デンドンデンドンデンドンデンドンデンドンデンドンデン……   作:葛城

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誰か続き書いてください


第五話: ああ、今回もダメだったよ

 

 ──先日、彼女は気付いた。

 

 

 

 どうやら、己は勘が鈍いというか……コミュニケーションに難があるのではないか……その可能性に。

 

 もちろん、あくまでも可能性の話だ。

 

 彼女からすれば、出会った相手が例外なく初対面。そのうえ何やら複雑な事情を抱えていそうなうえに、そもそも、彼女が理解している常識が違う。

 

 おまけに、彼女は何百年という月日のほとんどを、空の上で過ごしていた。つまり、彼女のぼっち期間は数百年……平均レベルのぼっち達が怖気づく程の、神話レベルのぼっちなのである。

 

 

 そう、思い返せば、ここ数百年、彼女は他者とまともにコミュニケーションを取った覚えがなかった。

 

 

 かつては大陸を練り歩いたり、町から町へと流浪の旅に出たり、町に降り立っては何故か領主より捕縛命令が出て逃走したりなど、色々関わっていたが……今は昔のこと。

 

 唯一の例外は、それこそ『縁壱』と、その妻である『うた』だけだ。あの二人がやべーレベルの『つよつよコミュ強(諸説有り)』だったおかげだろう。

 

 

 ……うたは別として、『縁壱』はコミュ強というよりは、いくらピントがズレた事を言っても気にしないマイペースな……話を戻そう。

 

 

 とにかく、彼女はこれまでまともに他者と接して来なかったことで、いつの間にか己は人見知りになっているのではないか……そう、思ったのだ。

 

 だから……多少なり他者とのコミュニケーションに問題が生じるのは仕方がない事なのだ。

 

 というか、そもそもいきなり本番が駄目だったのだ。いきなり人間とコミュニケーションを取ってはいけない。それが許されるのは陽キャだけなのだ。

 

 そう、何事も最初はイージーモードから始めた方が良いに決まっている。怪我をすればリハビリを、まずは徐々に身体を慣らしてからやるのが不変の鉄則。

 

 どこぞの神様だって、いきなり張り切って一週間で世界を作ったから、その後は終末までずっとお休みするハメになったじゃないか。

 

 そう、気付いてしまった彼女は、ひとまず町から離れ……色々試行錯誤した結果、今度は山奥にて練習を始める事にした。

 

 まあ、練習とはいっても、そう大した事をするわけではない。というか、出来るわけもない。だって、人が居ないのだから。

 

 何故なら、彼女が言う山奥というのは、本当の意味で山奥だ。文字通り、人類未踏の地……それこそ、踏み入れても帰られずに命を落としているような、秘境も秘境。

 

 居るのは獣や鳥や虫ばかり。何処も彼処も自然がそのままに循環し、人の気配など1年に一度は訪れれば多いぐらいの、秘境であった。

 

 

 ……賢明な者から見れば、本末転倒もいいところだ……そう、呆れた事だろう。実際、本末転倒なのだから言われてもしょうがない。

 

 

 難易度『やさしい』から始めるにしても、限度がある。

 

 スライムでもゴブリンでも、倒さなければ経験値が手に入らないのと同じく、話し相手が居なければお話にならないのだ。

 

 

 ……だが、しかし。これにも実は、深い理由が有った。

 

 

 それは、何故かは分からないが……ここ最近(とはいっても、十年単位だけれども)……出会う人、出会う人。

 

 何故か……もう、本当に何故かは分からないけれども、誰もが顔を合わせた途端、『ヒノカミ様!』と飛び退いてしまうのだ。

 

 てっきり、縁壱のようなごく一部の者たちに広まっている呼び名かと思ったが、どうも違う。思っていたよりも、人々の間に『ヒノカミ』とやらは浸透しているようなのだ。

 

 だから、別の理由で迂闊に町には降りられなくなった。杏寿郎の時と同じく、うっかり自白しては相手にも迷惑が掛かるかもしれないと思った結果……都心は候補から外れてしまった。

 

 

 とはいえ……ならば田舎に……ともいかない。

 

 

 例のアレ(ピンク髪の、ノノの姿)で接しようにも、田舎は都会ほど柔軟ではない。ピンク髪の異国の血が入った一人旅の女なんぞ、怪し過ぎて誰もが遠巻きにしてしまう。

 

 金髪碧眼ですら珍し過ぎて村中の者たちが見に来るレベルなのに、ピンク髪なんぞもはや歩く珍獣扱いだ。幾らでも対処出来るにしても、下心満載で接して来るのは……ねえ。

 

 かといって、本来の姿はもっとヤバい。具体的にいえば、拝まれる。冗談抜きで、その場に膝をついて拝まれてしまう。

 

 縁壱と出会った時はそうではなかったのに、いったい何時の間に……しかも、そこで終わりじゃない。ええ……と、ドン引きする彼女を他所に、続くのは……お祭りだ。

 

