許してください!なんでもしますから!
仕事が忙しくなり、行き帰りの電車の中で書くつもりが寝落ちしてばかりなのでぜんぜん進みませんでした。
会社は時差出勤を求めますが、遅くは出来ないので始発に乗るために4時起き。
帰りも早く帰れるわけもなく普通に残業。
この前は県境を2つも越えて寝過ごしました。戻るのだけでも一苦労。
仕事あるだけ幸せと思えるか、ちと微妙です。
加えて一つの話ががどんどん長くなってきてしまいました。もっとテンポ良く投稿出来れば良いのですが。
しかし、未だ文庫本2冊目・・・。それに三ヶ月以上掛かる鈍足振りです。完走は何時になることやら。
まさか修正前のをうぷするとは・・・とんだガバです。
修正いたします。ゴメンナサイ。
【監督官side】
宴会も漸く終わり、酔い潰れている
今は
数十人が騒いでいた酒場と受付前の広間に居るのは、他にはわたしとホロ酔いで気分がよさそうな受付嬢だけ。
ふと、気になっていた事を聞いてみる。
「良くあの渋チンがゴブリン一匹に金貨1枚なんて大盤振る舞いを許したね」
「日頃の行いが良いですから。ゴブリンスレイヤーさんも私も」
「まるでわたしが不良職員かの様な言い方じゃないか」
「露骨に嫌そうな顔するじゃないですかあの人の前だと。バレてますよ?」
「むぅ・・・。だってアイツ下心見え見えなんだもん」
「全てではないにしろ、心が読めるのも考えものですね。で、お気に入りのあの方はどうでした?」
「残念。先を越されてしまったよ。同じ
「あら?意外と淡泊なんですね」
「そっちと違ってご執心って程でも無いしね。あんな惚け話を聞かされたら悋気も起きないさ。で、そっちこそ愛しの彼とは何か進展あった?」
「・・・」
「まっ、気に病まない事だよ。今は3番手だろうが最後に1番なら良いんだから」
「そう・・・でしょうか?」
何時もなら、赤い顔して反論するのに、深く考え込んでしまった。
何だろ。まさか冒険者にでもなるんじゃないだろうか?まだわたしの方が向いていると思うけど。
明くる朝。昨日の激闘と宴会のせいで流石に疎らだった冒険者の
真っ昼間から何やってるの!犯罪行為よ!・・・む、胸であんなことするなんて!イヤラシイ!!
頭の中では直ぐにその場を去らなければと考えるが、足は縫い止められたかの様に動かず、心臓はバクバクと煩くて喉から飛び出るんじゃないかと心配になるくらい!
心の方はというと、衝撃が治まると胸の中に気持ち悪いものが滲み出てきた。疾走忍者にではない。彼に抱かれて恍惚の表情を溢れさせている女魔術師に。
そんな悪感情を抱いた事がそら恐ろしくなり、漸く動く様になった体に鞭打って逃げるように受付に戻る。受付嬢が心配そうに声を掛けてくるが応えの余裕はなかった。今まで感じたことのない黒い気分の御し方に必死になっていた。
その後の
自分でも真っ赤になっている顔を誤魔化せないまま査問室へ。彼らの鋼鉄等級への昇級審査。
今回はギルドの仕事を任せられるかの適性を確認するために、異例ではあるが上司も同席する。
先ずは審査の前にと、手紙を渡すように言うと首を傾げられた。上司に目配せされて密かに【
気づかれぬように首を小さく横に振ると、上司は大きな溜め息。
これはダメかも。そう思った瞬間急に頭に声が飛び込んできた。
『黒曜等級への昇級審査の前に渡して懐に仕舞ったと伝えなさい。具体的には第五話の真ん中位』
突然の
そのまま伝えると何か合点がいったのか、疾走忍者は「チョト待テテ」と査問室を出る。
僅かの後に戻ってきた彼の手には件の封筒が握られていた。薄汚れて凄い臭いがしたが。
絶対に受け取りたく無いので、上司に渡す様に促す。
差し出された封筒に顔を引き攣らせる上司。
指で摘まんで、封蝋を確認したらそのままゴミ箱へ投げ捨てた。
疾走忍者がショボンとした顔をしている。可哀想じゃない!読みもしないで捨てるなんて!
