抱きしめたいな、ガンプラ!【完結】   作:高々鷹々

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タイトルだけ見るとマトモ・・・・・・漫画版グラハムさんのセリフですね。

ちなみに、決勝戦もカットです。主人公視点で実況しても面白くないので・・・・・・。


未来を切り開け、ガンダム!

 ガンプラバトル選手権、世界大会決勝。その激しくも熱かりし戦いに勝利し、収束する粒子の中右腕を突き上げたのは、スタービルドストライクガンダム。武装は全て使い果たし、カメラアイも片方が壊れて尚ガンダムエクシアダークマターを打ち破ったガンプラ。

 

 優勝という栄光は、イオリ・セイ、アリーア・フォン・レイジ・アスナの二人のものになった。

 

 しかし、勝利の余韻に浸るのも束の間。マシタ会長の強い願いに反応し、粒子結晶体が暴走、『ア・バオア・クー』が出現した。

 セイ達はニルスの提案に乗り、ガンプラで粒子結晶体の破壊に挑むのだった──

 

 

『これじゃあキリがない・・・・・・!』

 

 セイはビルドガンダムMk-Ⅱで周囲のモックを撃ち抜きながら苦悶する。量が多すぎて、倒しても倒しても溢れてくるモックの群れに、彼らは押され始めていた。

 

『少年!』

 

 声と共に、赤い軌跡が宇宙(そら)に描かれる。声の主は、おそらくその機体だろう。モック達を破壊し、爆発を起こしながら、セイ達が戦っている地点までやってくる。

 

『あの光は!』

 

 トランザムによるものだ。セイはそう悟る。橙色の粒子をまき散らしながら、そのガンプラはやってきた。ブレイヴの改造機だ。そして機体背部には別のガンプラが合体している。

 

『未来への水先案内人は、このエイカ・コウスケが引き受けた!』

 

 何を隠そう、この変態である。このシチュエーションならば劇場版グラハム・エーカーのセリフが使えるということに気づき、やってきたのだ。避難誘導ほっぽり出して、である。

 

『エイカ先輩!』

 

『アイツ!』

 

 彼の新たな機体、GNブレイヴはモックの大群をものともせず進み、彼らの道を切り開く。

 

『これは死ではない・・・・・・ガンプラの未来のための・・・・・・!』

 

 そうして、大量のモックと共にア・バオア・クーに突撃。爆発が起き、大穴を開けた。

 

 このセリフを言いたかったためだけの自爆特攻である。

 

『野郎・・・・・・無茶しやがって!』

 

『でもこれで、道は開けた!』

 

 後は要塞内部に入り、大型結晶を破壊さえすれば、ミッションコンプリートだ。

 

『セイ、ここは俺達に任せろ!』

 

 リカルド・フェリーニが彼らをフォローするように機体を操り、ブレイヴの開けた大穴を塞がれないよう周囲の機体を蹴散らす。

 

『ここは僕たちが死守します!』

 

 ニルスの戦国アストレイがモックを切り裂き、キララのガーベラ・テトラが銃を撃ちまくり、キャロラインのフルアーマー騎士(ナイト)ガンダムも炎剣でモックを仕留めていく。

 

『ワイもいますよ!』

 

 その宣言と共に、極太のビーム砲がモック達を焼き尽くす。

 

『その声、マオか!』

 

 そう、変態に出番と見せ場を取られた少年、ヤサカ・マオだ。新たな機体、クロスボーンガンダム魔王が胸部のスカルフェイスを展開し、先ほどのビーム攻撃『スカルサテライトキャノン』を放たんと粒子を蓄える。

 

『へっ、じゃあ任せたぜ!』

 

 そう言って、セイ、レイジ、チナ、アイラはブレイヴが開けた穴から侵入する。何故女性陣も入ったかと問われれば、愛故とだけ。こんな土壇場であっても、恋する乙女は強いのだ。

 

『では、私も力を貸すとしよう』

 

