ゴブリンスレイヤーRTA忍殺√   作:噛み猫

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PC がお陀仏したので遅れました(悲観)。

前々から調子は悪かったのですが、騙し騙し使っていたのが良くなかったみたいです。
せめてもの救いはDドライブ は無事だった事くらい。
家族も寝静まった深夜にリビングのスティックPCでお宝さん達の無事は確認できました。

3DCADを使う関係上低スペックPCは無理なので後継機をどうするかが悩み所さん。
現在馴れない携帯を駆使して執筆を続けています。
最近近くのものが見辛くなってきているので、次も遅くなりそうです。
すまぬ・・・すまぬ・・・。

ボーナスも無かったし、給料も減ったし、光熱費も爆上げだし、昆布だし。
どうやって費用を捻出しよう・・・。

あ~誰か百万位ポンとくれる人居ないかな~(チラッ)


デート回な話(裏)

【女魔術師Side】

 

 都の賢者の学院から出来るだけ早く来るようにと手紙が来た。

 

 以前依頼していた【アルティーエ】について調べが着いたとの事。それだけなら手紙に内容を書き写せば良いだけなのだが、どうもそうもいかないらしい。

 

 行き帰りに向こうでの滞在。あ、あと弟にも会わなきゃ。全部で5……いえ1週間ね。今から行けば収穫祭には何とか間に合いそう。弟へのお土産は何が良いかしら?

 


 

 駅馬車に揺られながら出発前の事を思い出す。

 寝物語に【アルティーエ】の事を聞いて見ると、【ソウシャ】とかいうのになって【ドウガ】と言うスキルを上げる必要があるとの事。【びぃむシステム】だと尚良いらしい。良くわからないけど簡単になれる職業ではないみたい。

 

【ミ=ギゥエー】の方はと言うと、どうも神さまらしいのだが良くわからないとの返事。託宣(ハンドアウト)はあるか聞いたら、数ヵ月ほったらかしになったかと思えば立て続けに的確に助言(アドバイス)をしてくれることもあるのだとか。

 知覚神の様な外なる神で疾走忍者さんを拐かすのではないかと少し心配になったけど、もっと身近な料理のコツなどの生活の知恵や罠の作り方、敵の弱点といったものらしい。……あまり問題無さそうね。

 

 後は房事。これはその後存分に思い知らされたわね。その後五回戦目に突入した辺りで私の意識は空の彼方へ飛んでいってしまった。尖端が尖ってて、一番気持ちいい所を的確に突いてくるんだもん。

 あ、思い出したら濡れて来ちゃった。1週間持つかしら。

 

 馬車は乙女の些細な危機(ピンチ)などお構い無しにゴトゴトと都へと道を進めるのだった。

 


 

「ん~!」

 硬くなった腰を伸ばしながら辺りを望洋とする。

 

 しばらくぶりに帰ってきた都の景色は随分小さく感じられた。離れてからそう大きく変わらない筈なのに。

 ここ半年以上居た辺境の街どころかあの水の街でも比較にならない大きいハズなのに。

 

 白亜の城壁が茜色の夕日を反射し、王都全体を紅く照らしている。あちらこちらから漂う炊事の煙が紫色に染まり、その幻想的な雰囲気をいや増している。

 

 流石にこの時間では賢者の学院へ邪魔するのは礼儀知らずと言われても仕方ない。先ずは宿を確保しないと。

 

 確か此方の方に冒険者向けの木賃宿が……。かつて賢者の学院で学んでいた頃ならまず立ち寄らなかった貧民街の方へと足を進めると、前から景気が悪そうな顔の3人組がやって来た。顔に見覚えがある。同期だったヤツらだ。確かやたらとライバル視してくる金髪くるくる巻きの女貴族の金魚の糞だったはず。学院の頃は筆記具を隠されたりと姑息な手を使ってきたものだ。確か真ん中の薄毛がリーダー格だったか。

 

 此方と目が会うと一瞬恐怖の視線を感じるも、此方が半年前と然程変わらない格好だと気付くとニヤニヤと締まりのない卑下た笑みを浮かべてくる。

 首には薄汚れた白色の認識票(ネームタグ)。半年間も何をしていたのだというのだ。身のこなしだけ見ても、後衛職の私一人で三人ともどうにかできそうだ。

 

「丁度良い所に居やがった。ちょっと助けてくれよな~頼むよ~」

「興味がないわ。どっか行って」

「なっ!?この(アマ)!人が下手に出れば付け上がりやがって!」

「尻を追っかけてたあの女に言えば良いでしょ?」

 

 至極全うな回答を返すと、ばつの悪そうな顔をして顔を見合わせる。

 どうせ、冒険(クエスト)についていけなくなって捨てられたのだろうと予想していたが、つい先程ゴブリンの巣に突っ込んだ際に逆に奇襲を受けて、その女貴族を見捨てて逃げて来たばかりなのだとか。

 バカかコイツらは!?そう言うのは先に言え!

