IS ~銀色の彗星~   作:龍之介

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大分間隔が開いてしまい申し訳ありません。

もうすぐ一区切りつける予定です。


第67話

 最初は様子見をしていたが徐々に攻撃を加える。一夏と千冬、凰がそれぞれの武器で斬りかかる。それに続いてシャルと簪が中距離からそれぞれマシンガンで射撃を加える。楯無も蒼流旋のガトリング砲で攻撃をしている。セシリアも遠距離からスターライトmkⅢを撃ち込んでいるが全ての攻撃が効いていない様に見える。実弾は人型に当たってはいるが取り込まれているようでレーザーは当たる瞬間に消えてしまっている。前衛の攻撃は黒い人型の物からの刀の攻撃を受け止めたり避けたりしている。千冬が切り付けても液体が裂けるだけでダメージがあるようには思えない。

 

「マツナガ。こいつはやたら固いというか…意味がなさそうだな。どうする?このままではジリ貧だぞ」

 

千冬は黒い人型に斬りかかっては退くを繰り返しながら俺に話掛けてきた。表情には焦りが窺える。

 

「そうですね。俺もレールガンを撃ち込んでみましたが効いていないようですね。一夏の零落白夜ならいけるかも知れませんが…危険ですよね?」

 

これは最初に思い付いたが敵の動きが分からない点、ボーデヴィッヒの安全が確保出来ない点からこの方法は保留にしていた。

 

「そうだな。まぁ…一夏は本番で強いタイプだから意外とやれるかも知れないな」

 

「そうですが、ただラウラ・ボーデヴィッヒの安全の確保が難しいです」

 

「そうだな。…これは他言無用だがこの事態の原因はシュヴァルツェア・レーゲンに搭載されていただろうあるシステムが原因だ」

 

千冬はこの黒い人型の正体を知っているようだ。

 

「この正体を知っているのですか!?…それでこれは?」

 

「VTシステムだ。ヴァルキリー・トレース・システム、過去のモンドグロッソの戦闘をデータ化して再現するシステムだ。恐らくあれは…私だ」

 

千冬の言葉に驚き千冬の方を見ると千冬の頬がかなり赤くなっている…こんな時に恥ずかしがっている場合では無いだろう…

 

「ではあれは人類最強のデータの動きをするって訳ですか」

 

「当時の…って言葉が付くがな。私の知っている情報通りならばラウラ・ボーデヴィッヒは生きている。そしてあれを引き起こしているのもラウラだ」

 

千冬と情報交換をしている間に一夏が直撃を喰らったらしく壁に叩きつけられていた。慌てた凰が一夏に駆け寄り抱き起こすと一夏は驚愕の表情を浮かべていた。

 

『何でだよ…何であいつが千冬姉の技を使うんだよ!!訳わかんねぇ!しかもあいつの刀は雪片じゃねぇか!!あれは千冬姉のもんだ!!!』

 

不味い!一夏がキレた。

 

「凰!シャル!一夏を抑えろ!千冬はそいつの攻撃を引き受けてくれ!一夏が暴走を始めた!」

 

一夏は雪片弐型を掲げて人型に斬りかかるが人型の雪片の一撃を雪片弐型て受けるとそのまま弾かれてしまった。

 

「一夏!落ち着け!」

 

千冬が人型に攻撃を加えながら一夏に怒鳴り付けると一夏は起き上がり再び攻撃態勢にはいるがシャルと凰に両脇から固められてしまった。

 

「おい!シャル!リン!離せよ!あいつは俺がやらなきゃならないんだよ!あいつは…」

 

一夏がシャルと凰を振り払おうとするが凰の衝撃砲を至近距離から食らって再び転げて壁に激突した…凰の奴…随分ひどい事をするな。

 

「痛たたた…おい!リン!何するんだよ!」

 

一夏が頭を抱えて起き上がると凰に向かって文句を叫びだしたが…

 

「あんた、少しは頭を冷やしなさいよ。あんたが無茶苦茶やると死人が出る可能性があるのよ!良い?これは訓練じゃないの。実戦なの。あれの直撃を食らえば死ぬの。分かる?」

 

凰の言葉を聞いた一夏はハッとして冷静さを取り戻したようだ。

 

「そうだったな。冷静・・・」

 

深呼吸をして雪片弐型を正面に構えると目を瞑り再び深呼吸をして目を開けた。

 

「みんな!済まなかった!」

 

オープン回線で謝ると再び前衛へと戻った。

 

「凰良くやったぞ!後で良いものをあげよう」

 

「ふん!どうせろくな物じゃ「一夏の寝が」良いわ!それで!!!」

 

 

再び攻撃を始めるが突然山田先生の悲鳴に近い声が聞こえた。

 

「織斑先生!アリーナ上空に高エネルギー反応!アリーナのシールドに直撃します!」

 

