アタシはあの時から、あの子に惹かれるようになった。通り道の邪魔って言ってたけど、絶対に嘘だ。最初から助けるつもりだった。Roseliaにパスパレの時もAfterglowの時もそう……アレは間違いなく満がやったんだ。その時にも適当な理由をつけて人助けしたに違いない。Afterglowをストーカーしてたって言うのは、真意はわかんないけど……なにか理由があったとしか思えない。
なんだか……クラスの雰囲気がすごい静か……いや、チャラ男達だけがやたら元気だ。ああ、そう言えば考査があるんだっけ。それで、成績が優秀な人にはガールズバンド達と親睦を深められる権利が得られるって……言うアレか……一切興味なかったけど……撤回しようか……
弥助君からガールズバンド達と関わりながら護ってけって言われてたな……全員守り抜くなんて簡単なことじゃないけど……やる他はない。彼らが優勝した暁には酷い有様になりそうだから。ボクも今回ばかりは少し実力を出すことにした。
「おい、テメェ!今回のテスト、絶対に0点取れよっ!!!」
満
「うん、ボクあまり勉強は分かんないからね。羨ましいよ。」
「テメェに言われたって何も嬉しくねぇんだよ!!」
と言っては自席に戻り解答用紙にペンを走らせる。こんな風に適当に言っておだてておけば良いのさ。大した実力もないから……ボクも余計なことを捨てて黙って書くことにした。
ここの教諭はとんでもない人達だった。採点する一人あたりのスピードがかなり早い。10秒で6枚採点してるから凄いものだ。そのおかげでその日のうちに返却されることになった。
剛田
「よぉし!!お前ら、よく頑張った!!今日のうちに答案が返ってきたぞ!!聞いて驚け!!ココに全科目満点の奴がいる!!!」
と言うと、男子生徒は驚いた表情をして、女子達も驚いてはいるがそれより誰なのかが気になってる模様……
待って何か嫌な予感がするんだ……この流れってもしかして……
剛田
「もしかしなくともお前だっ!!!満!!!!」
満
「しれっと人の思考を覗きこまないで欲しいです!!」
そう席を立った時チャラ男達は「なんであいつが…」といわんばかりの表情で睨み、陰キャの男子は素直に尊敬の眼差し。肝心の女子達に至っては完全に勝ち誇ったかのような感じで胸を張っていた。まるで、ざまぁみろと言わんばかりに………果たして、こんなんでコレからの生活やっていけるのだろうか…………。
また調理…ウチは専門学校じゃないんだ。毎日のように調理があったらさすがに飽きるし内容も尽きるだろう。
展開はまたしても、取り合いの画になってしまった。嫉妬を向けられ、尊敬され、昇天すると……まあ、それはそれは酷いカオスなことになってしまってる。
「なんであいつばっかりいい雰囲気になってんだよ!!」(知るかバカ野郎…)
「でもホントなんでも出来ちゃうんだからすごいよ。」(君らも頑張ればできないことじゃないはずだよ。)
「きゃわいい…!!クッ、あたし達の生涯に……一遍の悔いなし……!!!」(……もう、突っ込まんぞ。)
何かとチャラ男達は騒いだけど、剛田先生が怒鳴った途端に急に静かになった。まあ、剛田先生にフルボッコだドン!!されたくないもんね。
今日の授業は終わった。さて…………帰ろ…………
『総合学科の満さん、大至急学園長室に来てください。』
と、そうも簡単にはいかなそうだ。周りの人もなんだなんだとザワザワしだした。仕方ないのでサッサと向かうことにした。
扉に手をかけた瞬間、勢いよく開かれた。こんなことをする人は大体想像つく……
日菜
「満く~〜ん!!!」
彼女だ。勢いよく飛び出してくるものだからサッサと避けたら良かったが、その先には階段なので大人しく倒されることにした。
こんなことを誰かに見られでもしたら大惨事だが、彼は一切戸惑うことなく、「離れてください」と端的に言ったのだ。ここまで来れば彼はもはや機械だと勘違いされてしまうが、人間(一応)だ。
けど、部屋にいたのは日菜さんに輝夜さんだけじゃなかった。
ボクは日菜さんを上手く退かして、立ち上がった。よく見たらAfterglowのみんなが勢揃いしてるじゃありませんかヤダー…
輝夜
「彼が貴方達を助けたって言ってるんだけど、それは本当なの?」
と、単純な事を聞かれているはずなのに……すぐに答えることが出来ない…………ホントなら奇跡を利用して記憶を操作することも出来たが、そんなことをしてしまえば、ボクの正体がバレてしまうため、ここは大人しくこう答えた。
満
「……はい、ストーカー被害にあってるってクラスを通して……聞きました……無事で何よりです。」
輝夜
「そう、そんな貴方に是非お礼がしたくて羽丘からわざわざ来てくださったの。良いわよね?」
羽丘から……そうか……授業が終わってからすぐに来たって訳か……すごいな……
満
「分かりました。丁度いい場所を見つけたので、連れていきます。」
そういうと、彼女達は少し警戒しながらも僕の後へついて行く。その途中で、やはりこんなことを聞かれた。
巴
「あの、ここまで親切にして、ありがとうございます。」
蘭
「あそこでストーカーしてたのアンタだよね。」
そういうと、ひまりが注意してそれをつぐみが宥める、そんな画が出来上がる。
満
「気を使わなくて大丈夫です。ストーカーと言いますが、任務の一環です。それだけはお間違いなく……。」
モカ
「ねぇ〜どこに向かってるの~?」
満
「……あなた達にお礼を受け取る前に一悶着ありそうなので……早めに帰してあげる必要があるんです。」
ひまり
「ひょっとして、誰かに脅されてるの!?」
と、大袈裟なリアクションをとるリーダー…ほんとに面白い。全く退屈しなそうだ。
満
「ここからの行動はそちらに任せます。少し危険を伴うので、来るなら席に着いて下さい。」
そういうと、彼はドームの中に入っていくので、私達も帰った方がいいんだろうが、お礼も返せてないし、モカも興味津々にしてたから、仕方なく着いてくことにした。
彼女達は着いてきたか、ココからは少し危険なゲームが始まるんだが……中々に覚悟があるね。
「おい、テメェ何Afterglowと喋ってやがった。」
満
「…無駄口はいらない……早く始めよう。」
「ケッ!!そういう余裕でいられるのも今のうちだ!!」
そういうと、複数の取り巻きたちを引連れて車に乗り込んだ。
蘭
「ねぇ、コレってレースだよね。ココがサーキットなら……」
つぐみ
「うん、テレビで見たことあるけど、少し緊張する。」
僕もだよ……怖いさ……。でも止まってなんてられない。ボクはレース時のウェアに着替え、バイザーヘルメットを取り付けて、あとは……相棒の出番だ。相手がハスラーなら、コッチはMAZDAで行かせてもらう。
