日が半分沈み、オレンジ色の光が廊下内を照らす。廊下の電気は既に切られておりそのオレンジ色の光が私にも降りかかって来た。
「ふぅ……疲れた」
トントントンと私の足音だけ廊下に響き、朝とは違う異様な雰囲気を醸し出していた。部活動で一緒の人達とはとうの前に部室で別れている。歩みを止めず、昇降口まで来ると下駄箱から自分の外履きを取り出し上履きをしまう。
「本当に昨日一昨日だけでかなり濃い事になったなぁ……」
前夜祭の話やパスパレの番組への出演が急に決まる話し……とうとうと思い老けながらと外履きを履き、学校の玄関から出て、ふと、足を止める。
「でも、今後のスケジュールとかどうなるんだろう」
昨日はなんやかんやで流されてしまったけど、私自身そこら辺のスケジュール把握してないし、黒服さんにも聞きそびれたのも大きいなぁ……と思いつつ足をまた動かして校門の前までくる。
「こんばんは、美咲様」
「ひゃう!?」
突如として校門の影から声が聞こえ辺な声で驚くいてしまう。するとひょっこり黒服さんが姿を現す。
「これは失礼しました、黒崎です」
え、あ、あれ、なんでこの人黒髪だっけ、あ、違う違う、今の髪の毛は桂って今朝言ってたの忘れてた。
「あっあぁ、大丈夫です、思わぬところから出てこられたので思わず驚いてしまっただけです」
「それは誠に失礼したしました」
礼儀よく黒服さんが頭を下げてくる。それに対してちょっと頭上げてくださいと、いい黒服さんは頭を上げる。それからはぁとため息をつく。
「それで何の用ですか」
「早速ですが、明日パスパレの撮影にミッシェルとして参加してください」
はい?っと頭の中で思考が停止する。それから言われている事を咀嚼し、目を何度か瞬かせる。
「ちょっと待ってください、話が急すぎません!?」
「これに関しては前から話が上がってましたが……」
少し首を傾げた黒崎さんに対して私は私は首を横に振る。
「いや、私聞いてませんし、だったら昨日の内に話ししてくださいよ!それにまだ明日は平日ですよ!?学校はどうすればいいんですか!?」
「いや、昨日はそのパスパレの皆さんとお会いしまして、それに基づいた説明をしていた為、お話しするのを忘れておりました」
「だったら、今日の朝、今日の朝は!?」
「お恥ずかしいながら寝ぼけてました……」
罰悪そうに黒服さんは口をしかめる。黒服さんでも寝ぼけるんですねぇ!まぁ、この人達も普通に生きている人ですしね……人間完璧な人はいな……いな……いな……いる……身の回りに何でもできちゃう子居たの忘れてた。
「……事情はわかりました、明日どこに向かえばいいですか……」
「いいえ、明日は走った後に私が連れて行きますのでお気になさらないでください」
は、はぁと生返事する。すると、黒服さんはサングラスをクイッと上にあげる。
「しかし、この時間まで学校にいるという事は部活動が何かしてらっしゃいましたか?」
「はい、テニス部の部活動していました」
なんか最近三年生が引退とか何とかで大きな大会をでるという理由で練習しており、私もそれの巻き添いを食らっているって言う形でこんな時間まで練習させられていたんですけどね。
「テニスですか……懐かしいですね……」
「懐かしい?」
「はい、昔少し齧った程度ですがやっておりました」
そう言って黒服さんは若干の笑みを漏らす。それからあっと何か思い出したかのように私の方を向く。
「そう言えば時期が時期ですから大会には出場はする予定はございますか」
「いや、ただでさえ、多忙になりつつあるのにわざわざでる必要はありませんし、何より大会に出るのは私より一個上の学年ですしね」
わかりましたと一言われ、それに頷き返す。大体話す事が終えたのかどこか満足そうに黒服さんが微笑む。
「では、私はこれで失礼させてもらいます、明日朝、お願いしますね」
「あ、はい、わかりました」
特にこちらも話す事はないので、そのまま背を向けて帰ろうとすると、あっと後ろから声が聞こえ足を止める。
「そうでした、重りは大丈夫ですか、日常生活には支障は出てないですか」
そう言えば、重りつけてたんだっけ……あまり重く感じてないから存在自体忘れてた。
「そうですね、支障は出てないです」
「それなら明日の朝、新しい重り持ってきます」
多分拒否権は無いんだろうなぁと思いつつ、わかりましたと言い、私はそのまま帰路につくのであった。