 

 そう、驚くべき話だが、神輿が登場する。

 

 

 『日の神の尊』とか書かれたノボリが取り付けられた神輿が何処からともなく登場し、彼女を乗せようとワッショイわっしょい。

 

 その騒ぎは、村の中だけで留まらない。

 

 騒ぎを聞きつけた隣村の者たちが我先にと駆け付け、右に左にワッショイわっしょい、左に右にワッショイわっしょい。

 

 正直、恥ずかしい事、この上ない。穴が有ったら入りたいとは、正しくこういう気持ちなのだろう。

 

 そりゃあ……大陸を旅していた時にも、似たような事は有った。だが、どうも……何と言い表すべきか……こう……違うのだ。

 

 大陸の方は、こう、もっと神聖な感じであった。

 

 雰囲気も厳かで、尊い御方を奉ると言わんばかりに持ち上げようとするから、彼女もけっこう気楽に逃げ出せた。

 

 だが、こっちは違う。同じように奉る空気は出ているが、扱いがどうもスターというか……降って湧いた有名人に集まる野次馬みたいな感じだろうか。

 

 おかげで、振り払って逃げようにも……こう、逃げ出すのもはばかれる空気というか、何と言うべきか。

 

 ──結果的に、人里離れた所でほとぼりが冷めるまで……と、彼女が考えるのは、自然の流れというやつだろう。

 

 

(……雲海の中に居るよりは、騒がしくて暇を感じずに済むから楽だなあ)

 

 

 ちちち、と。聞こえてくる鳥の鳴き声に、彼女は目を細める。幸いにも、彼女は時の流れをそれほど苦にはしない。

 

 劇中における『バスターマシン7号』は違ったが、ここらへんは彼女の前世(今の身体に成る前の)が影響したのか……は、不明だが、とにかくけっこう平気であった。

 

 まあ、今更と言えば、今更な話なのだが……で、だ。

 

 杏寿郎の下から一方的に飛び立ってからの日々を、こうして長々と説明したわけなのだが……実は、これもまた理由がある。

 

 理由を語るのに新たな理由を語るのはややこしい話だが、とにかく理由が有った……さて、それは何かと言えば……だ。

 

 

「……ど、どう反応すれば良いのだ?」

 

 

 人里から離れ、自然しか存在しない森の奥深くに……おそらくは己を祀っているのかもしれない神社を見つけたからであった。

 

 ふわり……と。地に降り立った彼女の両の足首あたりが、雑草で埋もれる。

 

 手入れが……いや、僅かばかり手入れの名残を感じさせる狭い境内を通り、『日ノ神尊神社』と記された小さな看板を見つめる。

 

 

 ……何度見ても、見間違いではない。

 

 

 これは……本当に、どんな反応をすれば良いのだろうか。いや、己を示すらしい『ヒノカミ』と、この『日の神の尊』が、まったく異なる存在である可能性だってあるじゃないか。

 

 

 そう、ひとまず思った彼女は、改めて神社を見やる。

 

 

 神社全体の大きさは、けして大きくはない。こんな山奥に有るという条件を外せば、掘っ立て小屋と見間違うぐらいに簡素な造りをしている。

 

 見た所、参拝者が途絶えて(あるいは、管理者か)久しいのだろう。もしくは、あまりに奥まった場所ゆえに、管理したくとも出来ないのか……それは、現時点では不明だ。

 

 社全体に降り積もった土埃もそうだが、簡素であっても相当に歴史を重ねているのが、素人の彼女の目から見ても分かった。

 

 ひとまず……ピタリと閉じられた留め金を外して、御開帳。

 

 中を拝見すれば、神具と思われる小道具が二つ三つあるぐらいで、御神体と思わしき物は見当たらない。台座代わりと思われる布きれが、ぽつんと置かれているだけだ。

 

 おそらく……盗まれたのだろう。こんな場所にまで盗みに来るやつが居るとは思えないが、無い以上は、そうなのだろう。

 

 

(……かなり劣化が進んでいるな)

 

 

 軽く触れるだけで、ポロポロと繊維が解れて崩れてゆく。正確な年数は不明だが、推測出来る範囲では……百年以上は前のモノだと思われる。

 

 つまり、この神社は百年以上も前から存在しているわけだが……よくもまあ、今日まで倒壊せずに残ったものだ。

 

 

 ……。

 

 ……。

 

 …………これも、何かの縁だ。

 

 

 そう思った彼女は、神社を背にして仁王立ち(別名、ガイナ立ちとも言う)すると……おもむろに、目を閉じる。

 

 

(さて、街を離れてから……約200日強か。自動車が出てきたぐらいだし、人々の関心が薄れるまで……5年も経てば十分だろう)

 

 

 胸中にて、そのように結論を出した彼女は、そのまま意識を外界に委ね、時の流れに意識を溶け込ませようと──した、その時。

 

