ポラクス・マルフォイは陰キャを極めたい   作:於涼

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たくさんの方々、誤字報告ありがとうございます。非常に助かってます。これでも自分で何回か確認はしてるんですが穴に入りたくなるぐらい誤字してますね。



15話 僕は血みどろ男爵にお近づきになりたい。

僕が何も嬉しくないポッターストーカーの職を手に入れたことに反し、ドラコはハリーが闇の魔術に対する防衛新任教師ロックハートに良いようにされていること、ロンがナメクジ呪いを逆噴射して自滅したことで、幸せ一杯のとても充実したライフを送っているようだった。

 

そうこうしているうちに、もう10月。

愛しのポッター報告会がひらかれると、ジニーが進歩があったの!と切り出した。

 

「ハリーにね、貴方と知り合いになったって喋ったら"ほとんど首なしニック"の絶命日パーティーに私も貴方を連れてこないかって誘われたの!」

 

絶命日パーティーね……。死んでもなお社交界パーティーという苦行を行おうとする人々の心理が理解出来ない。僕は死んでも行きたくないのに。

 

「ほんとにシグナスはシャイなゴーストね。ハリー達以外に貴方を知ってる人聞いた事ないし。ホグワーツのゴーストコミュニティから外されてしまってるんじゃないか、ってニックが心配して招待してくれたそうよ」

 

「それを余計なお世話と言うんだ」

 

「貴方に拒否権はないわ。ハリーとパーティーで話せる機会を逃すわけないじゃない!!」

 

ゴーストのパーティーにマトモな料理は出てこない。かぼちゃパイを食べ逃してまでパーティーなんてものに行く価値なんてあるだろうか。いや、絶対にない。

 

ハロウィンの夜、僕はリャナンシーが服を選んでいる間に城の庭まで逃亡したのだが結局見つかってしまい強制的にゴーストにされ、地下室のパーティー会場に連行された。

この悪霊は無駄に高度な魔法を扱って僕を追い立ててくる。今まで逃げ切れた例が無い。なんとかして対策法を編み出さなければ。

 

既にジニーは到着しており、パーティーの主役"ほとんど首なしニック"ことニコラス・ド・ミムジー・ポーピントン卿と話していた。

 

編み込んだ赤髪に、薄く塗られたリップ。ハリーと会う準備は万端なようだ。

こちらに気づいたらニックがテーブルを通り抜けながらこちらにやってきた。

 

「これはこれは、貴方がMr.シグナスですね。お忙しいところ私の絶命日パーティーにご参加ありがとうごさいます」

 

「えー、まぁかなり忙しかったー…」

 

「いえいえ、暇していたところの素敵なお誘いシグナスったらとても楽しみにしてたの。この度は501回目の絶命日心よりお祝いー…いや悲しみ?申し上げるわ」

 

リャナンシーにスネを思いっきり蹴られる。

 

「貴女はMs.リャナンシーですね。貴女のこともハリーから聞いていますよ。確かお2人は……」

 

「恋人よ!」

 

「んなわけないよ!」

 

「仲がよろしそうで何よりです」

 

部屋の片隅を1人陣取っている"血みどろ男爵"の方に逃げようとしたのだが、ピーブスに出会ってしまいニンニクスプレーはフクロウ便で購入できるのかしつこく聞かれているうちにハリー達が来てしまった。

 

「聞いちゃった、聞いちゃった !優等生グレンジャーが可哀想なマートルに酷いこと言ったぞ」

 

生徒をからかうネタを見つけたピーブスは意地悪く笑い3人のもとへ飛んで行く。

 

「なんでピーブスなんかをパーティーに呼んだの?」

 

ろくな事しないのに、とジニーが不思議そうに尋ねたらニックは苦虫を噛み潰したような顔になった。

 

「招待しなかったらそれを口実にパーティーを台無しにしようとしてくるのですよ。1回パーティー会場の内装をパリコレのセットにされましてね……私の絶命日を何だと思っているのでしょうか。その時だけ"灰色のレディ"が来てくれましたけど」

