抱きしめたいな、ガンプラ!【完結】   作:高々鷹々

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漫画A(アメイジング)A(アメイジング)T(トライ)を読み直したんですけど、もしかして第一話のバトルシステムについてのくだり、矛盾があるのでは? というか、そもそも主人公どのタイミングで入部したんだ? 考えてなかった・・・・・・

前回、グラハム成分が少なくて不完全燃焼だったので再び投稿です。A(アメイジング)R(レディ)がまだ全巻揃ってないので、そちらを読み終わったらまた投稿するかもです。


敢えて言おう、ハム仮面であると!

 三代目メイジン・カワグチ。ガンプラビルダーの中で、その名を知らぬ者はいないだろう。バトルにおいて圧倒的な腕前を持ち、ガンプラ製作技術もトップレベル。それだけでなく、ビルダー育成のため『アーティスティックガンプラコンテスト』を開催し、最近では新型プラフスキー粒子を用いたバトルシステムのテスターとして貢献していると聞く。

 

 その男が、いま私の目の前にいた。場所はバー『やきんどうえ』、男勝りな女性がバトルで挑戦者相手に無双しているのを尻目に、私はグラスを傾ける彼の隣に座った。

 

「久しぶりですね、先輩」

 

「あぁ。確か、先月のトリプルバトル大会以来かな。エイカ君」

 

 彼は素顔を隠していたサングラスを額に押し上げながら、こちらを振り返る。歳を重ね、大人びいた雰囲気となったユウキ・タツヤが、そこに居た。

 

「えぇ。そちらのアストレイを使っている女性も出場していましたね」

 

 私はチラリとバトルシステムへと目を向ける。様々な武器を使いこなし、手数の多さで相手を攻める戦い方は、どこかユウキ先輩に似ていた。

 

 ちなみに、『トリプルバトル大会』というのは先月行われた中規模大会で、3対3のチーム戦ルールが適用されていた。現在の中高生によるガンプラバトル選手権と同じルールで我々も遊んでみよう、と企画されたものだったらしい。

 

「あの大会は楽しかった。普段の一対一でのバトルとは違った面白さがある」

 

「私もタッグバトルは何度かしていますが、三人でのバトルは初めてでした」

 

 私はレオスとアガタ少年との三人組で挑み、ベスト4という結果を残した。私はブレイヴ、アガタ少年は変わらずアッガイ、そしてレオスは何故かブルーディスティニー一号機だった。途中までは良かったんだが、準決勝でメイジンへのリベンジに燃えるレナート三兄弟に敗れてしまったのだ。途中で隊長のライバルだというガンダム使いと戦ったり、そこでレオスが惚れられたり、また黒いリックディアスの三連星と戦ったりと、楽しい大会だった記憶がある。

 

「というか、私はもう『先輩』ではないよ。高校だって中退してしまっているし」

 

「いえ、私にとって先輩は目標であり、尊敬すべき人ですから」

 

 というか、『ユウキ先輩』以外にどう呼べばいいのかわからなくなってしまっている。大会中ならともかく、プライベートでまでメイジン、と呼ぶのは流石に抵抗があったため、七年間ずっとこの呼び方だ。

 

 彼は「そう言って貰えるのは嬉しいよ」と微笑んで、グラスを傾けた。酔っている様子はない。恐らく、メイジンとしての激務の間の休憩中なのだろう。明日は近くのプラモ屋でイベントがあるのだから。

 私も運営側として参加し、間違った武士道を振りかざす悪役『ハム仮面』としてイベントを盛り上げる予定だ。まさか父に渡されたブシドー衣装が役に立つ日が来るとは思わなかったぞ私も。

 

「それで、どうしてこの店に? 私とバトルしたいなら、明日のイベントの余興でもいいだろう?」

 

「いえ。道に迷って、気付いたらココに。」

 

 私の答えに、ユウキ先輩は目を見開いた。どうやら、かなり驚いたらしい。それから喉を鳴らして笑った。これには乙女座の私も、センチメンタリズムな運命を感じざるを得ない。

 

「君らしいね、エイカ君。グラハム風に言うなら、『やはり私と君は、運命の赤い糸で結ばれていたようだ』かな?」

 

「オイオイ、他人(ひと)の店で運命だの赤い糸だの、気持ち悪ぃーやり取りしてんじゃねぇぞ」

 

 バトルが一区切りついたのか、バーの店主である女性が先輩の席へ寄りかかる。その後ろには、敗北したのか項垂れているファイター達が数人。

 ボサボサの茶髪を長めのポニーテールに纏めた彼女の悪態に、彼は一つ苦笑した。

 

「今のはガンダムのセリフの引用だよカイラ。00(ダブルオー)は見たんじゃなかったのかい?」

 

