッと笑い、朝の挨拶をした。

 

 

「おはようございますドラちゃん」

 

「ファ~ァァアっ·····あっ、おはよう雪菜ちゃん。昨日はしっかりと眠れた?」

 

「はい。ドラちゃんのお陰でぐっすりと」

 

 

元の世界において雪菜は普段、第四真祖暁古城の監視任務という性質上何時、如何なる場合でも即動ける様に常に浅い眠りで寝る習慣がついていた。だが、異世界召喚により図らずとも監視任務から解き放たれ、不本意ながら深い眠りへと誘われ普段以上に頭も身体も疲労から回復してリフレッシュしていた。

 

 

「それは良かった。あっ、そうそう昨日追加で飛ばした衛星ロケットからの情報でより広い範囲から周辺の情報を得られる様になったから、何とか今日中に人のいる町への比較的安全なルートを構築するからもう少し待っててね」

 

 

「それは何よりです。それとドラちゃん。私から一つ提案したい事があるのですが·····」

 

「んっ?何々?」

 

「それはですね····」

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

「んっ····ん"んん~ふぁあ·····よく寝たぁ~」

 

「ん~っ···おはようございます佐天さん」

 

「おはようシリカさん。···ありゃ?雪菜さんはもう先に起きたみたい。昨日といい早いなぁ····ふぁ~···」

 

「佐天さんはまだ眠そうですね。昨日あれだけ歌いに歌ったから無理もないですけど」

 

「えへへ。久々のカラオケだったんで思っいっきり熱唱しちゃいましたから。でもまさか異世界でカラオケ出来るとは夢にも思わかったですけどね」

 

「本当ですよね。ん~っ、それじゃそろそろ本当に起きましょう」

 

 

二人は顔を洗い、歯を磨いて寝室から出ると目に前に雪菜が頭に鉢巻をし、

体操服(ブルマ)に身を包んで仁王立ちして二人を真っ直ぐに見つめていた。

 

 

「おはようございます!シリカちゃん、佐天さん!」

 

 

「お、おはようございます雪菜さん····って何で体操服なんて着てるんですか?」

 

 

「よくぞ聞いてくれました。これから皆で特訓する為です!」

 

 

「とっ、特訓···ですか?」

 

 

シリカが目を点にして尋ねる。

 

 

「そうです!私は昨日深く反省しました。勝手のわからぬ異世界に無理矢理召喚され、本来なら途轍もなく心身共に苦難し、予想のつかない事故に遭ったりと、本当なら一筋縄に行かないこの状況の下、幸運にもドラちゃんに巡り合い提供してくれるひみつ道具の恩恵にただ甘え堕落し楽しんでしまいました。私は思ったんです!このままではいけないとっ!!このままぬるま湯に浸かっていたのでは何時なんどき襲ってくる予想外の危機に対処出来ません。そこで特訓なのです!!」

 

 

雪菜は固い決心と宣言に鼻息を荒くして起きて来たばかりの二人に熱く語った。

 

 

「えと、雪菜さんの気持ちはわかりましたけど特訓って何をするんですか?」

 

 

「はい。まずはせっかくこの地下室は明るく広いのでまず手始めにウォーミングアップがてら、この出入口を起点にして軽く10キロ程ランニングして頭と身体をしっかりと目覚めさせます。その後朝食を頂き比較的短時間でも効果の高い筋力トレーニングをします。更にドラちゃんのひみつ道具をお借りして身体を総合的に鍛えた後、私自らが二人を個人指導してビシバシ鍛えようと考えています!」

 

 

「じゅ、10キロ走るんですかっ!?じょっ、冗談ですよねぇ!?」

 

 

「いいえ?本気ですよ?でも安心して下さい。初日なので高神の杜での朝の訓練メニューの約半分程度に抑えてありますから!」

 

 

(は、半分!?それじゃ雪菜さんは元の世界の高神の杜にいた時は20キロ···往復して40キロ走ってたのぉー!?)

