龍騎神弓クラシカルサキ 〜with魔法戦記リリカルなのはForce an official if〜   作:高町魁兎

20 / 28
満身創痍の体…常識を外れな速度…そんな状態の少女の命が尽きようとする時、真なる姿がそこに現れる。

龍騎神弓クラシカルサキ…始まります


diary 20 真夜中の青空

あれから、どれくらい時間が経ったんだろう…

私は真っ白な空間であの時のビジョンで見えた子に介抱されている、声は聞こえないし、口の動きも微かにしか見えない、だけど顔ははっきり判別できる、私にそっくりで、だけど瞳は橙色、髪は空の様な青色をしている。

しばらくその光景が続いた後、その子は私に何かを語りかける、その口の動きはハッキリと見えた、「あなたには待っている人がいる…行ってきて。」と。

その姿が見えた後少しずつ目が閉じて、次に開いた先ではあの資材置き場に戻っていた。

「荒削りだか良い太刀筋だな、磨けば良いものになりそうだ」

「なに関心してんだよ、目的はあいつらを確保する事だろ?」

「すまないな、アギト。だが勿体無いことには変わらない。」

「勿体無い・・・ですか、そう言われたのは初めてです。」

あの魔道士二人とシグナムさんが激闘を繰り広げるなか、虫の息だったサキちゃんが目を開いたけれど・・・

「サキちゃん、よかった・・・シグナムさんが来てくれ…サキちゃん?」

「炎・・・争い・・・、アイツは、アイツだけは・・・」

目は覚ましたけれど口調は機械的で様子がおかしく、瞳もいつもの色ではなく金色に輝いていました。

「使える主が違っていれば君とはよい好機者になれそうだったが、大人しく・・・」

「確かにそうかもしれませんね、ですが、私は忍のように命令を遂行するだけ、そして主の罪滅ぼしが終わるまでは捕まるわけにはいかないのです。」

「あの時捕まったのも命令か?」

「はい、そちらの戦力を探るのと、裏切り者の首を取ることのふたつの命をうけて・・・」

「だが、法的な違反は犯している、すまないが来てもらうぞ。」

シグナムさんとの攻防が再び起こる中、サキちゃんの身体に異変が起きた。

「ソウシくんの・・・かたき・・・生かして・・・」

「サキちゃん!、どうしたの?ねぇ!サキちゃん!。」

「キャロ!」「エリオくん!」

みんながアルトさんのヘリから降りてくる、けれどそれと同時にサキちゃんが紐で吊り下げられた操り人形が上に引っ張られるようにして立ち上がりながら、髪が徐々に空色に染まっていき、毛先まで空色に染まると眼を静かに閉じる、するとサキちゃんの身体を火柱が囲み天高くその柱が伸びると、その柱は消え、柱の頂上の部分には青い炎を纏った火の鳥が眼を閉じて静止して、昼間のように夜空を照らした。

「あの姿になられては、もう打つ手もないですね。」

「あれが・・・サキちゃんなの?」

その鳥は金色の眼を開くと身体中の炎を赤黒く染めて、怒りが篭った鳴き声を響かせ、あの魔道士たちに突っ込む。けれどもその攻撃は少しカスった程度でふたたび浮上するとまた声を上げた。

「サキちゃん!どうしたの?ねぇ!。」

全く返事がない・・・こちらの声に聞く耳を持ってくれない。

「非常に不味いですね・・・」

『今は引け・・・』

「主!?・・・はい、わかりました。」

転送ゲートが作られてあの二人を取り逃がしてしまった。

「主はやて、取り逃がしました。」

『今回はしょーがあらへん。』

「もーほんとなにやってんだよぉ…勝てる相手だったろ?」

「アギト、悔やんでも仕方ない、もう過ぎたことだ。」

『せやで、さっ切り替えてあっちの対処してくれるか?できるやろ、アギト?』

「りょーかい、やるぞ、シグナム。」

あの二人を取り逃がして悔しいのかサキちゃんが身に纏ったその炎は勢いを増して色もどんどん濁っていき、怒り狂って敵味方の判別もできなくなり、八つ当たりのようにこちらに突進してきた。

「アレがサキちゃんなの?」

「うん、アレがホントの姿だって。」

「こっちに来るッ!」

「追いついた…」

「なのはさん!射たないで!あの鳥、サキちゃんなんです!」

なのはさんとフェイトさんの合流して対処にあたるけれど、状況は変わらない…やっぱり射ってもらうしか・・・

「サキちゃん!私だよ…ねぇ!サキちゃん!。」

鳥の姿をしたまま私に飛び込んで来て寸止めで止まり、瞳の色が少し薄くなった、正気を取り戻したみたい。

そのまま泣きそうな目でこっちを見つめたまま静止し身体の炎も徐々に元の青色に戻っていく。

「クァ…ッキィ…グッ…ガァァァァァァァァ!…ぁ、ぁぁ…」

ショックで言葉にならない悲鳴を上げながら蒸発する様に炎が消え、産まれたままの姿の15才の少女に戻り、髪の色が全て黒く戻るとそのまま意識を失った。

「咲ちゃん!」「サキ・・・」「サキちゃん・・・そんなぁ・・・」

鳥の姿になる前に負った切り傷や髪の長さ、それから吹き飛んだ片手ももとどおりに治っているけれど息もなく脈は微かにしか刻んでいない、だけどその命を経たまいと血を巡らせている事は感じられる。

