【RTA】マギアレコードRTA チームみかづき荘ルート 作:ironplate
・追記
誤字報告ありがとうございます。
RTA素人が神浜を救うRTAはっじまーるよー。
ニューゲームを選択して難易度はもちろんハードでタイマースタートです。
はい、よーいスタート。
まずはキャラ作成です。
全ランダム作成なんてもちろんしません。
名前は入力速度を考慮...しないで「
TDN表記にすると
スタート時期は本編スタートの1年前。
もはや常識ですね。
出身地、学校を「水名区」、「水名女学園」に設定して年齢は18歳で魔法少女歴2年とします。
そして願いの設定です。
もちろん先駆者を見習って固有魔法は限定しなければならないため、ここは「あの作品を自分で作り変えたい」とします。
かなり限定的な言い方ですがこれは検証を重ねた結果これが良いと判断したためです。
ちょっぴり長めのロード時間を経て固有魔法が『工作』になりました。
後は性格欄に『良識』と『冷徹』の二つの要素をねるねるねるねするだけです。
あとは全部フヨウラ!設定してるだけ時間の無駄!サラダバー!
キャラ作成が終わりオープニングです。
まぁまぁ長めなのに飛ばせないとかいうこのポイントでただ垂れ流すというのもアレですんで...。
そ ん な み な さ ま の た め に ぃ
なのかちゃんの解説をしたいと思います。
皆様ご周知の通りこのゲームの難易度ハードは頭がおかしい難易度です。
何か1つ間違えれば死ぬかもしれませんし、何もしなくても死ぬかもしれない、そんな緊張感の中進めていくことになります。
もちろん生半可な魔法少女は生き残れません(諸行無常)
犠牲無くして大義は成せんよなぁ!?
通常プレイであれば仲間を集めてじっくりコトコト育て上げることでクリアもできますが、悲しいことにこれ、RTAなのよね。
そこで性格を『冷徹』に設定します。
これでなのかちゃんはどんなゲス行為だろうと平然とやってのけられる人間もとい魔法少女のクズになるわけなんですね。
つまり取る行動すべてに制限がなくなるというわけです。
しかしそれだけでは魔法少女同士の協力が大事な本RTAにおいて周囲の好感度ががが、といった事になりかねません。
そこで『良識』くんの出番です。
これは文字通り良識を持っており、人の道を外れるようなことが無いというものです。
一見すると共存ができないかに見える2つの性格ですが、検証の結果この2つを合わせると『良識を持ったクズ』つまりいい人の皮をかぶったゲス野郎が生まれます。
この性格の『冷徹』と違う部分は他人の前では絶対に外道行為を働かず、あくまで良識人として留まろうとするところです。
タチ悪いですね(確信犯)
しかし良識を持っている以上その方向性さえ間違えなければ清濁混じった良い性格へと変貌します。
綺麗事だけじゃ乗り切れないってそれ一番言われてるから。
精神的ショックによるソウルジェムの濁りも少ないので2重の意味でうま味です。
『冷静』とかでもいいんじゃないの?だとかそもそも性格はRTAに影響するのか?とお思いの兄貴達もいるでしょうが、本チャートにおいてなのかちゃんはだいぶゲスい行動が多くなりがちですので、そんなん一般人の精神力でやってたらチャートこわれちゃ^〜↑うなのでやりません。
さらにこの性格にすることによって自動生成の経歴でのガバが減ります。
初期の好感度にも影響しますし、『冷徹』だけで行って経歴で人殺してたことだってありましたから。(25敗)
続いて固有魔法について。
『工作』はハッキリ言ってチートオブチート級の固有魔法で、切断の魔法と接着の魔法が一体となっているんですね。
この切断の魔法、どんな硬さのものだろうが魔力さえ流せればバターみたいに切り裂くことができ、接着の魔法も物理的にありえない接着が可能です。
しかも概念的なものまで切り貼りできると言うのだからタチが悪い。
しかし強力な魔法はご多分に漏れず魔力をドバドバ消費します。
この『工作』も例外ではなくそれはもう数回使えば魔女化する単位でコスパが最悪です。
しかしこの魔法は裏技がいくつも存在しまして、今回はそれが目当てで選びました。
その裏技の内容は使ってみてのお楽しみということで。
おっと、そうこうしているうちにオープニングが終わりましたね。
開始場所は自宅でしょうか。
かなりキレイに整頓されてますね。
ではステータス確認です。
ここから怒涛のリセポイントです。
一族のガバ運を甘んじて受け入れよ(諦観)
魔力は...上々です。
第一リセポイント通過ですね。(17敗)
先ほど説明した通り『工作』は魔力をえぐいほど消費します。
その影響で初期の魔力が貧弱だとこの後強化しても間に合わないのでリセットです。
性格は設定した『良識』『冷徹』に『明朗』が追加してありますね。
まぁまぁ良好でしょう。
ここで『傲慢』やら余計な物がついて回る事があるのでここもリセポイントです。(7敗)
さて問題は次の交友関係にあります。
...今確認できる交友関係はこちらですね。
・七海やちよ
・梓みふゆ
・和泉十七夜
・矢宵かのこ
・胡桃まなか
・阿見莉愛
・アリナ・グレイ
アリナ・グレイ
はぁぁぁああああっ(畏怖)
ウッソだろお前(憤慨)
有名な話ですがアリナはマギレコRTAの交友関係においてパーフェクトな地雷です。
どうやっても関わったら死ぬとかいうSCP財団もびっくりのトンデモ存在です。
あぁぁぁああああああああもうやだああああああああああ!!!!
