龍騎神弓クラシカルサキ 〜with魔法戦記リリカルなのはForce an official if〜   作:高町魁兎

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共に囲む食卓、何気ない会話、共に笑って、時に叱られて。
そう言った人とのふれあいが感情を育み人を人らしくする…
だけれどそうしてにした物は果たして「強さ」か?「足枷」か?

龍騎神弓クラシカルサキ、始まります


diary 19 誤算、紅稲妻

『なのはちゃん、フェイトちゃん、夜遅くに悪いんやけどなぁ・・・』

「やっぱり?」

『せや、半分想定内、半分想定外の非常事態や、まだお酒飲んどらんな?』

「はやてと違って毎日は飲んでないよ。」「もちろん今日も、で場所は?まだ6課内に留まってる?」

『夜勤やったフォワード陣とロングアーチ陣で対応中、仮眠中やった子たちももうすぐ加勢させれる、なんとか到着まで持ち堪えてもらう・・・あと飛行許可はバッチリ取ってあるからな、最高速で頼むで。』

「まあ流石に法定速度以上かつ限度内にの速度にはなるけど…「了解!」」

 

 

深夜・・・いや明け方かな、ものすごい轟音と発動したロストロギア並みの大きな魔力を感じて目を覚ますとあたりには焦げ臭い臭いが充満している、火災だ。

『起きたか?二人とも。』

「八神部隊長、これってどう言う状況ですか?」

『それがなぁ、あの二人が警戒しとった通りに隔離棟を破壊して脱走…やけど想定外やったんは、獣の方の姿でってことや。』

やっぱりあの2人、命令どうりにいい子にして最終日で逃げ出すって事だったか。

「奇妙ですね、ソウシくんは誰かの召喚魔法に呼応して姿を変えてたのに・・・2人とも・・・って事はどこかに協力者が!」

『の、可能性が高いんやけどとりあえず、高町一等空尉とハラオウン執務官の到着まで持ち堪えるために加勢・・・いけるな?』

「もちろんです!ね、アークウィンガー。」

「of course」

「ソウシくんも?」「大丈夫、サキのおかげでちゃんと寝れたから、バッチリ。」

そう言ってテントの中から体を起こすと私の右手をガシッと掴んだ。

『ヤバくなったら私がでる、とりあえず頼んだよ。』

「了解!、我乞うは天翔る翼・・・この手繋ぎし者よ、この銘の元にその姿解き放て・・・来よ、飛竜ガーディアレウス、盾竜転生!」

通信を切ってすぐに双賜くんを飛竜の姿にしてアークウィンガーを装備し、モード2にセットした。

「この前の天馬と・・・獅子と鷲のキメラかな?」

とりあえず既に皆さんがほぼ揃って対処しているおかげで、まだ市街地までは被害が行ってない。

とりあえず、露出したクリスタルの位置は確認できた、1発だけでも当たれっ!

3発連続で放った矢は訓練通り2本がフェイントとなり、1本はクリーンヒット、もう片方はティアナさんがヒットさせた。

「いいタイミングよ。」

「ナイス!サキちゃん。」

「キャロさん、ティアナさん、みなさん…遅れました!」

「簡易封印による強制解除…ですか。」

封印をかけても人間の姿に戻っているけど・・しかもまだ何やら余裕そうな表情を浮かべている。

「(やっぱり、何処かに協力者が・・・)」「そんな者はいませんよ・・・あなたの考えくらいお見通しです。」

「ウソッ、心の声とか漏れてる?」

「あなたたちはいくつか勘違いしている事がある事に気付いていないのね・・・。」「また無視した!」

そのまま押収したはずのデバイスを取り出してセットアップした。

「こちらが仕掛けない限りあなたたちは手出しできないのは知っています・・・そこでひとつお話を・・・。」

無数の銃口や武器を向けられているのにあの立ち振る舞い・・・やっぱり隠しダネがあるっぽい。

「マギアクリスタルの説明していない、仕従契約と防衛機能、まず防衛機能ね・・・一度封印してもリンカーコアを喰らった後のマギアクリスタルは焼失や破損破裂の恐れがあれば勝手に獣姿に変わるという事・・・また我らクロスウィングは自らの意思で姿を変えられる・・・。」

