親族会議でリアルSAN値が削られて一時的発狂したり、命の選択を迫られたり、猛烈な下痢に襲われたり(生ガキ)、鬱が再発したり、クレカが停止されかけたり、交通事故にあって腕が粉砕骨折したりしましたが、私は元気です(満身創痍)
今後もゆっくりになってしまいますが、許してください。何でもしますから。
(出走済み全員のストーリー見るためにウマぴょいを繰り返していたなんて口が裂けても言えません)
【監督官side】
草木が萌え、動物たちの活動が始まる季節……春。
長い冬の間に溜まった鬱憤を晴らすかのように人類も活発に動き始める。
……そしてそれは
ギルドとしては書き入れ時なんだろうけど、今登録している
……いけない、いけない。
また心が良くない方向に行ってしまった。
どれもこれもあのクソ上司のせいだ。うん、そう思っておこう。
それでも、多額の寄付で念願だった訓練場の建設にもやっと着手出来た。
都で新進気鋭の商人が、
ポチに似た彼や下水道の主と噂されるバケツ頭を筆頭に色んな人が新人達の面倒を見てくれたお陰か、中堅層も育ちつつある。
後は武器防具がしっかりすれば……流石に軍隊じゃあるまいし、それは無理か。
したいことは幾らでもあるけれど、無い袖は振れないし、そこまでおんぶに抱っこするのも違う気がする。
……じゃあどこまで?と言われても困るけど。
集中力が切れて、ふと窓から見た空は、冬の曇天を吹き飛ばし、心地よさそうな日差しを湛えている。
やっぱり私が訓練場に行くべきだったかしら?
「はい。次の人、ドゾー」
【女魔術師side】
部屋で彼を待ちながら足が震えるのを抑えられない。
下の階にいた皆は、「頑張るんじゃぞ」とか、「ヒドイこと謂われたら伸してあげるから」とか、「甘露!」とか言ってくれたけど……。
一人で産み育てる覚悟は出来ているけど、邪険にされたり、まさか堕ろせ何て言われたらどうしよう……。
爪を噛みながら、部屋を落ち着き無くウロウロしてると、部屋の窓から、金色の鳥が飛び込んできた!
私の肩に留まると、ピイピイと顔を擦り寄せてくる。
ソニック○ール!慰めてくれるの?
ソニ○クボールは雪山で凍えていたのを見つけた鷹の子供。
保護して懐で暖めてあげたら、酷く懐くから
どこ行ってたの?ゴハン食べる?え?パンツが欲しいの?じゃあ寝床に入れておくわね。
ソニックボ○ルが急に顔を上げると窓から外へ飛んでいく、と共に階段を軋ませる音が聞こえてきた。
彼だ!
ソ○ックボールで和んだ心を引き締める、手はぎゅっと握り、足に力を入れて震えを覆い隠す。
顔面は蒼白だろうけど、そこまではどうしようもない。
ドアを開けて入って来た彼はいつもの何処か惚けた彼の顔。
私の雰囲気に気づいたのか、それでも少しだけ真面目な様子をしているけど。
「ドシタノ?元気ナイ?」
「い、いえ……大丈夫なんですけど、少し話が合って……」
「フムフム。ソレデ?」
「あ、あの!こ、子供が……」
「……」
ああ!やっぱり彼にとって子供なんて邪魔だったんだ!
いつもの惚けた顔からは想像も出来ない位厳しい表情で私の事を見てくる。
あの暖かだった琥珀色の瞳が、まるでガラス玉の様に冷たい色をしている。
彼は腕を上げると、私の方に伸ばしてきた。
ぶたれる!?思わず目を閉じて首を竦めてしまう。
……思っていた様な衝撃はいくら待って来ず、あれ?っと目を開けようとした瞬間、彼の温かな腕の中に私は包まれていた。
「スゴク……ビックリ……ダイジ……ナイ?」
「え、ええ。まだ初期だから。なんともないです」
「ヨカッタ」
「あの……怒らないんですか?」
「ナンデ?子供出来ル。良イコト」
良かった!、本当に良かった! 彼がそんな人ではないとは思っていたけど、緊張の糸が切れたのか滑り落ちそうになる私を彼が抱き留めてくれる。
漸くその温かさに甘えていると、彼が聞き捨てならない事を言ってきた。
「デモ、モウ冒険ムリナ」
目の前が真っ暗になる。やっぱり役立たずになったから捨てられてしまうの!?