ー3ー
ー2ー
ー1ー
ーSTARTー
アナウンスと同時に両者走り出す。基本コースは一本道だが、車のガソリンは少量になってる。暴走でもされたら一溜りもないからな。
やはり、日本車は違う。スピードこそ遅けれど、カーブにおいてはこちらが完全に有利だ。それに、アイツは最初から飛ばしてる。そんなことすれば……
ボンッッッ!!!!!
「な、なんだ!!トラブルか!!?」
うん、トラブルだね。タイヤが外れたんだもん。
モカ
「おぉおお~〜!白熱してますなぁ〜。」
あのモカがパン以外に興味を示すことには驚いたが、惹かれるものがあるのは事実だ。レースを走る彼はスゴイ楽しそうで、一番生き生きしてる表情だった。
つぐみ
「……かっこいい…。」
と、つい無意識でこぼれてしまう。
ココにも恋に焦がれる少女が一人……また一人と増えていく……。
レースも終盤さしかかろうとした時、ひとつの異変に気づく。
クククク……フハハハハッ
城内から響く悪の呻き声。これはマズいと、今まで余裕を見せたがここでアクセルを全開にして一気に追い抜き、そのまま完全独走。ゴールと同時に車から飛び出しその場で静かにその気迫を探った。すると、そこには姿は見えないのに、無数のナイフが飛んできた。そして、ある声が聞こえた。
「殺してやる!!人殺し!!」
そう言うと、なんと紗夜さんとAfterglowをつけてたアイツが姿を現して包丁を突き立て突進してくる。なるほど……彼もまた力を持ってるって訳か……
彼女達は彼の記憶操作でここでの戦いの記憶を消した。
満
「ホントにしつこい……そういうの……ボクは嫌いなんですけど。」
「うるせぇ!!テメェのようなクズがこの世界に来るんじゃねぇ!!!」
満
「_________ッ!!!!!!!」
そこからボクは何をしていたのかは分からない…………でも、ボクの手は紅く染まっていて、ヤツの首だけが消えた死体が転がってるだけだ。ボクはその死体を刀でぶった斬り、その肉塊を食べた。
満
「……コレも違う……こんなんじゃあ……」
彼はあまりの力の不出来さに失望しながら彼女達を引き連れ、その場を後にした。途中、どうしたのと聞かれることもあったが、何でもない……平気ですとの攻防戦を繰り広げ、いつの間にかライブハウスに着いていた。彼女達はここで練習をするので、折角だから見学させてもらうことに………。
そう、これでいいんだよね。食べるなんて普通じゃないかもしれない……そう思う人間は少なからずいるはずだ。僕だってそう思う。でも、それが父さんが言ってたことだからそれを守る他はない。言いつけだから……………生き延びるためだから……………
けど、ホントに……………コレが正義なのだろうか…………正義ってなんなんだろう……父さんは多くの人の命を大事にして、守るために強くなれって正義感の塊のことを言っていた………でもいつからだろうか……そんなことを一切口にしなくなった。寧ろ、不要な人間を全て殺せと言ってくるようになった。
果たして……………………ボクがなりたかった正義って………………どんなものなんだろう………。
もし、今までのコレが正義でなかったとしたら?
光を受け継ぐよう教えられたボクが悪だったら?
それは、ボクを産んでくれた父さん達に顔向けできなくなる。
なら、ボクは………………どうあるべきなんだ?
己が思うままに動き、
破壊と殺戮を繰り返す『悪に堕ちた正義』か……
己に定められた運命を壊し、自身が見つけた答えを自分自身で繋げていく『正義を知った悪』か………
最初は、悪逆非道の限りを尽くしてるつもりだった彼だけど、自分の行動の意味に迷いが見え始めて、最終的に人類を守る悪として目覚める…っていう展開……ボクはわりと好きです。
ヒロインは誰がいい?
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山吹沙綾
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美竹蘭
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上原ひまり
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羽沢つぐみ
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丸山彩
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大和麻弥
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若宮イヴ
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湊友希那
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氷川紗夜
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今井リサ
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白金燐子
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瀬田薫
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松原花音
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奥沢美咲
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倉田ましろ
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二葉つくし
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桐ヶ谷透子
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朝日六花
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バンド毎のルート制作希望す
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その他のキャラ(必ずコメントすること。)