……家族………………家族、ねぇ…………
オレはその単語に対して心がナイフ以上の刃で切り刻まれた感覚におちた。少なくとも吾郎に会って、あの光の巨人に同化してからずっと変なんだ。おかげで離れようにもあの問いに反応して動けなくなってしまっている…………。
海音
「……家族…仕事だから戻ってきてない…。」
そう誤魔化すしか無かった。
六花
「…そ、そうですか…」
何やら少しだけ寂しそうにしていた。たとえ、相手がオレであっても他人を救うことくらいは…………いいよな…?
海音
「話は少し変わるんだけど、RASはどんなライブをしてたんだ…?」
六花
「はい、来年の秋に『girls band challenge!!』に出場するんですが、あの、レイジさんも出るんですか!?」
本当に…六花の奴…………ライブやポピパのこととなると、止まらないな…別に悪い気はしないけどな…………レイジなんて、言われたのはいつ以来だったかな…………思いだそうにも靄がかかったように思い出せない。あの時は俺たち全員が純粋無垢だったから、今が楽しければそれで良いって感覚だったからな………。
オレが居て、
香凛がいて、
満が居て、
結莉が居て、
夏那が居て初めて
………………『オレたちの大事な時間』だったからな。
男女比2:3だが、それでも仲良くやれてたから十分だった。一緒にバカやって先生に物凄い叱られて、その度に笑って………………そして、EBAに出場しては毎回最優秀賞を勝ち取って殿堂入りを果たしたり、いつの間にかEBAの優勝者を決めることからオレたちのチームを超える為のバンドの誕生を目標とされていたり、あの時はホントに楽しかったし、結莉も夏那も香凛も、それについては記憶には残ってるだろう…………そう、
…満の{過去の秘密}を知るまではな…………。
「…………さん、
海音……さん!!」
海音
「…………んあ?どうした。」
そうだ、オレは今はレイジとしての海音だ。六花もその事で頭がいっぱいなんだろう…………過去をいつまでも引きずったってどうしようもないんだ。オレは、可能な限り出場する旨を彼女に伝えた。するともう喜ぶこと喜ぶこと…跳ねてやがる。本当に可愛いやつだな。
六花
「あ、あの…………お顔…近い…………です…////」
あ…………。
今この状況を理解したオレはすぐさま彼女の肩を掴んでいた手を離し、寄せていた顔を離した。
海音
「…悪い……不用意に近づいてしまったな…………詫びにオレのギター…………聴くか?」
こんなことをして許してもらおうなんて、俺の気がおかしくなりそうだった。
六花
「えぇえ!!?レイジさんのギターを生で聴けるなんて…!!」
…………なんか、すごい喜んでるんだが、正解だったのか?まあ、それで喜んでくれるって言うなら、俺は迷わずに選択するだけだ。
そして、オレと六花は店長に伝えたところ、秒で快諾してもらった……そんなんでいいのか店長…………周到すぎやしないですかね……。
これより、オレは六花にワンマンライブを披露しなきゃならない。曲名は…………[HERO]で良いか…。六花なんて、これを聴きたいがために身を乗り出してるから……危険ではあるものの、決して悪い奴ではないことが改めてよく分かった……。
海音
「それじゃあ、堪能してくれ…………オレの音を……」
ギターを弾く海音さんの姿…………ほんとにカッコよすぎです……それに、研ぎ澄まされた歌声……お客さんへ向けるその視線と、正しく絶対王者とも呼べる迫力ある衣装…それらが重なってもう凶悪ですよ〜……。もちろん1フレーズも逃さずに聴きましたから…………そんな私には一つ悩みがあった。
海音さんを見ていたら…………
自然と心が騒がしくなるんです……。
この心のざわめき…………その正体が未だに分からない…………
って!!
いけないいけない!!今は海音さんが私の為にギターを弾いてくださったんだ……せめて、気持ちだけでも……!
六花
「…す、凄いです!!RASやポピパの皆さんとはまた違った個性が強く出てます!!こんな私の為にここまで尽くしてくれて……申し訳なさでいっぱいです……。」
海音
「……六花がオレなんかの音で幸せなら、オレは構わない……」
と、顔を俯いてステージを降りた。その時に薄ら見えたのだが、頬を少しだけ赤くしながら微笑んでいて、瞳は……少しだけ…どこか『寂しげ』だった。
ともあれ、満さんのおかげで海音さんとの距離も縮まったことですし、感謝しかありません。
六花の奴…………随分と嬉しそうだな。ポピパに関する情報もそうだが、好きなことに関しては熱中しすぎて周りが見えなくなる…………そこをオレが守ってやらなきゃならない……………………
…六花を…………守る………………?
