【RTA】マギアレコードRTA チームみかづき荘ルート 作:ironplate
『記憶ミュージアム』。
私達は昨夜みふゆさんに誘われた『講義』に参加するために、やっとの思いでたどり着いた。
「ここが『講義』の会場...。」
私がその外観に気を取られていると、さなちゃんが不安げに呟いた。
「...鶴乃さんはどこへ行ってしまったんでしょうか...。」
「今気にする事じゃねーだろ。」
「でも...なんだか心細いじゃないですか。」
その気持ちは何となく分かる。
やちよさんも今朝から様子がおかしくて、多分昨夜みふゆさんに言われたことが原因なんだろうけど...。
「とにかく今は行くしかないよ。」
そう決意を新たにすると、横から何かが肩に飛びついてきた。
「もっきゅ!」
「あ、小さいキュウべぇ...来てくれたんだ。」
この小さいキュゥべえは度々私の前に現れるんだけど、皆は全然見たことないらしい。
特にウワサの空間ではよく出会う。
不思議なのはそれだけじゃなくて、近くにいると何だか安心するというか、凄く親近感を覚えてしまう。
だから私は、今回も大丈夫だってそう思ってた。
油断しきってたんだ。
廊下の奥から響く靴の音が散り始める。
影から出てきたその姿に、私達は唖然とした。
「...あなたは...!」
「...。」
それはなのかさんだった。
後ろから灯花ちゃんが現れる。
その次の言葉はとても信じがたい事だった。
「環いろは、ベテランさん、紹介するね?わたくし達の新しい仲間、そして新しい『4人目のマギウス』だよっ!くふふっ!」
「なんですって...なのか!!一体どういう事なの!?」
「...どういう事もこういう事も無い。私は『マギウスの一人となった』と言う事だ。」
その雰囲気は普段のものとは違って、落ち着いていて冷やかだった。
何で、どうして。
フェリシアちゃんも、さなちゃんも、鶴乃ちゃんも、なのかさんまでマギウスの仲間になってしまった。
折角、やっとやちよさんと仲間になれたのに。
「なのかさん...なのかさんはそれでいいんですか!?」
「それでいいと言う意味が分からないな。私は自分に利がある方に付くだけだ。」
「どうして!私達は仲間じゃないですか!」
「仲間だと...?」
「一緒にウワサを倒しに行って!楽しく話し合ったじゃないですか!」
「...たったあれだけの交流でそんな事が言えるなんて、よほど頭がおめでたいようだ。」
「そんな事言わないでください...!短い時間だったからって仲間には違いないんです!」
「仲間仲間って...うるさいんだよ...。」
「...え?」
「この際だハッキリ言おう。環いろは、私は最初会った時から君が嫌いだったんだよ。」
「...ッ!」
「君のその純粋で曇りの無い目が、どこまでも愚直な精神が、私はとても気に入らない。」
そんな、そんな風に思われていたなんて。
普段の言葉や態度では全然わからなかった。
するとやちよさんが立ち上がって、槍を構えた。
「なのか...あなたがどういう思考でそこに居るのかは知らないわ...だけど私はそれを許す事は出来ない!ましてやマギウスになるなんて...落ちたわね...!」
「落ちた...か...。私は元々地獄の底に居たんだがな...。君が気づかなかっただけだよ。本当にいつまでも鈍いよなぁやちよは。」
「ッ!」
やちよさんがいきなりなのかさんに斬りかかった。
それをなのかさんは変身して受け止める。
思えばなのかさんの魔法少女姿を見るのは初めてかもしれない。
「...え?あの姿って...。」
その姿は、かつて見た『十咎ももこ』さんのものと酷似していた。
するとなのかさんがやちよさんの槍を弾き飛ばし、蹴りを腹に入れて吹き飛ばす。
「なのかさん...まさか...!」
「...気づいたか?そうだ、お前をあの時助けた『十咎ももこ』は私だ。」
「いろは...それはどういう事!?」
「なぁに簡単なことさ、成り代わっていただけだ。私の魔法でな。」
「まさか...あの時のソウルジェム交換をやったの!?」
あの時の?ソウルジェム交換?