「はい。これで鋼鉄等級に昇級しました。後は暫くしたら受付に
受付嬢の言葉に頷くと疾走忍者はいつの間に仲良くなったのか槍使いと何か話しつつ査問室を出る。
扉が閉まった途端、上司が口を開く。
「どう見る?」
「封蝋を開けなかったし、肌身離さず持ってたみたいだし大丈夫なんじゃない?」
「う~ん。手紙の存在を忘れてたのでなんとも。あまり頓着しないのは逆に漏洩の心配がありますし」
「ふむ。少し唐突過ぎたかもしれん。もう少し重要そうに見える任務を与えるべきか?」
相変わらず狡いと言うか臆病と言うか。
結局、疾走忍者へは他の冒険者の素行調査をさせることになった。勿論極秘を言い渡して。
後で
全く、下にばかり皺寄せが来るんだから!
案の定女魔術師は何も聞いておらず、素行調査自体も圃人斥候が限りなく黒い事と、変な紙箱が動き回っているという苦情以外問題なかった。隣で圃人を担当する受付嬢がお腹を押さえている。はぁ。わたしも頭痛いわ。
【女神官side】
ゴブリンスレイヤーさん、蜥蜴僧侶さん、疾走忍者さんの3人が査問室に呼ばれるのを見送ります。
彼らだけ呼ぶというのは何かあるのでしょうか?一昨日の
森人弓手さんは二日酔いで話しをする所ではなく、鉱人道士さんは工房に用事でもあったのか、早々と姿を消していました。後は隣では貧乏ゆすりしながら爪を噛んでいる女魔術師さん。彼女も心配なんでしょうか?
「何言われているか知っていますか?」
「貴方何処に行ったか知っているの!?教えて!」
「え?・・・あそこ(査問室)ですよね?3人で行きましたけど」
「3人で!貴方も一緒に行ったの!?案内なさい!」
「え?私は行ってませんよ。この前疾走忍者さんと行ったばかりですよね?」
「イッタだなんてこんな真っ昼間からハシタない!もう少し声を小さくしないと!」
「ご、ごめんなさい。・・・でも、はしたないですか?」
「あんな(臭いさせたのよ)・・・。イカガわしい所に決まってるわ!」
「? 査問室は如何わしくはないと思うんですが?」
「そうそう。査問室・・・査問室!?受付嬢とか監督官とかが相手なの!?」
「まぁ、そうなんじゃないですか?」
「獅子身中の虫とはこの事ね!この前はそんな気を一欠片もさせなかったのに!きっと色目使ったに違いないわ!」
「?」
うーん。どうも話が噛み合いません。どうすれば良いか頭を捻っていると、3人が戻ってきました。
聞けば、正式に
女魔術師さんは疾走忍者さんに「捨てないで!」と泣き付いています。疾走忍者さんも困惑しているみたいです。
どう言うことでしょう?
馬車を降りて目に飛び込んで来たのは、数え切れない位たくさんの露店と、息も出来ない程の人の流れ。遠くにはお城と見紛う白亜の神殿が顔を覗かせていて、水路にはひっきりなしに
辺境の街しか知らない私にとってそこは夢の中の光景でした。祭りの時にだってこんなに沢山の人が居るのを見たことはありません!
聞けば何時もこんな感じなんだとか。疲れてしまわないのでしょうか?
