仮面ライダーエルフ   作:青ずきん

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12話でーす。
前回言いそびれたんですけど、11話でウィルが言ってた『ある奴』、ウィルとそこそこ関係があるんです。なので、(絶対無いと思いますが、万が一)希望があればスピンオフみたいな感じのを作ろうと思います(出来は保証できません。ごめんなさい)。


もう本編の3分の1終わってるなんて言えないなぁ。


第12話 Re:Partyー魔法のてんこ盛り

「また……倒せなかった………」

 深夜の森を徘徊しながら、ビオラはぼそりと呟く。

 仮面ライダーヒューマ、犬童託斗。今のビオラの脳内は、この男の事で埋め尽くされていた。

 

 彼は何者なのか。アクサーと結託して何をしようとしているのか。彼もヒューマレジスタンスに関わっていたのか。もしそうなら、家族にウィップアクサーを仕向けたのも彼なのか。

 

 そこでビオラは頭を強く左右に振り、これ以上悪い妄想をしないよう自身を律した。

「ビオラ」

「…フィル」

 気付くと、すぐそこにフィルが居た。他の精霊達も一緒だ。

「よ、落ち着いたか?」

「ほら、こういう時に慰めてくれたり甘えさせてくれる殿方って必要でしょう? 私的には───」

「お主の心情もよう分かる。じゃがな、儂らはお主の仲間じゃ。今のお主を放って勝手に傷付かせたとあらば、お主の父親が許さんじゃろう」

「ちょっとぉメロノおばあちゃん? 私今喋ってるところだったんだけどなぁ?」

「儂らでなくとも、ウィルもおる。お主は『頼る』という事を学べ」

「無視ィ!?」

「いや……だってお前さ、どうせKY発言しかしないだろ……?」

「サララくぅ〜ん? おねえさんが怒るよりも前に訂正してくれたらおねえさん嬉しいな〜?」

「おばあさんの間違いだろ(ボソッ)」

「あんだとゴラァ!!」

「うおおやべぇ! ネディンがキレた! ビオラ助けてくれ!」

「……ふふっ」

 ビオラは、小さな笑いを零した。目の前の精霊達のやり取りを見ているうちに、うだうだ悩んでいた自分が馬鹿らしく思えたからだ。

 

 自分の力で、こんな馬鹿みたいな日常を守りたい。アクサー、及び人間への復讐の他にもう一つ、ビオラに戦う理由が出来た。今はまだ、その束の間の幸せを堪能させて欲しい。

「おいビオラ! 笑ってねぇで助けてくれよぉ!」

「待てこのトカゲ公コラァ!」

「ヒイイィィィッ!!」

 

 

「…いやはや、友情とは素晴らしい物ですねぇ。感動しちゃいますよぉ」

 ビオラ達が歩き去って行くのを見送ってから、木に隠れていた託斗は声を漏らした。その表情には、隠しきれない悪意が見え隠れしていた。

「……それにしても」

 託斗は過去の記憶を想起する。あまり細かくは覚えていない、ずっと昔の記憶を。

 

 

 

 

「うえーーん! おがあざーん!」

 日も沈もうとする夕暮れ時。その森には、大きく口を開けて咽び泣く少年の姿があった。身長から見て小学校低学年ほどだろうか?カブトムシとアブラゼミを閉じ込めた虫かごを提げたまま、彼は森の中で彷徨っていた。

 方向も分からず、あっちへこっちへふらふらと歩いていた。そんな時、少年の前に1人の少女が現れた。記憶が曖昧なために思い出せないが、少年より少し身長が高く、また長く色の明るい髪をしていた気がする。

 

「ボク、どうしたの? もしかして迷子?」

 少女は少年の身長に合わせて屈み、優しく問いかける。

「…おねえちゃんだれ?」

「ふっふっふっ……おねえちゃんはね、『エルフ』っていって、とっても頭が良い子なんだよ!」

「…『えるふ』?」

「そう! 覚えられてえらいね! それよりもさ、おねえちゃん頭が良いから、この森の出口を知ってるんだよ!」

「…! ほんと!?」

 少年は先程までの涙を引っ込め、少女の話に耳を傾ける。その目は、この世の物とは思えないほど輝いていた。

「うん、ほんとだよ。おねえちゃんが案内してあげる」

「やったーーっ! おねえちゃんありがとう!」

 少年は飛び上がって喜ぶ。嬉しいのか、少女の方も満更でも無さそうであった。

「えへへ……人間に喜んでもらえるって良いなぁ、あとでライラに自慢しちゃおうっと」

 少女は少年と手を繋ぎ、森を抜けていった。そこから先は、もう何も思い出せない。だが、不思議と少女と出会った事は思い出せるのだ。それぐらい、自分にとっては大切な思い出だという事なのだろうか。

