前を走る先輩から温かい言葉を頂けたので初投稿です。
会社のテレワークシステムが頻繁にダウンするし、筆が進むのも仕方ないね(レ)
と、いうわけでレギュレーションに則り、裏話です。
キャラの書き分けとかは・・・勘弁して下さいね(棒読み)
あと筆者はニュービーなので、すまねぇ忍殺語はさっぱりなんだ。
【???side】
草木が萌え、動物たちの活動が始まる季節・・・春。
長い冬の間の鬱憤を晴らすかのように人類も活発に動き始めます。
そしてそれは所謂
どうしても重なりあってしまう活動範囲。それは城砦が襲われる様な大きなものではないにしろ人びとを苛みます。
畑を荒らされたり、家畜が食い殺されたり、ゴブリンに村娘が拐かされたり。
それを見込んでか、それとも雪篭る村の長老の家で聞いた吟遊詩人の英雄譚に憧れたか、はたまた単純に食い詰めたか、新たに冒険者となる若人も大勢出てきます。
その中の幾人が志を遂げることなく果てるか、それはこの四方世界の神々さえも知り得ぬこと。
【監督官side】
辺境の街の冒険者ギルドではその日の初めからだけで実に10人もの血気盛んな白磁を送り出しています。
そこで受付する私も
朝食を取る間もなくの働き詰めで、ようやく人が途切れてきました。
一息付けようと冷めきった紅茶に手を伸ばしていた所に影が掛かります。
また新しい冒険者ですか・・・
辟易しそうな顔を努めて見せないように心掛けながら笑顔を貼り付け顔を挙げると、目の前には漆黒の外套に身を包んだ巨躯の人狼。
顔には薄汚れ東方人が使う文字のようなものが書かれた頬面を着けていました。
思わずカウンターの下に置いてある至高神の杖に手を掛けそうになるのを抑えつつ声をかけると、存外に若そうな声でたどたどしく冒険者となりたい旨を告げて来ました。
ああ、この季節ですからね。冒険譚にでも触発されたんでしょう
ホッと一息ついて愛想笑いを浮かべながら
あ、思ったより可愛いかも。そんな心境など露知らず、片言で文字が書けないことを告げて来ます。
「文字書ケナイ。スゴイ・シツレイ」
「いえいえ。そういう方も多いので代筆サービスもありますよ。今なら待ってる人も居ませんし、冒険記録用紙に直接書きますね」
「忝ナイ」
縮こまりながらも尻尾を振る様に既視感を感じながらも冒険記録用紙を埋めていきます。
んー?なんか家で飼ってたポチに似てるような?
名前は疾走忍者さん。
なんか何処かで伝え聞いた将来が宿望される冒険者の名前に似てますが、15歳の新人ですし関係ありませんよね?
手間賃を貰いながら白磁の認識標を手渡し、諸々の諸注意を伝えるとコクコクと素直に頷いてくれます。
「今後のご予定は?」
「只イマ考エ中ナ。」
「ではなにかあれば遠慮なく受付に来てください」
「オタッシャデー!」
なんかホッコリしながら見送ると、隣に座っている受付嬢が「ないわー」的な視線を向けてきます。
失礼な。あの変なのにご執心な貴女に言われたくありません!
「あの。すいません。冒険者になりたいんだけど」
「あ、はい。文字は書けますか?」
気を抜いたらすぐに次の冒険者志望が来ました。
この調子で頑張らないと。
【女神官side】
「ドーモ、女神官=サン。疾走忍者デス。」
登録が終わり、白磁の認識標を貰ったところでいきなり
「あ、はい。女神官です。」(わ、大きい。)
獣人さんって宿屋や食事処で働いている人が多いので、この街にも沢山いますけど、人狼って見たことありませんでした。
ちょっとだけ怖いかもしれません。
首から提げる綺麗な白磁の認識標を見るにわたしと同じ冒険者なり立てってところでしょうか。
「拙者冒険者のコト、右モ左モ分カラナイ。オシエテ。」
「いえ、わたしも登録したばかりでよく分かっていないんですよ」
「ソウナノカ・・・ドウシヨウ」
シュンとしている様は何処か可愛らしくあるこの獣人さんと暫し微妙な間が出来ていると、いきなり横から声をかけられました。。
「なあ、君ら冒険者だろ?ちょうど良かった俺の
軽装の剣士さんといった様子の青年でした。
後ろには黒髪を束ねた快活そうな少女と、理知的なメガネを掛けた女魔術師さん。
ですが彼女は何故か疾走忍者さんを見て驚いている様に見えます。
「えっと、その・・・。」
答えに詰まっていると、
「ヌッ?・・・何用カ?」
疾走忍者さんが助け舟を出してくれました。
今度は黒髪ポニーテールの女性が詳しく説明してくれます。
「あ、ごめん。2人はパーティーなの?、もし良かったら一緒にゴブリン退治してくれない?人手が足りないのよ」
「分かりました。わたしなんかで宜しければ」
「ゴブリン殺スベシ。慈悲ハナイ」
「じゃあ決まりだ。お姉さん5人でお願いします」
「えっ…と皆さん白磁等級ですよね?大丈夫ですか?」
「ゴブリンなんて一、二回倒して新人卒業だよ」
「・・・」
何か言いたげな受付嬢さんの表情が少し気になりながらも皆の後をついていくしかありませんでした。
【女魔術師side】
辺境の街から徒歩でも数時間程度の小さな村。
そこが私たち一党が目指すゴブリンに襲われた村だ。
都にある賢者の学院を優秀な成績で卒業した私にとって、この様な依頼はパパっと片付けるられる、自分が強くなる為の踏み台の一つに過ぎないと思っていた。
回復手段の乏しい我が一党がその要員として甘っちょろそうな女神官に声を掛けたところ、その横に居たのは大きな
幼い頃にゴブリンに襲われた私と弟を庇って亡くなってしまったあの行商にそっくりの姿だった。
聞けば親を亡くし孤児の身の上だとか。
もしかしたら彼?彼女?の息子なのだろうか?
