ドラゴンを育てていたら いつのまにか私も強くなっていた   作:美味ケーキ

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第13話 指鳴らし

〜〜〜〜翌日 街外れの広場〜〜〜〜

 

ピートは木の杭にもたれ掛かり、杭の頭をパンパンと叩きながら

「よし、じゃあまずキルト、この杭目掛けて炎を吐いてみ…」

ボォォォオーーーーー!!

「熱っつ!熱っつ!速いよ!」

 

「あはははははっ!」

「ねぇねぇ、髪の毛真っ黒だよ」

 

ラルは直ぐさまピートに駆け寄り頬を舐める。

 

「クッ…じゃあ、今度は遥、大剣を振ってみて」

 

「大剣を?何をやろうとしてるの?」

と言いながら大剣の柄を握り

 

「うぅぅぅぅ〜」

 

と何とか持ち上げたかと思うと、手の平でステッキのバランスをとる大道芸人の様に右に左にフラフラしている。

 

「何とか持てるけど……振れない!」

 

「じゃあ、一度大剣を置いて、あいつを倒した時みたいに指を鳴らしてみて」

「あ、指パッチン? オッケー、オッケー」

と大剣を置き、周りを見渡しながら

「それ!」

 

パチンッ!

 

 

間も無くキルトのネックストラップが陽の光の中で鈍く光り始めた。

(ここまではいい…)

 

ササササッ!

ピートは木の杭から離れて

「じゃあ、キルト、またここ目掛けて炎を吐いてみて!」

 

 

ボォォォオォオォオーーー!!!

 

 

「ん⁈ 気のせい?なんか炎の勢いが強くなった気がする!」

 

「じゃあ、今度は遥、また大剣を振ってみて」

 

遥が大剣の柄を握ると

「わっ!軽い!軽くなってる!」

 

遥は何度も大剣をブンブンと振り回してみる。

そして、クルクル回りながら仰向けに倒れ、青空を見つめると

「……楽しい!何これ!」

 

「やっぱりか!」

「遥のスキルが分かったよ!何ていう名前のスキルかは分からないけど、遥のスキルは、ドラゴンとドラゴンマスターの力を増強するスキルだよ」

 

「え?パワーアップ!って感じ?」

 

「そうそう、みんなドラゴンマスターは指を鳴らすことで、ドラゴンとドラゴンマスター自身のスキルを発動させるんだ」

 

「スキルはドラゴンマスター毎に千差万別だから、例えば俺のは

風の魔法のスキルが発動して、ラルにはシールドがかかり、自分は風の魔法が使えるようになる」

 

「で、さっきの奴のは、見たことないスキルだけど、何やら魚が操れるスキルだった」

 

「そして、遥のスキルは物理系のパワー増強スキルだと思う」

 

「そっか、じゃあこの大剣は私にぴったりね!」

「あ、でもマスターの大事なやつ…」

「くれてやるよ!」

 

「え⁈…」

と遥が後ろを振り向くと、肩車をしながら両手に子供達を連れたマスターが立っていた。

 

「でもこれ、マスターの大事なものでしょ?」

「その、先祖代々のとか何とか…」

 

「ああ、大事な物だ。俺の宝だ」

「だからこそ、持っていけ」

「俺が持っていても、武器ってのは使えなけりゃ意味ねぇし…何より…俺はあんなスカッとした一撃で敵を倒すやつは初めて見たぜ」

「姉ちゃんなら、この世界の悪をバッタバッタと倒せるかもしれねぇ」

「おれは、姉ちゃんに賭けるぜ!」

「持ってけ泥棒!」

 

遥はゆっくり微笑みながら、大きく頷いた。

 

 

「よし、じゃあ武器も揃ったことだし、今度は仲間を探しに行こうか!」

「仲間?」

「ああ、パーティーメンバーだよ!」

「いいねそれ!すっごい楽しみ!」

 

ピートは顎に指をあてながら

「俺は魔法系で、遥は物理系……」

ポンッ!と手を叩き

「よし、俺達を助けてくれる回復か支援系のメンバーを探しに行くか!」

 

するとそれを聞いていたマスターが

「お、それならガンガルの森を抜けた隣町に有名なプリーストがいるって噂だぜ」

 

遥とピートは顔を見合わせ

「いいね!プリースト!」

「プリーストを探しに出発だ〜!」

と高らかに手を挙げた。

 

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