死神ワールドに転移したが全力で米花町を脱出する 作:伝説の類人猿
方言女子難しい……可愛いけど
「ああ“〜やる気しね”えぇぇ……」
なんかもうさ、何もかも諦める境地に至るときってあるよね。今がそうなんだけども。
「大体なんだよ怪盗って……。やってることただのスリじゃねぇかっての……」
無気力の時って何してもうまくいかないし下手に動けば余計に被害が広がるよな。なんなんだろうなあれって。
ちなみに既に被害を被ってしまっていたりする。
具体的にいえば最低限水分補給ぐらいはしようと冷蔵庫に向かったら途中でつまづき掛けて思いっきり壁に腕が当たった。地味に痛いしストレスが溜まって控えめに言って最悪すぎる。
これがまだ人間が掴める範疇の物ならさ、こう何してやがる畜生!って言って叩くぐらいは出来るけどさ、相手壁だぜ?
叩いてもダメージはこっちにしか来ない。おのれ。
「……あれが一応頼みの綱だったんだけどなぁ。…………それも最後の」
これまで色々な手段で米花町脱出を図ってきたわけだけどもそのことごとくが最終的に失敗している。
転校とか物理的に家を消して強制リスポーン(一年で米花に戻ることをそう名付けてる)を不可能にさせたりとか。
ちなみに前者は全くの無駄に終わった。頑張って途中入学するために試験も受けたんだけど気がついたらいつもの高校に通ってた。
後者に関しては家がなくても問答無用で空き地に転送されてた。
これぞホントの家なき子。同情するならせめて時を進めてくれ……‼︎
まぁこれ以外にも思いつく限りのことはしてきたわけで、後やっていないことと言ったら黒の組織を壊滅させるとかなんかそういう難易度高すぎるものばかり。
というかこれに関してはそもそも実態不明、規模も不明、ラスボス誰かも分かりませんって状況だしどうしようもなくね?
比較的成功する可能性が高くてなおかつ実現性が高かったのがキッドの仲間になるってことだったわけなのだ。
……もっとも肝心のキッドには拒否られ全力で逃げられたけど。
頑張って持ち得る限りの追跡装置とかつけたんだけどなんで全部無力化されてるんですかね……。
改めてこの世界の人間は人外ばかりなんだなって再確認させられたわ。
「あー……いかん。あんまりにも悪い方向にばかり考えていると本当に悪いことが起こりそうだ」
とにかく前向きに、出来る限りポジティブに思考を巡らそう。
兎にも角にもこの数年間にわたる脱出とその度に得られたデータを見ればもはや脱出は極めて困難だと読み取れる。
であるならばもう次善策として「少しでも事件と接触する回数を減らす」方向に舵を切るべきなのだ。
「問題はどうやって事件と直接合わずに済ませるかなんだよなぁ……」
一応無いわけではなかったりもする。
「事件に関わりつつ危ない所とは距離を離せる場所……。やっぱ灰原ポジだよな」
コナンの無茶振りに素早く答えるのがお仕事です!アットホームで職場は自宅からすぐ近く!給与なし。
まぁ最後のは別にどうだっていいんだけど。
問題は……
「でもこれだと灰原とポジが被るんだよな。当たり前だけど。……俺灰原より有能になれる自信がないんだけど」
無限の時間があるからと言ってその時間を勉学に当てるほど出来る人間じゃない(断言)。そんな俺にとって参謀ポジとかもっとも似合わない(血涙)。
そもそも俺は考えるより行動するタイプだし。
小学一年生に知力で負ける高校生とはどうなのか?お前にプライドはないのかだって?
断言できるが無い。それに灰原は小学生の器に収まらない存在だから例外として扱うので問題なし。
「もういっそコナンたちを運ぶドライバーになろうかな……。大型免許……あっそういや免許取れないじゃん」
ワロスwwwwww…………。
やっぱループがネックすぎるんだよ。何やっても未成年のままじゃなんも出来んわ。
本当に嫌だけど百歩譲って殺人事件はしょうがないとしよう。もうそういう世界なんだし。
けどこのサザエさん時空が続く限り一生学校生活に縛られて自由な時間が確保できなくなる。
せっかく無限にある時間を有効活用しようとポジティブに考えても昼は勉強で夜は事件とか心も体も休まらないんだよ本当に。
不登校になればって?もう何回か試したけど最終的に毛利さんが出張って来るから無意味だったな。
というか俺が学校に行かないことで事件につながるっていうパターンすらあったからもう大人しく登校してる。
ただし授業は寝てるがなッ‼︎
いや流石にもうループしすぎて教員の考える問題形式も覚えちゃったし正直楽勝ですわ。
おかげで今では頭はいいけど性格がダメっていう典型的知能キャラの貫禄すら……見せれてないな。忘れてくれ。
ともあれ本格的にやる気も落ちてノイローゼになりそうだ。太陽光浴びて体内にいい感じのなんかを生成しないと(使命感)。
『ピンポーン』
「あれっ?今日なんか届く日だっけ?」
でもアマズーンの商品てさくらレビューが多いんだよなぁ。果たして今回は当たりか外れか。
「はーい、どなたですか?」
「どなたってそんなぁ決まってます。あなたに助けられた女の子ですわ」
「へ?」
なんかブロンド?金髪のおっきなお胸のめっちゃ可愛い子となんか裏稼業してそうなキリッとした目の男が居るんですけどまたこれ事件ネタですか?
