ガンダムビルドダイバーズ クオンタムエリート 作:しゅみタロス
フロンティア第4戦から一夜明けて
琴羽総合病院(ことわそうごうびょういん)
紅葉「気分はどうだ?」
凍夜「うん、何とか落ち着いた」
あの後凍夜は試合の影響で理性を保てなかったらしく、すぐに病院に運ばれた。
かなり衰弱して、嘔吐もしたらしく、紅葉は関われなかったため、翌日の早朝に対面する事になった。
凍夜「ごめん、紅葉君。あれだけ頑張ったのに、勝てなくて……」
紅葉「気にすることねーよ、相手が悪かっただけだろ?」
そう言うと紅葉はビニール袋から、リンゴのゼリー飲料を渡す。
紅葉「今朝何も食べてないだろ?それなら食えるか?」
凍夜「ありがとう」ジュルルルルッ
リンゴゼリーを飲みながら、紅葉は凍夜に準決勝戦の事を伝える。
紅葉「なあ、凍夜。次の準決勝の対戦カード、決まったんだ」
凍夜「!!」
凍夜に戦慄が走る、凍夜に過るのは、紅葉とマイザーが戦う最悪のシナリオ。
凍夜は恐る恐る聞いた。
凍夜「対戦相手は!!」
すると紅葉はニヤリとする。
紅葉「事情を聴いた運営が対処してくれて、マイザーはキョウヤさんと戦うってさ。だから俺の対戦相手は校長先生になったよ」
凍夜「よ、良かった……」
凍夜は胸を撫で下ろし、笑顔が戻る。
紅葉「とりあえず、フロンティア準決勝は明日の昼2時。観てくれるよな?」
凍夜「勿論だよ、僕も今日の検査が終わったら夕方には退院するから」
紅葉は凍夜に大量のコンビニのおにぎりの入った袋を渡す。
紅葉「それはフロンティアメンバーの差し入れだ、退院したら食えるだけ食ってくれ、明日プラモ屋で待ってるぜ」
そう言い残すと紅葉は病室を後にする。
凍夜「皆に申し訳ないなぁ、しかもツナマヨから、240円の豚角煮、うわっ!!悪〇のおにぎりまで、って、半熟卵味付けダレも……、割と贅沢だな……」
どれも一つ200円以上する高級おにぎりだった。(多分買ったのロー〇ンとセ〇ン・イレ〇ンです)
翌日
秋葉原のプラモ屋、制作スペース。
凍夜 ピロローン「皆、お待たせ!!」
愛理「待ってました!!」
レア「来ると思ったよ」
蒼海「退院、おめでとうございます」
皆が笑顔で凍夜を迎える、そして後ろから……
紅葉「お、先に来てたみたいだな」
ツバキ「さあ、紅葉君の第2戦。張り切って行こ――――!!」
凍夜は皆の顔を見つめて伝える。
凍夜「昨日は本当に心配させてしまい、本当にすまない。後、差し入れの凄く高いおにぎりまで奢ってくれた事、凄く嬉しかった。本当にありがとう!!」
皆は立ち上がり、凍夜に駆け寄る。
凍夜「み、皆……」
蒼海「とりあえず、お帰り!!凍夜」
レア「心配した分、しっかり応援してよ」
その様子を傍らで見つめる紅葉とツバキは。
紅葉「皆、そろそろログインしないか?もう20分前だけど?」
5人「紅葉応援団、ファイヤーーーー!!」
そしてメンバーはGBNのマシンに乗り、GBNへとダイブした。
紅葉は出場者申請をしてフロンティアの特設ステージに飛ぶ。
そしてその目の前には……
時春「よくここまで上り詰めたな、紅葉君」
紅葉「こっちも譲れない約束がある、その覚悟が俺をここまで導いた」
時春「譲れない約束……か、その誇り高い意思、嫌いじゃない」
お互いガンプラを召喚し、乗り込む。
時春「その覚悟、私が打ち砕いてみせよう!!百鬼の頭は伊達ではないぞ!!」
紅葉「一度あんたとやり合ってみたかった、砕けるもんなら砕いてみろ!!本当の喧嘩を教えてやる!!」
ナナカ―「さあ、いよいよフロンティア準決勝第1戦。シャイニングガンダムクオンタムvsビルドバーニングランサーガンダム天舞。バトルスタート!!」
その掛け声で最初に動いたのはクオンタムだった。
紅葉「体で覚えやがれ、これがヤンキースタイルだ!!」
ガキィン!!
