龍騎神弓クラシカルサキ 〜with魔法戦記リリカルなのはForce an official if〜 作:高町魁兎
龍騎神弓クラシカルサキ、始まります
8月4日、まだ半覚醒状態なのか、意識がハッキリとしていないけれど、何故か息苦しい。いつもと違う寝具を使ってもこんな事なかったのに・・・少し意識がハッキリしてきた、腕が動かない、何者かにしっかりとホールドされてる・・・
「・・・。」
あーそうだ、思い出した、昨晩彼は寝付きが悪くて、というより悪夢で目が覚めて、仕方ないから一緒に寝たんだっけ。
こうして、抱かれたまま表情を伺う・・・目尻に涙を浮かべながらも安心している様な寝顔を浮かべている・・・まって、ナニコレ、可愛すぎる・・・って私も寝ぼけておかしくなってるのかなぁ。
「・・・やだ・・・行かないで。」
私が手を振り解いて布団から出ると、袖を掴んで抵抗して来た、しょうがないなぁ〜
「大丈夫、すぐ戻るから・・・」
そっと頭を撫でてあげると小さく頷いた、まるで子供みたい。
「さてと・・・」
日記をしまい、洗面所で顔を洗って、もう一度布団の方に戻る。まだまだ、眠たいのかな・・・あれ?
「助けて・・・お姉ちゃん・・・」
「ちょっと、ソウシくん!?起きて!なんともなってないから!」
「・・・シャキ・・・。」
「よしよし、怖い夢でも見たの?」
「・・・なんでもないよ。」
散々泣いた後の顔をしている、多分私と同じで、毎晩同じ悪夢に襲われるのかな・・・そうやってあやしてる間にもずっと私に抱きついている。
「とりあえず、一回離してくれる?」
「やだ。」
「じゃあ、なんで抱きついてるの?」
「サキのからだ、あったかくて・・・落ち着くから、あと一緒こうしてると、寂しくないから」
”暖かい“から、“寂しい”から、だから離れたくない・・・やっぱり孤独感が強いのかな?、すがってたいのかな?、なんか可哀想に思えて、余計ほっとけなくなった。
きっと、一人で居ることが多かったんだろうなぁ。
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「ふぁぁぁ…おはよ、フリード…どうか…した?」
朝目を覚ますとフリードが時計を指して慌ててる、どうしたんだろう…
「あれ!?もうこんな時間!」
「ごめんなさい!」
「10分遅刻、キャロが寝坊って珍しいね。」
「昨日寝れなかった?」
「別に、いつも通りでしたけど…」
ホントは昨夜サキちゃんの事が気になって眠れなかったのが露骨に出てしまったのですがこれスバルさんとエリオくんに悟られないようにしなきゃ。
「それにしても、今年はトーマ達もいるし、なのはさん合宿まで開いて訓練するって言ってたけど、このままじゃ中止かなぁ…ハイこれキャロの分ね。」
「ですね、一個事件抱えちゃいましたし…」
「多分この事件が長引いたら元所属の隊に戻る日が遠くなっちゃうし…」
そう言えば、特務6課も出航とはいえ本所属はそのままだから、いつかはまた…
「とりあえず今日は昨日の資料片付けなきゃだから、頑張ろ、エリオ、キャロ…あとトーマもね♪」
スバルさんの後ろの席に座っていた見習いトリオがビクッとしてこちらを向いた。
「…気づいてた?」「うん、今日はティアもギン姉もいないから結構多いよ〜。」
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寝起きの一悶着から数時間後、ショッピングモールのとある服屋。
「これとかどうかな?」
「僕は、どれでも良いかな。」
この子の好みを探るのは非常に困難かもしれない、と言うより。
「今まで、考えた事も無かったから、よく分かんない。」
「そんなぁ〜。」
今朝発覚した事だけど、言語事項以外の知識、常識の欠落度合いはすざましかった、箸やフォークの使い方、蛇口等様々な物の扱い方から忘れている・・・もしかしたら、ホントは記憶喪失じゃなくて、元々育った環境がスラムとかすごく貧しい家庭から働きに出された最中に事故に遭って漂流したとか、ものすごく悪かったのかもしれないと疑わしくなるレベル・・・だから、衣服や身だしなみへの関心や興味はすごくあったけど、知識が乏しすぎる。
