ガンダムビルドダイバーズ クオンタムエリート 作:しゅみタロス
7月 フロンティアバトルの開催イベント。
???「いよいよこの時がやってきました。ガンダムワールドフロンティアの開催でーす!!」
ダイバーたちが歓声を上げ、盛り上がるエントランス。紅葉たちは特別なフロンティア参加者の利用できるメンバーズルームでイベントを見ていた。
???「そしてフロンティアMCを務めるのはこの私、ナナカ―・フェアチャイルドが務めます♪」
レア「名前からしてセシリー・フェアチャイルドがモチーフだね」
貴信「因みにあのナナカ―が水樹原さんのアバターだよ」
紅葉「あれ水樹原先生かよ!!」
時春「だから言ったじゃないか、フロンティア関係者だって」
ナナカ―「それでは、これよりフロンティアの対戦カードを発表します。対戦者はこれだー!!」
表示された対戦カード、その結果に紅葉は衝撃を受ける。
マイザーと凍夜
時春とレア
蒼海とキョウヤ
そして紅葉と貴信だった。
紅葉は貴信を見つめ、息を飲む。
貴信「お互い頑張ろう、ナイスバトルを期待してる」
ナナカ―「それでは明日の、第1回戦の貴信vs紅葉にご期待ください!!」
その後、GBNから戻った紅葉はプラモ屋の店長に相談する。
紅葉「店長、シャイニングガンダムクオンタムに武装を追加したいんだけどさ、なんかいいの無いか」
店長「そうだねえ、紅葉君は遠距離武器持ってないよね。何かライフルを追加したらどうだい?」
紅葉「ライフルですか?」
ツバキ「それなら準備してあるよ」
ツバキがそう言うと紅葉に赤のブレードを渡す。
紅葉「これは‥‥‥」
ツバキ「タクティカルアームズ、レッドフレーム改の武装でマスターグレードについてきた物をハイグレード用に合わせて作ったんだ。剣として使えるし、強烈なビームを放つ弓矢にもなるから遠距離でもバッチリ」
紅葉「ありがとな、ツバキ!!」
ツバキ「紅葉君の為に愛を注いで作ってよかった♡」
店長「若いっていいねぇ、紅葉君もある意味リア充ってやつだねぇ」
その夜
凍夜「いよいよ明日だけど気分はどうかな」
紅葉「仲間同士で戦い合うんだから抵抗するだろ」
凍夜「僕も対戦者がマイザーって聞いたときは怖かったよ。とりあえず、明日の戦い。応援してるよ」
紅葉「任せろ、必ず勝ってやる」
PM8:00 GBNのエントランス。
紅葉は受付でフロンティア・パスを見せるとフロンティアの特別ステージに転送された。
転送された場所は緑色の壁の張られた箱型のステージ、そこに立つのは‥‥‥
貴信「この時が来たな、本気のフロンティア・バトルが」
紅葉「西狩さん、やるからには、容赦しないぜ」
お互いガンプラを召喚して乗り込み、クオンタムとアルティメットデスティニーの双方が剣を構える。
ナナカ―「それでは、フロンティア1回戦 バトルスタート!!」
その言葉と同時にお互いが剣を交える。クオンタムストレーターとアロンダイトの二つの刃が火花を散らす。
貴信「流石のレッドフレーム。刀の扱いは相応だな!!」
紅葉「ありがたいけど、こっちは遊びのつもりじゃないんだよ!!」
紅葉はホルスターからハンドガンを取り出し、発砲するがアルティメットデスティニーはその瞬間オレンジカラーの光の翼を広げ、銃撃を無力化する。
貴信「遊びじゃないか、それは正しいと思うよ。でも俺が求めるのは、究極とか言っちゃうほどの魂のぶつかり合いだ!!」
アルティメットデスティニーのアロンダイトにオレンジカラーのオーラを纏わせ、光の翼の大きく広げてクオンタムに直進する。
貴信「さあ、聞かせてくれよ!!その刃で魂の叫びをッ!!」
紅葉「上等だ、一発かましてやる!!」
クオンタムストレーターを納刀し、限界まで距離を詰める。そしてクオンタムストレーターを抜刀し、強烈な衝撃を起こしながらぶつかり合った。
貴信「うああああああ!!」
紅葉「うおおおおおお!!」
斬撃の衝撃で共に壁に叩きつけられ、強烈なダメージを受ける。お互いその反動で腕を失うも機体のダメージは紅葉が上だった。
紅葉「やってくれるじゃねえか‥‥‥動けねえ‥‥‥」
貴信「聞こえたよ、その刃の一撃は、ツバキちゃんへの願いと覚悟」
貴信はアルティメットデスティニーの駆動部分に力を入れ、起き上がる。
貴信「その覚悟、賞賛したいがこっちも‥‥‥」
貴信は残った片腕にエネルギーを集め、紅葉に向ける。
貴信「俺を見てくれた彼女にの為に、戦ってんだアアアアァァァァ!!」
貴信は集めたエネルギーを平手から放出する。
貴信「パルマフィオキーナ・アルティメットオオォォォ!!」
貴信の一撃がクオンタムに直撃する。万事休すとも言える一撃はクオンタムに直撃する。
貴信は勝利を確信するが一撃が終わったその瞬間‥‥‥
ガァン!!