普通なら市場に並ぶ見たことがない品々に目移りしそうですが、人波に溺れながら進むのがやっと。
みなさんズンズンと先に進んでしまいます。はぐれない様にするのが精一杯でした。
暫くして人が少なくなって一息ついたかと思ったら、
普段ならただのじゃれあいと苦笑いで済ませますが、ここは至高神様の神殿の目の前。あの剣の乙女様がいらっしゃる場所です。
本人に聞かれないまでも同じ秩序の信徒として恥ずかしい真似は出来ません。
「ゴ、ゴブリンスレイヤーさん!法の神殿に来たと言うことはもしかして依頼主はここの人なんですか?」
「そうだ」
「じゃあ剣の乙女様を一目見れるかも知れませんね!依頼された方はどなたですか?」
「たしか
「わー!凄い偉い人なんで・・・今、
「そうだな」
「えぇー!!剣の乙女様本人じゃありませんか!?」
「そうなのか?」
どうも他のみなさんもピンと来ていない様子。同じ様に驚いてくれているのは女魔術師さんだけです。
あの魔神王を倒した
法の神殿に入ると、とても広くてどこも真っ白でした。
案内されるまま、ゆうに千人は入れるのではないかと言う大聖堂に向かうと中に居たのは一人の女性。白い
私たちに気づいたのか振り返るその相貌はまるで彫刻の様に整っていますが、目を布で覆い隠しており、その全貌を伺うことは出来ません。しかし逆にそれが神秘的な美しさをいや増している様です。
それが金等級――
鈴の音の様な声で私たちの事を言い当ててきます。
「あらあら?戦士様に森人の野伏様。それに鉱人の
「ニンジャナ。ニンニン♪」
「ニンジャ様?・・・まあまあ。あなた方がご連絡差し上げた冒険者さん達ですのね」
「そうだ。で、ゴブリンはどこにいる?」
「うふふ。お気の早い事。
「勿論だ。ゴブリンは殺す。絶対にだ」
「っ!?・・・たとえそれが貴方様の手に負えないものでも!?」
「自分の手に負えないものならこの前対峙したばかりだ。手が足らぬなら借りてくればいい。そんな事よりゴブリンはどこだ?」
「!?・・・この街の地下水路に住み着いています」
「ゴブリンだとわかった理由は?」
若い娘さんが惨殺される事件が続いていまして、見回りを強化していたところある冒険者が若い娘に刃を突き立てる影を見つけて切り伏せました。その死体をみたらゴブリンだったとのことです」
「・・・ゴブリン?殺されただけか?」
「ちょっと。オルクボルグ。遠慮ってものを・・・」
「構いません。地下水路から来ているのだと思い、幾人かの冒険者を向かわせましたが・・・」
「地下水路の地図はあるか?」
「こちらです。ただ、幾分古い上に途中までですので網羅しきれていると言えませんが」
「地図があるだけマシだ。ゴブリンの規模は分かるか?」
「皆目検討も付きませんわ。娘さん方の殺された位置からしてかなり広範囲に出没する事は分かっていますが」
「地下水路の入り口はどこだ?」
「この神殿の裏から行けますわ。着いて来て下さいまし」
「チョトイイ?」
「なんですの?」
「コレ手紙。託サレタ」
「あら。ありがとうございます。拝見し・・・フンッ!」
ビリビリビリッ!!
剣の乙女様が封蝋の印影に触れた瞬間。いきなり手紙を破り捨てます!
先ほどのおっとりとした雰囲気とは全く違う怒りの表情に思わずに身をすくませましたが、直に怒気は収まりました。
「さ、こちらですわ」
誰も何も言えませんでした。
地下水路は予想と違いとても大きく、広い空間でした。
女魔術師さんや他の冒険者さんの話では辺境の街の下水道はとても暗くて狭くて汚いと聞いていましたので、水の街のも同じ様なものだと思っていました。なんだか肩透かしを貰った様な気分です。
上から雨の様に落ちてくる水に辟易していると、少し先に何体かの冒険者の遺体がありました。
流石に回収して埋葬するわけにもいきませんので聖句を唱えて鎮魂を祈ります。
ゴブリンスレイヤーさんは傷の具合を確認したら抜かれずに落ちていた剣を回収して頷いています。
まったく。"よし"じゃありません。疾走忍者さんが真似をしようとして森人弓手さんに怒られているじゃないですか!
雨足(?)が強くなってきたので側道に逸れます。ちょっと一休みです。
多少の雨でも大丈夫な様に
ゴブリンスレイヤーさんは「割れたら終いだ」と言っていますが、雨に濡れても大丈夫なのは良いと思うんですけどね?
地下特有の気温の低さと水で濡れた体が体温を奪い、季節に似合わず寒さを感じるほどですので、何か温かい食べ物か飲み物があると良いのですが、下も水浸しですしこんなところで火を焚く訳にもいきません。
"葡萄酒の酒精とパンで誤魔化すしかないか"と思っていたら、疾走忍者さんが鍋に水を入れて何やらしています。
なんと白い粉を水に入れてお湯を沸かしてしまいました!