 

 

佐天は訓練メニューと雪菜が走っていた距離を聞いただけで既に顔面蒼白になっていた。

 

 

「あ、あのね雪菜ちゃん?流石にそれはちょっと厳しいと思うからさ、とにかく朝ご飯を食べてからでも遅くは····」

 

 

二人の驚いてる様子を見てドラえもんは雪菜に提案するが、

 

 

「いいえ!まずは基本の走り込みからです!もう流されて怠慢に過ごすのは縁切りすべきですっ!もちろんドラちゃんも参加してもらいますからね!」

 

 

「ええぇっ!?ぼっ、僕もぉ!?な、な、何でっ!?」

 

 

「····昨日どれだけどら焼きを食しましたか?ドラちゃん?」

 

 

「え、えとぉ····?2、3個位かなぁ~·····」

 

 

「·····いいえ。昨日の朝のおやつタイムに3個、お昼のデザートに1個、私達が超能力訓練から出てきた際のお菓子の受け皿の減りかたから推測して3個、着替えの衣服類の調達に戻った時の減り具合から4個。お夕飯の後にも1個、そしてカラオケルームにて『どら焼きパフェ』なる品に使われていたどら焼きは約2個の計14個食べていました。

明らかに糖質を過剰摂取し過ぎです。このまま行くと糖尿病になってヒドイ目に合いますよ?故に参加を強制しますっ!!」

 

 

「えぇぇー!?僕ロボットだから糖尿病なんかにならいのにぃー!!」

 

 

姫柊雪菜は元来頭が良く、記憶力にも秀でていたが暁古城の監視任務の効果により更に観察力、洞察力などもしっかりと鍛えられた為、ドラえもんのどら焼きの食した個数を正確に把握していた·····

政府認定のストーカー能力が遺憾なく発揮された瞬間であった。

 

 

そんな雪菜の追及を聴いていたシリカこと綾野珪子は昨日どれだけの食事やおやつを頬張ったのか自覚して戦々恐々としていた。

 

 

無意識に元の世界の仮想空間の癖で食べ過ぎたのを悔やみ青ざめていた。仮想空間ではいくら食べて楽しんでも、味の情報が脳内ニューロンに伝わるだけで身体に余計なカロリーは一切貯まらず体型を気にせずに仲間達とよくスイーツ巡りをしたのを思い出し震えが来たのだ。

 

 

(そ、そうだった····今の私は元の肉体に『シリカ』としての能力を宿しているだけで、生身の身体には違いないから昨日の食べた物全部余計なカロリーに!?だっダメだっ!このままだと明日奈さんの様な綺麗でスタイルの良い大人の女性どころか、低身長のおデブにィィー!!だめダメ駄目絶対にだめぇ!!)

 

 

お腹のお肉を詰まんで、最悪な未来の自分の体型をイメージして特訓に密かにやる気を漲らせるシリカだった。

 

 

「あ、あのぉ~雪菜さん?」

「何ですかっ?佐天さんっ」

 

 

「(あっ、圧力がキツイ···)

健康の為のトレーニングは賛成何ですが···その特訓となると少しぃ····キツイかなぁ~って····そ、それにドラさんのひみつ道具があるから多分きっとそこまでしなくても大丈夫ですょ····「「黙りなさいっ!!」

 

 

「ひっ!?」

 

 

「いいですか?佐天さん。そんな風に甘えた考えではこの世界では命取りになります!私の元いた世界でも魔族に吸血鬼、強力な魔術の使い手が存在していました。ましてやこの異世界ならば、未知なる能力を持った魔物や能力者、人知を越えた存在が確実に息づいているであろうこの世界では通用しませんっ!···確かにドラちゃんのひみつ道具はとても頼もしい限りです。ですがだからといって、だらけて良い理由にはなりません!!結局の所どんなに優れた道具が有ろうともそれを扱うのは人間である以上、生かすも殺すも自分次第なのです」

 

 

雪菜の誰よりも説得力のある言葉によってかつての自分の軽はずみな行動と過ちを思い出し、思わず目を背ける佐天だった。

 

 

「····佐天さん。やりましょう···!この特訓をやり遂げてダイエッっ···ごほん、ゴホンっ·····

やり遂げてこの異世界を生き抜いて元の世界へ帰りましょう!!」

 

 

「シリカさん·····うん、わかった。やれる所まで私も頑張ります!お願いします雪菜さん!」

 

 

「二人共、わかってくれてありがとう···嬉しいです。では汗をかいても良いように着替えて特訓開始ですっ!」

 

 

「はいっ!」

 

 

二人は昨日使った壁紙服飾店から体操服

(やや裾の長めの短パン)に着替えてポップ地下室の出入口を起点にして10キロのランニングを開始した。

 

 

「うぅ~ん、何で僕まで····」

 

 

最後まで納得できず愚痴をこぼすドラえもんだった。

 

 

「ではスタート!決して無理せず完走を心掛けて頑張りましょう!」

 

