IS ~銀色の彗星~   作:龍之介

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今回は私の息抜きを予てifの話です。


51話 閑話その2

僕は今、朝御飯を作ってます。僕の大好きな旦那様がお仕事に行くからそれに間に合う様に少し急いでいます。

 

僕とトウヤは半年前に結婚しました。IS学園を卒業した僕達は二人とも冨士見技研にそのまま就職しました。そして僕達は冨士見技研の会社の近くに部屋を買って二人で暮らし始めました。

 

結婚までするのにはかなりの険しい道のりでした…。セシリアとの決闘…楯無先生の寝とり行動…他にも同級生、下級生から何回も告白をされていました…極めつけは千冬先生の襲撃、あれは決闘などではありません。襲撃です…あの時はトウヤさんが助けてくれなければ僕は死んでいたと思います。でもその中から僕の事を選んでくれた。その事実で顔がにやけてしまう…エヘヘヘ〜。

朝食の準備が終わると旦那様を起こしに行きます。2階の寝室に入ると旦那様がベッドで気持ち良さそうに寝ています。

暫く旦那様の顔を眺めていると布団の中に入り込みたくなる衝動にかられてしまいます。毎日、そんな誘惑と戦っています。

「トウヤ…トウヤ。起きて?朝だよ」

私は肩を優しく叩きながら耳元で声をかけます。そうするとトウヤは目を開けて僕を抱き締めてくれます。僕は毎日のこの時間がとても好きなのです。

「おはようシャル」

そういうとトウヤさんは僕に口づけをしてくれるんです。出張で居ない時以外は毎日です。

「おはようトウヤさん」

結局は僕までベッドに横になってしまいますが10分位イチャイチャしたあとは二人で起きます。これが毎日の日課?なのです。

 

トウヤさんがリビングに降りてきたら二人でお喋りをしながら朝食を食べて二人で片付けて二人で洗面をして出勤の支度をしてそして二人で車で出勤です。

実は会社でも同じ部署なのです。ただ、やっている仕事は違います。僕達は開発部の試験評価を行っています。トウヤさんがテストパイロットとして試験して僕がそれを評価しています。なぜ僕が評価かというと僕とトウヤさんが卒業すると同時に結婚と決まると僕の国籍が日本になることになりました。そうするとフランスのデュノア社所有のISは日本人に持たせて良いのか?という問題になりました。企業所有のISなので問題にならない筈だったのですがフランスの高官達が問題視してデュノア社を攻め始めたので僕は辞表を出してそのまま冨士見技研に入社しました。幸いデュノア社と冨士見技研との提携には問題にならず今でも切磋琢磨しながら技術の提携をしています。デュノア社もあの事件から3年経ちラファールの改修パッケージや高機動パッケージや第三世代型の開発に成功して経営も持ち直しています。

 

運転席のトウヤさんは真剣な表情で車を運転しています。ハンドルを握る左手の薬指には結婚指輪が光っています。これも毎日眺めて心が温かくなる日課です。車は海沿いの国道を走っています。僕たちの家は冨士見技研から車で20分程の海の見える丘に建てました。トウヤさんは24歳で戸建ての土地持ちになったのです。当初は戸建てを借りる予定だったのですが篠田さんが銀行を紹介してくれて銀行へ行って融資の話をすると破格が即答でOKが出たそうです。トウヤさん曰く

「初めて男性操縦者で得をした気がする」

との事でした。

 

「ではこれよりウイングブースターのA-12パターンの機動試験を開始します。ドローンは12機、模擬弾の使用です。被弾による損傷想定は有りです。準備は宜しいですか?」

「OKだ。いつでも始めてくれ」

「では開始します。5、4、3、2、1、始め!」

合図の号令とともにトウヤさんのISが

いきなり急加速を始めました。トウヤさんの機体は1年生の後半にセカンドシフトしてさらに機動が鋭くそして早くなりました。恐らくその頃から『銀色の彗星』って言う二つ名が付けられたと思います。アリーナを飛び回る機体がキラキラと輝いて見えるからです。そしてその流星が飛び去ったあとには被弾した機体で爆炎が上がっているのです。

トウヤさんは学園に在学中は模擬戦でも公式戦でも一度も負ける事はありませんでした。非公式ですがあの史上最強の生徒会会長だった更識楯無さんにも勝ったそうです。

室内演習場を縦横無尽に飛び回るトウヤさん。ドローンを次々と打ち落として行きます。赴任してすぐの頃は余りにも早く撃ち落としてデータ取りにならなかったのですが今は逆にどの様なデータを求めているかによって最適な機動をするようになりお金と時間の効率が物凄く良いそうです。そしてトウヤさんの機動はIS乗りにとっての目標にもなっています。在学中に国家代表となった織斑一夏もトウヤさん仕込みの機動を使っています。結局は彼もトウヤさんに一度も勝つことが出来ず卒業式ではあえて