オレは、何を………………言って…る?どうにも六花と一緒にいると、こっちまでもが変になる。
その日はお互いに妙に緊張してよく寝れなかったと思う。
満
「…海音くん………君のRASは、きっと成長する。それは僕のRoseliaも同じように……でもそれにも乗り越えなきゃならない怪物が出るだろうね…………。」
満
「悪に落ちた人間もやがて現れる………………そして、そいつが巨人となって君とぶつかるだろう……」
旭湯の屋根上から漏れ出たつぶやきも、静寂な月夜によってかき消されていく。
海音
「…………ん、」
眩しい日差しが射し込んで朝を告げる鈴の音が響いた。オレはこの鈴の音色を頼りに起きている。今回は音が小さかったが、まあいい。あの湊から返しもらった石もある、閻魔刀も俺の横にある。のだが…………その向かいに…………
六花
「スゥ……スゥ……」
…………六花が凄く心地良さそうに寝てる……しかもオレの布団に若干入り込んでるし…そんなに一緒がいいのかよ…………って言うより、この状況をどう打開すればいい…オレ、六花に思いきってガッチリホールドキメられてんだが、動けないし体の至る所が痛い。相当寝相が悪いことを理解したオレはどこか懐かしく思えた。
確か、前にも………………こんな風景が…………
アレは、オレ達5人が初めて会った時の事だったか……
気持ち良さそうに寝てる満と、
満を理解して膝枕してる夏那が…………
海音
「……ッ!!!!?」
途端に、激しい頭痛を訴えてきた。近くに置いてあり、普段から世話になってる薬を投与した。
しばらくして痛みはひいたが、探してる時に起こしたのだろう、六花が寄り添ってた。
何?
抱かれて胸どれくらいあった?
気持ち良かった?
………………そこまでして消えたいかよ……、
まあ、気分は上々とでも言おうか。
オレは今日のスケジュールを一通り目を通した。今日は、満は撮影か………………満のやつ…………ホントに無理しすぎな気もするが、大丈夫と貫くし、そういった点では強引だし頑固なところなんだよな…………まあ、そこが頼りになるんだがな……
なんの撮影かって?
そんなの……俺の口から言うのはタブーなんでね。
悪いが満が喋るまで気長に待ってくれよな…………。
さて、六花も業務に入ったみたいだし、オレもそろそろ出発の支度をした……目的地はあの有名な活火山だ。その為に弥助を使って欠席にしてもらったんだからな…………あそこにはオレの夢が詰まった場所なんだ。
六花
「あ、海音さん!!お出かけですか!」
海音
「ああ、ちょうど里帰りがてら土産物を買うつもりだったが…………来たいなら、RASのみんなに伝えてきなよ。費用はこっちが持つし、時間も少し余裕があるからな……」
六花
「わ、わかりました!!すぐ連絡します!!」
そういうと、六花は大急ぎでメールを打っては、どこから持ってきたのか、謎に大きなキャリーバッグを持ってきてるし、おまけにオレは2泊するのだが、ちょうど3日分の荷物が積まれているところから、
(あの店長の仕業か…………)
と、秘密にしてた一つを軽々口にした店長に苛立ちを募らせるも、感謝もしてたりする。店長の事だからすぐに言うのだろうが、そうでなきゃ六花の奴が寂しそうに待ってる未来が目に見えたからな。
六花
「皆さんもコチラに向かってるらしいので……『Hey!!』ひうっ!!?」
チュチュ
「ちょっと、普通に声掛けただけなのになんでそこまで驚くのよ!!」
海音
「…………本当にすぐに来たんだな……毎度毎度驚かされるぜ……とりあえず忘れ物だとか戸締りはしたな……?」
ますき
「ああ、お前がどこに連れてってくれんのかすっげえ楽しみだ。なあ、六花?」
レイ
「ふふっ、実際に呆れるくらい六花の惚気話聞かされたもんね。」
六花
「や、やめてください〜!!」
海音
「……ありがとうな。」
結局何だかんだ言っても、俺もRASのことが心配だったりもする。
海音
「さあ、もう出発だ。楽しんでもらえれば光栄だ。」
『はい!!!(ええ!)』
こうして…………
俺の寂れた旅行改め……
RASと一緒に旅行兼里帰りが実行された。
うーん、ウルトラマンってやるとなると…………展開が急に変わったりするから大変なんだよね…………まあ、大好きだから頑張るけども……(´。•ᴥ人)シクシク…
ほかのバンドの交流を見たいかな?
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もちろん!ってかやれ
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要らん、早く次の怪獣と戦わせろ
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ほかのメンバーともイチャイチャしろ
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早く満のエピソードを作れ
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そんなことより吉野家の牛丼食べたい