といいつつもリセットではありません。
なぜかと言うと、詳しい事は後述しますが端的に言えばなのかちゃんもまたアーティストだからです。
これは試走のときに偶然見つけたのですが、アーティスト系の感性を持っているとアリナが交友関係にあっても地雷ではなくなる気がします。
気がするだけです(迫真)
積極的に関わらなきゃむしろお釣りが来るのでヘーキヘーキ。
実際それで死んでない先駆者の兄貴知ってますし。
どうせ最後の方には暴走するので襲われたら逆に芸術品にしてやりましょう。
お前を芸術sん...てあげんだよ!
お前を芸術s、品にしたんだよ!
フザケ↑ンナ!
お前を芸術品にしてやんよ(小声)
それよりも重要なのは『梓みふゆ』です。
理由は後述しますが、彼女が初期交友関係にいないとリセットです。(12敗)
というか東西のトップが軒並み知り合いってなのかちゃん地味にすげぇッスね。
まぁ最終的にそうじゃないと困るんですけどね!
他はまぁ普通ですね。
水名女学園に通ってりゃ知り合うだろう魔法少女が数名です。
さて、今回私が行うチャートの大まかな内容について話します。
このチャートは本編が始まるまでに必要な人材の好感度を稼ぎ、本編中はみかづき荘のチームメンバーとして活動し、ワルプルギスの夜を抹殺するのが目標です。
いわゆる王道ルートですね。
王道は王道でもハードなので修羅の道です。
途中で必要な人材が死ぬのは勿論、フェリシアやさながみかづき荘に入らない、かもれトライアングルのいずれかが魔女化する、安名メルが生きている等々、数えればキリがありません。
なのでそれらを壊さないようにかつ、クリアに必要な関係を築く必要があります。
さてまず最初の目標は『常磐ななか』と知り合いになることです。
できれば初期交友関係にいてほしかったのですがそれはないものねだりと言うやつですが、ただこのゲーム、広大なマップだけあって普通に出会うのは非常に難しいです。
そこで偉大なる先駆者様が発見したシステム(?)を使わせて頂きます。
それは名前の似ているキャラは序盤に遭遇しやすくなるというもので、なのかちゃんの場合ななかさんに寄せてあります。
だから入力速度を犠牲にしなければ、いけなかったんですね。
最悪ななかさんに出会えなくともリカバリーは考えてあるので大丈夫です。
ではななかさん捜索がてら調整屋に向かいましょう。
途中で魔女がいれば狩っておきます。
と言っていたら魔女センサーに感知ありです。
早速狩っておきましょう。
グリーフシードはあるだけ良いですからね。
なのかちゃんの魔法少女姿は...鍛冶師みたいな格好ですね。
バンダナをしていて、簡素な胸当てと短パンを履いています。
ブーツは革が厚いやつですね。
武器は中華包丁の歯先が長い版です。
ソウルジェムの位置はベルトの中央ですか。
守りやすいわけではありませんが、手の甲とか髪飾りとかよりはマシですね。
なんだか全体的に魔法少女っぽくねぇなぁ!