「あー、対話がどーだの、アタシにはちと難しい内容だったな。もっとこう、手に汗握る戦い! みたいな内容の方がアタシには合ってるね」

 

 雑談しながら、彼女はカウンターの向こう側へと入り、こちらにお冷やを差し出す。私はそのまま注文を行い、会話に参加する。

 

「初めましてだな、レディ。私はエイカ・コウスケ、かつてこの男を超えようと愚行を繰り返した男だ」

 

 ちなみに今でも愚行に当たるような事を繰り返しているが、そこは気にしない。せっかく劇場版でのグラハムのセリフが使える機会だったため、思わず言ってしまったのだ。

 

「タツヤから聞いてるぜ、あのゴリラの同級生なんだってな。

 アタシはコシナ・カイラ。色々あったが、今はこの店の経営してるぜ」

 

 カラッとした笑みでそう名乗ると、注文した飲み物が私の前に置かれた。ちなみにウーロン茶だ。私は下戸のため、酒は飲めない。

 

「つーかオマエ、酒なんて飲んで明日のイベント大丈夫か? 打ち合わせもメールでしかしてねぇのに」

 

「これかい? ただのウーロン茶だよ、雰囲気だけ楽しんでいるのさ」

 

 何と、先輩もか! これには乙女座関係なくテンションが上がってしまうな! とはいえ、酒は飲めないため私もバーの雰囲気を楽しむだけだが。

 

「そう言えばメイジン、PGのエクシアを使ったとレナート兄弟から聞いたぞ。どうだ、私のフルスクラッチ1/60(六十分の一)フラッグとファイトしてみるか?」

 

「生憎だが、あのバトルはシステムの試験の一環で、まだ通常のバトルではPGを使うことは出来ない。

 が、その提案・・・・・・実にアメイジングだ! 後でニルス君に提案してみよう!」

 

 バトルのこと、というのもあり、素の口調になってしまった私に、先輩はメイジンとして答える。わざわざサングラスを下ろして髪をかき上げてでの返答は尊敬に値する。

 

「1/60をフルスクラッチぃ・・・・・・? やっぱコイツ、マトモじゃねぇよ」

 

 コシナ殿が何か言っているが、私は気にしない。七年の月日が経った今、私の図太さはガンダムグシオンの装甲並だ。使い方を間違えている気がするが、深く考えないッ!

 

「ヤジマ少年で思い出したが、今度私も新型粒子を使ったバトルのテスターをすることになった。恐らくだが、バトル出来る機会も増えるはずだ」

 

「ほう、君もか。確かに、エイカ君の反応速度は、現在のシステムでは対応できない領域まで到達しようとしている。そう考えると、適任なのかもしれん」

 

 お褒めいただき光栄だが、それはメイジンも同じ事だ。普段ならば私の方が反応は早いが、彼やイオリ少年などにはアシムレイトがある。アレと直接戦ったことはないが、恐らく私は超えられるだろう。

 というか、私が反応出来てもシステムの処理が追いつかず、機体が回避できない、なんてことはトップファイターではよくあることだ。だからこそ、新たなる粒子を使ったバトルシステムが求められているのだが。

 

「しかし、だからといって明日のバトル、手を抜くつもりはない。私は全力を望む」

 

 今後バトルする機会が増えるからといって、一戦一戦を蔑ろにする理由はない。決してグラハムっぽいセリフを言いたくなっちゃったとかではない。

 

「勿論。私もエキシビジョンだからといって手加減してはメイジンの名折れだ」

 

「オイオイ、今からそんな盛り上がって大丈夫なのか? イベント明日の昼だぞ」

 

 ぶっきらぼうな口調や粗暴そうな外見からは余り想像できないが、どうやら彼女はかなり常識人らしい。我々のやり取りに、呆れた様子で頬杖を突いていた。

 

 

 そうして迎えたイベント当日。とあるホビーショップの一角で行われているのは、ガンプラバトル教室だ。

 

「さぁみんな、メイジンを大きな声で呼ぼう! せーのっ!」

 

「「「メイジーン!!」」」

 

 進行役の背の高い女性、クラモチ・ヤナがかけ声をかけると、それに合わせて子供達がメイジンを呼ぶ。すると、ステージの中央にスポットライトが集まった。

 そして、天井からワイヤーで釣られたメイジンが下りてくる。この演出の裏ではゴンダ・モンタやコシナ・カイラが色々と動かしている。

 

「燃え上がれ! 燃え上がれ! 燃え上がれ、ガンプラァァァア!」

 

 バックにサンバっぽいBGMを響かせながら、メイジンがステージに降り立った。そしてキレッキレの動きで会場を沸かせる。

 

「というわけで皆! メイジン・カワグチのワンランク上を目指すワンポイントガンプラ講座だ!」

 