後で聞いたら白い粉は石灰というそうで、貝や骨を焼いて作るそうです。
麺を茹でて、金属瓶に入れていたスープと併せて汁物を作ってくれました。なんでもらぁめんとかいう料理とのことです。スープは塩味でシンプルですが旨味が強く、麺はパスタとよく似ていましたがずっと柔らかかったです。
今度こういう時の為に私も石灰買っておこう。
密かに決意していると、何時の間にやら料理の話になっていました。
「コノ辺リノ名物料理ナニ?」
「水の街と言うからには水に関係したものが美味しいんでしょうか?」
「川魚の揚げ物と子羊の臓物を煮たものだそうだ」
「へー。そんなものが名物なんだ」
「なんじゃ。さっきのが呼び水になったみたいで余計腹が減ったのう」
「ちょっとは節制しなさいよ。この肥満体形」
「この辺りの小麦は目が粗いから揚げ物の衣が旨いそうだ」
「へぇ~。何で知ってるのよそんなこと」
「ここへ行くと言ったら知り合いが教えてくれた」
「その知り合いに感謝ですな。戻ったら早速食ろうてみたいものよ」
「さて体も幾分温まったし。そろそろ・・・!?」
カバッ!!
水の街の話をしていた中で、森人弓手さんの声が急に止み、銀等級の4名が立ち上がります。僅かに遅れて疾走忍者さんも暗闇に相対します。
なにか来たのです!私は女魔術師さんとひとつ頷きあうと一緒に拡げていた荷物を纏め始めます。あぁ、スープ飲みきれませんでした。また作ってくれないでしょうか。
ギ・・・ィ、ギ・・・ィ。
木が擦り付けられる様な嫌な音と共に水を掻き分ける音が聞こえてきます。
良く目を凝らして見るとゴブリンが木造船を漕いで近づいて来ていました!
まだこちらには気づいていない様です!
「水の上ではちと厄介。如何いたす?」
「
「出来んこたないが、天井が崩れたら事じゃぞ?」
「フム・・・。油はあるが火種が無ければ直ぐ消える。乗り込むか?」
「コレ使ウイイ」
「なんじゃそれは?」
「水松明。水ノ中デモ火消エナイ」
「水で消えない火・・・。行けるな」
橋の上で待ち伏せし、
ゴブリン達は弓矢で応戦しますが
先ほど疾走忍者さんが取出した竹筒に火を点し、船に向かって投げると、激しい音を立てて燃えていきます。
炎に巻かれて船から落ちるゴブリン。必死に火を消そうとするも、竹筒から出る焔は水を掛けても収まる素振りもありません。
そのうち竜骨に引火したのか、舟はメキメキと音を立てて真っ二つに割れると沈んでいきました。
念のために張っていた
後は溺れているゴブリン達をどうするか・・・。
そんな風に考えていると、ゴブリンが急に沈みます!
あっと思うと、巨大な白い蜥蜴の様なものが水面から飛び出てきて他の水中のゴブリンをひと呑みにしてしまいました!
「あれは!
「ゴブリンではないな」
「当たり前じゃない!あんたの目は節穴なの!?」
「鱗のよ。あやつに話して帰って貰えはしないかの?」
「同じ鱗を持つものではありますが、いやはやなんとも・・・。まだ
橋の上から眺めていると、またギイギイと櫂の音が幾つも聞こえてきました!一隻だけでは無かったようです!
「逃ゲル!急イデ!」
「きゃっ!?疾走忍者さん!持ち方が!」
女魔術師さんが肩に担がれ下着が丸見えになってます。
あんな派手なの着てるんだ・・・。
ゴブリンスレイヤーさんに小脇に抱えられながらそんな詮ない事を考えていると、指示が来ます。
「ヤツの尻尾に
「やってみます!」
運ばれながら
取敢えず急場は凌げたのでしょうか?
【森人弓手side】
3人でゴブリンの視界から隠れる様に移動しながら考える。
未知の
それが私の憧れる
どーして、こうオルクボルグとの
前を行くオルクボルグはそんなことには無頓着。ゴブリンが殺せればいいとでも思っているのだろうか?