 

 それすらも、思い出せない。

 

「…本当に、不思議な魅力を感じますねぇ、ビオラさんには……」

 小さな欠伸をしてから木を降り、託斗は『組織』の元へ帰っていった。

 

 

 

「…よう、大丈夫だったか?ビオラ」

「……京太郎」

 正午過ぎ、郊外の廃工場近く。私は、散策の途中で京太郎に出くわした。でも、人間がまともな理由でここに来るとは思えない。京太郎はだいぶ変わった人間だとは思うけど、それでもこんな所に足を運ぶ理由は無い。とすると、目的は私だろうか。

 

 ……いけない。京太郎が人間というだけで、こんな簡単な言葉にも裏があるのではと考えてしまう。…正直、京太郎には私を騙せるレベルの知能があるとは到底思えない。………深読みが過ぎた。目的を尋ねよう。

「何しに来たの? わざわざこんな所にまで……」

「…お前が、心配なんだよ」

「私はアンタなんかに心配されるほど落ちぶれてない。…それに、ここまで私に関わろうとする理由は何?特別な力を持っているわけでもないお荷物なんだから、戦闘にだって役に立たないし」

 

「……それを言われちゃあ、おしまいなんだけどな………なんていうか、俺、なんにも知らなかったんだなって思うようになっててさ……」

「初めは、ただ気になっただけなんだ。突然現れて、俺らを襲った怪人から助けてもらって……そん時から、気になってたんだ。なんであんなに人間が嫌いなんだろうな、とか、どうやってあんな凄ぇ力手に入れたんだろう、とか………」

「……」

「でも、エルフの里を見てから考えが変わった。ずっと、独りで戦ってたんだなって。…ウィルとか、他の精霊とか、シエラとティエラ……色んな奴が居ても、心に空いた穴はでっかくて、簡単に埋まるもんじゃねぇんだなって……。お前は強ぇよ、確かに強ぇ。でも、それは復讐をしようとしてるから……怒りに身を任せた戦いをしてるからだって、俺は思う。怒りの力でゴリ押ししてるだけなんだって」

「……分かったような口を利かないで」

 京太郎が私の為に絞り出したであろう優しさを、私は冷たく一蹴する。本当は、その優しさに甘えたい。もう一度だけ、人間を信じてみたい。

 

 でも、人間を信じてみようとこの手を伸ばす度に、家族を奪われた過去がフラッシュバックする。信用すれば、また大切な物を失う。もう私には、ウィルやサララ達、里に残ったみんなくらいしか居ない。それを失うのが、怖い。

 分かってる。私が人間に向ける暴言や態度は、ただ強がってるだけなんだって。「殺す」だなんて言っておいて、本当はそんな勇気無いんだって。

 

 ……それでも、私は。

京太郎(アンタ)は人間。これ以上私に関わる様なら………」

 

 

「アンタを、殺す」

 

 

 虚勢を張ることでしか、生きられなかった。

「ビオラさんも乙女なんですし、もう少し上品な言葉遣いをしては如何です?」

「…!」

 私の少し後ろから、手を後ろに組んだ犬童託斗が歩いて来た。その腰には既にヒューマドライバーが巻かれている。

「……アンタほど敬語使ってると、私は逆に気持ち悪く感じるけどね……!」

【ウンディーネ!】

 戦闘の予感を察知して離れる京太郎を見送り、青白い炎からエルフドライバーを出現させて腰に巻く。

【セットアップ!】

「…悲しいですねぇ。実に悲しいです」

【Transform】

「思っても無いクセに…! 変身ッ!」

「…変身」

【サモン!】

【Authentication.】

【スプラッシャーーーー…ウンディーーネッ!!】

【Humanity will continue to evolve from now on.】

 