 不意に……索敵レーダー内にて、他とは異なる物体を感知した。反射的に、彼女は目を開け……そちらへと目を向ける。

 

 彼女のレーダー範囲は、半径100メートル。

 

 やろうと思えば天文学的範囲まで広げられるが、地上でそんなことしても何の意味も無いし、反応が多過ぎるのは鬱陶しいので、区切りとして100にしている。

 

 

 もちろん、例外はある。

 

 

 それは、無惨を閉じ込めている謎空間。あそこは彼女自身に搭載されたセンサーではなく、新たに設置した別センサーによって24時間体制で監視している。

 

 正直、そこまでする必要があるのか、と思わなくはない。

 

 はっきり言って、面倒臭いし……でも、アレは放っておくと碌な事しなさそうなので、仕方なく……で、話を戻すが、その範囲に……獣とは異なる物体が侵入した。

 

 そう、獣ではない。動きが、明らかに獣のソレとは異なっている。だが、獣でないのならば、いったい……おや? 

 

 

(……子供か?)

 

 

 両目のセンサーレンズを絞れば(感覚的な話)、確かに子供だ。額の辺りに薄らとした痣と、髪と黒目が赤みがかった、特徴的な容姿をした子供だ。

 

 その子供が……えっちらおっちら、山を……いや、神社があるこちらの方へとまっすぐ向かって来ている。

 

 

 ──迷子か? 

 

 

 一瞬、そう思った彼女は間違ってはいない。

 

 何故なら、彼女が居るその場所にはおぼろげな山道が続いているが、子供が登るには辛すぎるモノであったから。

 

 けれども、彼女はすぐにソレを否定した。

 

 何故なら、登ってくる子供の動きに迷いが無いから。迷子であれば右に左に方向が動き、不安が動きを止め……そもそも、山を下ろうとするはずだ。

 

 なのに、子供の動きには迷いが無い。時折、何かを探すように足を止めているのが見えるけれども、すぐに視線が定まり……確実に、この神社へと距離を狭めている。

 

 

 もしや……参拝客なのだろうか? 

 

 

 だが、レーダーには子供の傍に人の反応はない。少し範囲を広げても、同じ。こんな辺鄙な場所に子供一人が参拝に来るのは、変な話だ。

 

 ならば、この神社の管理人か関係者……だったら、それこそ子供じゃなくて大人が動くはずだ。その大人に事情があったとしても、それなら尚更子供一人で行かせるわけがない。

 

 

 ……何か、事情があるのだろう。

 

 

 そう判断した彼女は、とりあえず放って置けないし子供に何か有っては……と思い、登って来るのを待った。

 

 

「……あっ」

 

 

 そうして、時間にして15分後。

 

 小さな足で登り辛いのに、息を切らしながらも登って来た子供……いや、少年の目が、ようやく彼女の姿を捉えた。

 

 

 ──途端、ぽかん、と呆けた様子で少年の目が大きく見開かれた。

 

 

 

 あ、これはワッショイ来るか? 

 

 

 

 内心にて身構える彼女を他所に、少年はしばしの間、呆然としたまま彼女を見つめた後……ハッと我に返ると同時に、「あ、あの、『日の神』様でしょうか!?」と尋ねてきた。

 

 

 ……。

 

 

 ……。

 

 

 …………まただよ(笑)

 

 

 

 そう、呟きかけた彼女は、無言のままに首を縦に振る。

 

 これまでの経験上、首を横に振ったところで誰も信じてくれない。だから、とりあえず頷いておいた方が手間も省けるので……彼女はそのまま、少年の名を尋ねた。

 

 

「あ、あの、俺、竈門炭治郎(かまど・たんじろう)です!」

 

 

 すると、元気いっぱいな返事をされた。

 

 こんな森の奥深くにまで来ているのに、ずいぶんと声に力が有る。よほど優れた肉体を持っているのか、あるいは……そう、あるいは、だ。

 

 

(……なるほど、気力と高揚感で麻痺しているだけか。気が抜けた途端、そのまま座り込んでもおかしくない……か)

 

 

 センサーによるスキャンを経て、少年の状態を確認。いますぐ治療が必要なレベルではないが、すぐに休ませた方が良いぐらいに疲労が蓄積しているのが分かる。

 

 とりあえず……ありがたそうに拝む少年……炭治郎に拝むのを止めさせた後。改めて、どうしてここに来たのかを尋ねてみる。

 

 何せ、こんな辺鄙な場所だ。自殺志願者だと言われても驚かないだろう……というのが、彼女の正直な予想でもあった。

 

 

「あの……父さんの病気を治して欲しいです!」

「……すまない、最初から話してくれないか?」

 

 

 けれども、予想は外れた。

 

 いや、まあ、当たり前と言えば当たり前なのだが……とにかく、話を聞いてみて……簡潔にまとめれば、だ。

 