「大丈夫、まだ手遅れじゃない、助けられる。

エリオ、除細動機の代わりに電気ショック、かけれるよね?」

「ですけどタイミングは…」

「私の感を信じて!」

スバルさんの指揮で負傷者全員の応急処置が施される、ソウシくんは打ちどころが悪く大変だったみたいです。

そして、サキちゃんの心肺蘇生が続けられているけれど・・・一向に目を覚ます気配がない。

「サキちゃん・・・お願い・・・目を覚まして・・・。」

「スバルさん。」「うん、一回止めて。」

3回目の電気ショックでサキちゃんが血の混じった嘆を吐いて息を吹き返した。

「よし!、これなら病院まで耐えれます。」

「じゃあトーマ、担架載せるの手伝って、頭のほうでいいから。」

「は、はい!」

「いくよ?「「「せーの、1!2!3!」」」」

「主、ひとつ疑問があります。」「なんだ。」

「以前は“あの驚異を退けるために必要不可欠”と言っていたのになぜ今回抹消を?」

「私の読みでは彼女は自らの力に恐怖し、人の姿をした不死鳥である事を自覚してあの組織から逃げ出す、中立勢力にしておけば、上手く利用も可能だろう?」

全ての事後処理が終わった時にはもう日が登っていました。全てと言ってもまだ報告書の提出が残ってますが、今はそれよりも大事な用事でここにいます。と言うのも病院へヘリで搬送した後ずっとサキちゃんたちに付きっきりで病院に…と言うのは建前で「骨折してるから」という理由で事後処理に参加できず、結局資料も提出するのみの状態。

「失礼します。」

「シャマル先生、それに…」

とりあえずほぼ全員集合で様態の説明が始まった。

「とりあえずソウシくんだけど、とりあえず打ちどころ的には命に別状はないし、頭蓋骨は無傷だったから歩行障害と言語障害も起こしてささそうだけど、軽度の記憶障害が起きてるかもしれない。」

「って事は、またなにも知ら…」「その逆、多分サキちゃんが保護した時からずっと抜け落ちてた記憶がフラッシュバックしてる可能性の方が高いわ。」

「帰ってきた記憶で性格とか、変わっちゃう可能性もあるんですよね?」

「あるけどキャロ…それはそれで、受け入れよう。」「ルーテシアだって記憶喪失ってわけじゃないけど、あんなに豹変したしね。」「痛っ…フェイトさんもエリオくんもそこ…折れてるから…」フェイトさんとエリオくんの言う通りだけど…あっそう言えば。

「サキちゃんはどうなんですか?」

「それがね、身体も循環機能も至って正常、だけど胃が空っぽだから点滴で調整してあげなきゃいけないんだけど…ここから先は覚悟して聞いて。」

シャマル先生の久々に聞く真面目な声色だ。

「目を覚さない原因が恐らくサキちゃんのリンカーコアと、そこから魔力を吸っていた器官の魔力が両方空っぽなの、だけど、その器官がなにの働きをするかはやっぱり検査しないと…」「その器官は、ある意味サキの…核に当たる器官なんです。」

「ソウシくん!?」

「あの時頭をうって思い出したんです、僕とサキの身体の事。」

「まだ身体起こさないで、まだ傷が閉じてる最中なんだから…」

「大丈夫です、他人より丈夫なので痛っ…やっぱり横になります。」

目を覚ました彼の目付きやからは幼気がなくなり、年相応な言葉遣いと落ち着いた話し方になっていた。

「で、さっき言ってたのってどういう事か、詳しく聞いていい?」

「はい、僕とサキはガーディアレウスとフェニックスのクリスタルを用いてフィリス•フカミの体で作られたクロスウィングスで、僕は龍と人、咲は不死鳥と人のハイブリッド、故に“異常視力”と“人並み以上の空間把握能力”と“反射神経”を供えてるんです、6年の間に少し鈍っちゃってますが。

そしてサキの胸にあるその器官が蘇り、つまり急速再生の為の器官で、致命傷を受けた時に身体を再生させるための魔力を溜め込んでいるんです。」

「って事は、サキちゃんの体には大きいカードリッジがあるみたいな感じ?」

「だいたいそんな感じです、サキが再生する時無意識に発動する呪文には、寝起きの状態のリンカーコアを空にする程の魔力を使いますので。」

「じゃあ時々胸に痛みが走ってた理由に心当たりはない?」

「それはなにも・・・ないです。」

やっぱり、記憶が戻ってホントに話し方は別人のようだけど、やっぱり変わらない何かがちゃんとある気がする。

「サキも…我々のような悲しみを味わう運命なのだな。」

「ちょっと、シグナム!」

「悲しいですが、現状はそうです…でも、不死と言っても無限ではありませんから。」

「そうか…」

「ですけど、これは致命傷を受けない限り再生は発動しませんし、誰かがサキに死んでほしくないって強く願わなきゃサキは帰ってこれない、だからここにいるサキはみんなが呼び寄せたんです、そしてきっちり寿命を満了すればちゃんサキはちゃんと生涯は閉じれる、だから僕が守ってあげなきゃいけない。」

サキちゃんがそんなに特殊な体だったとは今まで当然知らなかったですし、それを知って、更に・・・更にサキちゃんが危なっかしいのを治してもらわないといけないと思いました。

だけど次にサキちゃんが目を覚ました日、彼女の精神が…あそこまで壊れてしまっていたなんて、この時は察することもできませんでした。

「このエラーコード…もしかして」

「I have a request」

「ご希望はなに?アークウィンガー。」

「I want to help master more(私はもっとサキの力になりたい)

So don't just repair it, make it stronger and better(だから、私をもっと強く慣れるよう改造してください)」

 

To be continue・・・




次回予告
あれから1ヶ月近くが経ち、消息不明のクリスタルは残り2つ
そんな中・・・サキちゃんが逃亡!?

次回、龍騎神弓クラシカルサキ
diary 21「青い鳥が逃げ出した」
ごめんなさい…でも…
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。