いつのまにやらマイスターへの道   作:YAMYAM

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あれから14年、いやそろそろ15年か。もうすぐ俺はアカデミーに入学する。

大変だった。

ドイツ語を覚えていたばっかりに、中途半端にザールブルグ語とドイツ語が混じり合い、話す方はともかく書く方がめちゃくちゃだった。

理解力がないわけじゃないのに書き取りは劣等生扱い。

パンの作り方も日本ともドイツとも微妙に違う。

そもそも麦の種類が一緒ではないのだ。

張り切って手伝おうとして愕然とした。

仕方がないので最初のうちは片付けやパンを並べる手伝いをして過ごしていた。

いや、子供だから当たり前なんだけどね。

パン屋がパン屋に転生したんだから、子供のころから俺SUGEEEEできるかなってちょっと期待しただけだ。

それでも、売り物じゃなく家で食べる分といって作らせてもらっているうちになんとなく特性はつかんだ。

面白がって工夫しながら作っているうちに親父が発想を買ってくれるようになった。商品として並んだときは嬉しかったなぁ。

そのままパン屋になるために修業をするのも良かったが、俺には兄貴がいた。

5歳上の兄貴は俺が手伝うようになったころにはもう、親父の弟子として工房でパンを捏ねていた。

将来このパン屋を継ぐのは兄貴だ。

俺もそう思っているし、家族みんなそう思っている。

 

じゃあ、俺は?

 

前世と同じようにどこかに修業に入っていつか独立するのか?

もしくはどこかに婿に入って継ぐのか?

 

いいや違う。

赤ん坊の頃、俺はこのザールブルグにアカデミーができたことを噂で聞いている。

怪しげな魔術を使って変な物を作っているっていう認識だったのには苦笑いしたが。

リリー涙目だな。

最初は軍や貴族、冒険者や好事家たちから広がった錬金術のアイテム。

安価にとはいかないが、いざというときの薬という部分から次第に身近に出回るようになってきて、認知度がどんどん上がりつつある。

 

俺が錬金術師を目指さなくてどうする!

 

思えば高校生の頃に中古屋で見たマリーのアトリエにはまり、エリーも見つけ、リリーの発売に合わせてバイトをしてPS2も買ったものだ。

その後も新作が出るたび買っていたが、大学が忙しくなったころからやる時間が無くなってしまった。

卒業後はドイツに行っていたしな。

新しいのに手を出す余裕はなかなかなかったが、空き時間に気分転換にマリーやエリーを遊んでいた。

一番はまっていた高校の頃は夢にまで見るほどだった。

大人になってからは夢でまでは遊ばなかったが、転生してゲームの中にという小説を読むたびに

(俺もエリーの同級生に転生しないかな。マリーは留年しちゃうから同級生になっても意味ないしなぁ。いや、一緒に入学して仲良くなって、留年しないように一緒に勉強すればいいじゃん。ナイス、俺)

なんて妄想していた。うん、痛いね、俺。

 

そんな俺は。

だから俺は。

 

錬金術マイスターに! 俺は! なる!

 

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