 まず、炭治郎の家は代々炭売りをしており、家はこの山の麓にほど近い場所に有る。家族は多いが仲睦まじく暮らしており、今年の冬も無事に越せるとの事。

 

 

 ……冬を越す部分の話は居るのだろうか。

 

 

 そう思っていたら、やっぱり要らなかった。まあ、子供の頭でいきなり順序良く説明出来るわけもないかと思って、さらに話を聞いてみれば、だ。

 

 どうやら……炭治郎の父は一昨年ぐらいから床に臥せる事が多くなり、最近では3日起きて1日は布団から出られなくなるぐらいにまで衰えてしまっているらしい。

 

 何度か行商より薬を手に入れ服用したものの、いっこうに良くならない。父曰く『生まれつき身体が強くない』という話らしいのだが……さて、だ。

 

 

「あの……日の神様、父さんの病を治してください、お願いします! 俺、何でもやります、頑張りますんで、どうか!」

「……色々と聞きたい事はあるけど、一ついいかな? どうして、私にそんなことをお願いするのかな? 自分で言うのも何だけど、私は医者の恰好などしていないはずなのだけど……」

 

 

 本当に色々と気になる部分は多いけど、とにかく、その中でも真っ先に気になった点を尋ねてみれば、「え、だって……」何故か炭治郎の方が不思議そうに首を傾げた。

 

 

「日の神様は、太陽神であると同時に薬祖神(やくそじん:医薬を広めたとされる神)でもあるんですよね?」

「え?」

「だから、父さんの病も治せると……あの、駄目なんですか?」

「だ、駄目じゃ……ないよ。うん、だからね、泣かないで、ね」

 

 

 今にも涙を流しそうな程に潤み始めた子供の前では、ヒノカミ(笑)も形無しである。悪党を仕留める事に戸惑いはないが、泣いている子供には弱いのだ。

 

 とりあえず……このままぐだぐだと話を聞くばかりでは埒(らち)が明かない。

 

 治すにしても、治せないにしても、当人を見なければ話が進まない。そう判断した彼女は、ひょいっと炭治郎を抱き上げた。

 

 

 当然──恥ずかしがった炭治郎は降りようとした。

 

 

 けれども、この方が速い事、手遅れになる前に、君の足では途中で動けなくなる、等々と説明すれば、渋々ながら納得した。

 

 なので、ふわりと淡く輝く赤き長髪を妖艶になびかせながら……彼女は、これまたふわりと重力に逆らって木々の頭上へと一気に浮上する。

 

 そうして、驚愕に目を見開く炭治郎から家の場所を聞き出しながら……彼の自宅へと向かう。

 

 

(それにしても……薬祖神か)

 

 

 風で身体が冷えないよう炭治郎を抱き留めながら……彼女は、内心にて溜息を零した。

 

 思い返せば、これまで何度か『フィジカルリアクター』を応用して薬を精製し、色々な人に手渡した覚えがある。

 

 言っておくが、無差別ではない。それをすると余計な争いが生じることを、彼女は経験から分かっていた。

 

 

 地上に降り立った際、偶発的に彼女と遭遇。

 

 寿命ではなく、ナノマシンで治癒が可能な範囲。

 

 環境的にそうなってしまっただけで、一線を越えていない。

 

 彼女の価値観で同情に値する、治した方が良い、等々。

 

 

 そういった条件を満たした者にだけ、治療を行ってきたが……まさか、それが巡り巡って、このような形で己の前に現れるとは……さすがの彼女も想定していなかった。

 

 

(……そういえば、梅毒で生まれつき痣が有った兄と、アルビノ(先天性にメラニン色素が欠乏した人)の妹の……あの兄妹は、あの後どうなっただろうか)

 

 

 そうして、ふと……地上の、炭治郎が指し示した先にある、ぽつんと姿を見せた家を見やった、その時。

 

 

(境遇が哀れだったからナノマシンで治して、妹の方は癇癪持ちだったけど顔立ちは整っていたし、お互いが力を合わせていけば生きていけると)

 

 

 以前、何だか煌びやかな場所だなと降り立った地(もちろん、深夜である)にて気紛れに助けた、凸凹兄妹の事を……思い出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 ……。

 

 

 ……。

 

 

 …………さて、その後の話は長いので割愛しよう。

 

 

 何せ内容の大半は、降り立った瞬間の、炭治郎の家族たちのてんやわんやというか、ワッショイには至らないけど半ワッショイぐらいに騒がし……で、だ。

 

 まず、件の人物である、炭治郎の父親の炭十郎(たんじゅうろう)だが、病はナノマシンで治せる類であった。

 

 

 具体的には、白血病だ。

 

 

 遺伝的なモノではなく、生来のモノ。さすがにいきなり完治とまではいかないので、完治するまで様子見する事となった。

 

