ドラゴンを育てていたら いつのまにか私も強くなっていた 作:美味ケーキ
「うわぁ〜気持ちいいね!」
遥とピートは晴れ渡った、どこまでも続く草原を歩いていた。
真夏の入道雲のような雲が浮かび、2人の旅の始まりを喜んでいるかのように空は澄み渡っていた。
ピートは地図を片手に
「さてさて、何処に行こうか」
「んーそうだなぁ、あ、俺は今まで使っていたロッドを持ってきたんだけど、遥は何か武器って持ってる?」
「私は〜、あ、この短剣ならあるよ」
「短剣かぁ、しかもこれめちゃくちゃ初期装備のやつだなぁ…」
「よし、これからのことを考えたらもっといい武器が必要だ。
街に武器を探しに行くってのはどう?」
「いいね、ワクワクする!」
「そうだなぁ、ここから1番近くて武器が手に入りそうな街は、ロメオの街だなぁ、よし、ここに行こう!」
遥は、2人の前を歩きながら戯れ合うラルとキルトを見て
「あ、そう言えば、ドラゴンマスターはドラゴンに乗れるんじゃない?」
「こう何というか、片手で手綱引いて、行け!みたいな感じで」
「はは、そうだね、おれもラルに少しは跨って飛ぶことならできるよ」
「いくよ!見てて!」
というとピートはラルの方に勢いよく駆け寄り、バッとラルの首元に飛び付いた。ラルは後ろに目をやると、少し驚いた様子で勢い良く上昇しようとした。するとバランスを崩し、ピートを引きずるような形で右に曲がりながら突進して行った。
「うわわわわっ!おいおい、どこいくんだよ!まだちゃんと乗ってないぞ!」
「ははははっ、全然乗れてないじゃん!」
「それなら、私とキルトの方が上手くいくかも!」
「キルト!お願い!」
と言うと、キルトは遥の後方に旋回して近付くと、遥の股の間から勢い良く首を出した。
「わわわわわっ!」
遥も急なキルトの動きにバランスを崩し、何とか片手で手綱を握りながら、キルトの背中に仰向けになり、空を見ながら進んで行く。
「はははははは!遥の方が全然ダメじゃん!」
「ダメじゃない!私はそう、空を見たかったのよ!」
「さっ、このまま街までいくよ〜!」
「ははははっ!」
「ははははっ!」
〜〜〜〜ロメオの街〜〜〜〜
「うわ〜、なんか大きい!」
(まるでヨーロッパのどこかの国に旅行に来たみたい!)
「これが街ってやつかぁ、俺もずっ〜とあの村で育ってきたから、街に来るのは初めてなんだ」
「いらっしゃい!いらっしゃ〜い!」
「さぁ、さぁ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい!今日だけの特売価格!」
「今この大斧を買うと、こっちの剣までついて来ちゃう!」
と、がたいの良い、頭にバンダナを巻いた男が客引きをしている。
「うわ、良さそうじゃない!大斧と剣も付いてくるだって」
「いやいや、遥、あっちも見てよ!」
ピートが指差す方をみると店の入り口に大きなロッドが刺さっており、[どんな魔法もあなたのもの]と書いてあった。
すると、頭にバンダナを巻いた男は
「おいおい、お姉さんとお兄さん!あんなの嘘っぱちだ!」
「おれの店見てかない?大斧や剣だけじゃなくて、双剣、大剣、魔法のロッドなんだってあるぜ〜」
「それに、店まで来てくれたら特別にいい物見せてあげるよ」
2人はどうする?と言わんばかりに顔を見合わせた…