 マイク片手に、メイジンは解説を始める。今回は武器として『カタナ』と『メガ粒子砲』を詳しく説明し、それらを活かした戦法を紹介していく。途中、テンションの上がったメイジンがそれぞれの武器について実体験を交えた長文での解説が入ったりしたが、そこはご愛敬だ。

 そしてパーツを配布し実際にバトル、と。ここまでは順調に進んだ。

 

 そろそろ、私の出番だ。

 

「ちょっと待ったァ!」

 

 ステージの脇から飛び出し、私は言う。そしてステージへ上がると、メイジンを前に再び言った。

 

「かなり待った!」

 

「すまない、熱くなって長引いてしまった!」

 

 先程『ちょっと』なんて言ったが、そんなことはない。講習の間、私は舞台袖でずっと待機していたのだ。予定ではもっと早くこのやり取りを行うはずだったのだが・・・・・・。

 故に、アドリブを入れさせて貰った!

 

「その不審な格好に不審なマスク、さてはキサマ、『ハム仮面』だな! ガンプラ星人の仲間だという!」

 

「いかにも! 私こそ『ハム仮面』だ。あと不審を強調し過ぎだ!」

 

 『ガンプラ星人』というのは、メイジンのイベントに時々登場する悪役だ。大体「メイジンを倒して、権威を失墜させてやる!」といった理由からバトルをふっかけてくる不審人物。ちなみに中身はコシナがやっているらしい。

 

「ガンプラ星人は貴殿を倒して評判を下げようとしているらしいが、私はそんなのどうでもいい! ただ純粋に戦いを望む!」

 

「待て、かなり台本と違うぞ!」

 

「聞く耳持たぬ!」

 

 本来なら「ガンプラ星人では実力不足のようだからな、私が出てきたのさ!」というセリフだが、それは私のキャラに合わない。故に、アドリブを入れさせて貰った!

 

「だが私はメイジン、バトルの挑戦なら受けて立とう! 先程紹介した武器を装備した、アメイジングレッドウォーリアで!」

 

「私もカタナとメガ粒子砲を装備したフラッグで戦わせていただこう。先程の講習はしっかりと聞いていたからな!」

 

「殊勝なことだ!」

 

 もうお互い、ほぼアドリブだ。だがどうにかバトルする流れに持ち込み、ステージ上に設置されたバトルシステムを挟んで向き合う。フィールドが形成され、モニターにその様子が投影される。

 

「いざ尋常に、勝負!」

 

 それっぽいことを言いながら、私は筐体に機体をセットする。

 

 今回使うガンプラはフラッグだが、以前までの私とはひと味違い、このガンプラはグラハムガンダム(エクシアリペアⅣ)に迫るスペックを誇っている。

 夜を思わせる漆黒のボディに、機体全体に走るブルーメタリックのライン。スジボリを行って溝を作り、その箇所に塗料を流すことによって塗装した、名付けて『ナイトフラッグ』だ。当初は『栄華フラッグ』とでも名付けようとしたのだが、アサヒに「そのネーミングはあり得ないです・・・・・・」と言われたので変更した。

 

「ナイトフラッグ。ハム仮面、参る!」

 

 宣言と共に、飛行状態のフラッグが射出される。本来リニアライフルが装備されている機首にはメガ粒子砲が取り付けられ、両腰には二振りのカタナがマウントされている。他にも色々仕込んであるが、あくまで今回はエキシビジョン。それらを使うことはない。

 

「とでも言うと思ったか! 最初から全直でいかせてもらう!」

 

 フィールドは夜の峡谷、ナイトフラッグが戦うにはうってつけの戦場だ。追加バーニアを軌道し、夜空を駆ける。

 

「そこかッ!」

 

 心眼と愛と直感でメイジンの場所を察知し、躊躇せずメガ粒子砲を放つ。距離は離れているが、これほど高火力の武器ならば遠距離でも十分な威力が見込める。

 

『相変わらずの第六感だ、ハム仮面!』

 

 攻撃を回避した赤いガンプラが、砲撃を伝ってこちらに迫る。やはり居場所を悟られたか、慣れないことはするものではないな。

 

 メイジンのガンプラは、パーフェクトガンダム三号機レッドウォーリアをベースにした、アメイジングレッドウォーリアだ。元々高スペックな機体を、どんな状況にも対応できるようチューンアップされ、様々な武器を使い分ける凄まじいガンプラ。

 

 あちらはガトリングガンを構え、連射。私がそれを回避すると、躱した先にメガ粒子砲が放たれる。ガトリングで牽制し、メガ粒子砲のチャージ時間を稼いだのか!