 

 無い記憶絞り出させて分かったことと言えば、距離は2,3マイル。依頼票(オーダーシート)の様子とコイツらの討伐数からして残り多くて十数匹。役持ち(トーテム)なし。

 今晩には嬲り殺しにされるだろう。……行けるか?

 

「冒険者二、三人連れて来て」

「手伝ってくれるのか!?」

「放って置いて勝手に死なれても寝覚め悪いでしょ?」

「助かる!おい!お前はギルドに行って何人か手を貸借りてこい!」

 

 まあ、多少は余裕を持った予定だったし、大丈夫でしょう。

 後は途中で逃げるような惰弱な奴らじゃなければ良いけど……。

 ん?この前見た小さな圃人(レーア)みたいのが、また何匹か居た様な?目を擦ると見えなくなった。……疲れてるのかしら?

 


 

 来たのは二人組。よく見知った面子だった。知らないにしても銀等級二人なんてゴブリンには勿体無さ過ぎるわよ!

 というかこんなところまで来てゴブリン退治してるわけ?

 

 

【森人弓手side】

 

「いーい?この前の冒険(クエスト)は無効だったんだから、ちゃんと付き合ってよ?」

約束(依頼)は守る。出来る限りの事はしよう」

「良し。最近良い依頼が無いから少し遠出するわよ。いいでしょ?」

「わかった。どこへ行く?水の街か?」

「いいえ。あそこは地下の掃討も終わっているだろうから依頼もないだろうし(あの大司教(でかチチ)なんか怪しいし)、王都に行きましょう?」

「……分かった。準備する」

 

 もう!折角うら若き乙女が誘っているのに!ゴブリン以外ではニブチンなんだから!まぁ、ゴブリンの事を振っておけば延々としゃべり続けてるから聞くだけでも飽きはしないけど。

 

 2人きりなので馬車よりも早くて安い貸し馬で行く。大きな馬だから2人乗りで良いでしょ。コイツ馬の扱いに慣れてるみたいだし、手綱を任せておこう。

 少しばかり臭いけど、コイツの腕の中というのも安心出来て中々に悪くはないわね。

 


 

「ゴブリン……」

「あ~!もう!仕方ないじゃない!無い物は!」

「ゴブリン……ない」

「そんなしょげないの!ほら、今日は夜も近いから明日の朝にはあるかもしれないじゃない?」

 

 兜で顔が見えないものの、明らかにショボンとしているオルクボルグ。王都くんだりまで来てゴブリンを探すというのもアレだけど、それでも無い物は仕方ない。

 今日は宿で休もうかと思案していたら、ギルドのドアがけたたましい音を立てて開いた。

入ってきたのは貧相な冒険者。剣士か何かだろう。

 

「誰か手を貸してくれ!……ゴブリンなんだが……」

 

 一瞬色めき立つギルド内の冒険者達も、ゴブリンの名前を聞くとたちまち興味を失ったようだ。我関せずといった顔に変貌する。

 まぁ、ゴブリンなんて白磁の一党(パーティー)が居ればどうにかなるというレベル。実入りも少ないので旨味はない。それなのに手伝いだなんてただで少ない収入を分ける様なものだ。そんなものを相手する酔狂な冒険者なぞいないだろう……1人を除いて。

 

「数はどれくらいだ?トーテムはあるか?巣までの距離は?巣はなにで出来ている?周りに繁みはあるか?」

「え?……えと。手伝ってくれるのか?」

「ゴブリンだろう?早く情報を寄越せ」

「ああ……ええと……」

 

 ああ、怯えてるじゃない。これで本当に銀等級なのかしら?

 何処か嬉し気な雰囲気のオルクボルグに従って巣に行くと、一党(パーティーメンバー)の女魔術師が頭が薄い冒険者と話し合っていた。あら?確か賢者の学院に行くと話していたと思ったけど?