後ろを行く疾走忍者は水に濡れる事こそ嫌がっているが、それだけ。
蜥蜴僧侶は戦場とチーズにしか興味がない感じ。
新人の2人は多少マシだけど、まだまだ冒険を楽しめる領域には達していないわね。
私の気持ちを一番酌んでくれるのは皮肉なことに鉱人ときたものだ。あー不幸だわ。
優秀な
でも、オルクボルグも疾走忍者も仕事をこなしたらあとは何も言わないから飽きてきちゃうのよねぇ。
と、柳の様に長い耳に聞き慣れない音が混ざってきた!木と石がぶつかり合う様な音だ。
二人に合図して物陰からそっと覗くと、ゴブリン共が乗っていた様な船が沢山係留されている場所にたどり着いた。
見張りらしきゴブリンは4・・・いえ5匹ね。
「あそこがヤツらの造船所ってところね」
「そうだな。見張りが少ないが、さっきのアレ・・・なんだ?」
「
「そうだな。それを冒険者と勘違いして先を争って行ってしまったのだろう」
「で、どうするの?一旦戻る?」
「あの水松明とかいうのはまだあるか?」
「アト一本」
「
「承知」
「あーやっぱり」
どうしてこうも殺伐とした感じになってしまうのかしら?
戻ってきたら何故か4人共ボロボロだった。
「なんとか撃退できたものの、呪文はもう使えませぬ」
「儂も打ち止めじゃ。なんじゃあの
「疾走忍者さん!私頑張ったんですよ!?なのに
「もうダメだと思いました・・・あ、そういえば地母神様の
一応考えて拠点構築したハズなのに・・・。出口が近いのと全員歩けるのがせめてもの救いね。
入ったところから外に出る。そこそこいい時間だ。
かわいい後輩たちは神殿のお風呂に目を輝かせている。
どうもあの火の精霊と水の精霊が混ざり合ってる感じがあんまり好きじゃないのよね。
私は街の探検でもしようかしら?と思っていたらオルクボルグは手紙を出して買い物に行くとの事。
コイツが手紙を出す相手なんて受付嬢か牛飼娘のどっちかしら?中を見るのは流石に礼儀知らずもいいところだけど宛先位は構わないわよね?
よし決めた!オルクボルグに着いて行こう!
手紙の宛名はギルド長だった。なんだ。つまんないの。
消耗品を補充して何処へ行くのかと思ったら市場へ赴く。料理でもするのかと思えば家禽を扱う一角で、
「ねえねえ。鳥好きなの?」
「いや、そうではない」
「じゃあさ、なんで買ったの?・・・もしかしてプレゼントとか?」
「違う。次の探索に必要だからだ」
「えー!?なんで
「ゴブリンに聞かれるかも知れんだろう。今は言えん」
「もー!いっつもそれなんだから!じゃあ、後で教えてね!」
「善処しよう。よし次だ」
「今度は何買うの?」
「小麦だ。此処等のは目が粗いから使えるものがあるか分からないから手配してはいるが念のためだ」
「疾走忍者なら細かいの持ってるんじゃないの?」
「そうか。その手があった。感謝する」
「ちょっ、やめてよ急に。それで全部?」
「そうだな。これでしまいだ」
「じゃあ今度は私の番。付き合ってよ」
「分かった。何処へ行く?」
「先ずは着替えね」
防具屋でオルクボルグに見せながら服を選んでみる。
コイツの事だから「そうだな」位しか言わないと思っていたのだけど、意外と真剣に考えてくれてるみたい。
次はこれとそれにしようかしら?
視線を感じて振り向くと、店の外にいる疾走忍者と目があった。シシシシといやらしく笑うと姿を消す。
そー言うのじゃ無いんだから!
朝から地下水路の探索。
昨日とうって変わって見かけたゴブリンは殆ど見かけない。
オルクボルグが言うには罠を張っているとのこと。
ゴブリンに関してだけはコイツの言うことはだいたい当たってるからね。注意しないと。
造船所跡を少し行くと大きな扉があり、中は広い回廊になっていた。
かび臭さが余りなく、すえた臭いが気になる。何かが出入りしている証拠だ。
近くにある扉には鍵も罠もない。中へ入ってみると50フィートほどある縦長の部屋の奥に縛られているとおぼしき女が居た!