 相手に先手を譲れば面倒な事になる。私はヒューマが行動するよりも早く5体の分身を生成し、一斉に襲いかかる。

「…! ぐっ……」

 まだ武器も出現させていないヒューマを数で押さえ込むのは簡単だった。しかし、アイツがこの程度でやられるとは思えない。

 予測通り分身で作った壁を抜け、ヒューマは液晶画面を操作する。

【Option】

「やれやれ……本当に手のかかるお方ですね……!」

【Copy】

【Seven】

【Authentication.】

 ヒューマは7体の分身を生成して反撃してくる。数が数なだけに対応が遅れてしまう。

「ぐっ、うあっ!」

 分身を全員消され、蹴り飛ばされる。その隙にヒューマはプログラムアクターを用意し、銃の形を模して銃口を私に向ける。8人からの同時射撃はかなりの痛手だった。

「うあああああッッ!」

 痛みに叫び、片膝を突いてしまう。

「さあ、今度こそ私の勝利ですね」

【Trident】

【Authentication.】

 機械的な音声が流れると、プログラムアクターは三叉の槍へとその形状を変える。

【Finish brake】

【Authentication.】

 プログラムアクターが青白く発光し、私を力強く貫く。

「があああああああああああッッッッ!!!」

 爆発を引き起こし、その場に倒れ伏す。

 

「…ふう。思いの外疲れましたねぇ……まあ大きな収穫がありましたし、良しとしますか」

 私まで残り数センチの距離。そこまでヒューマが迫ってから、私は右手に魔法陣を出現させて火炎弾を放つ。

「…!? ぐっ……!」

 その攻撃はヒューマの胸部に命中し、ヒューマを後退りさせた。

「…まさか、まだ手札があるとは思っていませんでしたよ、ビオラさ、ん……?」

 ヒューマは徐に立ち上がる私を見て言葉を詰まらせた。…それもそうか。

 

 さっきまで青かった瞳が、真っ赤に輝いていたら。

「…あんましビオラに迷惑かけたくないしな。ソッコーで終わらせる」

「なっ!? 違う声……あなた、一体誰です!?」

「……ただのしがないサラマンダーよ」

【サラマンダー!】

【セットアップ!】

「…変身」

【サモン!】

 ベルトに嵌められたオーブから極めて透明度の高いサララが現れ、その堅牢な皮膚を装甲へと変える。

【フレイアーーーー…サァラマンダーー!!】

 

 

「行くぞオラァッ!」

 その掛け声と共に、エルフは一直線に走り出す。拳に熱気を纏い、力の限りストレートをかます。先程の動揺を引きずっていたヒューマは受け止められず、胸部を守るように腕をクロスさせたまま後退してしまう。走って追いかけ、エルフは更に何発ものパンチをヒューマに放つ。

「どうよ? 俺だってやる時はやるっしょ?」

「…どうやら、そのようだな」

「!?」

 突然、ヒューマの背後から低い声が響き渡る。声の主は『ウィップアクサー』だった。一対の巨大な剛腕と、四対にも及ぶ極めて華奢な細腕が記憶の一端を抉る怪物。黒く輝く外殻は、全てを飲み込むかのような魅力すら感じさせる。しかしその声は常人であっても感じ取れる程の邪気を孕んでおり、寂れた工場の様相も相まってか周囲に異質な不気味さを与えた。

 

「久しいな…ビオラ・ヒアラルク。いや、言う程時間は過ぎていな……」

 ウィップアクサーが言い切るよりも早くエルフは疾駆していた。サラマンダースレイヴであるにも関わらず、シルフィードスレイヴの時にすら出したことの無い様な、瞬間移動にも近い速度でウィップアクサーの目の前に現れて拳を繰り出す。ウィップアクサーはそれを左腕の内の一本で軽々と受け止めて見せた。

「…疾くなったな。お前も成長を遂げているという事か」

「黙れッ!」

 これまで上げたことの無いような怒声と共に、エルフはウィップアクサーの腹部に蹴りを入れる。それを受けてウィップアクサーが少しノックバックしたのを見届けると、ヒューマは双方に気付かれないよう静かに姿を消した。

 