 聞いてみると賢者の学院の同期だった女が捕まっているとの事。どうにか主力を誘き寄せてその隙に助けるつもりだったのだとか。

 遠目に見てみると、予想外で見る限り殆ど洞窟の外に居るみたい。洞窟の外で人質をなぶっているわね。おぞましい。

 

「ふむ。悪くはないが、巣の中に何匹か残っているだろう。俺が行こう」

「おいおい。こんな薄汚れたヤツ一人で大丈夫なのか?」

「何も知らないあんたは黙ってなさい。お願い出来ますか?」

「問題ない。背後からの奇襲(バックアタック)時機(タイミング)だけ頼めるか?」

「分かりました。火矢(ファイアボルト)が合図です」

「分かった。先に行くぞ」

「私はどうする?」

「もし肉盾にしてきたら持ち手を射抜いて。できるでしょ?」

「まあこの距離なら楽勝よね」

「あのさぁ。お前コイツらの事知ってるのか?」

「知らないで連れてきたの?あきれた」

「しょうがねえだろ!ゴブリンになんて手を貸してくれるヤツなんか普通居ねぇよ!アイツだって役に立つかどうか分かんねえよ!」

「大丈夫よ。彼ほど()()()()()()()()()()()()は居ないだろうから」

 

 確かにこんなヤツが何人も居ても困るわよね。

 というかこれを約束の冒険1回と思われたら困るわね。

 オルクボルグにきちんと言い聞かせないと。

 

 うーん何が良いかしら。

 あの遺跡の冒険(クエスト)なら楽しめそうね。早速明日中連れていきましょ。

 

【ゴブリンside】

 

 新参者の癖にデカイ顔をしていた田舎者(ホブ)は冒険者に殺られた。今度は自分が頭目(リーダー)だ。

 

 新たに群れを束ねる立場になったゴブリンは舌舐めずりしながら捕まえた冒険者の所へ向かう。

 洞穴の出口では生き残ったゴブリン達が縛り上げた冒険者に石を投げつけては呻く様に歓声を上げている。

 

コイツらは折角の孕み袋を殺してしまうつもりか!?

 手近なヤツの頭を殴ると文句を言ってくるが、もう一発殴ると渋々とその遊びを止める。不満を隠せない目だ。

 気にくわない。コイツは俺の物だ。頭目の彼が穿いていた布切れを脱ぎ捨て、硬く肥大した一物を見せつけると、周りにいたゴブリン共は一転、饗宴の気配に顔を歪ませたのだった。

 


 

 先ずは一巡り。

 キーキーと五月蝿かったメスを殴って大人しくさせてから順繰りに凌辱の限りを尽くすと、頭目のゴブリンはコイツをどうしようか考える。といっても群れの半分は殺られたから孕み袋は確定だが。

 逃げられると面倒だ。先ずは足からだ。

 傍に落ちていた錆び付いた大鉈で左足首を叩き切るとギャーギャーと喚き出す。周りのゴブリン共は手を打ってはしゃいでいる。次は右腕だ!大鉈を振り下ろそうとした頭目ゴブリンはしかし、「火矢(ファイアボルト)!」の声と共に放たれた魔法によって火だるまになった部下の一匹を見てその動きを止める。

 

 逃げたハズの冒険者が仲間を連れて戻って来たのだ!

 頭目ゴブリンはすかさず、先程足を切り飛ばした冒険者を担いで盾にする。こうすればバカな冒険者は弓矢や魔法を使えない。

 そう嘲る頭目ゴブリンの左眼窩に、矢が突き刺さりもんどりうって倒れ伏す。その刹那味方しかないハズの洞穴から棍棒を持った薄汚い戦士が突っ込んできた。

 

「3つ、4つ、5、6、7!」

「逃げるな!火矢(ファイアボルト)!」

「そこ!森人の弓技を甘く見ないでよ!」

 

 前にいた3人の新米冒険者はまだ接敵すらしていないにもかかわらず、逃げようとしていたゴブリンを含め敢え無く全滅となった。

 

 

【女魔術師side改善】

 

「足が切り飛ばされてるわ!」

「早くしないと危ないわ!誰か癒しの奇蹟使えないの!?」

「いや……。その……。使えるのがこの女だけで……」

「嘘でしょ!?先ずは止血しないと……」

「任せろ」

「ちょ、オルクボルグ!?松明なんか持って何するつもりよ!?」

「傷口を塞ぐ。こうすれば血が出なくなる」

「え?嘘でしょ!?」

 