気を取り直して初戦闘ということでなのかちゃんの戦い方を解説していこうと思います。
と言っても単純です。
実は『工作』は単純に魔法を放つタイプではなく、何かに付与して使うタイプの魔法なんですね。
そこで切断の魔法を包丁に付与し、一閃。
これだけで大抵の魔女は死滅します。
あっけなさ過ぎて涙がで、でますよ。
ただ濁りもマッハです。
1回切りつけただけなのにこの消費量...やはりコスパは全魔法の中でも飛び抜けて最悪ですね。
浄化は...しなくてもあと四回くらいは大丈夫です(狂気)
と言う訳でその後は特に何もなく調整屋に到着しました。
「あらいらっしゃ〜い。」
調整屋に入るとみたまさんが迎えてくれます。
手にはおぞましい物体Xを持っていますが気にしないことにします。
「ケーキ作ってみたの。お一ついかが?」
結構です。
そんなSAN値がガン減りしそうなもの食うわけ無いだろ!いい加減にしろ!
大体なんでケーキが七色に光り出すんだ!
わけがわからないよ!
「あら、正確には九色よ〜。」
知 ら ね ぇ よ !(語録無視)
いつまでもここにいると殺されるのでさっさと調整してもらいます。
調整屋ではステ振りができます。
といってもなのかちゃんが振るステータスはたった一つ、『魔力』だけです。
現状『工作』の魔力消費量がえげつなさ過ぎて実践で使えるかすら怪しいのでガンガン上げていきましょう。
逆に魔力さえ上げてしまえば大チート魔法になりますのでそれまでの辛抱です。
さて、調整屋から出ましたが次はどうしましょうかね...ななかさんが見つからないとどうしようもないんですよねこれが。
はぁーつっかえ、チャートどうなってんの?
まぁそう簡単に見つかるわけもなし。
最終目標はみかづき荘の一員になることだから、多少はね?
みふゆさんに連絡してお茶でも飲みましょうか。
ところでこのRTAにおいて一番欠かしてはならないことは一体なんだと思いますか?
魔力の強化?交友関係の拡大?
それはズバリ、みふゆさんの好感度です。
このことに疑問の多い兄貴たちは多いでしょう。
なんせみふゆさんは(将来の)マギウスの翼のトップですしね。
これについては本チャート特有のうま味があります。
みふゆさんはメルの魔女化をきっかけに好感度が強制的に下がってしまうので、マギウスルートでもない限り攻略が非常に難しいキャラの一人です。
しかし彼女はマギウスの翼となった後に好感度が一定値以上であり、かつ以下の条件が揃っていると連絡を取り合うだけで右肩上がりで好感度が上昇していきます。
・初期交友関係でみふゆと交友がある
・少なくとも一緒に魔女狩りをする位の仲
・世代が近い又は同年代であること
しかもみふゆさんと親交を深めていると、通常は好感度など上昇するはずがない黒羽根白羽根の好感度も自動的に上がっていきます。
あのみふゆさんと仲がいい→マギウスの翼には入らないけど自分達のことは理解してくれてる→あの人はいい人だ
という理論ですね。
まぁ相当低い上に一定値以上には絶対になりませんが。
それでも単独で行動していても襲われなくなったり(ウワサで理性を消されている場合は例外)、勧誘イベントが入らなくなったり、情報が仕入れやすくなったりと黒羽根白羽根の好感度を上げるのはメリットがマシマシです。
代償として他人にこの関係を知られてしまうと、その魔法少女たちの好感度が落ちます。
しかしちゃんと説明してあげれば理解してくれる範疇ですので問題はありません。
しかしみかづき荘の人間はダメです。
黒羽根達にウワサを消して回ってると悟られるのもダメです。
そうなってしまった場合は即リセットです。
そんな二重スパイみたいな事をしなければならないため、いかなるゲス行為もやり遂げる覚悟がいるんですよね。
と言う訳で暇なときには定期的にみふゆさんの好感度を上げておかなければなりません。
じゃあ電話でみふゆさんを呼びましょう。
要件はちょっと話がしたいくらいでいいです。
「おはようなっちゃん。待ちましたか?」
おう全然待ってねぇぞ(寛容)
ふむ、『なっちゃん』ですか。
あだ名が付いているということは意外と好感度高めですね。
少なくとも彼女の中ではやちよさんと同列くらいの扱いなんですかね。
まぁ最悪の場合警戒されてやちよさんが着いてくるのでそれよりはマシです。
その辺の喫茶店に連れ込んでお話しです。
最近どうだい!元気してるかい!