「…さて。そろそろ我も反撃を開始するとしよう」

 そう零してからウィップアクサーはその剛腕を振るう。しかし、エルフはそれを物ともせずに突撃し、右腕に炎を纏って殴り飛ばす。

「ふむ……我の知らぬ間に力も増している。これは余程鍛錬を積んだと……」

「黙れ黙れ黙れッッ!! お前の姿がッ! 声がッ! 全てが目障りだッ! この世から消えろッッ!!」

 ウィップアクサー。ビオラから家族を奪ったその存在は、京太郎との出会いや精霊達の励ましによって薄れかけていた怨恨と敵愾心を再燃させるには十分過ぎる存在だった。

 

 家族の仇を討つ為。

 嘗ての恨みを晴らす為。

 更なる力を求め、彼女は叫ぶ。

「サララッ! ネディンッ! フィルッ! メロノッ! 私に力を貸しなさい!」

「ちょっとビオラちゃん!? 全員一斉には無理よ!」

 

「いいから力を寄越せッッ!!!」

 

 エルフはネディンの諭しを怒号で押し潰し、サラマンダーオーブを掲げた右手に力づくで精霊達を引き寄せる。

「おいおい! マジかよ!」

「ちょっと、ビオラちゃ…!」

「ビオラ、やめてっ…!」

「………」

 4体の精霊が吸収され、赤、青、緑、黄色のグラデーションがその全貌を彩るオーブ、『カルテットオーブ』がエルフの右手に誕生した。

【【【【カルテット!】】】】

【セットアップ!】

 カルテットオーブをエルフドライバーに装填した瞬間、赤、青、緑、黄色と、次々に光の色を変えた。

「変身ッッ!」

【サモン!】

「うああああああああああッッッッッ!!!!」

 エルフが力任せにレバーを下ろすと、オーブからサララ、ネディン、フィル、メロノが順番に現れる。エルフの暴走を止める為に4体は必死にエルフの体から離れようとするが、エルフの咆哮によってオーブと同じように力づくで引き寄せられ、装甲と化してしまう。

【その共鳴、完全なる神の如く! この四神、いざ極光に煌めかせ!】

 

【パーフェクト……カルテーーット!!】

 白い複眼が発光し、仮面ライダーエルフは新たな姿を現した。右腕にサラマンダーの、左腕にウンディーネの、右脚にシルフィードの、左脚にノームの意匠を持った形態、『カルテットスレイヴ』を。

「覚悟しろ……ウィップアクサーッッ!!!」

 叫んだ直後、エルフは右脚で地を蹴ってウィップアクサーに迫り、自ら石化させた左脚で重いハイキックを放つ。

 

「……っぐ」

 これには流石のウィップアクサーも唸り、防御の体勢をとる。が、これに対しエルフは左腕に大量の水を纏わせて巨大な腕を作り出し、力づくで突破した。

「ならば……!」

 ウィップアクサーは周囲に小学校低学年程の身長をした上半身焦げ茶、下半身真っ黒の怪人──ラテラリスアクサーを呼び寄せた。一斉にエルフに突撃し、数の力で攻め込む。

「邪魔ッ!」

 しかしエルフは止まらず、右腕に纏わせた炎を使ってラテラリスアクサーの大群を薙ぎ払って消し去る。その勢いで左腕を元に戻し、エルフは必殺の構えを取る。

【カルテット!】

【カモン! カルテット! スピリチュアル!】

 エルフは両腕を地面に叩きつけ、火柱と水柱を発生させる。ウィップアクサーは足に力を込めてなんとか踏ん張るが、それも時間の問題だと思われた。

 ウィップアクサーを拘束したままエルフは右脚から強風を噴き出して高く跳び、左脚全体を石化させて突き出す。

「これで死ねッ!!」

 その攻撃は、ウィップアクサーを貫く一撃になるかと思われた。

 

 

 だが、そのキックがウィップアクサーを傷付けることは無かった。ウィップアクサーは右の剛腕でエルフのキックを受け止めたのだ。

「なッ……!」

「…確かにお前は強くなった。だが、『それだけだった』のが最大の問題点だ」

 言い終わると、ウィップアクサーはもう一方の剛腕をエルフに振るう。

「うぐうっっ……!」

 

