正直ネタとか練らないままに書いたから文量少ないし展開の説明もないし……物語としては酷いモノかも。
なので……。
考えるな、感じろ。
結局、あの後しばらく時間が過ぎても親友は親友のままだった。
いつもみたいに変わらずにバカをして、気の向くままに遊び倒して……。
親友以外の誰かと遊ぶってことはなかったけれど、親友と毎日のように居られて充分に幸せだった。
それに、それだけの時間があれば自分の中に折り合いってやつも付けられる。
結局、オレと親友はいつだって変わらない。たとえどっちかの性別が変わってしまっても、いつまでだって親友でいられるんだから。
「ねぇ、お願いがあるって言ったら聞いてくれる?」
「お、聞くだけでよければ聞いてやるぞー」
だから、その後に続く言葉だってなんてことないものだと思ってたのに。
「結婚しません?」
「――は?」
カシャンと、音を立てて手に持っていた陶器のお皿が床に落ちて割れる。けれどそんなことに気付かないほどにオレは動揺してしまっていた。
確かに折り合いは着けた。けれどそれはあくまで"気にしない範囲"に押し込んでしまうだけのものだ。無理やり押し込んだだけだから少しでも刺激があれば思い出してしまう。
それこそ、こんな大きな刺激が一度に来ようものなら動揺しすぎて可笑しなことにだってなってしまうだろう。
「ちょちょ、大丈夫っすか!?」
親友が慌ててオレの方へと向かってくる。あ、オレのことを心配してくれるなんて相変わらず優しい親友だ。
……って違うよそうじゃない。オレは本当なら男のはずで、だから男である親友とは結婚なんて……。
いやでも今のオレは女だから親友との結婚だって問題なく行える?
いやいや、ありえないだろオレは男だって親友は知ってるんだぜ? それなのにオレと親友が結婚しようとするなんて絶対に可笑しい。
あ、でも今のオレは結構親友好みの見た目してたからもしかしたらそれで?
だから中身はオレってことに変わりはないんだよ。それなのになんで親友がオレなんかと結婚したがると思ってるんだ。自意識過剰もいい加減にしないとおかしくなっちまう……。
「本当に大丈夫っすか!?」
「あ、ああ。大丈夫だ、問題ない」
「いやそれは問題あるやつじゃないっすか!」
慌てた様子の親友がオレの足元で膝立ちになって割れたお皿の破片を集めていく。
オレも手伝うようにして拾っていると手が親友のそれに重なってしまう。
「ピ!?」
「……何っすかその声。もしかして照れたりとかしてんすか?」
「て、てってて照れたりとかしてるわけねぇだろ!?」
嘘だ。今のオレはすごく顔が赤くなっている。自分を騙すようにして隠してきたそれを広げられて、確かに照れてしまっている……。
けれどそれを悟られるわけにはいかない。男であるオレが同じく男である親友の言葉で照れるなんて気持ち悪いだけだ。
いくら外見が女のソレでも、中身が男のままである以上こんなのはただ気持ち悪いだけだ……。
「と、とにかくオレはもう寝るからな!」
そう言い残してオレは自分の部屋に立てこもることを決める。今の赤い顔を見せたらほとんど確実にバレてしまうから。
「ちょっ、待ってくださいよ!」
多分、そんな風に自分のことでいっぱいいっぱいだったからだろう。
あいつがオレと同じように顔を赤くしていることなんて、考えることもしなかった。
「…………なんっすか今の。すっげー……ドキドキした、っす……」
あの親友がそんなことを思って、そして最初はただ何となくだったその想いをはっきりとオレに向けるようになるなんて、思ってもいなかった。
「はぁ……、我がことながら男心は単純っすね……」