「えぇ、かなえのことは残念でしたけど...やっちゃんも立ち直ってるみたいですし。なっちゃんはどうですか?」
ぼちぼちです。
...にしてもかなえの死について軽々と話せるってことはやはり結構親密な仲ですね。
現在のみかづき荘は安名メル、由比鶴乃、十咎ももこの3人を加えている時期ですし、この調子ならみかづき荘の一員でもおかしくありませんが...まぁいいです。
それはそうとあんたはどうなんだい?
「ワタシですか?そうですね、健康上は全く問題ありません。みかづき荘もにぎやかになって楽しいですし。しかし...。」
おっどうした(一抹の不安)
「最近なんだか...魔法が弱くなってる気がするんです。」
あぁこれはアレですね。
みふゆさんはこの時大人になりつつあるので魔法少女としての力が弱くなってきています。
大丈夫大丈夫!何とかなるって!(無責任)
「そう思いたいんですがそうは思えないんです。どうしても不安で...。」
実は現時点でみふゆの悩みを解消するのは不可能です。
何故ならこれらは全て彼女自身の問題であって、なのかちゃんがいくら関わったところで結局解決するのはみふゆさん自身なんですね。
アドバイス程度に諌めておくのがベストです。
「...ありがとうございます。なっちゃんも変わりないようでよかったです。」
ヨシ!(現場猫)
いやーよかったよかった。
あんまりにも好感度が低いとリセットなので内心穏やかではありませんでしたがうまく行って良かったです。
うまく行き過ぎてヤバイですね、何か一族のガバ運が働いたような気がs
「ゲェッ、木星なのか...。こんな所でアンタと出くわすなんてアリナ的にベリーバッドなんですケド。」
は?
ウワァァァアアアアアアアア!!!
HA☆NA☆SE!
ヤメロォ!(建前)ヤメロォ!(本音)
俺の側に近寄るなァァァァァァ!!!
落ち着きましたハイ。
みんな大好き神浜の檀黎斗ことアリナさんに遭遇してしまいました。
なぁんで喫茶店にいるんですかねぇ!
見たところ関係も良くはなさそうです。
最悪じゃないか()
しかしまだ解決策はありますねぇ!
ここで前述していたなのかちゃんがアーティストだと言うことについて説明しなければなりません。
まずこのゲームは性格や固有魔法によってある程度ステータスに上方補正がかかります。
例えば冷徹を選ぶと精神面に上方補正がかかります。
そしてアーティストは芸術関連のステータスが一定値を越すともらえる称号のようなものです。
なんでその称号がマスクデータなんですかね。コレガワカラナイ
で、固有魔法の『工作』は芸術関連のステータスに大幅な補正をかけることができます。
つまりなのかちゃんは確定でそこそこ高い芸術性を獲得しているわけです。
つまりアリナとも分かり合える可能性が大いに存在し、アリナでいちいちリセットしなくてよくなります。
どういうことだってばよって兄貴たちに分かりやすく言い換えると、アリナと同類だから大丈夫大丈夫(投げやり)ってわけです。
だから大丈夫な「気がする」んですね。
「ハァ...言っとくけどアリナはアナタなんかにかまってる暇ないんだヨネ。」
なんだかお疲れのようですね。
アリナが悩んだ挙句自殺して魔法少女になるイベントはもっと先なので違うとは思いますが...。
「あぁもうその顔!ムカつくから二度と見せないでヨネ!」
んな理不尽な。
ただ立ち去ってくれるというのであればこちらとしては万々歳です。(50点並感)
あの、みふゆさん?
引き留めようとしないでくださる!?
「え、でも知り合いなんでしょう?」
やめとけやめとけ!