「え!?まだ何ともないですよ!?大丈夫です!やれます!」
「ダメ。カラダ大事。温カクシテネ?」
子供の事だけでなく私の事も考えてくれるなんて……。
最初の
そうでなければ、今のこんな幸せな気持ちなんて味わう事すら出来なかった。
一生ついて行きます。
感動に打ち震えて涙を流していると、窓から○ニックボールが飛び込んできて、彼に突撃してきた!
「ぴーぃ!ぴーぃ!」
「アイエエエ!?」
「あ、こら!やめなさい!」
「アイタタタ」
「いじめられてるんじゃないから!勘違いしないで!」
「ぴーぃ?ぴぃ……」
あ、そうだ。役に立たなくなる私の代わりにソニックボー○を連れて行って貰えばいいんじゃないかしら?
【女神官side】
「ふぇーん。ゴブリンスレイヤーさーん」
「ああ!もう泣かないの!」
「何だ?」
「巫女殿の等級審査が先程あっての……」
「ウム。それで、この有り様と言うわけじゃ」
「そうか」
「何でよ!あの犬っころはともかく、魔術師だって鋼鉄等級になってるのに!わたしが文句言ってきてやるわ!」
「止さぬか耳長の。回りが銀等級ばかり。そこでしか
「然り。真の実力なら我等にも引けを取らぬとは言え、ギルドから出ずに其を理解せよとはちと酷ですな」
「うー!でもさぁ!」
本当はこんなところで嘆いていても何も進展はないのですが、皆さんが優しすぎるので思わず甘えてしまいそうです。
「新人達を連れて
「ふぇ?」
「俺らはギルドから訓練場の
「そ、そーよね!オルクボルグにしてはなかなか良いこと言うじゃない!」
「然り、然り、それなら巫女殿の采配に誰もケチをつけられまいな」
「良いんでねぇの?ワシら抜きで
「あのー。それ出来ないんです」
「何で?地母神殿で祭事でもあるの?」
「いえ……わたしも訓練に参加する様に言われましたので」
顔を見合わせる皆さんを目の当たりにして気付きます。
皆さんが考えてくれれば、どんなことでも安心してしまいますが、これなら今までと全然変わらない!
"自らの意思で行動しないと、今までと一緒だ"
「あのっ!取り敢えず訓練に参加して同じ新人さん達と臨時
うん。訓練しながら他の新人さん達と話し合って、臨時の
今なら最初の
訓練場でやっている事はわたしがゴブリンスレイヤーさん筆頭に皆さんに教えて貰った事に比べると随時と簡単な内容でした。
基本は白磁、黒曜なので仕方ありません。
それでも、一つ一つ体に染み込ませる様に復習して行きます。
そして応用の方は新人さん達が寝静まった夜中にこっそり練習します。
錫杖での立ち回りには槍使いさんが
魔法は魔女さんが集中の高め方など。
でも、疾走忍者さんの座禅は何の意味があるんだろう?背後にある壁に掛けてある紙に【ごんぶと(東方文字)】って書いてあるのも良く分からないし、なぜか疾走忍者さんが足を痺れさせてるし。
ヨガを日課にしてるわたしにはちょっと合わないのかしら?
午前中は殆どが戦闘を模した訓練です。
冒険者として一年やってきて体力もついてきたのか、前衛の皆さんと一緒の訓練にも遅れずついていける様になったのは密かに自慢です。
ただ、訓練場の端でひたすら穴を掘り続けている疾走忍者さんを見ると、そんなことどうでも良いように思えて来ますが。
訓練に加えて穴掘りまでさせられている新米戦士さんと青年剣士さんは大丈夫なんでしょうか?
「お昼休憩ですよ~!」
気がつくと、太陽は中天を射しており、受付嬢さんの声が聞こえてきました。
訓練中はギルドから食事が出ます。白磁に成り立ての皆さんは日々の糧を賄うのも大変ですからね。
新米戦士さんと青年剣士さんが真っ白に燃え尽きてる横で疾走忍者さんはと言うと疲れも見せずベーコンの塊にかぶり付いています。
ポロポロと食べかすをこぼしているのを見ると、なんというか幼子が食べ散らかすのを見てるようでウズウズしてきます。
女魔術師さんはこういうところが琴線に触れたのかしら?
