ゆかりさん達がきゃっきゃうふふなほんわか物語を書くつもりだったのに、
おもいっきりシリアスになっちゃってる...ドウシテ...ドウシテ...
頑張って路線変更するんできゃっきゃうふふ目当てな人はもう少しお待ち下さい。
...思い付くままに書くと勝手にシリアスになる病、どうやったら治りますか?
家に帰ってきました。
結構時間が経っていたのか、時計はおやつ時を指しています。
買ったものを冷蔵庫やクーラーボックスに詰め込んでおきました。
髪止めやフードコートを元の場所に戻し、うがい手洗い。
それも終わったら、リビングのこたつテーブルに座り込みます。
もう春が近くですので炬燵布団は押し入れにしまってあります。
それでも今夜は寒くなると、ネットニュースが示していました。
カレンダーを確認すると今日は満月。
「今日もお月見しましょうか。」
毎月(ちょっとずれるけど)の楽しみ。
住民のみ利用可能な屋上で、お酒を飲みながら夜風を受ける観賞の刻。
しっかり厚着しないと風邪を引く可能性もあるので、
いつものコートより更に大きいコートと、湯たんぽ、カイロ、を用意しておきます。
メインはノンアルコールのチューハイもどき。
ジュースに近い方が軽く飲めますし、まだ18歳ですからね。
そして、串団子。
別におつまみというわけでは無いのですが、
誰かから「おつまみに団子なんて珍しいねゆかりん。合うの?」と聞かれる程度にはお酒のお供となっています。
...誰に言われたんでしたっけ?
ん?僕にそんな
ピンポーン...
インターホン。
ピンポーン...
カメラを確認すると配達員の姿が見える。
数々の濃密な出来事に遠い記憶となりつつあるが、
確か僕が僕だった時に通販で
流石密林の名を冠するサービスだ、一日で来るとは。
ピンポーン...
「は、はい。今出ます。」
一応チェーンロックはかけたままで。
「こんにちはー、お届け物です。」
「あ、はい。ありがとうございます。」
チェーンロックを外す。
「ここにハンコを、お願いします。」
「えーと、はい。大丈夫ですか?」
「問題ないです。ありがとうございましたー。」
届いたのは、両手で抱えないといけないくらいの大きさと厚みの包み。
もう
テーブルに座り、丁寧に包みを解いていく。
梱包も外し、出てきたのは。
『VOCALOID4 結月ゆかり スターターパック』
そして、
『VOICEROID2 結月ゆかり』
慎重にパックを開ける。
使う予定なんて無かったのに、
なぜか手元に持っていたかったパッケージ。
同じ名前というだけで興味を持って、
声だけで頭がぐちゃぐちゃに泣きそうになって、
いつの間にか色んな声や歌をスマートフォンに保存していた。
取り寄せたのは、
それだけではもの足りなくなったからなのかもしれない。
だけど、今は。
彼女の声が自分の声となって。
一気に彼女は母の声とは違うんだと気づかない振りをしていたことに気づいて、
強烈なショックを受けた。
震えるパッケージに、音が響く。
あの日から出なかったものが流れ落ちる。
数々の思い出の中に、私の声が混じる。
眠る前によく歌ってくれた唄。
何回もせがんだ読み聞かせ。
彼女のベースは別人だ。
僕の母さんじゃないのに、
なのに、
私はどうしても重なってしまうんだ。
『縁の名前の意味? ...様々な人と繋がって、皆と楽しく生きていけるように...かな。』
『もう、お父さんったら、それだけじゃあないでしょう?確か...』
『待ってくれ母さん、それだけは秘密にしておいてくれ。それは俺の黒歴史にすぎないんだ。』
『格好いいのに照れちゃって...まあ、そこまで言うのでしたら言うのは止めておきましょう。ぶーたれないの、縁。いつか教えてくれるわ。』
『坊主、お前の親父は変人だった。昔からな。いやに日常の風景に芸術を見いだすような奴だった。ずっと水面を眺めてたり、森で寝ていたり、ずっと月を見て歩いていたり、周りの音の真似を繰り返していたり。俺は気持ち悪がったわけだ、その時に思考パターンを読めない奴なんて彼奴以外いなかったわけだからな。』
『縁君、君のお父さんは天才だったよ。昔からね。ロマンチストで、周りから何かを見いだすような才能を持っていた。独創的な数々の考え方は自身で完結し、面に出すことは家族の前以外に無かったんだ。』
だがな、
しかしだね、
唯一、彼の考えを、歌や踊り、絵として表現できたとある女性が現れたんだ。
その女もまた、表現に関する変人だった。
よくわからねえが、繋がりが無いってスランプ気味だったらしい。
そして彼らは出会って...想像できるだろう?
