ガンダムビルドダイバーズ クオンタムエリート 作:しゅみタロス
キョウヤ「マイザーの正体がレナート家の人間!!」
凍夜はマイザーと接触したことをキョウヤたちに話すと、同席者の貴信や時春もその事実に驚きを隠せなかった。
貴信「GPD時代の強豪、レナート兄弟の血族が、まさかGBNの戦場で名を聞くことになるとは」
時春「レナートって言えば第7回ガンプラバトル選手権世界大会のトップ8、戦争マニアで卑劣な手も使う、まさに海賊の正体にピッタリな皮肉な人間だな」
キョウヤ「とは言え、油断のできない相手である事に変わりはない。引き続き、警戒する必要がありそうだ」
凍夜はこの時知らなかった、自らに待ち受ける最悪な結末、そしてそれがダイバーたちに大きな恐怖を植え付ける道具として残酷な敗北を迎える事に……
その頃……
ジュ~
焦げるソースの音と香り、昼時のヨリタキ家ではキッチンでツバキが焼きそばを焼いていた。
紅葉「・・・・」
その後ろで紅葉はダイバーギアでマイザーのバトルビデオを見ながら考えこむ。
紅葉「クロスボーンガンダム、これは何の作品のモビルスーツだ?ガンダム作品一応レンタルで見てるけどこんなの出てなかったぞ」
ツバキ「お待たせ~、焼きそば出来たよ~」
紅葉「よし、いただきます」
焼きそばを啜りながら紅葉はツバキに聞く。
紅葉「なあ、ツバキ。クロスボーンガンダムって何のアニメに出てきたモビルスーツだっけ?」
ツバキ「ああ、紅葉君が知らないのも分かるよ。原点の作品、機動戦士クロスボーンガンダムは今の所漫画作品だからね」
紅葉「あれって、漫画なのか?」
ツバキ「機動戦士ガンダムF91の続編、現状5作品までシリーズのあって、主人公は連邦じゃなくて宇宙海賊のクロスボーン・バンガードが主人公になってる」
紅葉「じゃあ、ジャックショットの海賊って言われるのはそれが理由?」
紅葉「確かにクロスボーンガンダムを使ってるからそういう風に見えるだろうけど、思想とやり方は悪人のそれだね」
紅葉は焼きそばを食べ終わると、ツバキに写真を見せる。
紅葉「俺が凍夜と二人で戦った時に撮った写真。ネクロマンサーって言われてるけどベース機何か分かるか?」
ツバキは写真を見るとそれに答える。
ツバキ「無茶振りな改造ね、クロスボーンガンダムX3をベースにX1のフルクロスのパーツと武装を装備してる。一言で言うなら……
クロスボーンガンダムX3 フルクロスとも言うべきね」
ツバキはその写真を見つめると同時に、呟く。
ツバキ「紅葉君、ここから先は厳しくなる。必ず、勝って」
紅葉はツバキに笑顔で返す。
紅葉「任せろ、海賊だろうが優勝候補だろうが、俺が全て倒してやる!!」
ピピピピッ!!
紅葉のポケットからガラケーの音が鳴る。紅葉はガラケーを開くとレアからだった。
レア「紅葉君、フロンティア戦1時間前だよ。ダイブしないの?」
紅葉「分かった、すぐ行く」
紅葉は手にシャイニングガンダムクオンタムを手にツバキと共に外へ出る。
紅葉「行くぞ、ツバキ」
PM2:00 秋葉原のプラモ屋。
紅葉「GBN、ログイン」
フロンティア関係者ルーム。
紅葉「待たせたな」
レア「早く座って、開始5分前だから」
ツバキ「凍夜君、頑張れー!!」
そしてフロンティアの特設ステージに凍夜とマイザーの二人がテレポートしてくる。向かい合い、マイザーに宣言する。
凍夜「お前の悪趣味な海賊ごっこをここで終わらせる。懺悔するなら今の内だよ!!」
マイザー「その綺麗事を吐いていられるのも今の内だ。さあ、戦争を始めようじゃねえか?」
お互いにモビルスーツを召喚して乗り込む。
凍夜「ガンダムF91バーサーカー」
マイザー「クロスボーンガンダムX3 ネクロマンサー」
ナナカ―「それでは、ガンダムF91バーサーカーvsクロスボーンガンダムX3
ネクロマンサー、バトルスタート!!」
凍夜「壊せ、バーサーカー」
その言葉と共にバーサーカーのフェイスが解放され、腰のショットガンを手に取る。
バーサーカー「グアアアアアアアア!!」