 ゴブリンスレイヤーさんが燃え盛る松明を傷口に押し当てる。

 肉が焼ける生臭い臭いと"ジュゥ"という音。

 女貴族(くるくる)は既に意識を失っていたのだろう。二、三度痙攣はするものの、暴れない事だけが不幸中の幸いか。

 治癒の秘薬(ヒールポーション)を流し込んだら3人組に運ばせて直ぐに地母神殿へ。リハビリは必要だが、都の大神殿だ。きちんと治してくれるだろう。

 

「ゴブリンスレイヤーさん。森人弓手さん。手を貸してくれてありがとうございました」

「いーのよ。そんな事。仲間じゃない」

「仲間……そうか仲間か……そうだな」

「それでもです。で、申し訳ないんですが……」

「金なら良い。ゴブリンの巣を潰せたのだからな」

「だそうよ。アイツらにも言っといて」

「はい!」

 

 ゴブリンスレイヤーさんはストイックで何となく疾走忍者さんに似てるな。

 もし彼に会わなかったら惚れてたかも。

 でも、ライバル多いのよね。

 


 

「よう。オメーも職に溢れてるんなら俺らの一党(パーティー)に入れてやっても良いぜ?」

「しっしっ」

「そう言うなよなぁ?どうせお前仲間も居ないんだろう?学園に居たときもぼっちだったじゃねえか」

 

 あの3人組はゴブリンスレイヤーさんと森人弓手さんが都を去った事を聞くと私を仲間に入れようと付き纏って来る。

 頼みの女貴族(くるくる)は長期戦線離脱だし、おこぼれに与れると思ったのだろうか?

 私があの人の傍から理由もなしに離れるわけないだろう。

 仕方ない。少し手荒だが此方も非常手段に訴えよう。真に力のある言葉を奴らに聞き取られない様に口の中で唱える。

 

ソムヌス(睡眠)……ネブラ()……オリエンス《発生》」

「おいおい。黙っているってことは、ひょっとして図星だったか?夜の方も相手してやるからだいじょぶだかんよ」

 

 惰眠(スリープ)

 

 3人組は糸が切れた操り人形(マリオネット)の様に崩れ落ちる。

 周りの通行人がざわざわし出すが、無視して立ち去る。酔い潰れたとでも思われたのか憲兵隊の詰め所に運ばれたようだ。ざまあみろ。

 


 

 学院に赴くと、ギルドから話が来てたのか直ぐに学長室へと通される。中に居たのは学長とくすんでボサボサの短めな金髪にメガネを掛けた若い術師風の女。賢者の学院の関係者じゃないし、知識神様の神殿でも見たことないし、誰なんだろう?

 

 何も持ってないし、てっきり過去の文献や古くから伝わる伝承が見つかってそれを見せられるのかと思っていたが、そうでもないらしい。

 

「で、本当にアルティーエと言ったのかね?」

 

 無言で学長を見ると諦めた様に首を振られる。此方には選択肢は無いらしい。

 

「ええ。確かに彼はアルティーエと言ったわ。確かアルティーエになると言っていたから職業なのかと思うのだけど」

「なんだと!?教宣(ハンドアウト)を貰う神ではないのか!?」

「それは確かミ=ギゥエーとか言う神様から貰っているらしいわよ」

「となるとヤツの兼属……いや影響を受けた別の柱か?全く折角外に出たのに雑用ばっかり押し付けやがって……他に何か言っていたか?」

 

 この前寝物語に聞いた話をすると頭を抱え出した。

 落ち着いた所で結局アルティーエとは何かと聞くと、外なる神の一柱とのこと。信徒に無茶をさせがちなのとむやみやたらに兼属を作る以外は特に害は無いらしい。

 ミ=ギゥエーには直接心当りはないそうだが、"いつの間にかサービス?が終了?するかも知れない"とのこと。

 

「目を放すんじゃないよ。勝手にどっかに飛んでいくから」

 

 ウィンクひとつすると踵を返して出口に向かう。

 あれ?、と言うことは彼は外なる神の一柱になることを目指しているのだろうか?詳しく話を聞かないと!

