龍騎神弓クラシカルサキ 〜with魔法戦記リリカルなのはForce an official if〜   作:高町魁兎

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diary 23 甘えん坊な雛鳥

ヘリと龍が屋上ヘリポートに着陸し、スタスタとみんな扉を潜っていく…一名拘束されてますけど。

そして、その飛びたいの先では見覚えのある子がいた…と言っても目はまだ異常をきたしてて、何処にいてもずっと室内で照明を焚いてるときの色にしか見えないんだけども。

「あっおかえりなさい〜お疲れ様です。」

「お出迎えありがと、ヴィヴィオ。」「そっかぁ、今日なのはさんもフェイトさんも…」「はい、深夜待機シフトなので。でもノーヴェに泊めてって頼んだら今日はフーカさん関連のお客さん来るからダメって言われちゃって…多分リンネさんだと思いますけど、なので今日はこっちにお泊まりです♪」

6課隊舎に帰ると、お出迎えしてくれたのはヴィヴィちゃんだった。

今日なのはさんたち、深夜待機なんだ…

「あっ咲さん!昼間のアレってなんだったんですか?…すごいドロドロ…しかも手錠まで…何か悪い事したんですか?」

「それは…あのね…」「なーんちゃって、言い訳しなくても脱走したのは知ってますよ♪、そうだ、もう20:00過ぎてますし、先お風呂いきませんか?」「ちょっちょっとヴィヴィちゃん!」

この時も昼間怖い思いさせちゃったのに、それを気にして無いかのように普段通りの丁寧語でフレンドリーに接してくれた。

 

 

それから数十分後…

「へぇ…そうだったんですね、咲さん。」「うん、だからごめんね…」

「あーもう何回も謝らなくて良いですから…なんか隠し事がバレた時のはやてさんみたい…」

結局、ヴィヴィちゃんと一緒にお風呂、こうしてみるとヴィヴィちゃん自身もかなり背丈も伸びてるけど…アレも結構デカいって言うか負けてる、私ぺったんこだもん。

「そう言う視線で見てくるのもほんとにはやてさんみたい・・・で、アレですか?ハリネズミみたいにコソコソしてたんですか?」「その例えキャロさんにもされた…」

「でも、私もわかりますよ、…なのはママと出会ってしばらくした時に私も、自分から大好きな人たちから退こうとしました。」「JS事件の時?」「そうです、でもあの時になのはママが手を差し出してくれなかったら、私はゆりかごと一緒に真っ逆さまだったかもですね。」

「それ笑い事じゃないって!」「でも、私は自分が居ても良い場所をくれたママが大好きです…今はちょっと大好きって言うの恥ずかしいですけどね…あっこの話フェイトママにも内緒ですよ?フェイトママが知ったら多分フテ寝しちゃいますから。」

「それはわかったから…」「で、続きですけど…咲さんはキャロさんのこと好きですか?」「なんで?」「だって、私にとってのなのはママとフェイトママが咲さんのキャロさんとエリオさんなんですよね?…だったら素直になればいいと思います♪きっと幸せにしてくれますよ。」

「そうかなぁ…」

「失礼する…おおヴィヴィオ、そう言えば今日はこっちに泊まるんだったな。」

「はい♪シグナム副隊長。」「…昼間はご迷惑をおかけしッ…えっ…と…」

「現実から逃げたくなる時は誰にだってある事だ、くよくよしている方がみっともないぞ。」

シグナムさんも入って来て、私の頭を鷲掴みにしながらそう言って髪をクシャクシャした。

こうして体を洗っているシグナムさんを見ると、体には細かなものから大きなものまで色々な傷跡が刻まれている…でもそれに対して痛々しいとは何故か思わなかった…むしろその逆…

でも不思議なのは、胸とお腹にはとても大きな跡が一つずつあるだけという事…それが少し不思議だった。

「…どうした?…ああこれか、これはなテスタロッサと最初出会った日の傷だ、もう15年ほど前の話さ…でこっちは狂鳥(フッケバイン)に脊髄を粉々にされた事があってな…もちろん後遺症はないぞ。」

生死の境彷徨った話を笑い話で済ませてしまうシグナムさん…若干怖く感じた。そして体を洗い終えると、普段は滅多に見せないほっとした顔をして、私たちのこう聞いた。

「やはり風呂と言うのは良いものだな…」

「ですね…なんかこうふわーっと疲れが抜けていくような…」

「サキ、お前は風呂好きだと聞いている…ここから少し遠いが最近良い露天風呂がある施設が新たにできたと小耳に挟んだ…休暇が被る事があれば連れてってやろう、着いて来るか?」