その説明に呼応するかのように6課で回収、管理していたマギアクリスタルがここでの抗戦に反応して同時発動した。

「でも、我らは“名前を与えられることによる仕従契約が成立する”・・・成立すれば主の意思でしかその姿を変えられなくなる・・・そうなるのは不便だろう?貴方が弟と慕っているその龍も。」

「そんな・・・。」

私は知らぬ間にその仕従契約を双賜くんと結んでたってこと?・・・だから私の手でしか姿を変えれない、でも確かにあの時は自力でなってたし・・・じゃあ私のせいで・・・私が・・・

顔を背けた先では双賜くんが目で訴えている、「不便でもなんでもないし、サキと一緒なら・・・」と。

「そこで交渉よ・・・開発コードdaughter、こちらに戻る気はないかしら?」

こんな交渉材料で応じるもんか。

「答えはもちろんNo!あんた達みたいな奴らの罪滅ぼしに付き合うくらいなら、私は大好きな人たちと一緒に貴方達を正当な手で裁いて、そのクトゥルシアも対処する。

だって私は兵器じゃないもん、龍騎士だから。」

「よく言ったよ、サキちゃん、だけどここはキャリアの長い先輩達に任せなさい♪」

スバルさんがウィングロードで真横に来ていた。

「はい・・・でも、援護くらいはさせてください!」

『じゃあ、私とスバル、それからエリオとギンガさんで魔導師二人、後はおっきいのの再封印、なのはさん達が原着する前に片付けるわよ。」

「「「「「「了解!」」」」」」」

ただ、打ち合わせどおり散解しようとしたけれど、そうはならなかった。

「身をもって教えてあげましょう…あなたが兵器である事を。」

「(前と気迫が違う・・・)スバル!」「リボルバー…」

アイツら二人は利き手と逆の手を恋人つなぎのようにつないで前に突き出すと…「ウィングクロスユニゾン・・・「テイク。」「オフ。」

のコールと共にdashの方がユニゾンして中に入り、デバイスも鞘のついた長剣になり、外見通り当人たちも、デバイスも融合した…「”融合器、使い魔両方の性質を持った生命体“」ってこう言うことか!

「カードリッジ・・・ツインロード。」

二つの排莢口から同時にカードリッジを消費すると、辺りに突風が起こり、高速で移動しながらティアナさん達4人を蹴散らして、私の目の前で止まり、私の眉間に切っ先を向けた。

「ヒィッ!・・・」「まだ抜刀しかしていませんよ?」

彼女は剣を下ろしてもなお、獲物を見る鷹の目を向けているし、それだけじゃない、あの速さで斬られたなら簡単に手や首が飛ぶ、そんな妄想もたやすい程の殺陣を見せたあとだ、本能的に恐怖を覚えて腰が抜けてしまう。

「あなたがこちらに戻る気がないなら、命令通り、あなたの首を奪って帰ります・・・」

「へ、へぇ・・・だっ、たら・・・私はあなたを・・・ヒェッ!」

また切っ先を向けられる・・・でも怯むな、怯むな私!

「残念ね・・・やはり人間に被れすぎたあなたでは・・・」

「だからなに!私はあなたの主人のお尻拭いなんかする気ない!・・・外した!?」

言い返しながら矢を放ったけれど、目の前の的だと言うのに外した・・・いや、ゼロ距離で交わされた。

「では、あなたの首…いただきます。」

ギリギリ見えたッ!、私は速すぎるアイツをなんとか目視して、双賜くんに伝達して避けたけど、音速を余裕で超えているその速度は私の視力でも流石に方向展開のタイミングでしか捕捉できない。さながら、赤い稲妻だ。

だけど、ひたすらに交わしても二次被害が出るだけ・・・やっぱり、モード3を・・・

「アークウィンガー。」

「Reject(拒否します)」

「なんで!?」

「I don't want to let you take the method of abandonment(捨て身の手ですよ?)」

でも、あの速さに対抗するには・・・あれしか・・・

「サキちゃん!」

そうやって気を取られているとフリードとキャロさんが4枚のS2シールドを携えて私を庇ったけれど、その速さで衝突された反動で玉突き事故の要領で、私もキャロさんもフリードも双賜くんも、揃って近くの大通りにある複雑交差点まで飛ばされ、アスファルトに体が叩きつけられた。