 

「あ!待っ……」

 

 女術師がドアに手を掛けたその瞬間、霞の様に消え去っていた。当然ドアを開けても外には誰も居ない。学長にあの彼女の事を聞くも、知識神様の託宣(ハンドアウト)と神殿からの推薦状だけだとか。

 何者だったんだろう?只者では無いわね。

 

 それよりも彼の事よ!神になると言うことはこの四方世界の理からの離脱を意味するわ!そんな大それた事を考えているなんて……。

 でも彼から離れるなんて考えられない!私も着いていかないと!

 確か、理外の存在について書かれた書物が知識神の大神殿に納められてたハズ。明日無理にでも読ませて貰おうかしら?

 

 追伸。久しぶりに会った弟は鋼鉄の認識票(ネームタグ)見せて、今までやってきた冒険(アドベンチャー)の一端を話すととても喜んでくれた。

 ただ、疾走忍者さんの話になると急に不機嫌になるのはどうしてかしら?

 

 

【大司教side】

 

 ああ!あのお方に再び逢えると思いましたのに!!

 同じ秩序の信徒の年に一度のお祭りではありませんか!至高神様だってお目こぼし頂けるハズですわ!

 それなのに侍女神官ときたら、「その日は大事なお約束がはいってますから」って!

 しかもその”お約束”とやらがよりにもよって”収穫祭”への紹介状だなんて絶対に嫌味に決まってますわ!

 ふーんだ。さぼってやる。

 

 

【牛飼娘side】

 

 うーん。これじゃないし、これでもない。

 姿見の前でさほど多くもない衣装を取っ替えひっかえしながら体に合わせる。

 自慢ではないがそれなりに肉付きが良く健康的な体をしているとはいえ、こういう時(お祭り)に向いているよそ行きなんてあんまり似合わないし、そもそも持ってもいない。

 受付嬢さんならこう言う時にオススメの服とかよく知ってるんだろうな。

 あ、いけない!伯父さんの朝ごはん作んなきゃ。

 

 朝ごはんも終わり、掃除・洗濯が終わったらお祭りの開始を知らせる号砲が鳴る。

 あ!もう始まっちゃう!祭りに来ていく服どうしよう……。

 


 

 牧場に移り住んで10年。

 最初の5年はまともに部屋から出られず、祭りの事など興味もなかった。

 彼と再会してから5年。それでも彼と伯父さんとの狭い世界が精いっぱい。

 やっと街を出歩けるようになったのは去年位から、同性のお友達が出来たのもごく最近。

 それでも、彼が一党(パーティー)を率いる様になって顔なじみが増えた様に、私も世界を広げる事が出来た。

 お友達たちも気のいい人たちばかりで、色々と知らないことを教えて貰ったり、一緒に内緒話したり。

 問題はその友達たちが恋敵(ライバル)ばかりという事くらいかしら?

 

 彼は少し離れた所で年若い冒険者に囲まれている。玉入れであっという間に全部の玉を入れたからだろう。少しだけ得意気見える。これ得意だったもんね。

 牧場で待っているだけの身としては、微笑ましくも妬ましい。冒険(アドベンチャー)について行ければ良いんだけど。

 

 やっと解放されたのかレモネードを持った彼が戻ってくる。

 街中の散策の再開だ。

 

「今晩は……」

「ん?何?」

「おそらく遅くなる」

「そっか……受付嬢さんと一緒だもんね」

「あ、いや。それではない」

「?」

「嫌な予感がする。戸締まりをしっかりしておけ」

「ん。わかった」

「明日の朝……シチューが食べたい」

「うん!準備しとくね!」

 

 こんな風に自分の希望を言ってくれるなんて今まで全然なかった。

 こんな些細な事でも頼って貰って嬉しく感じるなんて想像もつかなかった。

 

 少し前を歩く彼の左腕に寄りかかる。

 確か右手は何かあったときに開けとかないといけないんだったよね?

 ……特に何も言わないから大丈夫だよね。

 

 

【受付嬢side】

 

 日が傾いてきて広場の噴水は多くの人でごった返しています。

 此れから祭りも最高潮(クライマックス)酒精(アルコール)の強いものが店頭に並び始め、幼い子供達や家族連れが帰宅を始める。

 何時もなら特にやることもないのでギルドの留守番しかしてこなかったので、実は初めて収穫祭に参加します。

 

 皆が笑顔で秋の実りを祝っています。

 畑を荒らす害獣の討伐や見廻り、農作物の収穫の手伝いに、運搬車の護衛。冒険者ギルドの一員として収穫祭に僅かだけでも貢献できた事に強い喜びを感じます。

 

 皆が笑顔で街を練り歩いている中、私は噴水の縁に腰掛け緊張を必死に隠しながら彼を待ちます。

 

「少し派手だったかしら?」

 

 普段の事務服とは違う、裾が長めで肩から背中の中程までが開いている臙脂色のワンピースに白いストール。今も男性陣の熱い視線が突き刺さる。

 

 嫌でないけど、やっぱり男性の方に変な目で見られるのは気分よく無いですね。彼早く来てくれないかしら?