回りを気にしつつ助けようと近寄ると、被っていた兜が転がり落ちる。中から顔を覗かせるのは空虚な双眸。
「しまった!罠よ!」
警戒を促してももう遅い。
扉に打ち込んでいた楔は抜かれ、扉は音を立てて閉まってしまう。反対側から閂でも掛けられたのか、蜥蜴僧侶の体当りでもびくともしない。
逡巡していると、
オルクボルグは炭に布を巻いて配り始める。ホントゴブリンに関してだけは用意周到なんだから。
鉱人道士と協力して壁の穴を塞ぐと、部屋内の石棺を扉の前に積み上げも終わった。
後は外のゴブリンが毒にやられるか逃げるのを待つか・・・と思ったら、疾走忍者が部屋の端に置いてある石棺の後ろに壁が崩れている所を見つけた。ウン。なんか冒険らしくなってきたわね。
【剣の乙女side】
遅くに満身創痍で帰ってきた皆様は報告は明日とばかりに寝床へ。
久しぶりの晴れやかな気持ちを隠せないまま、屋上で夜の涼しさを感じておりました。
本来なら光しか感じぬ眼で闇の冷たさに怯えるばかりでしたのに。
ふと気づくと、あの戦士のお方が後ろに立っておりました。いけません。少しはしゃぎ過ぎておりましたわ。
帰ってきた時は肋を2,3本は折り、満身創痍といった様相でしたが、治療の効果があった様ですわね。
「こんな夜更けに淑女の褥へいらっしゃるなんてどういうつもりですの?」
「確認しに来た」
「あら、
「ゴブリンを殲滅した。ところで、地下水路にいた白いあれ……なんと言ったか」
「
「そう。それだ。あれはお前のだろう?」
「どうしてですの?」
「地下水路はかなり大きく複雑だったが、蟲や鼠を殆ど見かけなかった。定期的に掃除している気配もない。奴がゴブリンの飼育下なら事だが、ゴブリンも奴の事を知らなかった。つまり、俺たちとゴブリン以外に第三勢力がいる事が明白だ」
「……それで
「お前から貰った地下水路の地図は最近の崩落も記載されていた。ということはそれなりに地下には人をやっていると見た。それなのに
「お見事です。お見通しでしたのね」
「ゴブリン退治に比べれば簡単なことだ」
「まあ。ゴブリンを殺すのはそんなに難しいんですの?」
「お前も知っているだろう。奴らは間抜けだが馬鹿ではない。その顔と体にある傷跡は明らかにゴブリンによるものだ」
「……ならゴブリンに捉えられた若い娘がどうなるかもよくご存じですわよね?」
「勿論だ。……ゴブリンが
「ええ。それでも
「無理だな。ゴブリンで軍は動かない」
「そう。貴方様なら分かると思ったのです」
「俺は姉がお前のように凌辱されて、そして食われた所を一部始終見ているだけだった」
「でしたら!あの鏡も手に入れたのでしょう?あれを使っても宜しいのですよ!」
「あれは壊して水路に捨てた」
「なっ!?金貨1万枚出しても賄えないものですのに!」
「ゴブリンどもに使われてはことだからな」
「うふふ。本当に面白いお方。ところで、今回ゴブリンを倒して何か変わられました?」
「いや。なにも変わっていない」
「そう!ゴブリンを殺すだけでは何も変わらないではありませんか!貴方様は助けては下さらないの!?」
「……お前はひどい目にあったと言ったな」
「ええ。それがどうしたのですの!?」
「俺は見ていただけだからお前の気持ちはわからない」
「え?」
「だから俺は誰も助けることはできない」
あぁ……。結局音に聞こえしゴブリンスレイヤー様といえども駄目なのですね。
この傷と共に体に刻まれた恐怖の記憶を抱え、一生涯暗闇におびえながら過ごさなくてはいけないのでしょう。
そう思うと夜風の心地よさが急に体に纏わりついてくるゴブリンの様に思えて身を竦ませてしまいます。
そこにゴブリンスレイヤー様から声が掛かる。
「だが、ゴブリンだけはどんなことがあっても倒して見せる」
「?」
「だからゴブリンが出たら俺を呼べ」
「!?……たとえそれが夢の中であっても?」
「夢の中だろうが、幻覚だろうが、噂だろうが。どんな時にでもゴブリンを殺しに行ってやる」
「な……なぜ?」
「俺がゴブリンスレイヤーだからだ」
あぁ!!このお方ですわ!我が君!お慕い申し上げております!
