夜の女王   作:がぶり

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船旅

 

朝日が顔を出し始めた頃に着いたのは大きな港だった。

あまりにも日が眩しいので黒いレースの日傘を差すことにした。

 

漁師たちはまだ出港していないらしく

数隻の船が港に繋がれていた。

 

そのなかでも一際大きく存在感のある船から

1人の男が降りてきた。

 

 

「お嬢ちゃん、もしかしてハンター試験を受けんのか??」

 

 

 

口元に立派な髭を蓄え、煙管を咥えた口でそう聞く。

 

 

 

『ええ、そうよ。

貴方の船がハンター試験会場の最寄りの港まで送ってくれるのかしら。』

 

 

 

じろじろと品定めをするかのように上から下へと視線を飛ばす男はうーんと唸りながら頬をかいた。

 

 

「お嬢ちゃん、相当やるな。

よォし、この俺が責任持って最寄りの港まで送り届けてやらァ!!」

 

 

大船に乗ったつもりで寛いどけと自分の胸をドシンと叩いた。

 

 

 

 

それから特に急いで準備することも無く直ぐに船に乗り出港した。

 

もちろん分かっていたことだけど船に乗るのは少女だけでないのでこれから他の港にも寄るらしい。

 

 

 

1日目はよかった。

見慣れない海をずっと眺めていられたから。

そこでは4人の柄の悪い男たちが船に乗った。

 

2日目もまだよかった。

船の中を探検すれば良かったから。

ここでも同じく4人の男たちが船に乗った。

 

3日目、少し飽きてきた。

だって何もすることがないんですもの。

ここでは1人の男が乗ってきた。

なんだか今回はちょっと違う雰囲気の人だった。

ひょろひょろしていて、スーツを着ている黒髪の男だった。

 

4日目、男たちが睨み合っている。

よくそんな恥ずかしい真似が出来るものだと感心していた。

今回は太陽に透けるような金髪の少女が乗ってきた。

声をかけたら男性だったらしい。

思わずえっ?と声をだしてしまった。

気を悪くしてないと良いのだけれど……。 

 

5日目、くじら島と言う所に寄った。

この島で寄る港は終わりらしい。

私より小さい少年が乗ってきた。

出港しても島民たちに手を振っている。

船に乗っている他の男たちはみなこの少年を見てニヤニヤしている。

どうもこの少年が試験に受かるわけがないとタカをくくっているようだ。

 

 

 

「ねぇお姉さん!どうして傘をさしてるの??

雨なんか降ってないよ??」

 

くりくりとした大きい目を瞬かせて少年か聞いてきた。

 

 

『そうね。降ってないわ。でも日差しが眩しいでしょう?

日焼けもしたくないし。女性には色々あるのよ。』

 

 

(この顔、あの男に似ている気がするわ……。

気の所為?いえ、でもたった1人の子供は息子だと言っていたはず。)

 

 

『ねぇ少年、』

 

 

「少年じゃないよ!

オレはゴンっていうんだ!!お姉さんは?」

 

 

『ゴン??私はオルよ。

もしかして貴方のファミリーネームは

フリークスではなくて?』

 

 

「そうだよ!オルさん凄いね!なんで知ってるの?」

 

 

大きな目をさらに大きくしてビックリしている少年に

どこかあの男と共通する顔を見た気がした。

 

 

『うふふ、私、貴方のお父さん知っているわ。

ジン=フリークスって言うでしょう。私のハンターの先生なのよ。』

 

 

え!?ほんとに!?と先程よりも元気になった少年を見て子供の元気って凄いのねと別なところに関心したオルであった。

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