 もちろん、ただ様子見するわけではない。ナノマシンで病は治せても、衰えた身体を治すのは当人の気力であり、食べ物なのだ。

 

 なので、兎にも角にも、飯を食わねば治るモノも治らないと思った彼女は、3日に一度の割合で海や山へと向かい……適当に獲物を捕らえて来ては、振る舞うといった事を繰り返した

 

 その間……何だかんだ言いつつも竈門家とは交流が続いた。

 

 病で寿命は縮まったが、もう大丈夫だと判断した彼女は、彼ら彼女らに挨拶してから……即日、雲海へと飛び立ったのであった。

 

 

 ……ただし、だ。

 

 

 

 

 

 ──さて、竈門炭十郎と竈門葵枝(きえ)の両名、急に呼び出してすまない。

 

 ──いや、畏まらなくて良い。ただ、子供に聞かせられる話ではないので、こうしただけだ。

 

 ──その、な。余計な御世話だとは思うし、子は宝だという気持ちは私も同意見なので、そこを責めるわけではない。

 

 ──その、病み上がりなのでな。程々に、な。元気になったし、致すなとは言わないが……その、もう少し、声を、な。

 

 ──音や臭いは私が消していたので大丈夫だが……その、刺激の強い事だし……注意はしっかり……な。

 

 

 

 

 

 いちおう、子供たちの目や耳が届いてない時に、それだけは忠告しておいたのは……まあ、余計な御世話なのだろうけれども。

 

 

 

 

 

 ──滋養の薬液をあげよう。即効性だから、身体を痛め、体力が衰えても、すぐに効くやつだ……いいね、ほどほどに、だぞ。

 

 

 

 

 

 とりあえず、顔を真っ赤にして縮こまる仲睦まじい夫婦に、それだけは……言い残しておいた彼女の気持ちは……間違ってはいないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 ……。

 

 ……。

 

 …………さて、そんなこんなで竈門家を離れて、早5年。雲海に潜んでいた、ある日の事。

 

 

 下手に田舎の方に行くと出会い頭のワッショイが発生する事に頭を悩ませていた彼女は、もういっそのこと町中の方が、騒ぎが起きにくいのでは……と思い至った。

 

 

 いわゆる、木を隠すなら森の中戦法、盤面をひっくり返す、逆転の発想。

 

 

 迂闊に自白さえしなければ、まずバレない。『ノノ』に化けていても注目は浴びるだろうが、もうこの際だ。『ヒノカミ』と呼ばれるよりは、ずっとマシだろう。

 

 というか、あの時はアレだ。

 

 自分で言うのも何だが、うっかり自白したから駄目だったのだ。言い換えれば、自白さえしなければ変装は上手く行っていたわけなのだ。

 

 

 そう、決断した彼女は……再び地上へと降りる。

 

 

 もちろん、人目に付かぬように夜間の内に……町から少しばかり離れた場所で。これまたもちろん、徒歩で行ける距離……で、次は候補地だ。

 

 さすがに、杏寿郎が居たあの街は止めとくとして、他にも発展している町はいっぱいある。それに、まだ……今はまだ、通信技術はそれほどではない。

 

 前世ほどに科学技術が進んでいれば、話は別だが……とはいえ、ずっと同じ町に居ると露呈する可能性が格段に上がる。なので、定期的に場所を変える必要があるわけだが……まあいい。

 

 

 テクテク、てくてく、テクテク。

 

 

 のんびり山道を歩いて(不眠不休)、町の近くへ。途中、鬼と遭遇したのでバスターミサイルで瞬殺してから、先へと進み。

 

 何件か宿を通り過ぎた頃になれば、日が登る。

 

 起き出して出発している人たちの姿がちらほらと増え始めているのを横目に、彼女は意気揚々と町へと向かう。

 

 その際、ちらちらと周囲より視線を向けられるが……まあいい。

 

 外ツ国の者なんぞ、港にほど近い場所か、日本でも有数の都市か、金持ちばかりが集う一等地か別荘地ぐらいなものだ……こんな場所で遭遇すれば、目立って当然である。

 

 

 そう、バレなければ何でもいいのだ。

 

 

 変わり物の外ツ国の女、世間知らずの外ツ国の女……そう思ってくれるのであれば、この程度の視線なんぞどうでもよい事であった。

 

 

(……そうか、今は藤の花が咲く季節か。縁起なのか流行なのかは分からないが、どの宿も見事に藤が花を咲かせて……綺麗だな)

 

 

 さて、そんな彼女の目を楽しませてくれるのは……何と言っても、よく手入れされた藤の花だろう。

 

 藤の木を植えている家はそれなりに目に留まるが、旅の宿は特に植えている場合が多い。大なり小なり違いはあるが、どの家も大切に扱われているのが見て取れる。

 

 おそらく、何かしらの意味があるのだろう。

 

 彼女にとってはそれよりも見た目だが、手入れの行き届いた花々の美しさは、彼女にとっても非常に嬉し……と。

 

 

「……あ、あの、そこの桃色髪の御方!」

 

 

 町までもうすぐ……という辺りで、道路脇にて店を構えている茶屋から声を掛けられた。

 

 

 ──辺りを見回せば……いや、見なくても桃色(ピンク)の髪なんぞ己以外居ない。

 

 

 自分の事だなと思った彼女がそちらを見やれば、「そ、その、御一つどうでしょうか!」看板娘と思われる女性が、皿に乗せた団子を差し出して来た。

 

 

 ……なんで、私に? 