やちよさんの言っていることはよく分からないが、とにかく私が今までももこさんだと思っていた人はなのかさんだった。
そういうことらしい。
「一体何でそんなことを...!」
「知りたいか?ならばこれが答えだ。」
なのかさんはそう言って、指をパチンと鳴らす。
するとその後ろから数人の魔法少女が現れる。
そこには、ももこさんや、果てはななかさんの姿すらあった。
「ももこさん...?あなたが本物なんですか?」
「...そうだな。アタシが本物だ。だからどうした?」
「ななかさん...!あなたもマギウスにつくんですか!?」
「勘違いしないで下さい。私達はマギウスにつくのではありません。なのかさんにつくのです。」
「その通りだよ。私はもう、なのかと一緒に居ないと安心できないんだ...。」
「鶴乃...あなた騙されてるのよ!」
「騙されててもいいよ...だって何も知らないほうが居心地良いし。」
全員目に生気がない。
まるで操られているみたいだ。
するとまた一人、奥から人が現れた。
「遅いぞ、マミ。」
「ごめんなさい、でも安心して。きっと解放のために尽力できるわ。」
「その通り!頑張ってもらわないとにゃー?その為に力もあげたでしょ?くふっ!」
「えぇ、えぇ!この力さえあれば...みんなを導いてあげられるもの...!」
「そ、じゃあここは任せたからね?」
そう灯花ちゃんが言うと、みんな揃ってその場を去り始めた。
「待って灯花ちゃん!思い出してよ!私だよ!いろはだよ!」
「だーから、知らないってば!こっちも時間がないの!じゃーねー!」
「待って...きゃっ!」
刹那、とてつもない魔力の波動が部屋全体を包み込む。
そしてその中心には、真っ白な毛皮に見を包んだ黄色の魔法少女がいた。
「さぁ、あなたも一緒に解放されましょう?」
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超特大アルティメットガバオブディスティニーの発生に戸惑うRTAはっじまーるよー。
なぁんでこうなったのか...訳が分からなかった視聴者の方々も多いかと思いますので、改めてかいつまんで説明します...。
まず事の発端は数日前、いろはちゃんとのデート()をした次の日のことです。
その時なのかちゃんは鶴乃ちゃんとイチャイチャしていました。
すると突如あのサイコ幼女が突撃してきやがりました。
要件はと言うと、マギウスの翼に入る気は本当に無いのかということ。
実を言うとここで普通にマギウスの翼に入るのは今は見る影もないチャートに書いてありました。
通常プレイでもこのタイミングでマギウス側に付き、みふゆさんを懐柔してチームメンバーの洗脳を解くのはトリックプレイとして存在してはいますので、私の場合ワルプルギスの夜を確実に出すためという意味合いを込めて寝返るつもりだったんです。
そして予想外だったのは...この幼女がなのかちゃんの固有魔法について質問してきたことです。
そしてウソを付くとマギウス側に付けなくなると思ってその質問に正直に答えると、何故かマギウスにならないかと言われ、ワルプルギスの計画やらキュウべえに成り代わるだとか全部話されて、いつの間にか断ることが出来なくなってました。
そこからはヤケになって、誘える人をマギウスに誘いまくり戦力を固め、せめていつでも反逆できるように準備しておきました。
一応最後に記憶ミュージアムで鶴乃ちゃんと組長に洗脳を施してあります。
その間全然家に帰らなかった上に各地を転々としていたので行方不明扱いになっているかもしれません。
...取り敢えずしばらくは拠点がフェントホープになります。
これからやる事はひとつだけです。
ワルプルギスの夜を確定で出現させるためにマギウスに精一杯協力しましょう。
その上でネームドが死なないように尽力せねばなりません。
さて、今はフェントホープの聖堂、イブが管理されている場所に来ています。
この場にいるのはテーブルにつくマギウスの三人となのかちゃんのみです。
ほかは一旦どっかに移しました。
「じゃ、改めて歓迎するね、木星なのか。」
「ハァ...。」
「始めまして、だね。まさか本当にこちら側につくとはね...何が魅力的だったんだい?」
あぁ始めましてねむちゃん!