「行きたいのは山々ですけど、1ヶ月眠ってたならその間の仕事もしなきゃですし、休暇が取れるか危ういですけど…」

「それなら心配ない、君の弟…ソウシだったか?」「はい、あってます。」「ソウシが“サキの眠ってる間二人分働くんだ”と言ってやってくれている、よーく礼を言っておけ、じゃないと拗ねるぞ?」

普段よりシグナムさんの話し方は砕けていた…本当にお風呂好きなんだぁ♪

「じゃあ、私大分長湯しちゃいましたし、ごゆっくりどうぞ、シグナムさん。」「私もお先に失礼します〜♪」「ああ、背中を預けるもの同士、こうして親睦を深められてよかった。」

「背中を預ける者同士?」「ああ、共に戦う以上はな…それに君は“かつての我々”と同じ悲しみを味わせたくない。」

「同じ悲しみ?…」「君の身体のことはシャマルから全て聞いている、そして君は人以上に多くの別れを経験せざるを得ない事も…」

もうみんなに知れ渡っているんだ…

「……」「だが、君には既に家族がいる、それだけで少しは違うかもしれないがな…忘れてくれ、ほんの独り言だからな。」

「よしっ…ばっちり♪」

「キャロ?」

シチューを煮込み終わると、ちょうどエリオくんが来た。

「久しぶりに作ってたんだ…だけどみんなの分足りるかな?」

お風呂を上がって廊下を歩いていると、優しい甘さのあるような匂いが漂っていて、その匂いを辿っていくとその先ではキャロさんとエリオさんがいた。

「あっ、グッドタイミング♪サキちゃん、ちょっとおいで。」

「はい…!?…これキャロさんの得意料理の…」

「得意っていうよりかは自然保護体のキャンプでよく作ってたから…」

火にかけられた鍋…いや寸胴の中には並々にシチューが作られていた…けど全員にだと寸胴一個じゃ足りないし、かと言って…帯に短し襷に長しってこう言う状況なのかな。

するとキャロさんはおたま一杯のシチューを掬ってお皿に盛り、私に差し出した。

「お腹…空いてるよね?味見してくれる?」「良いんですか?」

「いいよ、食べて食べて。」

促されるままに口に運ぶと、濃厚な味が口いっぱいに広がり、また空腹度合いの差っていう事も関係してると思うけど、この日のシチューは身体に染み渡るような味で…この6年の間で食べた何よりも美味しくて…暖かくて…私にとって生涯忘れられない味になった。

それもあってか、自分でも自覚が無い間にほろっとまた涙が出てしまった…

「サキちゃん?…もう今日だけであと何回泣くの?」

「だって…だって…」

ジー‥‥『トーマには見せれそうに無いですが、記録しておきますか。』

「オイ、スティード。」「なに撮ってるの?」

『ト,トーマ!?それにリリィ…見つかってしまいましたか。』

私達が一切気がついて無かっただけで、この様子はスティードの記録の一部になっていました。

「流石にこればっかりは盗撮するの良くないよ。」

「でも、撮りたくなるのは分からなくないシチュエーションではあるけどね。」

「だから銀十字!空気読めって!あっ!」「キャッ!」

「トーマ?…」「あれあれ〜?トーマそういう趣味あったんだぁ。」

「そういうアイシスこそ、またソウシを着用モデルにして…」

「…あっ////…あばば…アバアババババババ…ゼッゼンブ見てたんですか…///」

銀十字の書が飛び出して、出会い頭にアイシスさん達ともぶつかり、柱の影にいた全員が出てくると、サキちゃんは顔を真っ赤に染めてパンクしちゃいました。

 

 

 

 

「って言う事がありまして…」

「にゃはは♪、そんな事あったんだ。」

「で、スティードは…」

「それより、このシチューすっごくおいしい♪キャロ、レシピ教えてよ。」

「そんな、なのはの作るシチューだって…」

「私のは市販のルウだし…」「別にいいですよ♪って言って普通の材料ですけど。

ふと目を逸らすと、サキちゃんの手が止まっていた。

「サキちゃん、食べないの?」「いや‥なんか…こうやって、あったかい場所でみんなでごはんって言うの、ずっと憧れてて…でも改めてしてみると、…」

サキちゃんはまた泣き出しそうな目をしていた、今日はあと何回泣くの?