 

 

 他にも通り過ぎた人は居たはずだが、どうして……思わず首を傾げた彼女だが、とりあえずは……看板娘の申し出に首を横に振った。

 

 

「あいにく、お金は持っていないんだ」

「だ、大丈夫です! 新作なので、お代はいりません!」

「え、いや、それなら他の人にでも……」

「どうぞ、こち、こちち、こちらへ!!!」

 

 

 ──吃音の癖でもあるのだろうか。

 

 

 そう思ってしまうぐらいに緊張感を隠しきれていない女性より、手招きされる。

 

 ぶっちゃけ、怪しさ満点だが……本当に厚意で言っているのであればと思い直した彼女は、手招きに従って店の中に入る。

 

 

(……何だアレ? 学生? にしては、帯刀しているようだが……中々に物騒な集団だな)

 

 

 店の中には、先客集団が居た。だが、彼女が予想していた類のソレではない。一見する限りでは学生集団に見えるが、雰囲気が異なっていた。

 

 

 特に、その集団の中でも特に目立つのが、身の丈2メートル近い男だ。

 

 

 前世の基準で考えても、相当な長身だ。飽食とまで言われた国で育ったならともかく、まだまだ貧富の差が激しく野垂れ死にも珍しくないというのに……おまけに、体格も凄まじい。

 

 バスターマシン7号として見なくても分かるぐらいに、鍛え抜かれた身体。見え隠れしている首の太さや腕の太さを見ただけでも、それがよく分かる。

 

 他の者たちも同様の気配を放っているが、この男は別格……見た目だけでなく、気配が根本から異なっている。そういうのはよく分からない彼女が見ても、強そうだと思ったぐらいだ。

 

 

 ……ただ、一つだけ。

 

 

 何故かは分からないが、その男……数珠のようなモノを手にしている。学生服に長身に数珠……まるで意味の分からない組み合わせだ。

 

 学生じゃなくて芸人か何かなのかなと、気になったので見ていると、その集団も彼女の視線に気づいたのか……彼女の方をちらちらと見返してきている。

 

 我ながら感じ悪いかなとも思ったが、学生集団からは敵意は感じない。何やら揉め事でも生じているのか、何処となく緊張しているようにも──。

 

 

「お、お待たせしました!」

 

 

 ──と、思ったら。

 

 

 先ほどの娘がお皿一杯に団子を乗せて戻ってきた。その数、15本。初めて見る団子の5段タワーに、思わず彼女は目を瞬かせた。

 

 

(……こういうのは一本だけなのでは?)

 

 

 持って来た娘を見やれば、「せ、せっかくなので!」何やら顔中から汗が噴き出て、傍目にも分かるぐらいに緊張しきった様子で……かちこちと、玩具のように店の奥へと入って行った。

 

 

 ……。

 

 

 ……。

 

 

 …………え、新作なのに味の評価とか聞かないの? 

 

 

 

 そう尋ねたくなったが、肝心の娘は奥から出てくる気配が──と、思ったら出てきた。

 

 しかし、その手に持ったお茶を半ば叩きつけるように皿の横に置くと、再び店の奥へ。そして、奥へと通じる暖簾の脇から、店主と思われる男がチラリと……ええ……? 

 

 

(これ、どういう反応をするのが正しいんだ?)

 

 

 とりあえず、娘からも、店主からも悪意は感じないが……ていうか、悪意があるにしても、アレでは騙せるやつも騙せないのでは……ま、まあ、いいか。

 

 経緯は何であれ、目の前に出来立ての団子があるのだ。食べ物に罪は無いし、放置して固くなってしまうのはしのびない。

 

 なので、早速ひと口パクリ。瞬間、彼女は口内に広がる甘味に少し目を見開いた。

 

 

(おお、これは凄い。前に食べた団子とは雲泥の甘さだ……そうか、今はこれほどに甘い団子が茶屋で作れるようになったのだな……)

 

 

 何となく、切なくなる。思い返せば、もうそれだけの月日が流れたのだなと感慨深い気持ちになり……ふと、そこで店主へと視線を向けた。

 

 

「店主、この団子は甘くて美味しいぞ」

「は、はい、ありがとうございます! そう言っていただけると作った甲斐があります!」

「いやいや、本当に美味いのだ。前に団子を食べたのが、かれこれ数百ねん──」

 