昨日の
そこでギルドへの依頼と入れ違いになると困るから数日滞在してもいいかと聞かれましたわ。
何という僥倖なのでしょう!これこそ至高神様の思し召しですわ!
「勿論ですわ!それでは
後ろに立つ侍女が
「仕方ありませんわね。それでは水の街を楽しんできてください(半刻後此処に来てくださいまし)」
「ん?分かった」
「それではごきげんよう」
半刻の後、浮き浮き気分で礼拝堂に戻ると、そこに居たのは憤怒の様相な侍女。
くっ!主に弓引くとはなんたる事ですの!
襟首捕まれて執務室へ引き摺られながら、侍女の優秀さに奥噛みしておりました。
ああ、我が君!無力な
【森人弓手side改善】
「あれなんだろ?ちょっと見てくるね!」
「たく、少しは落ち着かんか」
「物珍しいものばかりではしかたありますまい。かくゆう拙僧も辺境の街では手に入らぬチーズがあると聞いて心躍っておりますゆえ」
「全く。こういう時には娘っ子か魔女娘でもおれば簡単なんじゃがなぁ」
「然り。されとて馬に蹴られたくはありませぬからなぁ。今日ばかりはしかたあるまいて」
「あ、あのお店なに!?絡繰り屋さん?おもしろそう!」
「やれやれ。
「そこ、聞こえてるわよ。この前は私だったから今日はあの子でいいのよ」
「おい。そりゃひょっとして……「おー!居た居た」」
「槍使い殿に魔女殿ではござらぬか。この様な所で如何しましたかな?」
「オメーらんとこの
「……そいつは済まんかったのう。今朝
「んだよ。完全な無駄足じゃねえか。で、ヤツは何処にいる?」
「あそこよ。もうこっちに来るわね」
「おーおー。見せつけてくれちゃって。受付嬢さんに言い付けてやろうか」
「すまん。遅れた」
「ご、ごめんなさい」
「ワシらは構わんが、槍のがお冠じゃぞ?」
「折角急いで来てやったと思ったら
「すまん」
「チッ。この貸しは高いからな。覚えてろ」
「善処する」
「ねえねえ。これなに!?」
「あいすくりんっていう牛の乳を凍らせたものですって。とても冷たくて甘いんですよ!」
「なにそれ!?食べたい!どこ?」
「こっちです」
「……ねぇ」
「おう。行ってこい」
「ん♪」
「どれ。拙僧も一つご相伴に預かろうと致しますか」
澄みきった青い空のもと、草生い茂る街道を幌馬車はゴトコドと揺られている。
乗客全員が冒険者、内、7割が銀等級──在野最高位──というのも不思議よね。
荷台の後ろから外を眺める。
うん。今回はそれなりだったわね。
「あー、冒険は楽しかった」
裏はやっぱり鬼門です。
書ける内容がなさ過ぎる上に原作との違いも出さなければならないので。
上手くかけていたらいいのですが。
なんとなく小説の頃から大司教様の声は17歳教教祖様を頭の中で当てていましたので少し引っ張られています。
久しぶりに古巣(KOTYe)に帰ってみました。やはり修羅の国は違うなぁ。
ただ、自分の書いたものはエントリー作品のシナリオ以下だという事に気づいて凹みましたが、私は元気(意味深)です。
次も鈍足だと思いますが、エタらない様に努めます。ゆっくりしていってね!!!
次の裏オプで読みたいシチュは?
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森人弓手の夢落ちエッチ(本命)
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女魔術師の眠剤逆レ(難しそう)
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監督官の寝取りエッチ(無理ぽ)
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疾走忍者くん×蜥蜴僧侶(TS)
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そんなことよりおうどん食べたい