 


 

 あの人は約束した時間きっかりにやって来ました。何時もの使い古した格好で。

 こんな祭りの時だから、せめてあの兜だけは外して貰いたかったですが、何時ゴブリンに狙われるか分からないと言って頑なに脱ごうとしません。

 まあ、意外とハンサムですからこれ以上ライバルが増えても困りますし。ただでさえ同じ一党(パーティー)に二人も居るんですもの。

 

 夕食は普段は行かない様な少しだけ背伸びしたレストランへ。祭りの喧騒が僅かに聴こえてくる、静かな空間。

 給仕(ウェイター)さんが少し戸惑っていますが、先に話を通したので、オーナーさんが黙って奥の席に案内してくれます。ギルド職員の影響力を濫用してしまったかしら?

 

 食前酒(アペリティフ)を飲みながら、先の水の街での出来事を聞いてみる。

 

「報告は上げたはずだか?」

「違います。私個人としてどんな事があって、どんな風に思ったか、それを聞きたいだけです」

「そうか……地下には縦横無尽水路が延びていて、大きな白い……蜥蜴の様なのが住み着いていた」

「ああ、沼竜(アリゲイタ)でしたっけ」

「そう、それだ。あれは大司教の眷属(ファミリア)だった」

「そうなんですか?」

「後、疾走忍者が作った茹で麺が旨かった」

「茹でた麺?パスタみたいなものですか?」

「いや。鳥のスープに麺を茹でて入れるのだ」

「それ美味しそうですね」

 

 言葉の継ぎ穂を考えながら少しづつ話題を提供していくと、意外と色々と話してくれます。寡黙ではあるんですけど、喋るのを厭うわけではないんですよね。

 


 

 少し早い夕食を終えると、最後の奉納の舞いまで少し時間がありました。

 火照った体を少し冷ます為にもとっておきの場所まで連れていきましょう。……ギルドの最も高い尖塔の先、その周りを取り囲むバルコニーへ。

 

「これは……凄いな」

「でしょう?私のお気に入りなんです。普段は入ってはいけないんですよ」

「良いのか?」

「今日だけは特別です。皆にはナイショですよ?」

「分かった」

「今日はお祭りの提灯で街の中が昼間みたいですね……きれい」

「そうだな」

「もう、こういう時は"君の方がきれいだよ"と言うのが礼儀(マナー)なんですよ」

「そうなのか?すまん」

「冗談ですよ。真に受けないでください」

「すまん」

 

 素直で愚直なのは正直とても嬉しいんですが、もう少し乙女の機微にも通じて欲しいと思うのは贅沢なんでしょうか?でも、あんまり軽いとイヤですし……。

 

 

【蜥蜴僧侶side】

 

 あの甘露(チーズ)を作れて、一党(パーティー)の料理を任せられる程。それでいて若いながら拙僧らについてこれる腕前。ぜひ料理人(奴隷♂)として雇用したいものよ。

 あいや。流石に仲魔(メンバー)を小姓とするというのは都合が悪いですな。

 どこかに使役しても良い、甘露(チーズ)を作れるものはおらぬものか……。

 

 

【闇人《ダーク♂エルフ》side】

 

 そう。念には念を入れて十分に準備をしてきた。

 

 ちゃんと販売店に連絡入れて、ポストに新聞やチラシが溜まることはない。

 鍵も二重に掛けて合鍵も鉢植えの下に隠してきた。

 お隣さんにも声掛けたし。あ!お土産買わないといけないかな?……でも観光じゃないんだし、そんな時間無いだろうし……でもこう言う細かいところから折角の計画が崩壊しないだろうか?