 倒れ伏したまま立てずにいるエルフにトドメを刺すべく、ウィップアクサーは剛腕をエルフに向けた。

「…悲しいな。お前という女を失うのは………?」

 言葉の途中で、ウィップアクサーは唐突に左斜めに俯いた。暫らくしてから、細腕を口元に当てて発言した。

「…悪いな。召集が掛かった。我は此処で失礼する」

「待てッ……この……!」

 エルフの制止を聞かず、ウィップアクサーは闇へと姿を消した。

「……ッ!あ、あああああああああああああッッッッッッ!!!!!!」

 エルフは拳を地面に叩きつけ、周囲に炎を振り撒く。程なくして、行き場を無くした怒りは近くに身を潜めていた京太郎に向けられることとなった。

「うっそだろお前、マジかよ……!」

「うぅ、うがああああああッッ!!!!」

 

「……がああっ、がっ、あ…………」

 拳を握り締めたその瞬間、エルフの変身は解け、意識を失ったビオラはその場に倒れ込んだ。同時に精霊達がカルテットオーブから解放され、周囲に姿を現す。だが、精霊達は一目見ただけでも分かるほどに疲弊していた。

 サララは腹を晒したまま仰向けで倒れており、ネディンも立ってはいるが両膝を突いていて、立っているのがやっとの状態であった。

 一方でフィルも四つん這いになって咳き込んでおり、メロノに至ってはビオラと同じく気絶していた。

「流石にこれはやべぇって……おいウィル! 頼むから来てくれ!」

その声に呼応するように、ウィルは上空からふらりと現れる。

「やっほー、呼んだ? って、これは…ちょっと不味いかも……京太郎、とりあえずエルフの里にでも運びたいんだけど、手伝ってくれる?」

「…もちろんだ」

 そういうと京太郎はビオラを背負ってオーブにした精霊達を抱え、エルフの里へ歩をゆっくりと進め始めた。

 

 

 

「…遅れてしまい申し訳ありません。ウィップアクサー、只今参りました」

「よっし、これで全員揃ったね。じゃあ、話を始めよう」

 黄緑色に光る培養液を保有した容器が幾つも立ち並ぶ薄暗い一室に、ビネガー、ウィップ、そしてキャメルの3大幹部格アクサーは集合していた。しかし、先程の声の主はその誰でも無かった。同じく部屋に居合わせている託斗のものでも無かった。

 ……その声の正体は、4人をこの一室に集めた張本人であり、組織の主でもある男だった。

「実はね、皆には内緒でもう一体、か〜な〜り、強いアクサー造ってたんだけどさ」

「おいおい、ンな話初めて聞くぞ!?」

「まあ落ち着いて、ビネガーくん。大変なことになっちゃったんだよぉ〜…」

「…それがさ、その……ね。そいつに逃げられちゃったんだよ……」

「…ぷっ! だははははっ!! だっせー! っはははは! やべぇ、笑いが止まんねー!」

「そんなわけでね、皆にそいつを探して貰いたいんだ。……君にもね、ビネガーくん。」

「だははっ、は……はあ!? テメェの過失だろうが! なんで俺らがその尻拭いを…」

「喧しいぞビネガー。ボスの命令だ、速やかに遂行しろ」

「…ちっ、ウィップの堅物が……」

「何か、言ったか?」

ウィップアクサーは左の剛腕をビネガーアクサーの首元に宛てがい、低い声で問う。

「…へいへい、やりゃあ良いんだろ、やりゃあ」

「うん、皆、頼んだよ。彼は僕らに………」

 

 

 

「『NAHMU(ナーム)』に、必要な存在だからね………」




両耳同時の耳舐めASMRやばくないですか?(性癖暴露)…ども、青ずきんです。

やりたい事詰め込みすぎて超展開気味になってしまいましたが、果たして混乱せずに12話を読み終えたという方はいらっしゃるでしょうか。いや、いない(断言)

今回初登場の『カルテットスレイヴ』ですが、キバの『ドガバキフォーム』みたいに一話限りの強化フォームとして登場させたので、今後再登場することは無いかと思われます。ごめんなさい。
さて、次のエピソード(13、14話)は日常回にしようかと思っています。なので、戦闘描写が少なくても許してくださいお願いしますなんでもはしませんけど。
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