 

雪菜を先頭に他の目的の為に燃えているシリカに佐天、ドラえもんと続いて走り出した。雪菜はあらかじめ距離を測って10キロ先に旗を目印に立ててあり、そこを目標にして皆一直線になって走り始めた。

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

「ふう···いい汗かきましたね」

 

「ええ···(思った程疲れない···?やっぱり

【シリカ】としての身体能力のお陰何だろうけど本当にこれでカロリー消費出来てるのか今一実感が湧かないなぁ···)」

 

 

案の定ランニングは雪菜とシリカのツートップ。そしてドベ決定戦を低次元で争っているのが言わずと知れた佐天とドラえもんだった。

 

 

佐天は同世代の中学生の中でも比較的身体能力こそ高い方だったが特に運動やジャッジメントの活動をしている訳でもなかったのでスタミナに限っていえば極々普通の女子中学生レベルだった。佐天とドラえもんはゼハゼハと息を苦しそうにして目を回していた。

 

 

「ひぃ~····ひぃ~····な···何とか完走·····」

 

「あっ····ひぃ····ぜひぃ~もう僕ダメぇぇ····」

 

 

ロボットなのに何故ここまで息切れを起こすのか?恐らくそこは人間に親しみを持たせる機能と考えるべきなのだろうが···?とにかくドラえもんは青い身体がより青くなって佐天と共に無事ゴールして朝の10キロのランニングをやり遂げた。

 

 

「二人も大丈夫ですか?これお水です。あとタオルも」

 

 

シリカが気を効かせてあらかじめ用意してあったタオルとグルメテーブルかけから水を出して地下室の床に体を預けて激しく呼吸を繰り返している二人に渡した。

 

 

「····あ、あり···がとう···シリカさん···ゴクゴクっ」

 

「ごくごく····プハー生き返るぅ~ありがとうシリカちゃん!」

 

 

渡された水を一気に飲み干して少し余裕のできた佐天がシリカに尋ねる。

 

 

「はぁはぁ···ふぅ···何とか落ち着いてきたよぉ····そういえば雪菜さんは当然として、シリカさんも凄いですね。息を殆ど切らさずにあれだけの距離を完走するなんて···」

 

 

「い、いいえ多分これは私、綾野珪子としての肉体ではなく【シリカ】というアバターの身体能力のお陰なので····」

 

 

「そういえばシリカちゃんはアバターの身体と混在してたんだっけ」

 

 

「いいなぁー羨ましいー!!」

 

 

(私としては数ヶ月前までランドセルを背負っていたとは思えない程の身長とスタイルの良い佐天さんの方が羨ましいんですけどね····)

 

 

ある程度回復した二人を確認して雪菜は満面の笑みで朝食を運んできた。

 

 

「それではお待ちかねの朝食です!今回は特訓に身体が耐えられる様にトレーニング用の特別メニューを私が用意しました。名付けて『姫柊スペシャルEXセット』です!

(提供はドラちゃんのグルメテーブルかけからですが····)」

 

 

「え"っ!?こ、これは·····」

 

 

佐天とシリカは思わずムンクの顔になった。

何故なら三人の目の前に置かれた朝食は筋肉の回復に必要なたんぱく質摂取の為のプロテイン(ヨーグルト味)にデザートにバナナ。

そしてメインは昨日初お披露目されたご飯にマヨネーズをぶっかけ一味を振りかけた

『姫柊スペシャル』に餡子を添えたゲテモ·····スペシャルフードだった·······

 

 

(犬のエサに猫のエサをミックスしてきたあぁぁー!!!!×2)

 

 

「いいですか?まずこのプロテインで効率よくたんぱく質を摂取し、疲れている筋肉を回復します。

そしてこの『姫柊スペシャルEX』でマヨネーズのカロリーと酸味、そして餡子の糖質とご飯の炭水化物で身体の疲労を回復させ、特訓に耐えられる身体を養います!一味の辛さが良いアクセントになって飽きの来ない一品にもなっています。どうです?我ながら完璧なメニューだと自負していますよ!」

 

 

「あ····あわ····アワワ~······」

 

 

自信満々にドヤ顔する雪菜を尻目に

シリカと佐天の二人は身体を寄せ合って小刻みに震えた。

 

 

(う~ん···『ジャイアンシチュー』よりは幾分マシだろうけど····何とかしないと·····あっ!そうだあれがあったな)

 

二人の様子にさすがにこれはいけないと感じたドラえもんはポケットからある道具を出した。

 

(『スーパーグルメスパイス・モトノアジ』ぃ~!!)