「大丈夫?・・・二人とも。」「私も双賜くんもなんとか・・・それよりキャロさんとフリードの方こそ大丈夫なんですか!?」

「大丈夫、盾もあったおかげでフリードも、私も。」

ウソだ、そう言っている間もキャロさんは左腕を庇ってる。

きっと私を庇って・・・。

「隠さないでください、折れてるんですよね?」

「サキちゃんが危なっかしいから・・・ちゃんと自分の身ぐらいは守って。」

真剣な眼差しでこっちを観ながら叱られた。

「まだ動けるだなんて、カレドウルフの装備は優秀ね。」

もう追いついてきた・・・、どうする・・・どうしよう。

「ソウシくん、いける?」

頼もしい咆吼をあげた、よし・・・

「召喚解除・・・」「クラッシュウィンガー、セットアップ!」

アークウィンガーが許してくれないから…あの連携技で・・・

「キャロさんはフルバックですし、今は怪我人なんですから、下がっててください、しかも、標的が私なら、傷つくのは私だけで・・・。」

「大事にしてよ…自分のこと。」

「してますよ、だけどごめんなさい、キャロさんやみなさんの方がもっと大事ですから、民間人の避難誘導、お願いします。」

「お待たせ、状況は?」

「見ての通りここまで回収したクリスタルが全て覚醒して、それからキャロやサキちゃんたちが・・・」

「わかった、こっちの大きいを片付けてから合流する、みんなはあの魔導師たちの再確保とキャロとサキちゃんの救出に行ってあげて。」「アルト!すぐ出せるよね?」

「もちろんです、なのはさん、フェイトさん。

さあみんな、早く乗って!」

二人が逃げた方角へ飛ぶヘリを見送り、早く合流するためにこれを片付けなくっちゃ。

「なんか、こうやって二人で戦うのジュエルシード集めてた頃を思い出すね。」「うん、私もおんなじ事考えてた。」

『二人とも…イチャイチャせんとさっさと片付けぇ…』

「了解、対EC装備一時解除、久しぶりに行くよ?」

「All light♪「standby ready?」」

「リリカル、マジカル!」「アルカス、クルカス…ブラウゼル!」

「「まずはそこの塊を…封印!」

 

『主はやて』

「シグナム!もうこっち着いとったんか?」

 

「・・そこっ!・・・まだっ!、逃すかぁ!」

「calm down please(落ち着いてください)」

そう言われても、あの速さじゃ目視してから散弾させてもまったく当たらない…当たらなきゃ無力化だって…

「キャッ!・・・」

しまった、見えてなかった。交わされた矢がまだ逃げ遅れた民間人の女の子に飛んでいく。

「ハァッ・・・大丈夫?少し怪我しちゃったね、ちょっと見せて…サキ?」

「That's why I advised you(だから言ったじゃないですか。)」

「でも…」

双賜くんがその矢を払ってくれたけど…うち2本はその子の右肩と、目の近くをスレスレで通り過ぎて、怪我をさせてしまった。

「よし…ごめんね、痛かったよね。」

その子は頷いて双賜くんが促した通りに抱き抱えられて、怯えるようにこっちを見ている。

「この子…キャロさんのところに…。」

「でも・・・来るッ!。」

真っ直ぐにこっちに向かってる、私は矢をつがえてタイミングを伺うけれど、さっきの事故が脳裏に焼き付き、手を離すことが出来なかった。

「サキ!・・・サキ!」「はわわっ!・・・あっ。」

双賜くんの声に驚いて自然と手が離れた、だけど、しっかりその矢で軌道を逸らせた。

「固まってるのは危険だね、この子は僕が安全な場所に連れてくから、サキ・・・合流ポイントは・・・」

「わかった、お願い。」

そう言うとソウシくんが例の兎のような跳躍でキャロさんと別れた方角に飛んだ。

「悪く思わないでね…”お姉ちゃん“も悪気はなかったんだ。」

「いい、気にしてないよ。」

「そうなの?」「うん、だってお姉さんはみんなが傷付かないように戦ってくれる局員さんなんでしょ?…しかもあの時打ってなかったら私あの早くて怖い人に斬られてたんだろうし、お姉さんも焦ってたならしかたないもの。」