 そう言えば、追跡を撒く為に冒険者を雇ってヘカトンケイルの手を輸送させたけど、まさか偽物にすり替えられてないよね?……大丈夫。

 ……あっ!「あの家の御主人、若い魔術師風の只人のメスにプレゼント渡してたわよ」なんて噂されるかも知れない。やっぱりお土産は買っておこう。

 

 そう言えば、あの圃人(レーア)、この街に怨みがあるからと紹介されたけど、本当に祭りの最後に暴れてくれるかな?情報は渡してないから計画は露呈しないと思うけど、実は秩序の手先の間者(スパイ)じゃないよね?

 

 こんなことなら、箱に手を乗せながら「私には切り札がある(キリッ)」とか言わなきゃ良かった。

 

 ……いやいや。「無暗に人を疑うのは良くない」とばっちゃが言っていたじゃないか。

 ん?何か今視線を感じた様な?外には……なんだ猫か。

 

 やっぱり心配になって後日圃人(レーア)の様子を見に行ったら、何故か道端で死んでいた。何を言っているか分からないと思うが、私も何が起きたか分からなかった。

 取り合えず重要参考人になると困るから逃げよう。

 

 いきなり雇ったやつが死ぬなんて実は計画が漏れているのではないか?

 そう言えば今週のTDN式占い、D-KERHは運勢最悪だったな。どうしようかな?やっぱり止めとこっかな?

 ……いやいや、何を弱気になっているのだ。由緒正しき闇人(ダーク♂エルフ)の私が臆するなどあり得ん!続行だ!

 


 

 身に余るほどの強力な魔力を撒き散らしながら真言(呪文)を唱える。

 

 カルムス()……エゴ()……オッフェーロ(付与)

 

 暴れ狂う魔力の奔流に必死に抗いながら、天気を変えて嵐を呼ぶ。

 今頃街のなかはお祭り騒ぎで一杯だろう。本当ならここで嵐で誰も対処出来ない筈だが、どうだろう?

 ……特に冒険者が来てる気配なし。大丈夫だよね?……うん。ヨシ。

 

 だめ押しにゴブリン共を4つに別けて四方から街を攻めさせる事にしよう。これなら大丈夫だろう。

 


 

 私が居る街の南以外の三方からの伝令が来ない。これだからゴブリンはあてにならない。

 物見を放つか?いや……此方の戦力が薄くなる。でもちゃんとやってるか心配だな。

 

 斥候に出していたゴブリンから進路の先に冒険者が居るとの報告が入る。

 やっぱりか。心配した通りだ。あの圃人(レーア)が本来なら祭りの中で騒ぎを起こして冒険者の目を釘付けにするはずだったのだが、何人かに気付かれてしまったか。しかし、ここで止める訳にはいかない。

 人数は僅か、10にも満たない。こいつらが逃げないということは厄介な上位等級(ベテラン)も居ないか数が少ないと見た。大丈夫か?どうする?

 

 ここでそのまま叩いても良し。多少手強くても三方のゴブリンと共に文字通り袋のネズミで押し潰しても良し。ゴブリンをけしかけている内に分解(ディスインテグレート)を撃っても良い。……大丈夫だ。いける。

 

 負ける要素など無いではないか!圧倒的じゃないか、我が(混沌の勢力)は!

 


 

 何故だ!?何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ!?

 ここまで準備していて、何故私は地に伏せているのだ!?

 

 この体の中を駆け巡る、凍るように冷たく焼けるように熱いものは毒に違いない。

 う、灼熱が喉を通って口の中に嫌な苦みが走る。出てきたのは真っ黒になった血反吐。

 いつもの胃痛の時に出てくる奴とも違う、すべての生命に対しての悪意を隠さないその色は紛れもない!あの圃人(レーア)に渡したものだ!殺したうえで毒を盗んだか!?貴様らそれでも秩序か!?

 

 あ、あの只人の女魔術師。あれはヘカトンケイルの手を運ばせたメスだったはずだ。

 何ということだ、あの時点でもう既に秩序(クズ)どもにバレていたというのか!?

 まさかヘカトンケイルの手も偽物だったのか!?なんか獣人(パットフット)が咥えてはしゃいでいるし。

 そうなるとあの圃人(レーア)も実は死んだふりだったのだな!?奴め、毒をだまし取りさらには死んだふりまでして情報を売ったか!!

 やっぱり圃人(レーア)は信用ならない。

 

 これだけ入念に情報を隠して行動したにも拘わらず、暴き、解決してしまうとは……まさかコイツ!?

