紗夜
「満さん、なぜ私たちを連れていかないんですか。」
ごめんね…………急に…………
ぼくもさっき紗夜先輩とばったり会っちゃって…今正座させられて……
いやどういう状況って言われたって、こっちも訳が分からないんだ。話を少しだけ前に戻そう…
数時間前……ボクは海音くんをある場所へ転送した。光と闇の決着の為に……………その後、ボクは香凛を先に帰して、レイさんと一緒にチュチュちゃんのマンションへと向かった。彼女達も、そこに送り光を届けてもらう為にみんなを呼ぼうかと思ったが、RASのみんなは練習なのか、既に集まっていた。
六花
「え?今日は満さんなんですね。」
パレオ
「ですが、今日は海音さんが練習を見るのでは?」
RASは海音くんの指導する姿を楽しみにしてるだろうけど…………この気持ちを踏みにじる感じで口に出すことを躊躇ったが、ここで言わなくては、もっと大きな被害が出るので、意を決してあることを伝えることにした。
満
「海音くんは…………今日は来ないよ。」
ますき
「は?何言ってんだ?まさか、何かあったんじゃねえだろうな?」
心配になるのもわかる。でも、ここで引き下がるわけにもいかない。
満
「話は後でする………兎に角、ボクの手を触れて欲しい。直ぐに送るから。」
チュチュ
「…また、Monster?」
モンスター…………確かに怪物なのは間違いない。
でも、今度の奴はれっきとした人間だ。人間が光の巨人になろうとした姿が相手だ。完全破壊していい怪獣とは訳が違う。
満
「理解が早くて助かる。
僕もすぐに後を追うから、君たちは先に海音くんに光を届けて欲しい。」
光を届けて欲しい…………?そんなのどうやって…………でも、満の表情が真剣な顔つきでとても冗談を言っているようにも、断れる状態でもなかった。
六花
「は、はいっ!!
し、失礼します……」
何とか全員を説得して、満が「頼んだよ」と呟いた時には、満さんの姿はなく代わりに映っていたのは、私達の町とは違った。街中には変わらないけど、奥に城があって日本でも、別の場所にいた。
何とか、RASを送ることには成功した…………香凛達が待ってくれてるといいけど………………あ、香凛達は事務所に転移門が張ってるからそこから移動できるから、それについては心配ご無用。
後は………………Roseliaに会いに行くか……
そう思ってマンションを後にした時に…………………………
紗夜
「あら?満さん…………?何をしているのですか?」
満
「あ…………」
リサ
「どうしたのって……満じゃん!!RASの練習はもう終わったの?」
どうしよう、紗夜先輩だけじゃなくて今井先輩もいるなんて………………RASのみんなを転移させた座標と近すぎる…………もう少しだけ後ろに…………と、背中に何かとぶつかった感触がした。
湊
「どこへ行くつもり…?」
終わった………………湊先輩まで来られたら、もうおしまいだぁ…………Roseliaの中でも圧の強い三人がそろい踏みしてしまったら、テコでも動かないだろう。
あこ
「もしかして、あこ達よりカッコイイことを目指してるの!!?」
燐子
「あこちゃん………でも、心配……です。なにか悩んでるなら、言ってください…………力になります。」
紗夜
「満さん、なぜ私たちを連れていかないんですか。」
そこから冒頭のやりとりへ戻る。
と、立て続けにあこたちが来てしまい、完全な八方塞がり。
逃げ場のない真実にボクはすぐに折れたな……
メンタル弱すぎ?そんなわけないよ。あのRoseliaだよ?無理に決まってるよぅ…………!!!ふと時計を目をやると、もう一分を過ぎていた。
燐子
「サイテックビル…………に…いるんですよね………海音さん…。」
サイテック……九州に位置して最大規模の科学の力とエネルギーを開発している。そこに奴はいる。一分は経ってるからそこに送ることが出来る。
満
「サイテックビルの周辺に君達を送る。
……そこにRASと出会うかもしれないから、どこか安全な場所にいて欲しい………………あと、全員目を瞑ってくれ。座標がズレるかもしれない…………」
と、神妙な面持ちで告げてきた。それは問題ないのですが………
紗夜
「満さんは、どうするつもりですか。」
満
「君達を送った後にすぐ追うよ。」
そんなことが出来るわけがないと思いながらも、そんな摩訶不思議なことが可能なら…………日菜も喜ぶかもしれない。
ごめんなさい…………こんなに自分勝手で…………
でも、世界を救うことが出来るのは海音くんやボクのような怪物しか出来ないんだ。
海音
「……ハァ…ハァ………ハァハァ」
サイテックビルの中に潜入成功。その研究室で標的の雅紀慧悟を確認。逃亡を図り、様々なシステムが妨害に入るが、悪魔となった俺にはどうということは無い………………完全に閉じられたシャッターもこじ開けることなんてわけない。ゆく先々に阻む人間をも斬り捨て、階段をしばらくかけ降りると、真っ白で薬品くさい空間が一転、土埃が広がり、二体の石像が佇んでおり、その御前に台座がある。
そんなまるで地下神殿の如く神聖な雰囲気を醸し出していた。
海音
「ココは…………こんな所にこんな場所が…」
慧悟
「来たか…………光の戦士。」
奴は柱の横から白衣の姿で現れた。くそ、何度会ってもいけ好かん奴だ。しかも、台座をよく見ると、ウルトラマンの光のスパークレンスが供えられていた。
慧悟
「見ろ、この俺の神々しい姿を!!!俺は神に近づいたのだ!!!俺に続け!!!」
さらに、奥をよく見ると、二体の石像が…………一つは怪獣…………もうひとつは………………俺に声をかけたあの巨人によく似てる。
海音
「よせ…それはお前らが悪用していいものじゃない…!!それを下手に手にしようものなら、世界は壊れゆくだけだ!!」
慧悟
「その世界を…………いや、
その『神』を超えたのだ!!!!!