そうそう。女魔術師さんはここには居ません──確かに鋼鉄等級なので訓練の指示はありませんし、魔女さんが居るところで魔法使いの講師役は必要ありませんが──お腹に疾走忍者さんとの赤ちゃんが居るのでお休みだそうです。
仲が良いとは思ってましたが、そこまで進んでいるとは思いませんでした……わたし以外は気付いていたみたいですが。
赤ちゃんを産んで産後安定するまでは
それでも臨月まではギルドの臨時職員室として働くそうです。
座った目をしながら「疾走忍者さんに変な虫がつかないか注意しておいてね!」と言われた時には何と返せば良いか困りました。
殆どの新人女性冒険者さんは槍使いさんか蜥蜴僧侶さんに注目してますし、疾走忍者さんは穴を掘っているだけなので……うん、大丈夫そうです。
「ねえねえ、ちょっと良い?」
「はい?」
振り返ると圃人剣士さんが立っていました。
視線はわたしの手元──正確にはわたしが包みを開けたばかりのフレンチトースト──に釘付けですが。
「じーーー」
「えっと……ひとついりますか?」
「えっ?良いの!?」
「はい。どうぞ」
「ありがとー!おいしい!お姉さん凄いね!こんな料理も作れるなんて!」
「いえ。これは、他の方が作ったんです」
「え!?誰?誰?」
「あそこの狼人さんですよ」
「あの人!料理も上手いんだ!あ、そうだ!あの人の事について聞きに来たんだ!」
「?」
「あの人斥候でしょ?手技何か教えて貰えないかな?」
「良いですけど、どうしたんですか?この前の
「
「そうですか。分かりました。聞いてみます。……と、所で一つお願いがあるんですが」
「なに?何でも良いよ」
天真爛漫な笑顔を向けてくる彼女に気圧されながらも、訓練後に
後は最低前衛が1~2人は欲しいですね。
どうしましょうか?
視線の先には塹壕掘りで倒れ伏している2人がいました。
ふむ。
【森人弓手side】
手近な木に登り、辺りをぐるりと眺める。
夕日に焦かれた草原は玄く、動くものが無い様は月の砂漠を思わせる。
遠くに見える山々は影絵の様に黒々として、太古の巨人の骸の様だ。
そんな風景を何の気なしに眺めながら、敵が来ないか辺りを睥睨する。
ゴブリンの臭いがするって、オルクボルグってば気にし過ぎじゃないかしら。
下手な獣人よりも鼻が良いんじゃないかしら?
見渡す平原は変わったことなど一つもない。
……ん?そういえば穴兎を見かけないわね。
一応伝えておきましょうか。
半分別の事を考えながら哨戒していると、ふと何処からか甘い匂いが漂ってくる。
可愛らしい鼻腔に朝の甘いパン──ふれんちとーすととか言ったっけ?──に似た香りが漂ってきた。クンクン?あっちね。
訓練場建設の人足が暮らす飯場からだ。
良く目を凝らすと、あの毛むくじゃらが竈に向かって何かをしている!
これは何か美味しいものに違いない!
オルクボルグは、っと……居た居た!矢文で状況だけ知らせておこう。
さて何作ってるのかしら?
ぱんけーき?とか言うのを存分に堪能して、くちた腹を擦りながら宿舎に戻ろうとすると、僅かに死臭が漂っていることに気付いた。
訓練なんだから怪我位するし、血を流す事もあるけど死臭はあり得ない。
見渡す限り不審なものは見えないが、こういう時の冒険者の勘は馬鹿には出来ない。
瞬時に頭を切り替えて、手近な木によじ登る。
ぐるりと周囲を見渡すと、運動場の影に居た女冒険者に小柄な子供の様なものか沢山がすがり付いて押し倒している!
こんな時に
「
大声を出して、鏑矢を直上に放つ。
これで新人でも気付くだろう。
女冒険者の方を見ると、顔に歯こぼれしたナイフを突き立てられ皮膚を剥がされそうとしていた!
慌てて矢を番え、一斉射。
バタバタと倒れる仲間達にモタモタと武器を構える残りの小鬼を尻目に、木を飛び降りて女冒険者に駆け寄ると、まだ何とか息があった。
しかし小鬼の包囲網を抜けるのは厳しそうだ。
弓を構えたまま引き摺る訳にも行かないし、どうしたらものか……。
逡巡していると、包囲網の一角がまさに弾け飛んだ!
