かんむす!~娘とは言ってない~   作:PlusⅨ

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 メインで更新中の艦これ小説と並行して、気晴らしに全然違う設定で書いてみました。
 続くかどうかは気分次第。


第1話・テンプレ転生主人公は可愛い艦娘と来世を過ごす

 微かに車が揺れて、その振動でうたたねしていた私は目を覚ました。やたら座り心地のよい黒塗りのセダンの後部座席から眺めた外の景色には、流れがほとんどない穏やかな川と、その対岸に広がる山の姿がある。

 

「もうすぐ呉につきますよ」

 

 私が目を覚ましたことに気が付いたのだろう。運転席からドライバーがそう教えてくれた。それで私は、今見ている景色が川ではないことを知った。

 

 これは海だ。島と陸地に挟まれた細長い内海、瀬戸内海の一画。後部座席から運転席横のナビの画面をのぞき込むと、対岸の山は江田島と表記されていた。広島湾に浮かぶ大きな島だ。

 

 この島と、そのすぐ横に位置する呉という街には海軍の鎮守府と呼ばれる基地がある。私はこれからそこへ赴任するのだ。

 

 その鎮守府にある部隊の責任者、提督として。

 

 私の名は大和浦 琴海。琴の海と書いて「ことみ」と読む。ついこの間、十八歳になったばかりの現役女子高校生だった。

 

 前の世界では。

 

 そう、私は界隈でよくある転生者という存在らしい。自分ではよく分からないけれど、私が死んだときに現れた神様を自称する人がそう言っていたから、そうなんだと思う。

 

 生前の私は病弱で、成人するまでは生きていけないだろうと幼い時から言われて育ってきた。言われているだけじゃなく、小さい時からよく発作を起こしては集中治療室に担ぎ込まれて生死の境を良くさまよっていた。

 

 そんな生活だったから、中学に進学する頃にはもう人生の半分も残っちゃいないだろうと妙に達観した性格になってしまい、なら、やりたいことややれることは全部やってしまえとばかりに、オタク道を突き進んだ。

 

 ゲームにアニメにコスプレに二次創作、リアルイベントにも体力が続く限り参加した。両親は私がまたいつ発作を起こして死んでしまいやしないかハラハラしていたけれど、

 

「好きなことやってる最中に死ねるならむしろ本望!」

 

 と言い切った私に、微妙な顔をしながらも応援してくれるようにはなった。

 

「とりあえずどこで死んでも骨は拾ってあげるからね」

 

 と言って各地のイベントへ送迎してくれた両親には感謝してもしきれないだろう。でもパソコンの中身だけは見ずに消去して欲しいものだけど。

 

 そうなのだ。結局私は成人することなく、持病の発作を起こしてぽっくり逝ってしまったらしい。イベントから自宅へ帰って、自分のパソコンでゲームをしていた最中に急に目の前が真っ暗になり、床に倒れこんだのが最後の記憶だ。

 

 私が生前最後に見た景色は、パソコンに表示されていた「艦これ」のログイン画面だった。

 

 で、そのまま何故か「艦これ」らしき異世界へ飛ばされてしまったと言うわけだ。

 

 別に理由なんてない。自称神様が言うには輪廻転生はいろんなものが影響しあって適当に決まるらしい。たまたま私が最後に印象に残っていたのが「艦これ」だったから、その影響に引っ張られて似たような世界に飛ぶんじゃない? と、その神様は猫を撫でながら言った。

 

 転生お約束のチートくれないの? と図々しくおねだりしたら、とりあえず健康な身体と、前世からの記憶の引継ぎと、あとついでに社会的地位をくれた。転生したらいきなり海軍のお偉いさんになれるらしい。就職活動なしでエリートコースに乗れるなんてありがたいことだわ、ほんと。

 

 神様から、他に何か欲しいものはあるかと聞かれたので、せっかくだからハーレムも欲しい、とねだった。

 

 せっかく艦これ世界に行くんだもの。魅力的な艦これキャラたちとイチャイチャしたいじゃない。

 

 そういうと、神様は変な表情になって少し考え込んだ後、オーケーしてくれた。

 

「君がそれを望むなら、そのように世界を少しだけ変えてあげるよ」

 

 親切な神様だわ。私はその時、深く考えずにそう感謝した。

 

 

 

 

 で、転生が完了して今に至る。

 

 気が付けば私は海軍の制服に身を包み、こうして呉鎮へ向かう車の中に居たわけだ。

 

 この世界の事情についても、一応頭の中には入っている。日本の歴史は軍隊が自衛隊に名称改変されずにそのまま残っている他は、おおむね私が居た世界と変わらないらしい。

 

 政治体制や社会の発展度合いもほとんど変わらない。ただ一点違うところは、この世界の海には深海棲艦という種族が居て、それが人類とときどき小競り合いを起こしているらしい。

 

 そのため海軍では対深海棲艦専門組織を設立し、深海棲艦に対する問題の対処に充てている。私はその部隊の責任者として着任するところだった。

 

 正直、どういうコネで若干十八歳の小娘が就任できるのか想像もつかないけれど、神様の仕業だからしょうがない。ついでに実務とか作戦指導の知識なんかも都合がいいことに全部頭の中に入っているんだから、実力も申し分ない(はず)。

 

 さらにこれで艦娘とのイチャコラハーレムまで付いてくるのだから、これはある意味、理想のセカンドライフ、憧れの転生生活じゃなかろうか。生前、病気で苦労した甲斐があったというものだ。

 

 

 

 

 車が呉の町に入り、小高い丘の上に立つ赤レンガの建物へと近づいていく。正門には「呉鎮守府」の文字。いよいよ始まる新生活と艦娘たちとの出会いに、私は胸を躍らせた。

 

 

 

「あんたが司令官か。……フッ、せいぜい頑張ることだな」

 

 

 対深海棲艦専門組織、略して深戦組(しんせんぐみ)の庁舎の入口で待ち構えていた男は、私を見るなり、いきなり上から目線でそう言い放ってくれた。

 

 

 

 

 

 つーか、誰だお前は?

派遣メンバー五名は誰がいい?

  • 戦艦ばかり五名
  • 空母ばかり五名
  • 潜水艦ばかり五名
  • 知らねえ好きに決めろ
  • フフ怖さん一択だろJK
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