そんな考えが頭の中をぐるぐる回って、つい彼の姿を目で追っていた。
道中皆でワイワイ喋りながら進んでいると、何が気になるのか彼は女神官に頻りに話しかけている様子。
「なに?貴女臆病風にでも吹かれているの?」
少し彼女に嫉妬してキツい言い方をしてしまったかしら。
「駆ケル風の如クハ実際良イコト。ソレヨリ貴女タチハドノヨナ経緯デ?」
意味を取り違えたのか頓珍漢な答えをしつつ、私に向き直ってくれる彼。
そんな一寸した事でもうれしくなってしまった。
さあ、ゴブリンなんてさっさと片付けるわよ!
思えば私は初の冒険と彼との出会いに浮かれていたのかもしれない。
そのツケを支払う事に気づくのにはさほど時間は必要なかった。
【青年剣士side】
特に名産品があるわけでもない寒村出身の俺にとって、
稀に訪れる冒険者の体験談にいつも心踊らせていた。
そして念願の冒険者へとなり、自分だけの物語を紡ごうと意気揚々と巣穴に入ろうとしていたところ、その出鼻を挫く様に毛深い二の腕が俺の目の前に飛び込んで来た。
「暗闇ハ危険。拙者ガ前」
「ゴブリンなんか恐くないだろ!なんだお前ビビってんのか?」
自分でも驚く位強い調子で返したのも、今思えば自分が恐れていた事を見透かされたと思ったためなのかもしれない。
「ダメじゃない!そんなこと言ったら」
ごすっ!
女武道家が頭に容赦ない鉄拳を見舞う。
痛みに耐えていると、既に疾走忍者は巣穴に入り込んでいた。
何故かその背中が自分と同じ15歳とは思えぬ雰囲気に黙るしかなかった。
疾走忍者を先頭に俺、女神官、女魔術師、女武道家の順で巣穴を進む。
意気込んで進んでいくものの、ゴブリンに一匹も遭う事もなく、些か拍子抜けしていた所、穴の奥の方にボヤリとトーテムが見えてきた。
巣穴の入り口にあったものと酷く良く似ていた。
「ヤメーヤメー」
疾走忍者が皆を静止(?)する。
俺は先程の件が後を引いており、素っ気ない態度を取ってしまう。
「んだよ。入り口で見ただろこんなの」
「チガウ。
彼がそう言って指差すのは、右手の岩の窪み。
薄汚れた布に泥を擦り付け、岩肌の様に偽装してはいるものの、松明の灯りの元ではそれは一目瞭然。
背筋に冷たいものが通った様な気がした。
もし自分だったらどうだっただろうと。
前衛三人で顔を見合わせる。
本道に比べればかなり手狭な感じのする横道だが、奥行きが如何程かも判然とせず、一人で攻略するのは不安が大きい。かといって二人も入ってもつっかえるだけだろう。
奥が更に狭いと小遣いを貯めて賄った自慢の長剣では十分に振るうことさえ難しい。
ここは女武道家に頼もうか。
そんなまさに怖じ気付きそうになっていた時にふと強い視線に気付いた。
疾走忍者が俺の事をじっと見ていた。
『お前はそんなものか?』
まるでそんな風に侮られている、いや憐れみの目で見られている様な気がしてカッと頭が熱くなる。
気が付くと俺は横道に向かって歩を進めていた。
「見義不為無勇也」
意味は分からないが、彼奴が俺を鼓舞してくれたのだろう。
さぁ、これ以上格好悪い所は見せられない。
そこからの記憶はまるで無く、気が付いたら俺はギルドの二階にある個室で寝ていたのだった。
【女武道家side】
母はあたしが小さい時にゴブリンに拐われ、それ以来行方も知れず。
厳格ながらも優しい父と二人きりで、武道に明け暮れる日々を過ごしていた。
父は娘から見ても強いとは言えなかったが、そのお人好しな人柄からか冒険者の救援依頼が多く、良く色んな依頼に付いていっていた。そんな父が誇らしくも羨ましくもあった。
今思えば、母をゴブリンに奪われた怨みをその様な依頼の中で晴らしていたのかもしれない。
醜い自分をあたしに見せないために。
ある日二人で組み手をしていると良く見知った冒険者のグループがやって来た。
彼ら曰く、大きなゴブリンの巣が見つかったとの事。
父は何時ものように二つ返事で救援依頼を快諾。
あたしに留守番しているように言って冒険へ行った。