この光を使って、俺は滅びの予言を止める!!」
海音
「…!!
待て…………慧悟!!!!!」
滅びの予言…………あのキリエル人も言っていた。だが、今はそれを気にする暇などなかった。
オレは、慧悟の手を光から引き剥がそうと近づいた瞬間だった。
海音
「ッ!!?
ぐぅっ!!!!」
台座の前まで来た時に、激しい電流が流れ、オレは弾かれて壁に打ち付けられた。あの光は人間には強すぎる光だ………………
慧悟
「俺は進化した人類だ!!愚かな旧人類は、俺に導かれることが唯一生き残ることの出来る道だ!!」
オレが蹲ってる時に、奴は石像の巨人とひとつになろうとしていた。
海音
「……クソ、」
再び柱の電流が流れ何度も弾かれてもう、身もボロボロの時に、
慧悟
「もっとだ…………
もっと『光』をぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」
遅かった………………何もかもが…………満が告げていたことが現実となった。
雅紀慧悟の光を完全に取り込んだ巨人は地上へと突き破り、ある場所へと向かった。
あれ、あそこから何か来る…………
あの特徴的な姿は…………
あこ
「あ、ウルトラマン!!!」
その呼び掛けに反応したのか、巨人は一度立ち止まり、彼女達を見つめていた………………だが、
ますき
「……待て…アイツ…何か変じゃねえか?」
確かに、ますきさんが言う通り、光なのか靄がかかったようによく見えないが、全体的に銀色に輝いていて、胸のラインも似ているが、目が青く、やけにつり上がった目付きをしていた。そのウルトラマンティガ(?)は、どういう訳か、彼女達に向かって…………
レイヤ
「……!!!ティガじゃない!!!」
シャァアッ!!!
黒い光弾を放ったのだ。
何とか交わしたものの、そのウルトラマン(?)は彼女達がいる街………………「熊本城」へ降り立った。
そこから、更なる異変が起きた。
ヴゥウ!!?ォォオア!!!アアアア!!!
頭を強く抱え、しばらく悶えたあと、正気を取り戻したのか、光の靄は完全に消え去り目つきが悪い、悪のウルトラマンが姿を現した。雅紀慧悟の人間としてのあまりに強すぎた野心・慢心さ故、彼の光の意志を闇に落としていったのだ。
そして、
巨人の腕から黒い光弾が放たれ街中を飛び交い、町は壊れゆく。特殊部隊の光線も光弾も、奴の展開した円状の紫のバリアで弾かれ、逆に街に跳ね返ってしまい、全機撃墜。無闇に手が出せないでいた。
ますき
「クソ!!こんな時に海音は何やってんだよ!!!」
チュチュ
「………………くも………よくも、
本物のティガを返しなさい!!」
ヴォォアア!!
すると、一発の光線が奴のバリアを貫き、直撃した巨人は倒れ込み、痺れているのか身体が上手く起こせないでいた。
楪
「まったく、貴方はいつもいつも厄介事を持ってくるわね。」
満
「…………ゴメン、僕も分かってるんだけど…………」
なんと、楪と満の二人が奴の破壊活動を阻害していた。
安全地帯に避難した私達全員がこう祈りを捧げた。
『助けて……………………ウルトラマン!!!』
お待たせしました…………
みんな大好きイーヴィルティガさんの登場です。
当時は僕も闇堕ちウルトラマンの中でも一番好きなやつです。悪役なのに何故かそこにカリスマ性を感じてしまうのですよ。