クオンタムの鉄拳を左腕で天舞がガードすると、右腕に炎を纏った拳がクオンタムの腹部に直撃する。
時春「隙を見せると命取りだ、よく覚えておけ」
紅葉「命取りはあんただぞ、校長先生!!」
すると、クオンタムは腕を掴み、天舞を持ち上げて地面に叩きつける。
時春「全く、命知らずな戦い方をする奴だ」
紅葉「喧嘩は大怪我が上等でなきゃ、やれねえだろ!!」
そう言うと紅葉は天舞の右腕を左回転に捻じ曲げる。
バキィ!!
千切れた右腕の場外へ捨てるとクオンタムは空を飛ぶ。
時春「負けてたまるかアアアア!!」
火縄銃を背中から取り出し、左腕でクオンタムを狙い、弾を撃つ。
時春「六道奥義、魔弾桶狭間!!」
火球を撃つと、紅葉はそれを避けながらハンドガンでを手に天舞の身体にダメージを与える。
時春「あのハンドガン、この威力の弾を放てるなら腕に相当なダメージが入るはずだが、何故平然としている」
紅葉はその疑問に答えを出す。
紅葉「シャイニングガンダムクオンタムは近接戦闘特化型。モビルアーマーでなければ壊れないぐらい関節を頑丈に作ってある。俺の機体は……」
クオンタムは腰から本命のクオンタムストレーターを抜刀し、天舞に急降下する。
紅葉「俺の身体、そのものだ!!」
天舞は襲い来るクオンタムに対し、切り札となる槍を手に体中に炎を纏う。
紅葉「さあ、本気で来やがれ!!百鬼の海賊狩り!!」
時春「慈悲を期待するなよ、GBNの若造オォォォォォォ!!」
天舞は巨大な槍を手に不死鳥へと姿を変え、突撃する。
時春「六道奥義 阿修羅朱雀!!」
巨大な炎がクオンタムを飲み込み、フィールドを一面焼け野原にする。
するとその炎から姿を現したのは……
胸にクオンタムストレーターの突き刺さった天舞と……
全身焼け跡だらけで腹部に槍が刺さったクオンタムだった。
ほぼ満身創痍のクオンタムは腹部に刺さった槍を自らの手で引き抜き、その槍を地面に突き刺した。
紅葉「俺の……勝ちだ……」
そして拳を握り締め、天に突き上げると仁王立ちの状態で機能停止した。
紅葉「ははっ、超無理しちまったな」
そして静寂に包まれた観戦者がそれを破るかのように拍手を送る。
会場は前回以上の歓声に包まれ、ナナカ―もコールを送る。
ナナカ―「何という事でしょう!!あの最強の百鬼を下し、勝利したのはシャイニングガンダムクオンタム!!紅葉選手、決勝へと駒を進めましたーーー!!」
すると紅葉はガンプラをしまい、瓦礫の中に横たわる時春の肩を担いで会場を後にする。
時春「君は凄いな、自分の身体を犠牲にしてまでも、勝利を掴むとは」
紅葉「だから言っただろ、不良やってればケガなんて日常茶飯事。慣れっこだよ、こういう戦いは」
二人は特設ステージから帰還し、フロンティアの関係者ルームでツバキが駆け寄る。
ツバキ「紅葉君、決勝進出おめでとーーー!!」
紅葉「ツバキ、ありがとう」
すると後を追うように仲間が集まってくる。互いに紅葉を讃え合う様子を後ろから覗くのは……
ナナカ―「フロンティアの戦いは憎しみだけじゃない、笑い合う喜びもある」
貴信「彼らがそれを教えてくれている。ホント、仲いいよね☆」
時春「まあ、皆が喜ぶなら今回の敗北は胸にしまっておくべきだな」
そして時春はキョウヤに頭を下げる。
時春「キョウヤさん、海賊の討伐は貴方に託す他ないようだ。あのわが校のフロンティアダイバーたちを守るために、必ず勝ってくれ。頼む……」
キョウヤは時春を願いを聞き入れたキョウヤは手を差し伸べる。
キョウヤ「君が頭を下げる必要はない。君だって海賊の抑止力として十分まだ力がある。君にはまだできる事があるはずだ。マイザーは僕に任せてくれ。君は彼らを守ってほしい。お願いできる?」
時春はキョウヤの手を握る。
時春「ありがとう、こっちも出来る限り、最善を尽くす」
そして、マイザーとの決戦が幕を開けた。