「やっぱり6課って他の部隊よりアットホームに感じるよね。」

「うん、なんか職場の寄宿舎だけどシェアハウスみたいな♪」

「そうそう♪一緒起きて訓練して仕事して…」

(((((やっぱりなのはさん…ストイックだ・・・))))

とそんな感じでスティードの記録からしばらくして食堂で晩ご飯、特務6課の皆さんにもシチューは好評でした。

それだけじゃなくて、前はすごく少食だったサキちゃんが、1ヶ月ぶりのごはんだからか…

「…おかわりしていいですか?」「いいよ♪どんどん食べて。」

こんな調子で姉弟揃ってニコニコとした顔でどんどん食べてくれて…作ったかいがありました。

「…」「どうしたんですか?キャロさん。」

「髪の長さ揃うとそっくりだなぁって、双子だなぁって…」

「そんな事ですか…

〜♪」

口に運んだ時のご機嫌な笑顔なんかもそっくりだなぁ…

「ついに残るは・・・」

「こちらも心許ない頭数しか揃えられていないが、仕方ないな・・・どうかしたか?」

「…いえ、何かスッキリしないのです…私にあるのは考える頭だけで、感情は無い筈だというのに…何故…」

「ホントにここまでしてもらっちゃって良いんですか?…私のワガママなのに。」

「いいよ別に、エリオくんも私も…サキちゃんはまだまだ子供なんだから、いくらでもワガママ言ってよ…まあ3個くらいしか変わらないけど。」

ここは特務6課の隊舎にある畳敷きの客間、誰の趣味なんだろ。

で、何故ここに4人居るか説明すると、私がキャロさんとエリオさんたちと今夜は一緒に居たいとワガママを言ったから、でも2人揃っって快くOKしてくれた。

「布団はこれでよし…フリードの籠は…」

間違えました、4人と1匹でした。

「ホントに、付き合わせてごめんなさい。」

「家出しといてそれ言う?中々ここまでして貰えないんだから…他に何して欲しい?今日はワガママ聞いてあげるから。」

…私ほんっとにバカだ…怖がらずに帰ってこればよかった…だったら…一番して欲しかった事をお願いしてみようかな…でもやっぱり恥ずかしいや。

「じゃあ、キャロ…さん…」「なぁに?」「エリオ…さん…」「なに?」

「だ…だk…抱きついていいですか!」

「…それくらいならいつでも来れば良かったのに…いいよ。」

「じゃ、じゃあ…」「ちょっとまって、それは!?」

私は飛びかかるようにしてハグした…思っていた以上に飛び込んだ胸の感触もその他の場所も、がっしりしていながらすごくしなやかだった…だけど、私が初めて感じた温もりを、忘れられないあの日の温もりにもう一度、こうして…

「サキちゃん?。」「…これだ…私がずっと求めてた温かさ…ヒャッ///くすぐったいですよう…」

「エリオくんもやっぱり乗り気なんだ。」「まあね。」

キャロさんをハグしている私の頭をエリオさんがそっと撫でる、シグナムさんとはまた違う感触で、これはこれで気持ちよかった…ってこれじゃ私抱きつきフェチみたいじゃん!

「…キャロさん…エリオさん…大好きです。」

「突然どうしたの?」「言葉のの通りです。」

ホントは違うけど、自分の口では到底言えない…だって私の両親がエリオさんとキャロさんだったら良かったのにって思っちゃっただなんて。

「サキちゃん…あれ?」「キュルル?(あれれ?)」

…大好きな人の腕の中で、私の意識は溶けていくように無くなっていった…

「寝ちゃった、みたいだね。」「そうだね…。」

私を強く抱きしめたままいつもは見せない、安心し切った笑みを溢して眠りに落ちてしまった…ホントに子供みたいに。

「スヤァzzz…」「もう遅いし、電気消そうか。」「まって…この体制じゃ私横になれないよ。」「キャロが立てば普通に降り落ちると思うよ?」

言われた通りに立ち上がるとサキちゃんは布団の上にポスっと落ちた。

それを確認した後に電気を消すと、サキちゃんが少し寝言を言った。

「…どこ?…ママ…どこ?…」

私は右手を握ってあげると、その手を握り返して…「みつけた、…キャロママ…エリオパパ…」と衝撃の寝言を放った。

「ど…どんな夢みてるんだろう?」「はやてさんから借りた本にあったんだけど、サキちゃんは擬似的な不死鳥ならって調べたくて。」「それで?」「不死鳥って命を終える直前に卵を産み落としてそこに魂を移すって…だから、僕らが助けてあげた日も、この前も刷り込みが成立してて…サキちゃんにとってのお父さんとお母さんって…僕らなんじゃないかなって…」