奥から見えるのは
ホッと息をつく。
これで大丈夫だろう。
「ありがとう。助かったわ」
「この前、
「あら、そう?じゃあお礼ついでに彼女運んで貰っても良い?」
「任された。おら野郎共!こいつを担ぐんだよ!早くしな!」
「ウス!姐さん!」
冒険者というよりはまるで盗賊ね。
小鬼を軽く蹴散らすと、訓練場にポツポツと灯りが灯り出した。
ざっと見渡し、動くものが無いのを確認すると建築途中の宿舎の屋根に駆け上がる。
上では毛むくじゃらが何か変なポーズで松明を振っているが、何だかコワイので触れない様にしておく。
オルクボルクは……居た!あの娘と一緒ね。そっちに行きましょうか。
【女魔術師side改善】
火の見櫓に1人佇み、彼が居る筈の方角を凝視する。
彼が言うにはそろそろ何かある筈とのこと。
数日前から泊まり込みで仕事をしている彼に変な虫がつかないか少し……凄く気になるけど、負担掛けて足を引っ張るわけにもいかない。
言い付かった通り合図を見逃さない様、昼間は少し体を休め、夕刻から明け方迄こうして見張りをしている。
ここの所ずっとそんな生活を続けているせいか、兎に角眠気が襲ってくる。
周りに柵こそあるものの、
さすがにそんな間抜けで彼と永久の別れをする訳には行かない!
出掛けに作った砂糖抜きのホットレモンを彼から借りた魔法瓶から啜りながら気合いを入れ直す。
しかし、今夜は冷えるわね。毛布の1つでも持って来れば良かったかしら?
夕餉の時刻も遠に過ぎ、街はまだまだ明るいけど、
梯子を軋ませる音に驚いて振り向くと、そこには監督官さんがフウフウ言いながらしがみついていた。
「どうしたの?こんな所へ」
「そんなことより助けて~」
微妙に間延びした深刻そうに聞こえない様子の監督官さんを引き摺りあげる。
勢い余って監督官さんが柵にぶら下がってしまったが、何か歌を歌っているので大丈夫でしょ。
一曲歌って満足したのか柵から降りる。
うん、この娘にはどこか遠いところで幸せになって貰おう。
監督官さんが持ってきた毛布を二人して被りながら暗闇に染まった彼の居るハズの方角を凝視する。
辺境の街はまだ灯があって眩しいけれど、訓練所はもう休んでいる頃合いかしら?灯りらしきものは見当たらない。
「ねぇねぇ。聞いても良い?」
「なに?」
「何時から?」
「ん~?切っ掛けは7歳の時だけど、逢ったのは最初の冒険の時ね?そっちは?」
「こっちは、受付の時だから殆どタッチの差位かな~」
「……別の時間を生きてるとなかなか難しいわよね」
「ちぇっ。やっぱり同じ
「謝らないわよ」
「そんなことされたらひっぱたいてやるんだから」
狭い見張り台の上で腕をぶんぶんと振るうのを見るに荒事には全くと言って良いほど向いてない彼女の目は酷く真剣で僅かにほの暗い。
それでも声は落ち着いていて、含まれる悋気は驚く程少なく感じられた。
もし万が一──考えるのもヤだけども──自分が逆の立場だった時にこんなに冷静でいられる自信は……なかった。
「ケンカ別れなんてしたら赦さないんだから」
「当たり前よ。
「首輪でも付けて庭に繋ぐ?」
「繋がれるとしたら私ね」
「わーお。大胆」
「恋敵を前に遠慮なんか……まって!」
監督官は口をすぼめて不満そうな顔をしているが、私の視線の遥か先に僅かに揺れ動く様に見える火の灯りに比べれば何の価値もない。
間違いもない!彼からの合図だ!