その音と共に飛んできた刃がアルティメットデスティニーの上半身と下半身が真っ二つに割れ、刃が壁にめり込む。貴信の目にしたのは満身創痍のクオンタムと壁に突き刺さった赤色のタクティカルアームズだった。最後の一撃を受ける前にブーメランモードで投げつけた物がアルティメットデスティニーの死角を突いたのだった。
貴信「あんた、メチャクチャだよ‥‥‥」
クオンタムは大きな傷を受けたのにも関わらず、動き出し、立ちあがると拳を天に突き上げた。
ナナカ―「フロンティア1回戦を制したのは、シャイニングガンダムクオンタムの紅葉君です。盛大に拍手を!!」
うおおおおおおお!!
歓声が響くスタジアム、ガンプラをしまうと紅葉は貴信に手を差し伸べる。
紅葉「良いバトルだったぜ、ありがとう」
貴信「それはこっちも同じだよ」
紅葉の手を掴み、二人はバトルフィールドからエントランスへと戻った。
紅葉「ツバキ、ただいま!!」
ツバキ「やったよ!!一回戦突破だよ~♡本当にヒヤヒヤしたんだから」
紅葉「悪かったって」
するとエントランスで貴信は静かに歩いていく、その目の前には奈々花が腕を組んで立っていた。
貴信「ごめん、大事な一回戦。負けちまった」
バツが悪そうに言う貴信を見て奈々花は貴信の様子伺うように言う。
ナナカ―「でも、本気で戦ったんでしょ?」
貴信「当たり前だろ、真剣勝負で最後に持っていかれたけど」
ナナカ―「それなら、責める事はしないわ。ただし、しっかり罰ゲームは受けて貰うから」
貴信「手厳しいな‥‥‥」
ナナカ―「今夜付き合いなさい、良いシャンパン奢ってよ。」
貴信は奈々花の肩を寄せて、囁いた。
貴信「今夜は二人でいたい、ダメか?」
奈々花「いくらでも甘えてやるんだから、覚悟しなさいよ♪」
その二人を見たツバキは紅葉に聞く。
ツバキ「私達も祝いましょう、紅葉君は何か食べたい物ある?」
紅葉「とんかつ3枚、出来るか?」
ツバキ「任せて!!」
その夜
カチャカチャ
紅葉「このタクティカルアームズ、良く動くしカッコいいよな~」
紅葉はタクティカルアームズを変形させて遊んでいると部屋をノックせずにツバキが入って来る。
紅葉「ツバキ?」
その時紅葉の目に入ったのは、ピンク色の胸の見えるパジャマ姿だった。
紅葉「何のつもりだよ?」
ツバキ「今日、一緒に寝ても良いかな?」
紅葉「まあ、別にいいけど、変な事はするなよ」
ツバキ「わかった」
そう言うとツバキは紅葉のベッドに倒れ込み、紅葉を抱く。
ツバキ「次の戦い、頑張ってね!!」
紅葉「勿論勝つさ、ツバキの為に」
抱き合う二人の横には、シャイニングガンダムクオンタムとガンダムGーセルフリバイブが並んでいた。
そんな中、次の戦いもすぐ近くまで来ていた。
カツラギ・レアに。