 

「まぁ……」

 

いよいよ勝負の時間だと張り切ってハリーのもとに向かうジニーの後ろをノロノロと着いていく。

しかしあんなに鼻息荒くしていたのにハリーと顔を合わせると顔を赤らめモジモジとしだすのだ。

 

「こ、こんばんは。ハリー」

 

「やぁジニー。シグナスとリャナンシーも久しぶり」

 

「ああ、久しぶり」

 

元気にしてる?と言いかけたが、ゴーストの冷気によって居心地悪そうなハリーらの顔を見て口を止めた。

ニックが御大層な挨拶を招待客達にし始めたが、途中で彼が入会出来ずに地団駄踏んでいるらしい首狩クラブの乱入により台無しにされてしまった。無秩序になってしまった会場のざわめきに乗じてジニーがハリー達に先程聞いたニックの死因について話している中、急に話題を振られた。

 

「一思いに切ってもらえないのはキツそうだな……。そういやシグナスの死因は知らないな」

 

ロンの言葉に僕はあー、と言い淀む。正確に言うと僕はゴーストではないし死んでもいない。けど、あえて言うなら……

 

「隣の悪霊のせいかな」

 

「わぁー…やっぱり君たちの話出版社に持っていくべきだよ。きっとドラマ化までしてくれるよ!」

 

ニックがスピーチを始めたが、ジニーは構わず頬を赤らめしどろもどろになりながらもハリーに喋りかけている。

 

その様子からは、あの鶏小屋にいた時の悩み疲れた顔が一切見られない。もう日記を開けなくなったのだろうか。ハリーを見るのに夢中で……。

じゃあ、原作ではジニーが操られて起こしていく事件の数々はどうなるんだ?秘密の部屋は開かれずに終わるのだろうか。安全に過ごせるのは助かるがこの先がどうなるのか。

 

 

色々考えていたが、どうやらある意味それは杞憂だった。

 

ハリーが謎の声を追いかけ行き着いた3階の廊下。硬直した管理人フィルチの愛猫ミセス・ノリスに、窓と窓の間の壁には文字が書かれていた。

『秘密の部屋は開かれたり

継承者の敵よ、気をつけよ』

 

僕は横を見た。そこには信じられない光景に目を見開くジニー。

 

誰が、やったんだ?

 

 

 

その時、僕はすっかり混乱して気付かなかった。

普段付き纏ってくるリャナンシーが何処にも見当たらないことに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

薄暗い部屋の中、1人の幼い容姿の妖精がやつれた男性の石像の鼻先を撫でている。

 

「若くイケメンだった頃を形どれば良かったものを……。アナタが老いた姿なんて見たくなかったわ、サラザール・スリザリン」

 

妖精は酷く辛そうな声でそう呟いた。




あったらそこそこ好評かもしれないものパート4


フクロウ便講座
『ミネルバ·マクゴナガルによる変身術講座上級編』

・講座内容
ホグワーツ教師によるハイレベルな魔法を学べるコースです。
アニメーガスなどイモリレベルから専門家レベルの魔法をカバーしています。これが扱えれば貴方は偉大な魔法使い!腕に自身のお在りの方はチャレンジしてみませんか?

・担当者紹介
ホグワーツ魔法魔術学校で長年教鞭を執っている変身術教授及び副校長。クディチの熱烈なファンとしても有名。その細やかで正確な教え方は誰もが認めるところ。変身術使いとしても教師としても世界トップクラスの魔女です。


注意 : この講座で扱っている魔法は非常に高難易度かつ危険です。実力調査がありますが、決してそれを誤魔化してまで受講しないでください。実力が満たされないお客様が怪我をする事故が多発しています。先日は2人の少年が変身術で法則を無視してステーキを作ろうとしましたが彼らが黒毛和牛になってしまう事故がありました。


☆ご報告
紅魔の里の方々から「ピエル トーテム ロコモータ(全ての石よ、動け)」がご好評の余り在庫切れとなりました。1週間程増刊をお待ちください。
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