*****
「はぁ……、百人一首をしていらっしゃるんですか」
「えぇそれはもう、ウチこれでも少しばかり物覚えが良くてですね。それなりにその分野では楽しませてもろてます」
突然現れたこの美少女の名前は大岡紅葉というらしい。
アマズーンでなかったことと、まったく予期せぬ女の子の訪問という人生において数回しか経験のない出来事でしばらくフリーズしていたのは内緒である。
それはそうとしても、物覚え……いいなぁ。俺も欲しかった(血涙)。
いやこれでも暗記能力を上げようと色々頑張ったんだけどさ、悲しいかな俺の脳みそはファミコン以下だったのだ。
「それで……えっとその、大岡さ「紅葉でええですよ」……えっ、いいやぁ…………」
何なのこの人⁉︎いきなり名前呼びをしろだと‼︎
自慢じゃないがこちとら男ですら名前呼びするの恥ずかしいんだぞ‼︎
えっそれは異常だって?……そんなぁ。
「あ、あーあはは。それで、その……紅葉さんはどうしてこちらに?その、正直縁もゆかりもないと言いますか、関わりがないといいますか……」
「縁もゆかりもないなんてイケズやなぁ一郎はん。ウチのこと、本当に覚えていませんか?」
いやいやいやいやいやいあいあいあいあいあ‼︎(クトゥルフ的発狂)
こんな美人で!おっぱい大きくて!可愛い方言女子!会ってたら絶対に覚えてるはずなんだよなぁ。
まさかハニトラ⁈とうとう数少ない金持ちというアドバンテージすらコナンワールドの住人から奪われてしまうのか‼︎
金なんだな!金なんだろう!むしろよくよく考えれば俺って金持ちじゃん!絶対に事件に巻き込まれる立場じゃん!
「やべぇよ……やべぇよ……」
(あーこれはまったく違う方向に考えがいってはりますなぁ)
そういえば今更だけどここってコナンワールドだよな⁉︎そうだよな‼︎
ほとんど高確率で身内が真犯人の金田一とか混ざってないよな⁉︎
落ち着け……落ち着くんだ俺……。
こういう時はひっひふーだったよな!
「盛大に勘違いしているみたいやけど本当に覚えておらん?」
「ひっひふーひっひふー……。すみません。本当に覚えてないんです。せめてヒントをください」
「正直な人は好きなんで許しちゃいます。ヒントはなぁ、大阪・京都・爆弾・紐なしバンジーってところです」
大阪・京都……紐なしバンジーに爆弾騒ぎってあれ………………。
「あ“あ”‼︎思い出した‼︎俺が死にかけた死神による死神のための大阪京都爆弾旅行(物理)事件の時に最後に一緒に清水寺の上から抱き合ってジャンプした女の子ォ‼︎」
具体的には第一話でチラッと出てきた事件の被害者じゃねえか‼︎
そうだそうだ、あん時マジでなんやかんやあって清水の舞台から紐なしバンジーしたんだ!
そんでもって最後は俺がヤケクソになりながらロックンロールを決めてどうにか全治3日で済む怪我を負って退院後真っ先に工藤のくそったれをぶん殴った事件だ!
「爆弾の仕掛けられた清水寺からウチを助けてくれた人は脱出後直ぐにどこかへ消え去ってしまいました。お礼のひとつも言えないままでは我慢ができんかったんです。以来ずっと探しておったんですが、ようやく会えました」
___ウチのヒーローさん。
大岡紅葉があふれんばかりの笑顔で言ったことに対して一郎は激しい後悔と胃痛に悩まされていた。
___すみません。あの時そそくさとどっか行ったのはその、飛び降りる時に女の子のおっきな胸を触ったことで我が息子がびっくり(意味深)してしまったのが理由なんです。