 

この道具はどんなに不味い料理も振りかけることでとても美味しい料理になり、匂いまでもが豊潤な香りになって食欲を沸き立てるひみつ道具で、かつてジャイアンシチューに振りかけて美味しく完食した実績を誇るひみつ道具だ。

 

 

「さあ、遠慮せずに召し上がって下さい」

 

 

屈託のない笑顔で『姫柊スペシャルEX』を薦めてくる雪菜に二人は元の世界でも味わったことのない恐怖と絶望に震撼していた。そこにドラえもんが二人の耳元にヒソヒソと囁いた。

 

ヒソヒソ「(二人共これをかければどんなに

不味(まず)···げふん、ゲフン···味覚の合わない料理でも美味しく食べられるよ!)」

 

 

「ほ、本当ですか?ドラえもんさん!?」

「是非、ぜひお願いします!!」

 

 

二人はドラえもんにすがり付いて懇願した。

 

 

「(うん!任せて!)」

 

 

佐天は振りかける所を見られない様に雪菜を陽動をしかけた。

 

「あっ!あんな所に暁先輩さんがっ!!」

「えっ!?暁先輩!」

 

ここは異世界。故に暁古城がいる筈など無いとわかっていてもつい、反射的に佐天の指さした方向に顔を向ける雪菜。その僅かな時間でドラえもんはどこぞのカリスマシェフの様に器用に丸い手でオシャレに、優雅にかつ、エレガントに、ほんの僅かな分量のスーパーグルメスパイス・モトノアジを振りかけた。

 

 

(これでよし。余り振りかけ過ぎてこれを美味しいと認識し過ぎるのも問題だからなぁ·····これ位で丁度いいはず)

 

 

「····って!暁先輩がここに居る訳ないじゃないですかっ!

(思わず振り向いてしまった私のバカ····)」

 

「い、いやぁ~すいません見間違えました····(うぅっ···少し心が痛むなぁ···)」

 

「····もうっ!どうやって見間違えるんですか!それよりも早く朝食を頂いて下さい!」

 

 

「はっ、はぁ~い。い、いただきます····」

 

 

ドラえもんのひみつ道具の効果を信じて口に犬と猫のエ······『姫柊スペシャルEX』を運ぶと····

 

 

「おおぉぉ~こ、これは美味しいですよ!雪菜さんっ!」

 

 

「確かにっ!マヨネーズの酸味と餡子の甘さに一味の辛さがアクセントになって渾然一体になって口に広がりますぅ!!」

 

 

「···え、ほ、本当ですか?···そうですか···♪お代わり出せますから遠慮なく言って下さい♥」

 

 

「はぁ~い♪」

 

 

(フフフ···良かった!効果は抜群だね)

 

 

ドラえもんのひみつ道具によって犬のエサと猫のエサのコラボを難なく乗りきった二人だったが、これに気を良くした雪菜がこれ以降マヨネーズを絡めた独自のスペシャルメニュー作りに精を出す事になるとはこの時まだ、誰も予想だにしていなかった·····

 

 

朝食を終えて休息を取り、次は雪菜指導の元、短時間の筋力トレーニングプログラムへと移行した。

 

 

「では次に筋力トレーニングをします。私は吸血鬼となった暁先輩の監視任務という性質上余り時間が取れないので、どうにか短時間でも身体機能の向上と維持する効果的な方法は無いかと調べてて、先輩の妹さんの凪沙ちゃんから素晴らしいトレーニング方法を聞きました。それが『HIIT(ヒット)トレーニング』です!」

 

HIIT(ヒット)」とは「High-Intensity Interval Training(ハイ・インテンシティ・インターバル・トレーニング)」の略でいわゆる高強度インターバルトレーニングのことを指しめす。インターバルトレーニングとは、高負荷の運動の後に短時間の休憩、もしくば低負荷の運動を行うトレーニングである。

 

 

基本20秒間の間、全力で運動をし、10秒間の休憩を取る。それで1セットとして計8セット行うトレーニングであり、種目も基本のスクワットや、プッシュアップ、HIIT(ヒット)トレーニングの定番メニューのマウンテンクライマー、バーピージャンプ等があり、バリエーションはほぼ無限にあるトレーニングである。

 

「まあ、20秒間だけならどういう事もないかな?」

 