『どこまで行ってもマイペースですねこの人・・・・・・誰のおかげで助かったと思っているんですか』

 

 しれっと生きていたブレイヴ、そしてそれと合体していたシグレ・アサヒのGN(ガン)アーチャーも戦列に加わる。彼女の張ったGNフィールドのおかげで、彼は生還できているのだ。トランザムもGNアーチャーによって一時中断状態にあるため、機体性能は維持したままである。至れり尽くせりとはまさにこのこと。

 

『お前、生きてたのか!?』

 

『無論だ。あの程度で死んではフラッグファイターは名乗れん』

 

 リカルドの驚いた声に平然と返すコウスケ。

 かのグラハム・エーカー氏も生きていたので、この変態が生きていても何らおかしくはない。一応、内部に侵入した四人は大破したと思っているので、格好は付いただろう。

 

『さあ行け、少年達。ガンプラの未来を切り開け!』

 

 そう叫ぶなりブレイヴを飛行形態へ変形させモックの群れに突撃する。少しでも多くのモックを撃破し、彼らが粒子結晶体を破壊するまでの時間を稼ぐ。

 

『けど、本当にうじゃうじゃいますよ。いくら機体性能に差があるとは言え、この数じゃあ・・・・・・』

 

 と、アサヒはGNアーチャーのライフルでモックを撃ち抜きながら言う。戦いは数だ、という彼のドズル・ザビの言葉通り、多勢に無勢だ。

 

『ホンマですわ・・・・・・こんなん、やられるんも時間の問題──』

 

『マオ、諦めるんが早いで』

 

 そのマオを言葉を打ち破るように、声が響く。次いで、遠くでいくつもの爆発が起きた。

 

『し、師匠!?』

 

 ガンプラ心形流の師範、珍庵のマスターガンダムだ。それに続くように、青いグフがマスターガンダムの背後から飛び出した。

 

『あのグフは・・・・・・ラル大尉!?』

 

 そう、ラルさんのグフR35だ。彼が本当に35歳かは議論の余地があるが、今は置いておこう。

 

『珍庵、久々に、”アレ”を使うぞ』

 

『いよっしゃあ!』

 

 グフがヒートロッドを抜き、マスターガンダムの足に乗る。そして某サッカー漫画の『スカイラブハリケーン』のように蹴り上げ、回転する。

 

『ウォォォォ、ハアァァァァァァ!』

 

 そして回転は強まり、ヒートロッドにマスターガンダムの力が合わさることで、紫色の竜巻を出現させた。これがデータストームか。

 竜巻はモックを破壊しながら移動し、暴虐の限りを尽くす。

 

『ガンプラ心形流、究極奥義ィ!』

 

 珍庵も負けずにマスターガンダムの足に『ダークネスフィンガー』と同じ紫光を宿し、技を放つ。

 

『珍庵蹴りィィィィィィィイ!』

 

 その蹴りはすさまじく、いくつものモックを葬り去り、『ガンプラ心形流』の文字をかたどる。モックが何をしたというのだろうか。

 

『とりゃあああああああ!!』

 

『キエエェェェェェィイ!!』

 

 グフがバルカンを連射し、マスターガンダムは『かめはめ波』のような波動を放つ。その戦いぶりは、正に規格外であった。

 

『な、何? このデタラメな強さ・・・・・・』

 

『スッゲェ・・・・・・あれが『青い巨星』の、真の実力か!』

 

 その無双ゲームのような強さにキララはドン引き。リカルドは瞳を少年のようにキラキラさせていた。

 

『相変わらずスゴいな、あの二人。よし、ボクも負けてられないな!』

 

 ブン、と巨大な斧を二振り携え、ダメージモデルのザクⅡがモック達を切り裂いていく。

 

『はッ!』

 

 そしてヒートホークを投擲すると、斧は回転しながらその軌道上にいたモック達をスパスパと切り裂く。そしてザク本体もまた素手でモックの首を捥いでいった。

 

