家に帰り、夜ご飯を食べ、風呂に入った私は自分の部屋のベッドの上で、エアコンからくる風を受けながら大の字になってまったりとしていた。寝る前のちょっとしたリラックス時間にしている為、黒服さんに付けておいてと言われた重りは全部外してベットの脇に置いてある。
「ふぁぁぁぁ……」
大きく欠伸をする。充電コードに付けていた携帯がバイブ音を鳴らす。携帯を手繰り寄せ画面を見ると、こころと表示されていた。
「おりょ、こころからじゃん」
充電コードを取り外し耳にあてる。そして、元気な声が聞こえてくる。
『やっほー、美咲!』
「あはは、こんな時間に電話とかどーしたの」
いつもだったらこころは寝ている時間なのだが、珍しいなぁ。
『んーなんかわらないんだけど、美咲の声を聞きたくなったの!!』
何じゃそりゃと苦笑しつつ、そう思ってくれたのに何処か嬉しさを感じる。
『だって、美咲とは教室別だし、朝以外は会ってくれないし……』
「あぁ、それについてはごめんね」
テニス部の関係で、私は最近よく昼休みに職員室や部室に借り出される事が多くなっている。係りの引き継ぎやら、昼練やらとこころをかまってあげれてないなぁ……と染み染み思う。
『ん?なんで、美咲が謝るのよ』
「ふふ、こころらしいね」
なんかなぁ、こころと話すとどうしても調子が狂うなぁ……まぁ、それが狂わしい程に愛しくもあるけど。
『なんか、少し眠いわ』
「そりゃあんたいつもこの時間寝てるからね……」
少しばかりトーンが落ちたこころの声が聞こえてくる。なにせ、今はちょうど時計の長針と短針が同じく上を向いているからね。
『そうなのよ、なんか、寝てたら……急に目が覚めちゃって……それで……無性に美咲の声が聞きたくなってぇ……』
「ふふ、そっか、じゃ、聞けたし寝ようか」
『わかってる、わ……でも……もっと……美咲と、はな……し……たい…………』
そこが限界だったのか、すーすーすーと電話越しに可愛らしい寝息が聞こえてくる。
「おやすみ、こころ、また明日」
そう言って私は携帯の電話を切り、目覚まし時計を設定する。それから携帯をコードにつけ直す。
「……」
ベットから立ち上がり、電気を消しに行こうとする。だが、部屋の途中で立ち止まってしまう。
「こころ……」
そういえば明日学校いけないんだった。ごめんねと心の中で謝るが、心の中でこころに謝っても意味がないなと自笑してしまう。
「寝ないとなぁ……」
部屋の電気を消して、私も寝るためにベットにダイブしたのだった。