「じゃあこれで決まり、後は・・・ん?」
一通りの物の会計を済ませて、ギリギリシスターのみなさんからから頂いた予算以内で収まった、どころかお釣りがきた、まあ旅の資金の多しにしてって言われてるしいっか・・・とそうしていると、双賜くんがとある展示品の帽子を見つめてる状態で静止していた。
「お会計終わったよ・・・ほら、これからこれが君の鞄。」
鞄を手渡すと、興味津々に見始めた。
「あと・・・あの帽子。」
「・・・なんでもないから。」
わかりやすい、なんて可愛いんだろう、これが女の子だったら良いのに。
「ちょっと待ってて、うーん、広場のベンチ辺りで。」
「サキは?」
「ちょっと欲しいものがあるから、並んでくるね。」
「・・・。」
無言で袖を掴んできた、やれやれ。
「好きな所見てて良いから、一回別行動でどうかな?」
「でも・・・」
「退屈だよ、行列に並ぶのって。」
「それなら・・・」
よし、納得してくれたのか、袖を離してくれた
まずは、そのお店を離れて、ここの人気店のドーナッツを並んで買った後に、さっきのお店で帽子を買った。勿論ドーナッツはダミーじゃなくて、純粋に一緒に食べたかったから買った。
そして、さっき指定した待ち合わせ場所に戻る、道中で確認すると、ずっと待ち合わせ場所のベンチから移動して無かった。なんで見えるかって?、diary1でも綴った通り、視力だけは昔から異常でして、不便な時の方が多いのですが、こういう時はすごく便利なんです。
「お待たせ、ほら、君と一緒に食べたくて。」
「これ…初めて見た。」
「ドーナッツってお菓子だよ、サクサクしてる方と、モチッとしてる方とあるけどどっちが良いかな?」
因みに買って来たのはそれぞれ、オールドファッションと普通のチョコリング、因みに私はオールドファッションの方が好きかな。
「じゃあ・・・こっち。」
選んだのは普通のチョコレートリングの方。手渡して隣に座ると、彼は興味津々に見つめてから頬張ってニコニコとした笑顔を浮かべる、この笑顔は、今まで私が見て来た中で、もっとも良い笑顔で、最上級に愛おしい笑顔だった。
何回でも、この子をこんな笑顔にしてあげたい、そんな気持ちで胸がいっぱいになる。
「美味しい?」
「うん♪」
私に弟が出来たみたいな感覚が、何故か心地良い・・・あっそうそう、これもあるんだった。
「ん?・・・これ・・・」
「欲しそうに観てたから。」
そっと帽子を被せてあげた、口にチョコを付けたままの彼が少しの沈黙を見せてから、帽子を触る。
「プレゼントだよ、わかりやすいんだから。」
「・・・。」
「こう言う時はなんて言うの?」
「ありが・・・とう・・・」
「よくできました。」
頬赤くしながら、感謝の言葉をしっかりと言えた・・・いや私が言わせた、が正しいのかな。
案外良いかもしれない、私の自己満足だけじゃなくて、この子を笑顔にできる、それだけでも良いかもしれない・・・でも奇妙な点の答えは出ない、何故他人な気がしないのか・・・でも、今は自然とどうでも良いや。
「口にチョコついてるよ。」
「あ・・・・。」
愛しさを感じる理由は分からないけど、いつまでも、何度でも彼を笑顔にしてあげたい、そう思った1日でした。
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「次の反応の場所は・・・」
「そうだな、次は彼奴を差し向けるか・・・」
To be continue
次回予告
訪れた先はとある展望台から見る景色が綺麗なアスレチック、そしてそこで待ち受けるのは・・・
次回 龍騎神弓クラシカルサキ
diary8「その身を委ねて飛び込んで」
今の私は、ただ呆然と見つめて終わりじゃないから・・・