お前が生まれたわけだ。縁。
運命というのだろうか。
それとも、誰かが作ってくれたのだろうか。
彼女の声は、僕を幾度となく救ってくれた。
自分が気づかない振りをしている間に幾度となく。
これも今なんだろう。
彼女は母さんとは違う。
そう初めて解ったときから。
僕は、『結月ゆかり』に恋をしたんだ。
『マスター。お月見をしましょう。』
唐突に目が覚めました。
いつの間にか眠っていたようです。
テーブルはパッケージを伝って流れた涙のシミが付いてしまっています。
机拭きで拭いておきましょう。
時計を見れば、なんと9時40分。
確か今日は午後10時に月が登り始める筈です、
急いで晩御飯の支度をしなければ!
それぞれのパッケージは、テレビ台の棚に置いてある本かけに立て掛け、飾っておきます。埃や涙の跡も綺麗に拭いておきました。
手洗いを済ませ、冷蔵庫の扉を開ける。
さっきのは夜更かしする分の睡眠時間としておきましょう。
まだ、私は私なりのけじめをつけれていませんし。
なら、私は
僕は私を愛してくれましたし。
私は僕を...ちょっと無理矢理な感じがしますが救おうとしました。
それだけです。それだけなんですから。
ああ、夜更かしなんて何ヵ月ぶりでしょう。
いつもはあかりに一緒に寝ようという誘いは断れずにいましたし...きりたんみたいに夜中ずっとゲームしたりもできませんでしたからね。
材料を一式取り出し、台に並べておく。
お米を炊飯器にセット。私一人では一合で十分です。
ん?
あかり?きりたん?
私は彼女達のことをVOICEROID、VOCALOIDとしてしか知らない筈...いや、知っているんだ。結月ゆかりは。
まな板と包丁を取り出し、じゃがいも、人参、玉ねぎ、とスムーズに皮剥きして切っていく。その後は豚肉をほどよい大きさにカット。
...精神の侵食でしょうね。
キーポイントは、やっぱりさっきのですかね。
今までの結月ゆかりの記憶が私に共有された感じでしょうか。
コンロを点火。
油を敷き、豚肉を投下。
少し炒めたら、野菜も投下。
ふふふふ...あかりもきりたんも可愛いですね...。
早く会いたいものです。
東北家の和菓子屋さんの住所は検索すれば出てくるでしょう。
新幹線の出費くらいなら普通に出せる程度には貯金はありますし、電話とかかけて向かいましょう。楽しみになってきました。
ある程度したら砂糖や水、合わせ調味料を流し込みます。
そしたら蓋をして30分ほど。
それまで調べものと準備をしておきましょう。
※30分後
ご飯も早炊きで丁度できました。
私は寒さ対策に着こんで準備万端。
リュックサックにお酒やおつまみ、レジャーシートや薄布団を詰め込み、
大きなお盆に肉じゃがとご飯をよそいます。
さあ、302号室を出て、一つ隣にあるエレベーターに乗り込み、
4階に向かいます。
現在時刻10:30。
丁度上がり途中の月を拝めるでしょう。
このマンションは丘陵に建てられている唯一の大型建築物なのですから、周囲にお月見を邪魔するものはありません。
絶好のスポットなのです。
次回予告ゥッ!
結月ゆかり「誰だお前は!?」
初音なんとか「通りすがりに代わってお仕置きよ☆」
東北きりたん「なんか色々混ざってませんかそれ。」
次回予告により、おてての暴走を制御する作戦に出た筆者:黒龍一刻ッ!
果たして思いつきという名のパンドラボックスは、彼に何を与えるのかッ!
???「エボルトォォォォォッ!!」
お楽しみに!
※お酒は二十歳から。ノンアルコールと記載されていても、気を付けましょう。
一応書いておきます。