ドラゴンを育てていたら いつのまにか私も強くなっていた   作:美味ケーキ

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第9話 常闇の者達

〜〜〜〜大陸最北の城〜〜〜〜

  

ドンッ、ドンッ、大理石でできた大広間に衝撃音が響く。

「…ふーん、それで、生まれたての幼竜1匹にやられて戻って来たんだ」

 

「ヒッ、お許しください、俺達も気付いたら炎に巻かれてまして…」

 

「そ、その通りでございます」

 

「言い訳は良いよ。おーい、食べちゃって〜。」

 

その少年が指を鳴らすと同時に、ドスンッ、ドスンッと壁の奥から音がし始めたかと思うと、今まで何も無かった壁から、黒翼の巨大な成竜が現れた。

黒翼の竜はゆっくり2人の男達の方を一瞥すると、足音を鳴らしながら向かっていく。

 

「ヒィ!!お助け下さい!どうかご慈悲を!」

黒翼の竜は、丸呑みにせんばかりの勢いで男に噛み付いた。

1人目の男は、噛まれたがダメージの後は無いようだ。

 

「あ、あれ!?傷は?」

「ははっ、生きてる生きてる!」

 

2人目の男は、噛まれた男を見ながら

「次は俺の番なんだ…みんな消えちまうんだ…」

 

2人目の男も、噛まれた。すると次の瞬間、少年の前に居た2人の大柄な男達は、まるで吹雪のような綺麗な結晶になり、ゲームの世界から跡形もなく消えた。

 

「うんうん、美味しいねぇ、嬉しいねぇ。これでまた昨日より成長できたね。」

「僕はさ、君を成長させる為ならどんな事も厭わないよ」

「それにしても、弱い者は要らないんだけど…『六刻』でも無いし仕方ないのかな。」

 

少年は納得した様な感じでそう言った。

 

「水刻さぁ、念の為その幼竜と持ち主のドラゴマスターの情報を集めといて」

 

すると、少年の前に並んでいた何人かの男の中から1人の男が一歩前に進み応えた。

「かしこまりました。最近はプレイヤーも増えていて、注意して情報網を張っておかないと、どんなアンユージュアルな事が起こるか分かりませんからね。私の軍から誰かを遣わせます」

 

〜〜〜〜城門前〜〜〜〜

城は深い霧の中に荘厳に佇み、城の前には大きな6つの門が立ち並ぶ。どの門も人の背丈の10倍の高さはあるだろうか。

静けさに包まれた城の辺りに、ゆっくりと門が開く音が鳴り響く。

 

「水刻様!水刻部隊、出動準備完了致しました!」

「ああ、ご苦労。適当に近くにいる野良と合流して情報を集めて来い。」

「かしこまりました」

「まぁ、どうせ大した事のない、いつもの偶然だ。こんな雑用ばかりで、どうしたもんだか…」

 

キェーーー!とドラゴンの鳴き声が響いた後、さざ波のようなマークが刻印された門から、数匹のドラゴンとそれに乗った男達が飛び立っていった。

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