慌てて立ち上がり、隣にいる監督官に伝えようと口を開いた瞬間、肚が急に苦しくなったかと思うと、胸がカッと熱くなり、喉を通って灼熱が込み上げてきた。唇を閉じる
隣で監督官が慌てて声を掛けて来るのが聴こえるが、
ものの数分の事だが、まるで那由多の先にあるような地獄を越えて一通り出し切った後、見張り台はまるで
手摺に凭れ掛かりながら、なけなしの力を振り絞って
【新人どもside】
「かったるいな~。こんな夜中に移動なんて」
「無駄口叩かない!早く行くよ!」
「うるさいですわね~。だから胸がちっちゃいんですのよ!」
「なんですってー!?もう一度言って見なさいよ!」
「もー疲れたよー背負ってー」
「たくっ、仕方ねぇな。ほら乗れよ」
「ありがとー。クンクン。汗臭ーい」
こいつら子供の
こんな暗闇なのに索敵すらしていない。
こいつらと同じ扱いってのは納得行かないけど、まだ黒曜にもなれていない俺らじゃ説得力の欠片も無い。
まだゴブリンを倒すのに自信が無いから下水道がメインだし。
最近良くつるんでいる両手武器の戦士とぼやきながらも索敵は怠らない。アイツの相方の至高神の神官が【養豚場のブタでもみるかのように冷たい目】で新人どもを見ているが、俺らに向かってではないので問題ない(チビりそうになりながら)
「ねぇねぇ。あの人いるよ。大丈夫?」
「アイエエエ!?ニンジャ!?ニンジャナンデ!?」
妙に強張った女武道家の声に振り向くと、そこにはヤツが居た。
細いながらもしっかりと鍛えたであろう長躯。
毛むくじゃらで惚けた顔。
忍者と自称する黒装束。
今までの緊張感は生ぬるいものだった。第六感が最大級のアラートを出してくる!
逸早く察したアイツらと素早く目を交わすと、新人どもの四方に避けて少し距離を取る。
ヤツなら絶対に何かやってくるだろう。
こうバラければ的を1つに絞り込むのは不可能なハズた。
索敵は継続しつつもヤツの一挙手一投足に警戒を厳にする。
懐に手を突っ込んでるな。投げナイフか何かか!?
懐に手を入れていた理由は暫くして雑木林の中で猛烈な臭いと共に理解させられた。
何てもの使ってやがる!
事前に何とか隊列と言い張れるギリギリまで離れられたので何とかマシだけど。
流石にもう一発は無いよな?
二回も激臭攻撃の余波を受けた新人どもはグロッキーで掘っ立て小屋に積んである。
俺ら四人は各チームの情報伝達の為に走り回って居た。
何匹かはルート上のゴブリンを叩き切ってはいるが、その抵抗の無さに呆気にとられる。
こいつらが弱くなったのかと思ったが、俺らが強くなったんだ。訓練の成果を肌で感じられて嬉しくなる。
それでもアイツの穴堀りはもう勘弁だけど。
あんなのに比べたらゴブリンなんて屁でも無いしな(震え声)
少しはゴブリンのトラウマが解消しかけた様な気がする。
そういえば、ヤツと同じ
ゴブリン退治とか言ってたような。
完全なるトラウマ払拭の為にも他の皆も誘って参加してみるかな?
【臨時一党side】
「やぁ!あれ!?倒せない!?」
「今です!」
「よっしゃ!喰らえっ!」
「もう!こんな狭いところでこん棒なんか振り回さないでよ!あぶないでしょ!」
「助かった~ありがとう!」
「貴女は膂力はそんなに強くないので、攻撃に集中するより避けるのに専念しながら敵の邪魔をするのを優先した方が良いですね」
「そーなの?でもそれって剣士っぽくなくない?」
「要は適材適所ですよ。敵の攻撃が当たったら折角の素早い動きも活かせないかですよね?」
「うーん。分かった。ちょっと望んでた形と違うけど、命あってのものだし。気を付けてみる!」
「背後はお任せしましたからね。っと女武道家さん横穴は大丈夫でしたか?」
「何もないわよ。あんたから貰った
「それは良いですね!横穴にはゴブリンがいない……そしたらその横穴から壁抜きしてくるかも知れません。……剣士さん見張りお願いしていいですか?」
「任せろ。合図は
「はい。大丈夫です。ここより手前で壁を抜けるところはないので退路の確保は大丈夫そうですね。女武道家さんは辺りで隠れているゴブリンがいないか確認してください。あまり剣士さんの傍を離れない様にしてくださいね。圃人剣士さんは戦士さんと前に出てください。無理に突出する必要はありませんからね?」
「りょーかい。高度な柔軟性を維持しつつ臨機応変にってことでしょ?」
「まあ、間違っては居ませんが……聖女さんは呪文二回ですよね?そうしたら、わたしが【
「分かったわ。あんたはちゃんとあたしと
「分かってらい!