山田先生の声が止むと同時にアリーナ全体が揺れそしてシールドバリアを破って黒い光の様な物が地面に突き刺さって爆発を起こした。近くにいたシャルや楯無を吹き飛ばした。土煙が舞い上がり視界はほぼゼロとなるがハイパーセンサーは確かに巨大な何かが降りて来ていることを捉えていた。

 

「全員気を付けろ!何かがアリーナ内に侵入した!」

 

オープン回線で全員に注意を促す。

 

 

それと同時にアリーナ内のスピーカーから山田先生の声で警告か流れた。

『アリーナに侵入してきた機体に告げる。ここはアラスカ条約にて定められた一般人が立ち入り禁止の区域である。直ちに退去せよ。退去しない場合は強制排除を行う』

 

…先程のアリーナのシールドを破った攻撃は…グラビティーブラストだった。

 

土煙が収まってくると巨大な機体が明らかになってきた。赤色でやたらと長いの四肢、青い胸部に金縁の長方形のマークみたいなオブジェ…見知った機体だった。

 

「まさか…このタイミングは無いだろう…」

 

俺は自分の頬に汗が流れるを感じた。

 

そしてみんなに…情報を伝えるためにオープン回線を開いた。

 

「全員聞いているな。あれは…ダイテツジンだ。この前に話をしたジンタイプだ」

 

「「「「「「っ!」」」」」」

 

全員が息を飲むの声が聞こえた。

 

「アリーナのシールドを破ったのがグラビティーブラストだ。つまり…シールドバリアはグラビティーブラストに対して無効というのが真っ先に証明された…」

 

アリーナのシールドバリアはISのシールドバリアの強力なものなのだ。

 

「絶対に当たるなよ!それとディストーションフィールドは実弾が有効だ。実弾兵装を持っている者は実弾を中心に、織斑先生、一夏、凰、会長、俺は同時に近接戦闘を仕掛けてディストーションフィールドの突破を計る。シュヴァルツェア・レーゲンがまだ生きているのでそちらにも注意をはらうんだ!いいな!」

 

「「「「「「はい!」」」」」」

 

「では掛かれ!」

 

全員が一斉に散開しダイテツジンに攻撃を開始した。

 

俺、千冬、一夏、凰、会長で多方向からのシールド突破を仕掛ける。俺はフィールドランサーをコールし背面からの攻撃を仕掛けるがダイテツジンは左腕を振り妨害してきた。

 

どうやらエステバリスとの戦闘を経験しているパイロットが搭乗しているようだ。セオリー通りの攻撃を仕掛けてきた。

 

「トウヤ!私が正面で奴の気を引き付けている。その間に背後からバリア突破を行ってくれ!一夏!お前はシュヴァルツェア・レーゲンの気を引いておいてくれ!」

 

千冬からの指示に否定はない。

 

「「了解!!」」

 

千冬が正面からディストーションフィールドに取り掛かるのを確認すると背後に回り込み取り付く機会を伺う。千冬はダイテツジンからの腕の振り回しを避けて上から切りつけたりしてなるべく相手の気を引こうとしている。シャルとセシリアの射撃攻撃もダイテツジンの正面上方へと当たるがバリアに当たって弾かれる。

(なぜこいつはボソンジャンプをしない?)

ダイテツジンは優人部隊で使用されている機体だ。パイロットが優人部隊の者ならばボソンジャンプが使用可能なのだ。

 

千冬の攻撃が連続になったのを確認すると俺はフィールドランサーでダイテツジンのディストーションフィールドに取り掛かり全推力をフィールドランサーに押し付ける。

 

「刺され…!」

 

ダイテツジンはまだ此方に気付いていない。ディストーションフィールドに槍先が入り込むのを確認するとフィールドランサーの槍先を開く!

一気にディストーションフィールドが消えてそのままダイテツジンの背中にフィールドランサーを突き立てる!

フィールドランサーの槍先の半分以上が刺さりダイテツジンの背中から小さな爆発を起こす。

 

「全員総攻撃だ!」

 

俺の号令でシャルとセシリアは最大火力の武器を呼び出し撃つ。セシリアはスターライトと同時にミサイルを、シャルと簪はアサルトカノン『ガルム』で連続射撃をしている。千冬、凰、会長はダイテツジンを近接武器で切りつけている。

 

徐々にダイテツジンに傷が増えて満身創痍の言葉の通りになってきたところで…

 

「ぐあーーーー!!!」

 

突然一夏から悲鳴が上がった。一夏の方へ視線を向けると一夏はダイテツジンの腕に弾かれシュヴァルツェア・レーゲンの方へと飛ばされた。

 

「一夏!!!!」

 

織斑先生が慌てて一夏の方へと飛んでいった。

 

「織斑先生今は!?」

 

俺が声を掛けると同時にダイテツジンの腕が此方に向かって飛んできた!

 

ダイテツジンから気をそらしてしまったために攻撃を見落としてしまったのだ。避ける余裕も無く慌てて目の前で腕をクロスさせると物凄い衝撃が機体を襲い吹き飛ばされて壁に激突した…

 

 

 

 

 

 

 

 

 




2015年1月25日一部編集。
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