龍騎神弓クラシカルサキ 〜with魔法戦記リリカルなのはForce an official if〜 作:高町魁兎
龍騎神弓クラシカルサキ、始まります
「ここ・・・どこ・・・」
目を覚まして辺りを見渡すと一面の火の海の中、一人取り残されている。
ここがどこなのか、何が起きてこうなったかも一切わからない・・・ただただこの火の海の中で、声を上げることもできず、呆然とその状況を見ていた。
熱い・・・息苦しい・・・、そんな事しか考えられない・・・、助けてと声を発そうにも、煙・・・いや淀んだ空気が口に入る、立ち上がって走り出したくても、足がすくんで立てない・・・体は思ったよりも恐怖心に従順だった。
数分もしなううちに、意識が遠のき始めた・・・その時だった。
「要救助者一名発見!・・・大丈夫?・・・立てる?」
初めて見た人の顔、ピンクの髪をポニーテールに結んだ、白いマントの子・・・。
「とりあえずこれ着て。・・・安全な所まで連れて行くから、もう少し耐えてね。」
そう言えば、何も着てなかったっけ・・・、その子は私を羽織っていたマントに包むと、外に向かって叫んだ。
「エリオくん、フリード!こっち!」
「グォォォ!」「キャロ、おまたせ!」
「じゃあ、窓から脱出しますよ、頭打たないように、じっとしててね。」
そのまま両手に抱かれて、背の高いお兄さんが乗っている白い翼竜に飛び移って、ゆっくり下に降ろされた。
「お願いします。」
「お手柄だよ、キャロ。」
キャロ・・・それが私を助けてくれた人の名前・・・エリオ・・・あの赤い人の名前かなぁ・・・ん?・・・名前・・・おかしいな・・・私・・・私の・・・名前・・・私の名前・・・なんで、なんで思い出せないんだろう・・・。
「一酸化炭素中毒の可能性、いやもしかすると・・・の可能性もある、急げ!・・・」
「キャロ・・・さん・・・あれ・・・また。」
どうやらまたあの時のことを走馬灯のように見ていたみたい、薄目を開けると無機質な天井が見えてくる・・・そしてもう少し意識がハッキリすると、右手に違和感を感じた。その違和感を探るべく右を向くと、私の右手には針が刺さっており、針から出た管を辿ると、血液パックに繋がれている・・・しかも下げられていないって事は、私が気絶している間に採血されていたって事?でもなんで私の血なんか・・・いや、でもなかなか嫌だ、自分で自分の血液を見るっていうのは。
「なんとご丁寧に・・・。」
一応消毒を含んだ脱脂綿と、止血用の絆創膏が手の届く位置にある・・・でもそんな器用な芸当・・・両手ならまだしも、片手で・・・、でも逃げ出すためにはそうするしか・・・。
「ふにゅ・・・いっ・・・ゔぁ!ぁぁ・・・」
中々に痛かったけど取りあえず抜けた、こういう時のための知恵はちゃんとつんどいて良かった・・・でも、体内水分がかなり持ってかれてる・・・取りあえず、双賜くんと、アークウィンガーを探さなきゃ・・・
片手を押さえながら、フラフラとした足取りで部屋を出る、鍵はかかってない。
「ホントに、ここ・・・どこなんだろう。」
来た覚えは一度もないのに、何故か間取りを知っている気がする・・・少し歩いていると、意識が少しハッキリした、それでわかったのはこの揺れが、体調不良じゃなく、実際に船の様に足場が揺れているという事。
「確か・・・。」
廊下を歩いてとある部屋に入る、やっぱり、この扉の先は資料室だった、やっぱりここの間取りを何故か覚えてるみたい。
「これ・・・なんだろう。」
明らかに薄い本が一冊だけある、ただそれは物凄く見覚えのある会社が販売しているノート、表紙には「開発日誌」と綴られている。
中身を開いてみる、何故開いたか?、多分脱水症状で判断が鈍ってたのかも。
表紙を開くと、中々謎な内容があった。その内容は以下の通りだ。
『亡くなった娘の身体とリンカーコアを触媒にこのマギアクリスタル二つをを結合させる実験を開始する、“アレ”が再び来る前に間に合うかは、確証がない』
『予想外の事態が発生した、この個体は2つに分裂しオスメス片方ずつの双子の様な状態だ、ではメスの個体“daughter”としよう。』
『オスの方が”ガーディアレウス“の性質をもっていた、ではこちらを開発コード“sealed”と名付けよう。』
この時、海で襲って来たあの子の「“アークウィンガー・・・それに開発コード”sealed“・・・」という発言を思い出した、きっと、双賜くんがこの開発コード“sealed”で、分裂したもう一つの個体がいる・・・。
もう少し読み進めてみた・・・そこでまた、目を疑う文献があった。
『新暦0078年
マリンガーデンにて、この地下に“マリアージュ”に関するデータがあると嗅ぎつけた、だが既に先を越したものがいる様だ。
”daughter“の火を操らせるヒントがないかと連れては来たものの、運が悪いのか彼女置いてきたホテルが燃えた、発生した、放火魔でもいるのだろうか。
仕方がない開発コード“daughter”を置いていくしかないようだ。』
「この日って・・・。」
私の中で最も古い記憶・・・マリアージュ事件、マリンガーデンで放火事件が起きた日いや、その少し前、ベルウィードホテルが燃えた日。
って事は私が・・・ここに綴られてる・・・確かにあの直前に何かしらの布に包んで抱きかかえて連れてこられていたと考えれば、あのとき何も身につけてなかったことに納得がいくし
私がその”daughter“なら、あの火の中生き延びたのも、双賜くんがものすごく愛おしいのも、他人な気がしないのも、納得がいく、私が双子のお姉ちゃんって事になるから・・・なら、じゃあ私は・・・双賜くんは・・・何者なの・・・。
恐る恐る、ページをまたページをめくってみた、答えがあるかもしれない。
『これらは、融合機、使い魔、両方の性質を併せ持った生命体という当初の目標通りの生命体と化した。』
どういう事・・・余計に訳が分からなくなって来た・・・戻ろうと思わず、次のページに手を伸ばしたとき・・・
「おやおや、逃げ出した挙句にこんな物を読んでいたか・・・。」
「あなたが書いたんですか?」
「ああ私だ、そこに綴られている通り君はこの船で産まれた存在であり、ここは私の船さ。」
「じゃあ、聞かせください、私の名前は何なんですか?」
「君の名前かい?そこにも綴られていただろう・・・”フィリス“またの名を・・・開発コード“daughter”。」
やっぱり、この人が私の親、そして・・・。
「ならもう一つ、私のッ・・・」
「分かっているさ、おいで、案内しよう、でもその前に。」
ペットボトルに入った水を投げ渡された・・・罠、では無いよね。
「血を少し抜かれてるんだ、脱水症状を起こされても困る。」
「結構です、そんなことより早く案内して来ださい。」
私は手渡されたペットボトルを投げ捨てた
「わがままな娘だ。」
彼が指を鳴らすと、一瞬にして場所が移動した。
大量のディスプレイなどに囲まれたこの部屋の真ん中に、双賜くんが、寝ていた、いや寝かされている。
To be continue
次回予告
目の前に寝かされた何よりも愛おしい人
そしてこの身体に…
次回 龍騎神弓クラシカルサキ
diary11「一緒だよ」