凍夜「グランブルーアーツ、ヒートショット!!」
ショットガンから高熱の火球が撃ち込まれ、ネクロマンサーのフルクロスに直撃して素材を溶かす。
バーサーカーが飛びあがり、頭上からさらに斧を振り上げる。
凍夜「そのフルクロスを外してもらうッ!!グランブルーアーツ、ルナバイス!!」
マイザー「粋がるなよ、心形流」
ネクロマンサーはフルクロスの下から銃を取り出し、振り向きざまに、射撃する。
凍夜「あれは!!」
ツバキ「ピーコックスマッシャー!!」
マイザー「ハチの巣だ、バカがッ!!」
不意なピーコックスマッシャーの広範囲射撃でバーサーカーはボディに傷を負う。
凍夜「なめるなアアアアアア!!」
ルナバイスをネクロマンサーにブーメランの如く投げつけると、左のフルクロスを剥ぎ取り、バーサーカーの手元に戻る。
マイザー「あ~あ~イタイイタイ、フルクロスを剥ぎ取られた。だがこの程度じゃあ、まだ、足りねえなあ、ああッ!!」
バーサーカー「グルォ、ガアアアアアア!!」
凍夜「ダメージが酷くなる前に何とか勝負を決める」
凍夜は背中にマウントされた、ランスを手に取る。するとその先端から緑のクリアパーツが出現し、粒子の風を纏う。
凍夜「覚悟しろ、マイザー!!、サイクロンNTDランス!!」
マイザー「おもしれえな、俺はこういうのを待ってたんだよ!!」
ネクロマンサーは巨大なトマホークを取り出し、ランスとぶつけ合う。
ネクロマンサー「俺にトマホークを使わせる相手はこれで6人目だ。さあ、かかって来いよ、全身ぶっ壊してやるッ!!」
トマホークとランスがぶつかり合うと同時にバーサーカーのパーツが飛散していく。
凍夜「このままじゃ……」
すると、マイザーはトマホークの展開を解除する。
ネクロマンサーはバーサーカーに近づくと、告げる。
マイザー「勝手に壊れちゃ、楽しくねえ」
凍夜「何!!」
ネクロマンサーはバーサーカーにカプセルを投げつける。
マイザー「ダメージ回復薬だ、受け取れ」
バーサーカーに回復薬が当たったその瞬間……
ガスッ!!
観客「!!!!!!」
回復薬を拾い、腰を曲げた瞬間にバーサーカーの背後を剣が貫いた。
ムラマサブラスターを手に持った、ネクロマンサーの手によって。
マイザー「心置きなく、やらせてもらう、きっと君は美味しいだろうね」
凍夜「何を、する気だ……」
ネクロマンサーはトマホークとムラマサブラスターを展開し、バーサーカーに馬乗りになる。そして……
バゴッギシギシッガアン!!
紅葉「!!」
機能停止した、バーサーカーの身体を二つの刃が鈍い音を立てて、切り刻む。
凍夜「いやぁ!!た、助けて!!助けてええええ!!」
マイザー「イイッ!!実にイイッ!!その声、恐怖心、さらに壊したくなるッ!!」
肢体をまるでおもちゃの様に粉々に、砕かれ、パイロット席で刃が自分を切り刻む恐怖の映像が凍夜を追い詰める。
凍夜「嫌だ、嫌だ、殺される、殺されるゥゥゥ!!!!」
観客たちはその残酷な猟奇現場同然の映像を見せつけられる。
観客A「なんて、惨い……」
観客B「泣き叫んでるのに、こいつ、喜んで……狂ってる……」
ツバキ「ひ、酷いッ!!」
紅葉「あの野郎!!」
紅葉は立ち上がり、ステージに乗り込もうとするが。
レア「無理だ、戦闘中はプロテクトがかかって入れない」
紅葉「じゃあ、凍夜どうすんだよ!!」
凍夜「あああああ、嫌だ嫌だあああああ」
フロンティアのステージに散らばるバーサーカーの身体、そしてマイザーは最後と言わんばかり左手で、バーサーカーの首を掴み……
バキィ!!
引きちぎって、モニターに向けて笑いをあげた。
マイザー「俺が、この世界の王だァ、ヒャハハハハハ!!」
壮絶な映像を見せられ、活気のあったフロンティアは一瞬にして恐怖に支配された。
ツバキ「あんなの、もう海賊じゃない。あいつは、マイザーは……
ザンスカール帝国の暴虐の王だ」
身体の震えるツバキ、紅葉はただそんなツバキを抱きしめ、「大丈夫」という言葉を何度も呟いた。