「はい!お願いします!……あの、今まで特に疑問に思わなかったんですが、何でわたしが
「いや、だってあんなの(疾走忍者)と一緒にいてなんともないんだもの」
「うんうん」「当たり前じゃない」「いや尊敬してるんだぞ?」「(良く分かってないけど)そうそう」
ゴブリンスレイヤーさんは新人さん達からまだそんな風に勘違いされているのですか……。
少し分かりづらいけどとっても好い人なんですけどね。
うん……よし!今度の
臭いは香袋で良いとして、汚れは……逆に黒く塗ってしまえば目立たないかな?
後は音か……。ギルドの老爺さんに何か音を抑える仕組みがないか相談してみましょう。
飛んでくる粗末な矢を気配だけで錫杖で叩き落として、破れかぶれの突撃をしてきたゴブリンはコンパクトに構えた錫杖のカウンターで喉を突きやっつける。
背後では、「やっぱりアイツ(しつこい様だが疾走忍者)の仲間だ」とか失礼な声が聞こえますが、今は気分が良いので許してあげます。
本当は
傍にいる三人が急に背筋を伸ばして回りの警戒を再開します。
うん!冒険中は緊張感がないと。
【牛飼い娘side】
新人が元気の良い声を出しながら駆け回っている訓練場を二人で眺めながら隣に立つ彼の腕に手を当ててみる。
元々は村があって、私と彼の生家もあったんだけど、僅かに残った面影と言えば、村外れにあって今では訓練所の端にある小さな池位。
それもこの前の戦闘で水が引かれた堀の決壊の余波を受けて茶色く濁って、三倍位になっちゃってる。
訓練所の所長さんは色々と使えそうだから残しておくって言ってくれているけど。
「全部無くなっちゃったね」
「そうだな」
独り言のつもりで呟いた声に、予想外に返事が帰ってくる。
気になっていた事を勇気を出して聞いてみる。
「まだ続けるの?」
「どうだろうか……」
「そっか……君は本当に不器用だね」
「そうか?」
「そうだよ」
「そうか……そうなんだろうな」
本当は知っている。
村の跡地に頻繁に訪れては、燃え残りや僅かに残った遺骨を拾い集めてかつての面影を刻み込んでいることに。
秘かに憧れてたお姉さんの痕跡はついぞ見付からずとも、それらしきガラクタの様な物を後生大事に納屋の箱の中に仕舞っている事も。
死んじゃった人に勝つのはかなり骨が折れるけど、決して勝算がないわけではない。
受付嬢さんに聴いたところによると銀等級の冒険者となれば、結婚しててもお妾さんの数人位普通らしいし、こちとら正妻が4人も居るのよ。
絶対に諦めてあげないんだから。
おっきいのからちっさいのまで選り取り見取りだし!
……でも、お姉さんキャラが弱いかな?
何処かに都合の好い人いれば良いんだけど。
隣でブルッと震えてはその事に頭を捻っている彼にクスリと笑い掛けて腕に抱き付き、牧場へ戻る様に促す。
少し躊躇いつつも踵を返してくれる。
先ずはこの腕の温もりを堪能しよう。
あ、伯父さんをどうやって説得しようかな。
何か良い方法があるか、後で三人に相談してみよう。
……地面の下からヒャンヒャンと犬が悲鳴を上げる様な音が聴こえるけど、まあ特には問題無いわよね。
こう普通に会話を書いていると、キャラクターの書き分けが簡単に出来て、やっぱり・・・蝸牛神の・・・書き方(セリフ忘れ)・・・最高やな!
疾走忍者君ですら違和感バリバリ、女魔術師ちゃんに至っては森人弓手に喰われてしまって出番どれ?と言った感じです。
そろそろ終わりも見えてきましたので、影が薄い主人公に括約の場を作らねば(使命感)
因みにみんな大好き女魔術師ちゃんは母子ともに無事です。
前書きに書いた通り後半位からかなり大殺界なので、ゆるゆるとお待ち下さいませ。
次の裏オプで読みたいシチュは?
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森人弓手の夢落ちエッチ(本命)
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女魔術師の眠剤逆レ(難しそう)
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監督官の寝取りエッチ(無理ぽ)
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疾走忍者くん×蜥蜴僧侶(TS)
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そんなことよりおうどん食べたい