「・・・」

「どうしたのお兄さん?」

「いや…君は優しいし、頭も柔らかいんだね。」

僕はキャロの場所に着くと、その子を引き渡した。

「お願いします・・・」

「ソウシくん…いやいいや。」

「なんですか?」

「なんでもないよサキちゃんをお願い。」

「はい。」

彼女らの攻撃による瓦礫等が散乱する中を逃げ回り、都市部から外れた資材置き場に誘導する。

「(誘導完了、いける?)」「(OK、こっちもポイントついたタイミングは任せるよ)」

私はカードリッジをロードして、矢を上空に放つ、後はタイミングを伺うけれど…また…

「SS中近距離連携…「ファイアボールオーバーヘッド、「セット、」レディ…」

「ゴッ・・・」

やっぱり怖くて手が離せない。

「サキ!」「う…うん。セット!」「レディ…」

大きく深呼吸する…狙い通り来たっ!「ゴー!」

さっきの矢が火球に変化し、それを空から降りてきた双賜くんが蹴り飛ばす。すると玉は確かに何かに当たったけど、やられた…どうやらこれを打たれる事は読まれていたのかその粉塵の中に二人はいない。

「外した?」「ええ、カスリ傷程度です。」「なっ!」

背後を取られる、けど確かに見えた、あの加速は抜刀時にしか使えない、つまり鞘に収める前なら、もしくは剣を抜かせなければ!

咄嗟のひらめきで、慣れない後ろ回し蹴りを出した。やっぱりあの速さから想像していた程に装甲が薄かったらしく、かなりの有効打になったけど、両足が地面についた時には姿が見えなかった。

「消えた?」「サキ!」

私から見て向かって8時の方向で方向転換したのが見えたけど、遅かった。

剣の腹でさながら双賜くんがホームランされ、頭を強く打って、頭からは軽度の出血があった。

「そんな、ソウシくんまで…」

「master!」

そのまま追撃され、リボン諸共バッサリポニーテールが切り落とされた。

「その髪の様に今度は何処を飛ばしてあげましょうか?」

「アークウィンガー、まだやれる?」

度重なる追撃を見切りながら問いかける、流石にもう体力はそろそろ尽きそうだ。

「master、please call mode3」

「さっきは止めたくせに。」

「After all you can't do anything without me, so if the Master wants to open up that possibility, I still thought I had to serve to the end. (やはりあなたは私がいないと何もできない、だからあなたがその可能性にかけたいと言うなら、私はやはり、最後までお供しなければならないと思ったんです)」

でも…私は頭に事故の事が過ぎる…だけど、やらなきゃ、覚悟決めなきゃ!

「じゃあ、最後まで一緒に踠いてよ・・・相棒。」

「yes buddy !」

私はマガジンを取り外して、カードリッジを装填した。

「特殊カードリッジロード、モード3!」

「counterwing」

弓が二つに分かれ、それぞれに光の翼が刃のように生える。

モード3、カウンターウィング、つまり、ドシッと構えて捨て身のカウンターを与える諸刃の剣…失敗したなら腕が飛ぶ。

「抵抗は終わりかしら?観念したようね。」

「見えた、今ッ!」

すれ違い状に斬りかったけれど・・・遅かった、初めて有効打が入ったが相打ち、そのせいでアークウィンガーはヒビが入って機能停止寸前になり、私の左手が宙を舞う、そしてバリアジャケットもただの布同然の硬さしか持っていない状態まで強度が低下している。

「サキちゃん!。」

心配になって結局追いかけたけど、合流した時点で既にソウシくんは瀕死、サキちゃんは下腹の辺りを踏まれたまま心臓に剣が向けられている。

「あなたも邪魔をすると言うなら、こうなりますよ?」

こちらに気づいたあの子たちはサキちゃんの身体をを蹴ってこっちに渡した。

「酷い…こんなになるまで…」

「仕方ありません、私たちは命令のままに…」「命令ならなんでもと言うのか。」「なっ…」

満身創痍の私たちの前に姿を現したのは、出張帰りのシグナムさんだった。

「大丈夫か…いや聞くまでもないな。」

「シグナムさん、アギトさん、ごめんなさい、みんなで無茶しちゃって…」「構わん、後輩の失敗の尻拭いも私の仕事だからな。」

 

To be continue




次回予告
「咲ちゃん!」「サキ・・・」「サキちゃん・・・そんなぁ・・・」



「大丈夫、まだ助けられる。」
戦いの末に命の灯火が消えかけた時、彼女は真実を自覚する事になる。

次回、龍騎神弓クラシカルサキ
diary 20「真夜中の青空」

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