 

 そこまで告げた辺りで、彼女は気付いた。失敗を繰り返さない、それが彼女の強みなのである。

 

 

「──ぶりかと思うぐらいに久しぶりでね。特に、この……どろっとしたタレは美味しいね、何て言うのかな?」

「は、はい! み、みたらしでございます!」

「そうか、これはみたらし……みたらし団子か。ああそうだ、思い出した、そんな名前だった……おいおい、泣く程の事なのか?」

「ぐすっ、い、いえ、真っ向から褒めて貰う事が無かったもので……!」

「はは、そうか。最近は色々なモノが出来て来たなと上から見ていたが、やはり直接見た方が良いな……っと、そうだ」

 

 

 ──新作のお試しとはいえ、食べてばかりでは申し訳ない。

 

 

 そう思った彼女は、周囲にばれない様に『フィジカルリアクター』を稼働する。ポケット内にて小さな純金を数個作り出すと、それを机の上に置いた。

 

 

「店主、やはり無償で頂くのは心苦しい。少ないが、受け取って貰えるとこちらとしても気が楽になる」

「い、いえ、そんな、いただけません!」

「そう言わず、受け取ってほしい。何なら、もっと必要か?」

「そ、そんな、とんでもない! ひのかいぃふおぅ!?」

 

 

 手を振って受け取りを拒否していた店主の腹部に突き刺さる、娘の肘。ギョッと目を見開く彼女を他所に、娘は張り付いたような笑みを浮かべた。

 

 

「……す、すみません、お客様に失礼な事を……」

「え、い、いや、別に失礼でも何でも……その、大丈夫かな?」

「だ、大丈夫でございます……な、慣れておりますので……」

「それは人としてどうなのだ?」

 

 

 先ほどとは別の理由で噴き出た汗をそのままに、幾らか青ざめた顔で謝罪する店主。何とも形容しがたい顔で店主を睨みつける、ひじ打ち娘。

 

 ひじ打ちされる事に慣れていると零す店主にドン引きすれば良いのか、奇行に走った娘を哀れに思えば良いのか、見なかった事にして団子を食べれば良いのか……何とも判断に迷う所だ。

 

 

 ……と、とりあえず、団子を食うか。

 

 

 理由は何であれ、美味い団子を用意してくれたのだ。固辞するよりは、素直に食べる方が礼儀か……そう思い、彼女は再び団子に──。

 

 

「ああ、ここに居ましたか、悲鳴嶼(ひめじま)さん」

 

 

 ──唇を近付けたと同時に、新たに客が入って来た。声からして、女性だ。無意識にそちらへ目を向けた彼女は……驚きに目を瞬かせた。

 

 

 それは、入って来た長身女性が、蝶の髪飾りを付けた美人だったから……だけではない。店に居た大男と少し作りは異なるが、似たような学生服を身に纏っていた……だけでもない。

 

 ましてや、その女性の後ろに次いで入って来た女性(おそらく、姉妹なのだろう)は背が低いが美人であり、同じく蝶の髪飾りを付けていたから……でもない。

 

 あるいは、大男と親しげだったからでもない。彼女が気になった点は、反射的に行ったスキャンにて確認した長身女性(おそらく、姉だ)の……身体の状態だ。

 

 

 一言でいえば、酷い有様である。

 

 

 日常生活を営むうえでは問題ないが、走り回ったりするには注意が必要で……人よりも心肺機能が弱い。いや、弱いというより、衰えてしまっていると表現した方が正しい。

 

 

 特に衰えているのが、肺だ。

 

 

 如何なる理由でそうなったのかは不明だが、肺の機能が体格に比べて格段に悪い。看板娘のソレに比べれば、おおよそ85%程度しか稼働していない。

 

 肺が弱まれば、心臓(というより、全身だが)も弱まる。隣の、おそらくは妹の、顔立ちが似ている女に比べたら……いや、もはや比べる事すら出来ないぐらいに。

 

 

 ……と、いうか、だ。チラリ、と……彼女は、背の低い女性へと視線を向ける。

 

 

 おそらくは妹の方だが……筋力や骨格の密度が常人のそれではない。男性に比べれば細いが、看板娘のソレと比べれば……細い枝と太い幹ぐらい違う。

 

 

(……この店、町から町を繋ぐ通りなだけあって、けっこう人気があるお店なのだな。本当に、色々な客が来るものだ……)

 

 

 おまけに、傍目には分からないよう偽装されているようだが、女2人も店内の学生集団と同じく、帯刀している。

 

 まあ、女だけで町から町へと旅をするのだ。用心の為に、刃物の一つや二つは隠し持っていても何ら不思議ではない。

 

 だが、さすがに刀ともなれば……些か物騒過ぎる。それしかなかったのならともかく、二人をスキャンした限りでは……刀を振る為の身体つきだ。

 

 それだけでも怪しさ満点だと言うのに、所持している刀もまた、戦国時代で使われていたような代物ではなく……形状も独特で、特注の一品なのは明白だ。

 

 

 ……これは、下手に関わらん方が良いやつだな。

 

 

 そう、結論を出した彼女は、ようやくと言わんばかりに団子に──

 

 

「あの、ちょっといいかしら?」

 

 

 ──かぶりつく前に、声を掛けられた。(どうにも、タイミングが合わない……)言うわけにもいかない不満を胸に収め、見やれば……姉と思われる方の女が傍に立っていた。

 

 

 いったい、何だろうか? 