それが父を見た最期だった。
僅かに帰ってきた父の腕を埋葬したところで冒険者になると誓ったが、実のところは復讐の念に取りつかれていたのかもしれない。
どうやら才能はあったらしく、遠縁の道場に引き取られたあたしはメキメキと頭角を表した。
成人と認められる頃には道場で敵う人間は居なかった。
増上慢となっていたあたしは青年剣士の眩しい程の幼さを可愛らしく思いながらも何処かであたしとは違うと考える部分があった。
そんな彼の危なっかしいながらも純粋な眼差しに憧れていたのかもしれない。
だから彼が後ろからゴブリンに突っ込んで行くのを半ば呆れながらも迂闊にも周りを注意する事も無く
戦場ではそんな行為は
青年剣士の背が急に大きくなったかと思うとあたしを巻き込み大きく吹き飛ばされていた。
気を失っていたのはほんの数瞬の事だが、気が付いたらあたしのすぐ横で彼が意識が無いまま倒れていた。
(助けなきゃ)
あたしは彼を抱き抱えると、剣戟の音から逃れるように、ヨロヨロと出口を目指した。
・・・後で何が起きているのかも気にしないで。
気が付いたら巣穴の外で、青年剣士は未だに意識が無く、女魔術師は肩に矢が刺さっていた。
疾走忍者は細かいながらも全身に傷があり、女神官は傷こそ無いものの息を切らせていた。
その様を見てあたしは安堵よりも恐怖を感じていた。
何があたしは違うだ。
お前は何をした?
仲間を危険に晒しただけではないか。
もう一人、本来なら此処には居ない筈の冒険者が声を掛けてきた。
「やれるか?」
「是」「は、はい」
二人が逡巡も無く返す。
それに対しあたしは頷く事も出来なかった。
その冒険者は手慣れた様子で青年剣士の事を見ると、命に別状はないこと、意識を戻したら痛みで暴れるから当て身をするように言うと巣穴に戻っていった。その後を疾走忍者、女神官が続く。
ふと、女神官が振り向く。
恐怖に身を震わせながらも、強い意思を感じる眼差し。
ちょっと困ったように微笑みながら踵を返して巣穴に戻っていく。
あたしは残る二人を抱き抱えながらもなにも出来なかった。
【???side 】
実に良くある
それは何時もなら
些細な違いは偶々彼らが向かった直後にゴブリンスレイヤーがギルドに戻り、彼ら
のことを受付嬢が話しただけのこと。
そして汚ない策動を張り巡らせながらも最後は己が
賽子の出目は
しかし決してそれが続く筈も無く。
ほんの数インチの塀の上を往く。
願わくばその先に極楽浄土のあらんことよ。
【疾走忍者side】
「疾ク戻ラネバ」
「え?」
やっと終わった。そう思っていた女神官はその言葉に何ともなくうすら寒いものを感じた。
「怪我人ヲ運ブ手配ハドウスレバイイ?」
その瞬間に青年剣士達を巣穴の入り口に置いてきている事を思い出した。
(そんな訳ありませんよね)
女神官は先程の違和感を努めて気にしないように振る舞った。
「はい!それでは着いてきてください」
そのやけに鮮やかな琥珀色の瞳から逃れるように努めて声を張り上げるのだった。
ご閲覧ありがとうございました。
疾走忍者君はあちこちでノボリ立ててますが、基本チェリーなので『今のところ』女性に対しては特に積極的なアプローチとかはないです。
(今後はどうなるかは筆者も分かりませんが)
いやー。裏は難しいですね。先駆者様、諸先輩方が苦労するのも分かる気がしました。
因みに犬科は色盲が多いらしいのですが、彼の琥珀色の瞳に四方世界はどの様な色に見えるのでしょうか。
次の裏オプで読みたいシチュは?
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女魔術師の眠剤逆レ(難しそう)
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監督官の寝取りエッチ(無理ぽ)
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そんなことよりおうどん食べたい