アイツは付き合いが悪いんだ。
「そうなんですか...?まぁなっちゃんがそう言うならやめておきます。」
ふぅ、焦った焦った。
何でしょうか、これからアレに金輪際悩まされ続けるようなそんな気がします。
そんなこんなで今回はここまでです。
ご視聴ありがとうございました。
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気まぐれに喫茶店に寄ってみたらアイツに出くわした。
「ゲェッ、木星なのか...。こんな所でアンタと出くわすなんてアリナ的にベリーバッドなんですケド。」
サイアク。
もう二度と会うことなんてないだろうし忘れようと思ってたのに。
「おぉ、誰かと思ったらあの時の画家さんじゃねーか。確か...アリナだっけ?元気してっか?」
ボサついた赤髪は後ろで束ねただけで、黒のパーカーとグレーの長ズボンという雑なファッション。
気の強そうな口調、常に心を見透かされてるかのような目、あの時と変わらない。
コイツ、『木星なのか』との出会いは3ヶ月前のことだった。
その時は何の気無しに、外に出ようと思った日だった。
後輩に「外に出たほうがいいと思うの!」と言われたわけではないが、気分が乗った。
晴天の空とは言い難いけど十分に晴れていて、自分以外の人が絵を書くと言ったらこういった日を選ぶのだろうと思った。
スケッチブック片手にフラフラと歩いていると、川を見つけた。
その時手は勝手に動いていた。
簡単な川のスケッチ、だけどそれだけじゃ足りない。
まず川の向こう側に手を掲げる人を書いた。
まだ足りないと思い、沈む夕日を書いた。
なんだか違うと思って、夕日を月に変えた。
そこから何も浮かばなかった。
「...ハァ、いつもこんなの。イヤになっちゃうヨネ。」
いつもの事だ。
こういうことを続けていれば、いつか何かしらインスピレーションが働いて作品が出来上がる。
だけどその日はいつもとは少し違った。
「ヘイそこのお嬢さん!何描いてんだい!?」
威勢のいい声が響いた。
振り向くと、そこにアイツはいた。
会って初対面で、しかも出会い頭で何を書いてるのかなんて聞くやつがあるだろうか?
「別に何でもないカラ。アリナに構わないでヨネ。」
さっさと追っ払うのが吉と思ってそう言ったのに、アイツは
「アリナって言うのか?そーかそーか。アタシは『木星なのか』ってんだ。よろしくな!」
なんて答えてきやがる。
何故か無性に腹が立ったので、適当にあしらっておけばいいと思っていた。
「名前の柔らかさとアナタの行動が一致してないように思うんですケド。」
「よく言われるよ。んでさ、アリナの絵を見てちょーっと思った事があるんだよね。」
何だコイツは。
これまで何回も作品を批評されてきたが、自分の書いてる途中の作品に思ったことを意見する奴なんて初めてだった。
「それ、川の手前側に死骸を並べたほうがいいと思う。何でもいいよ、鼠とか。それだけ!じゃぁな!」
それだけ言ってコイツはさっさと立ち去って行った。
その日はもう何も浮かばなかった。
きっとなのかとか言うやつのせいだ、そう思って恨み言をぼやきながら1日を過ごした。
次の日は、いつもの調子だった。
その次の日も、あの日の出来事など無かったかのようにいつもの調子だった。
だけど数週間経ったある日、唐突にあの日言われた事を思い出して、スケッチブックの川の絵に鼠の死骸を並べてみた。
...驚くことにそれは、思い描いた以上の作品だった。
嬉しかった。
完成品のその先が見れたことに。
しかし同時に悔しかった。
これは自分の作品じゃない。
それからというもの、自分の才能に自信が無くなってしまった。
何日も何日も、何も描かない日が続いた。
後輩にも「先輩どうしたの?」なんて聞かれたが、答える気にはならなかった。
そしてある日、ゆっくりと自分の作品を見回してみると、それらは何のメッセージ性も持たない、空虚な物だったと気づいてしまった。
今まで言われてきた評価はどうでもいい戯言だと思っていたが、戯言を吐いていたのは自分もまたそうだった。
「ホンット、ベリーバッドなんですケド。」
失意の中、やっとアイツのことを忘れて日々を元通りに過ごそうとしていた時に、気分転換で訪れた喫茶店で偶然出くわしてしまった。
普段なら絶対に来ない喫茶店なんかで出会うとか本当にありえない。
「ハァ...言っとくけどアリナはアナタなんかにかまってる暇ないんだヨネ。」
強がりだ。
らしくない。
ホントは関わってまた自分の才能が否定されるのが怖い。
「ハハハ...辛辣だねぇ。あぁそうだ、アドバイスどうだった?役に立ったかな?」
そう言い放ったその顔は、純粋無垢な赤ん坊のようだった。
こちらの気など何も知らず、無作為に、無造作に、心を引き裂いてくる。
「あぁもうその顔!ムカつくから二度と見せないでヨネ!」
気づくと叫んでしまっていた。
これじゃまるで負け犬みたいじゃないか。
「負け犬...フフッ。アリナが負け犬...。」
空っぽだ。
そうだ、こんな何もない...空虚な芸術家は、アイツに出会わなくともいつか本当に何も書けなくなってしまうだろう。
その日の帰り道、白いイタチを見た。
そして、そのイタチは事もあろうか自分にこう告げたのだった。
「僕と契約して、魔法少女になってよ!」
白いイタチ...一体何べぇなんだ...?