 

 

 姉の後方に居る、妹の強張った顔。その更に後方、おそらくは仲間と思われる集団が、こちらを見ている……あ、あの大男、盲目なのか。

 

 

 ますます、よく分からん集団だな。

 

 

 そう思いながら改めて姉へと意識を向ければ、その、細くもごつごつと角ばった指先が、机の上に置かれた金塊を突いた。

 

 

「これ、放りっぱなしは危ないから、懐にでも戻した方がいいと思うの」

「それは、店主にあげたモノだ。どう扱うかは、店主が判断したら良い」

「その店主が、困っているの。金塊を取り扱ってくれる両替屋なんて大きな街に行かないと無いし、こんな高価なモノをポンと渡されても扱いに困って当然でしょ」

「……っ!?」

 

 

 言われて、思わず店主を見やる。

 

 すると、店主は非常に申し訳なさそうにしていたが……私の視線を受けて、ぺこぺこと頭を下げて……ああ、うん。

 

 

(確かに、こんなモノを渡して強盗なんかに目を付けられたら嫌だものなあ……)

 

 

 納得した私は、机の上に置いた金塊を掌で包む。『フィジカルリアクター』は、消すことも可能なのだ。

 

 

「……同席しても、よろしくて?」

「構わないが……あそこの男たちはいいのか?」

「良いの、たまには華に囲まれて食べたいから」

「そ、そうか」

「私、胡蝶、『胡蝶カナエ』と言います。こちらは、妹のしのぶ。気軽にカナエちゃん、しのぶちゃんと呼んでね」

 

 

 笑みと共に対面に座った姉……胡蝶カナエが自己紹介をする。

 

 勝手に自己紹介をされた妹の方が、「ちょ、姉さん!?」心底驚いた様子で彼女とカナエを交互に見やり……渋々といった様子で、カナエの隣に腰を下ろした。

 

 

「あら、いいの? ありがとう」

「私一人で食べるのは勿体無いからな」

 

 

 せっかくなので、皿を差し出す。遠慮ではなく、本当に勿体無いと思ったからで……しのぶも、「じゃ、じゃあ、一本だけ……」遠慮しつつも受け取った。

 

 

 ……。

 

 

 ……。

 

 

 …………さて、だ。

 

 

 言葉通り一本だけ食べて様子見している妹の方を他所に、姉のカナエはパクパクと平らげてゆく。

 

 バスターマシンである彼女は食べても食べなくても意味はないしどこまで言っても嗜好品でしかないので、2本食べた時点で手を止めた。

 

 そうして……ものの10分ほどで皿の上が串と零れ落ちたタレだけになって……ずずず、とカナエはお茶を啜った後。

 

 

「そういえば、出会えたら聞こうと思っていたのですが、鬼舞辻無惨についてどう思っていますか?」

「あいつなら、全身穴だらけにした後で地下に封印したよ。今も、地下でズタズタに切られまくっているはずだ」

「──では、他の鬼については?」

「いやあ、見つけ次第仕留めてはいるんだけど、どうしてか一向に減る気配が──ん?」

 

 

 聞かれたので答えた──のだが、直後に彼女は気付いた。己はいったい、何を口走ったのかという事を。

 

 

「──日の神様。非常に失礼な事だとは存じます。ですが、ここで出会えたのを、私は奇跡と捉えております」

 

 

 そして、同時に彼女は。

 

 

「どうか──我が組織、『鬼殺隊』の主であるお館様が……貴女様と是非ともお会いしたい、と」

 

 

 背筋よく綺麗に頭を下げるカナエの姿。見やれば、妹のしのぶだけではない。奥の席にいた大男たちもまた、同様に……深々と頭を下げていた。

 

 

 ……そう、彼女は、理解した。この空気を前に、彼女は思わず……内心にて呟くしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 ──ああ、今回も駄目だったよ……と。

 

 

 

 




ちなみに、『藤の家』のどこかには必ず『日の神』の絵が飾られておりますが、だいたいは寝室に飾られる事が多い(お金持ちなんかは玄関にも飾ったりする)ので、初見では彼女も気づきません

彼女は賢いからね、失敗はしても繰り返さないので、ちゃーんと修正しちゃうのです
ただし、自覚しないと意味がないので、自覚するまでは何度でも失敗します
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