『あのザク、隊長殿か!』

 

『えぇー、何ですかあの強さ・・・・・・』

 

 隊長の参戦にこれは勝ったなとコウスケは微笑み、アサヒはドン引きしていた。

 

 

 あの後、ユウキ先輩やイオリ・タケシ氏の協力もあり、イオリ少達年は粒子結晶体を破壊した。その後のイオリ少年対ユウキ先輩のバトル、そしてレイジ少年の消失を見届けてから、早一年。あれから、様々なことがあった。

 

 ユウキ先輩は聖鳳学園を卒業し、メイジンとして各地でガンプラの楽しさを伝えているそうだ。あの金髪、アラン・アドモスも一緒らしい。

 ゴンダは生徒会長の座を引き継ぎ、奮闘している。ゴリラだなんだと言われることが多いが、それは親しみやすさの証でもある。

 サザキ少年は相変わらずギャンばかり作っている。最近、妹ガンプラを始めたそうで、近所ではギャン兄弟と呼ばれていたりする。

 シグレもますますガンプラにのめり込み、最近ではバトルも上達してきた。ガンプラ製作技術は、もう超されてしまっている。

 それから、ユウキ先輩や私、イオリ少年達のバトルに触発された生徒がいたらしく、『ガンプラバトル部』という部活ができた。私は所属していないが、たまに練習相手になったりしている。

 

 そう、ガンプラバトルは続いているのだ!

 

『ただいまより、第八回ガンプラバトル選手権、第一試合を始めます』

 

《GUNPLA BATTLE CombatMode StandUP ModeDamageLevel Set To A》

 

 ニルス・ニールセンがヤジマ商事と協力し、プラフスキー粒子の人工生成に成功。PPSE社に代わり、バトルシステムを開発。メイジン(ユウキ先輩)がテストファイターを引き受けた。その際にお願いをして、『ダメージレベル』の設定をしてもらうよう頼んだのだ。これで初心者や子供でも気兼ねなくバトルできるようになった。

 

《Please Set Your GPBase》

 

 筐体にGPベースを取り付ける。この端末も、データを引き継いだヤジマ商事製の新品。ガンプラバトル復活を祝い、選手権出場者に無料で配布されたものだ。

 

《Beginning Plavsky Particle Dispersal》

 

 以前とは違う声音の電子音に新鮮さを覚える。粒子が筐体に満たされ、ジオラマが形成される。この戦場が出来上がるまでのもどかしさが、妙に懐かしい。

 

《Field3 Forest》

 

 フィールドは森林。『ガンダムAGE』にてフリット・アスノとユリン・ルシェルが出会った森だ。それと、レイジ少年とアイラ・ユルキアイネンが痴話喧嘩を繰り広げたフィールドでもある。あの戦いは全国生放送されていたため、このフィールドの時は毎回話題に出るのだ。

 

《Please Set Your GUNPLA》

 

 セットするのはこの一年をかけて作った機体、『ガンダムエクシアリペアⅣ』。それを私好みに手を加えたガンプラ。それに合わせ、金髪を一部脱色し銀に染めた。メタル化したグラハム・エーカーへのリスペクトだ。

 

《Battle Start》

 

 その音声と共に、私の新たなバトルが始まった。

 

「エイカ・コウスケ。グラハムガンダム、世界の歪みを破壊する!」




『抱きしめたいな、ガンプラ!』 これにて完結です。

ビルドファイターズ本編が配信されていたのと、かなり時間があったために書き始めた作品でしたが、たくさんの方に読んでいただけたようでとても驚いています。

今後、番外編のようなものは書くつもりです。『バトローグ』や『GMの逆襲』もありますからね。ガンダムエクシアリペアⅣ(グラハムガンダム)や、GNブレイヴ&GNアーチャーのバトルも書きたいですし。

それではまた。ご愛読、ありがとうございました。
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