「私とエリオくんが?」「確証は無いけどね。」

言われてみれば納得がいくし…しかもサキちゃんには名前があるのに師従契約が成立していなかったし…だとしたら、そうなのかな。

「ねぇエリオくん…私たちを引き取ってくれた時のフェイトさんってこう言う気持ちだったのかな?」「かもね。」「クルル〜」

そんな話をしていると、おとなしくしていたソウシくんも近づいて来た。

「いい夢みてね…お姉ちゃん。」

「それ、起きてる時に言ってあげなよ。」「無理、かも…恥ずかしいから。」

私たちはこのまま仲良く夜を越した…今度はフェイトさんも一緒がいいなぁ…

AM4:00

なんか…すごく幸せな夢を見ていた気がする内容は覚えて無いけど、ただいつもより早く目が覚めちゃったなぁ…と思っていると

「おはようサキちゃん、よく眠れた?」

「はい、よく眠れました…あっ。」

私のおなかが鳴った、でも朝食までは時間あるし…

「おなかすいたちゃった?」

「…///はい。」

「じゃあ、フェイトさんやティアナさんのお弁当作るついでに何か作ってあげる♪なにがいーい?」

「玉子焼きがいいです(^^)」「いいよ〜じゃあみんなの分も一緒に作ろっか♪」「やったぁ♪じゃあ早く行きましょ、キャロさん♪」

意気揚々と扉を開けた時、私の動きがパタリと止まった。

何故なら私は、窓の外の景色を観て昨日から起きている目の異常がなんなのかを理解した…。

「サキちゃん?」「これ…夢じゃ…ない…夢じゃない!わぁぁぁ…」

「どうしたの?サキちゃん。」「キャロさん…空が、空が青いですよ!」

ソウシくんとユニゾンした影響で、私の目の第四の色覚が弱まっていた…そのおかげで私はついに肉眼で…写真じゃ無い天然の空色を観ることができた…。

「そう言えば…サキちゃんに見えてる世界は人と違う色だったんだよね…」「でも…何故か今は同じ色に見えます…空ってホントに私の大好きな透き通った青だったんですね(^^)」

この青をずっと観られるんだと思うと…胸が躍るような気持ちだった。

それから和室を出て洗面所で顔を洗って…廊下を歩いてキッチンへ。

温かい日差しに、コンロの音、油の音…卵の白と玉子の黄色…カラフルな調味料の瓶に、大好きな人のピンク色の髪…目に映るもの耳に聞こえるものがいつもより鮮やかに感じる。

そして玉子焼きが出来上がった頃…

「はい、出来立てあつあつだよ〜♪あーんして?」「あーん…ん〜♪」

「おはようございます…」「おはよー♪あれ?二人とも早起きだね?」

スバルさんとトーマさんが入ってきた、二人とも少し眠そうな顔をしていたのに、一気に笑顔になった。

「サキちゃんもおはよ〜♪」「おはようございますスバルさん…トーマさん…そろそろ離して下さいって。」

ばっちりスバルさんからホールドされる…でもこの感じもありかも…

「これキャロちゃんが作ったの?」

「そっちはつまみ食い用だから食べていいよ♪」

「あれあれ〜♪早起きだね〜。」

「「おはようございます♪なのはさん♪」」「おはようございます!」

「うん、みんなおはよ〜♪私も手伝って良いかな?…ヴィヴィオのお弁当も作らなきゃだし♪。」

「じゃあみんなでやりましょうか!」

「これは出る幕無くなってまった…」

「はやてちゃん!」「おお…どしたんリイン?」

「本局から新しい資料が来たので…」

「始業時刻前にか?…しゃーないなぁ…」

そんなこんなで朝からキッチンからこ気味のいい音がリズミカルに響き、厨房で仲良く料理して…

 

やっぱり私は…この人たちが…六課の皆さんが…

 

6課の皆さんがやっぱり大好きだ

 

To be continue

 




次回予告
現場復帰してからしばらくして…呼ばれた先はとある自然保護区。
そこで告げられた依頼は…えっ私がですか!?
次回、龍騎神弓クラシカルサキ
diary 24「命名、その2」
この子…じゃじゃ馬かも
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