「次は絶対に倒してみせます!」

何て事を言って別れていました。今は色々な国を回っているんじゃないかな。

トウヤさんが全てのドローンを倒し終わりました。

「全ての撃墜を確認。データ採取は良好です。トウヤさん、お疲れさま。次はビームサブマシンガンとビーム刀のテストです。武装のインストールが終わったら開始です」

「了解。ではインストールに掛かる」

トウヤさんはエステバリスカスタムを解除すると控え室に入っていきました。その間に僕は今回のデータの整理をします。僕達はなるべく残業をしない様に仕事をします。理由は二人でいる(イチャイチャ)時間が減ってしまうからです。それに冨士見技研には女性の職員が多いからです…トウヤさんが僕の事を愛してくれているのは分かりますが…心配なものは心配です!

 

終業の時間になると僕達はまた二人で帰ります。トウヤさんが運転で僕が助手席です。今は10月で海辺は気持ちの良い風が吹いているので窓を開けます。二人でお喋りをしながら家に帰るんです。そして家の近くの商店街で夕飯の買い出しをします。最近では僕達は商店街で知らない人はいないぐらいの有名人になってしまいました。トウヤさんは世界で二人目の男性操縦者でその男性を決闘の末に射止めたフランスの元代表候補生…って報道されてしまったからです。後々に分かったのですがこの報道は二階堂さんが報道機関にマスコミによる殺到を防ぐために交換条件として伝えたそうです。お陰で新居には一度も報道関係者が来たことはありません。二階堂さんには感謝しています。

買い物を終わって家に着くと僕は夕飯の支度、トウヤさんは色々と勉強を始めます。先日に資格を一つ取りました。小型船舶免許だそうです。何でも前の世界では海にも敵がいたせいで釣りが出来なかったそうです。だから釣りに行きたいと言っていました。そして今は会計の資格を取ると言っています。いつか宇宙に進出したらきっと役に立つ。ナデシコの操舵士がそうだったらしい。

 

 

夕飯は二人で食べて片付けは朝と一緒で一緒に片付けます。寝るまではテレビを見たり映画を観たりと一緒に過ごしてお風呂も一緒です。

 

 

今はとっても幸せです。僕の人生はあの日…トウヤと出会った日に変わったのです。社長の元夫人はあの事件の後に逮捕されてまだ刑務所に入って離婚しました。あの人に虐げられていた日々はこの幸せのための試練だったと思えばただの思い出に出来ます。あとは赤ちゃんが出来れば…エヘヘヘ。

 

『トーマラナーイスピードデー…』

携帯が鳴り出しました。ディスプレイにはお父さんの名前が表示されているので急いで出ました。

「もしもし?お父さん?」

『シャルロットか?今は大丈夫か?』

「うん、大丈夫だよ」

『特に用事という訳じゃないんだが結婚生活はどうだ?』

驚きました。お父さんが私の心配をしてくれている。

「うん。とっても幸せだよ。トウヤさんはとっても協力的で凄く楽しいよ?」

『そうか。良かった。…私とお前の母親との話をしておきたくてな。お前が母親になる前に…』

お母さんとの事?

『私はお前の母親の事を愛していた。これは間違いないことなんだ。そしてシャルロット…お前は私達が望んで作って生んでもらったのだ。それだけは信じて欲しい』

「………」

『シャルロット、お前は私達が愛し合って出来た子なんだ。決して望まれずに生まれてきた訳ではない』

「………」

『辛い想いをさせてすまなかった…』

「ううん…今は幸せだから良いよ。もしも僕とトウヤさんの子供が出来たら…可愛がってあげて欲しいな…」

『勿論だよ。私にとっての初孫なのだ!可愛いがわらない訳が無いだろう?今も楽しみにしているのだ!』

お父さんのテンションが一気に上がったみたい。

「お父さん」

『なんだ?』

「ありがとう。僕が今幸せなのはお父さんとお母さんのお陰だよ!」

『………ありがとう』

「ううん。これからも宜しくね『おじいちゃん』」

『ああ。困ったことがあったら何でも言ってくれ。出来るだけの事をするからな』

「うん!」

『そらじゃあ、トウヤ君に宜しく頼むと伝えておいてくれ』

「分かったよ」

通話が終わると涙が零れてきた。僕は望まれて生まれてきた。そしてお母さんも愛されていた。とても嬉しい…

「シャル?」

トウヤさんが僕の所に来たので思わず抱きついてしまった。

「トウヤさん…僕ね今凄く幸せだよ!」

トウヤさんが僕の頭を撫でてくれる。

「俺もだよ。ありがとう」

 

 

 




シャルロット回でした。
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