雪菜から説明を受けた佐天は軽く考えた。

 

 

「全力で身体を動かす事により、基礎体力、瞬間力、持久力をまとめて鍛えられ脂肪の燃焼効果も期待できますよ!」

 

「脂肪燃焼····!!佐天さん····全力で頑張りましょう!!」

 

脂肪燃焼効果と聞いて瞳に焔を燃やし、やる気を見せるシリカだった。

 

 

「もちろんドラちゃんも参加して貰いますからね!」

 

「えぇ~!?また僕も参加するの?ロボットだからトレーニングしても意味無いんだけどぉ····」

 

「さあ、つべこべ言わずに行きますよっ!」

 

ロボットとか関係なく強制参加させられるドラえもんだった。

 

 

「始めはスクワットで足腰を鍛えます!では、私と一緒にっ!」

 

 

「ふっ、はっ。

(これ位なら楽勝!余裕、余裕♪)」

 

「はっ、ふっ!

(脂肪燃焼、脂肪燃焼、ダイエット!!)」

 

 

「ふへぇっ、はひぃ~!!」

 

 

セットしたタイマーが鳴り、10秒間のインターバルを取り、次の種目になる。

 

 

「さあ、次はプッシュアップ!所謂腕立て伏せです。キツかったら無理せず膝をついて行っても構いません!行きます!」

 

「ふっ、はっ(ま、まあ余裕かな?)」

 

「はっ、ふっ

(明日奈さんの様なスタイルにぃ!!)」

 

「あひぃ!うへぇ~!!」

 

 

全員何とかこなして3セットに入った。

 

 

「3つ目の種目はマウンテンクライマーです!これは腕立て伏せの態勢から両足を交互に入れ替えて胸に引き付けます。

これは筋トレと同時に有酸素運動なので足腰を鍛えられ、お腹周りの脂肪燃焼も効率良く燃やせますよ!さあ、行きます!」

 

 

「ぜぇ!ぜぇ····!

(くっ····こ、これは効くなぁ···)」

 

「うりぃゃあぁぁー!!

(お腹の脂肪燃焼!!)」

 

 

「あうぅぅ~!?うぐぐぅぅ~!」

 

 

雪菜とシリカは難なくこなしたが佐天とドラえもんの二人は既に限界を迎えつつあった。

 

 

「さあ、4セット目。一周最後の種目はバーピージャンプですよ!これは腕立て伏せの姿勢から両足を同時に胸に引き付けてそのまま両足でジャンプして、その際両手を頭の上で合わせて着地したらまた、腕立て伏せの姿勢に戻り、これを繰り返します。この種目は自分の体重だけでやれる全身運動で、足腰、腹筋、背筋に腕立て伏せの様に腕を曲げれば胸も鍛えられ、瞬発力と持久力も鍛えられる総合的全身運動です!さあ、気合いを入れてやりましょう!!」

 

 

雪菜が声を弾ませて説明するがシリカ以外の二人は既に目を回していた。

 

「はひっ、ぜひぃ、うきぃー!!

(き、き、キツイよぉー!!)」

 

「はっ!はっ!(これは確かに全身に効く····

目指せ!大人のスタイル!)」

 

「あうぅぅ~ぼ、僕もうダメぇぇ~····!?」

 

 

何とか4セットやり終えた佐天とドラえもんは酸欠で顔が青ざめ汗だくになって床と一体になっていた。

 

 

「皆さん一周目お疲れ様でした♪さあ、ラスト2週目行きますよっ!」

 

 

「もう····勘弁して下さいぃぃ~動けませぇぇ~ん!!」

 

 

「ぼっ、僕も····死にそうだよぉ····」

 

 

常に運動している人でも一周目で息を激しくしてヘタリこむ、このトレーニングに佐天とドラえもんは涙ながらに雪菜にもう無理だと懇願するのだった。

 

 

 




今回出てきたひみつ道具のスーパーグルメスパイス・モトノアジは本来の名前は味のも〇の〇とという名前なのですが既に本当にある某調味料と名前が被るのでアニメ放送では実に7回も名前が変わった道具です。今回出すに当たって名前を足して出しました。それとこの話しで出てきたHIITトレーニングは場所を取らずに行えるトレーニングなのでコロナウイルスでスポーツセンターやジムの相次ぐ休館でもこれなら自宅や公園でもやれるオススメのトレーニングです。種目は色々あるのでグーグル先生で調べてお互い頑張りましょう!

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