 

「そ、そうかきさまは勇者だったんだ!?」

「え?あんたこいつが勇者なんかに見えるとでも思っているの?」

「ははは。こ奴ほどそれらしく見えないものもおるまいて」

「いや!勇者だ!……勇者ってことにしといてくれ……」

「ハイ アノ 人ハ ユウ シャ デ間 違イ アリ マセ ン」

「やはりそうだったのか!勇者ならば仕方ないな!うん仕方ない」

「良いの?アレ(小声)」

「仕方ないじゃない。なんか死に際で幻覚でも見てるんじゃないの?(小声)」

「あははは……。いくら何でもかわいそうですよ(小声)」

 

 小娘どもが何か言っているが、私にはもう何も聞こえない。目も霞んで来たようだ。

 

 混沌の女神(ニャル様)よ。哀れなその下僕が貴方様の身元に参ります。

 

 

【鉱人道士side】

 

 酒と肴以外に金を使うことはなかったもんじゃから、かなりの金子が残っておった。

 元々触媒はそこら辺の物を活用できるし、量も少ないから懐も痛まん。

 

 金床も鱗のもここに当分腰を落ち着けそうじゃし、宿に居座り続けるのも(主に金床の部屋が)手狭になりつつあるし、毛皮のと魔女娘の声も多少響くからのう。

 

「どうじゃ!この出来は」

「はぇ~すっごいおっきい」

「ビックリスルホドオオキナ豪邸!」

「こんな大きなお家よく建てられましたね!?」

「酒と食事で浪費してるのかと思ったら……樽腹(ドワーフ)のくせに」

「フン。乳のない森人(エルフ)に用意しとった部屋が空き部屋になりそうじゃな。どれ受付嬢にでも格安で紹介しようかの」

「あー!ウソウソ。ホントーに感謝してるわ。流石太っ腹!」

「そうじゃろそうじゃろ。ガハハハッ」

「……(微妙に褒めてないような?)」

「ワシに、金床、鱗の、娘っこに魔女娘、毛皮ので6部屋、あとは客間が2部屋あるが、かみきり丸は牧場から通うじゃろ?」

「そうだな」

「そいじゃ、当面は物置兼客間といったところか」

「時々は遊びに来なさいよオルグボルク」

「わかった」

「あとは、共同の風呂、トイレ、台所、食堂、リビング、簡単な遊戯室それに納戸。外に消耗品の倉庫と武器防具などを簡単になら修理できる小屋もあるぞ、台所地下には小さな部屋があっての、低い温度で食料品を保存してしておけるんじゃ」

「ゴウランガ!食料品買ッテクル!」

「ああ、待ってください疾走忍者さん!私も行きます!」

「拙僧も行きますぞ。チーズを置く量も考えねば!」

 

 娘っこと耳長は部屋の中を見てはどうこうと何やらキャッキャと相談しておる。やれやれ騒がしいことじゃの。

 

 ギルドの老爺には少しばかり骨を折ってもろうたが、中々にいい仕上がりじゃな。

 

 これで我々一党(パーティー)も纏まるじゃろて。

 それに、儂の秘蔵の酒類に専門の酒蔵を用意したのじゃ。もうこれで悪くすることもあるまいて。

 

 

【???side】

 

 最初はほんの僅かな差、序盤で費えたハズの魂

 蝶の羽ばたき嵐を起こし、何でもかんでも吹き飛ばす

 モブがヒロイン、主役は影薄、中ボスまるで出番無し

 この先ホントどうなることやら、ブッダですらも分からない




先月は散々でした。
上にも書きましたが、自宅PCが壊れて色々と滞ったり。
会社の試験機が壊れて、仕事が全く進まなかったり、
治ったと思ったら試験機の予約システムサーバーがダウンして動かせるのに使えないという体たらく。
歩道を歩いていたら暴走自転車にはねられた上に、なぜか端っこを歩かなかったからだと文句を言われたり。
近い席に発熱者が出て、当分来るなと言われたり。
半年以上ほったらかしの仕事を放置して逃げた人の後始末で相手先に怒鳴られたり。

今月こそは何かいいこと無いかなぁ・・・。

次は需要はあんまり無さそうな裏オプです。
NTRとか、TSじゃなくて本当に良かった。

次の裏オプで読みたいシチュは?

  • 森人弓手の夢落ちエッチ(本命)
  • 女魔術師の眠剤逆レ(難しそう)
  • 監督官の寝取りエッチ(無理ぽ)
  • 疾走忍者くん×蜥蜴僧侶(TS)
  • そんなことよりおうどん食べたい
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