ただ単にワルプルギスに興味があるだけですよ、魔女大好きなんでね!
さっさと研究したいね全く!(ヤケ)
「なるほどね、ワルプルギスを呼ぶ事に惹かれたと。灯花、木星なのかの固有魔法は役に立つんだろうね?」
「もちろん!わたくしの分析に間違いはないからね!」
「ハァ...。」
オイそこの緑、ため息をついてないでお前も喋ったらどうだ?
「ワルプルギスでパーリナイ...。」
駄目だこいつ。
で、具体的に何をすればいいんですかね?
「君にやってもらいたいのはワルプルギスに電波を届ける橋を作ってもらうことだよ。」
「周波数の特定が上手くいかないから、それなら橋を掛けて直接繋げてしまおうってことだにゃー。わかった?」
...だいぶ無謀ッスね。
異次元に隠れる存在に電波を届けるとか正気の沙汰じゃねぇな。
まぁやらざるを得ないんですけどね!
取り敢えずワルプルギスの場所を特定できなきゃ意味がありません。
これをするのは相当至難の技なのですが、大体は幼女がやってくれる...のを待つのはただ単にロスです。
ここはプレイングスキルが光るとき!
と言う訳でここからはワルプルギスを必死で探さなければなりません。
と言う所で今回はここまでです。
ご視聴ありがとうございました。
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『美樹さやか』という魔法少女の助けもあり、私達はあの場をなんとか無事に切り抜けることができた。
何はともあれ、ゼロからまたやり直しだ。
ももこ、鶴乃、フェリシア、さな...そしてみふゆになのか。
みんな取り戻してみせる。
いろはと二人でそう決心した。
だけど、それにはまだ戦力が足りない。
...彼女を頼るときが来たのかもしれない。
そう思って、私は電話をかけた。
『これは、久しいな七海。旧敵からの電話に心が踊ったぞ。』
「久しぶりね、十七夜。」
和泉十七夜。
かつて西と東の代表として争いあった神浜きっての実力者の一人。
『こんな夜遅くに何用だ?』
「...あなたに協力して欲しいことがあるの。」
『協力...か。もしかしてマギウスとか言う組織のことか?』
「知ってたのね。話が早いわ。」
『今しがた聞き終えた所だが...一つ聞きたい、そこには七海一人か?』
「えぇ、そうだけど。」
『木星はどうした?』
「...マギウスに寝返ったわ。」
『...それを聞いて少し安心した。』
「どういう事?」
『過去に鏡の魔女が引き起こした西と東が一触即発になる事態があっただろう?』
「えぇ、あの事件はなのかが解決してくれたのよね。」
『その一件で一度私は彼女の心を覗いてみたんだが...もう二度と覗きたくはないな。何もかもが一致していない。』
「...?」
『おそらく、彼女は私にとって唯一心を読む事ができない存在だということだ。』
「それは...本当なの?」
『あぁ、あれ以来私は彼女を危険視していた。もしそこに木星が居るようであれば協力はしなかっただろうな。』
「...ということは協力してくれるのね?」
『もちろんだ、かつてのライバルとの共闘...うむ!ドラマだな!』
その言葉に私は、呆れたようにため息をついた。
しかし、なのかの心が読めないというのは気になる話だ。
もしかしたら本当に気をつけなければいけないのはマギウスではなく、彼女なのかもしれない...。
ついに裏切らせることに成功したぞ!やったぜ!