 

「だが、その程度!」

 

 空中で変形し、ブレーキをかける。慣性によって機体にGがかかるが、このフラッグはその程度では支障の出ないほどに強固だ。

 

『その動きは、前にも見た!』

 

 変形直後の硬直を狙って、ビームライフルが放たれる。ガトリングと連結していたその武器は、こちらの動きを読んでいたのだろう。だが、あちらの手数の多さは重々承知している。

 

「ヌゥン!」

 

 腰からカタナを抜刀し、向かってくるビームを弾き飛ばす。今回の講習で扱っていた品物のため粒子変容塗料は使われていないが、今の私ならこの程度のことはできる。

 

『まさか技術だけでビームを弾くとは・・・・・・面白い!』

 

「お褒めいただき光栄ッ!」

 

 再び敷かれるガトリングの弾幕をメガ粒子砲で相殺しながら、カタナを振りかぶって接近する。あちらもまたカタナを抜き応戦、ガキンと金属音が響く。

 

『その光沢・・・・・・発泡金属(アストレイ系統の装甲)か!?』

 

「流石メイジン、一目で無抜くとは思わなかったぞ!」

 

 以前から考えていた案だったが、ようやく私の製作技術が追いついたため実現出来た、『軽くて硬い装甲』だ。以前の紙装甲と比べれば、倍以上の強度を誇る。

 

「ハァッ!」

 

 鍔迫り合いから押し切り、その胸元に一つ蹴りを入れる。その勢いのまま変形し、上空へと飛翔した。可動域の広いこのフラッグならではの動きだ。

 

『その姿勢から変形だと!? 楽しませてくれる!』

 

 こちらを逃がすまいと、レッドウォーリアが追ってくる。さながら浜辺の逢い引き、さあ、捕まえて見せよ!

 

 高速で移動するこちらに追従し、ガトリングやビームライフル、ランチャーを撃ってくるメイジン。だが、こちらも無策に逃げている訳ではない。

 

「ブレイヴでないのが残念だが、今ならこれも再現出来るッ!」

 

 相手の位置を確認しながら、空中で強引に変形。慣性を殺し、振り向きざまにメガ粒子砲を放つ。飛びながらチャージしていたのだ。

 劇場版00にて、本来三人以上で組むフォーメーションを、グラハム・エーカーは一人で行った。その攻撃パターンだ。七年前、大量のモック相手にコレが出来ていれば良かったのだが、私の製作技術が未熟だったため叶わなかった。だが、今なら出来る!

 

『クッ、オオオ!』

 

 咄嗟に回避行動に出るレッドウォーリア。だが、チャージに使った時間は長く、その分射撃時間も比例している。回避に合わせて砲門を移動し、攻撃から逃すまいとする。

 だが、流石はガンダム。私の攻撃を凌ぎきった。

 

『今度は、こちらの番だ!』

 

 好機と見たのか、メイジンがカタナを抜きながらこちらに接近してくる。粒子を大量に使った今では変形は間に合わない、故に迎え撃つ!

 

『ハァッ!』

 

「なんのッ!」

 

 互いに斬り結び、一度距離が離れる。その隙にこちらは粒子の切れたメガ粒子砲を投げ捨て二本目のカタナを、メイジンはバックパックに懸架されたガンブレイドを抜刀する。

 

 再び近づき、刃と刃をぶつけ合う。武器を取り替える時間を与えないよう、連続して斬りかかるフラッグと、ガンブレイドでの射撃も交えながら迎撃するレッドウォーリア。戦いは拮抗している、かに見えた。

 

「チィッ、カタナの強度が・・・・・・」

 

 元々、今回のようにイベントで配布するための武器だ。あまり耐久値は高くない。加えて、ビームを弾くなんて格好付けたためか、片方は刀身に亀裂が走っていた。

 一応、消耗を抑えて使っていたのだが・・・・・・まだまだ私も未熟ということか。

 

「そろそろ決着を付けねばならぬようだ、メイジン・・・・・・!」

 

『そうだな・・・・・・イベントの尺的にも、いい加減カタを付けるッ!』

 

 そう言い放ち、メイジンが攻勢に出た。バックパックにマウントされた銃器を惜しみなく使って射撃、こちらの動きを制限する。

 いくら弾丸やビームを弾けるとはいえ、回避も難しいほどに撃たれてはジリ貧だ。つまり、この弾幕を突破し一撃を与える必要がある。

 

「ウオオオオオオオ!」

 

 両手のカタナを振るい、ビームを叩っ斬って突き進む。実弾は無視だ、この装甲ならばダメージは軽い。

 しかし圧倒的な弾幕によって、装甲が確実に削られている。長くは保たないだろう。

 

「ッ、捉えた!」

 

 銃弾の嵐を突破した、と思い、カタナを横薙ぎに振るう。だが、メイジンもそれを見越していたのだろう。

 

『捉えたのは、こちらもだ!』

 

 構えられていたのは、メガ粒子砲。この位置からでは回避は難しく、傷ついた刃では弾ききれない。

 

 極大のビームが放たれ、私の視界は光に包まれた。

 

《Battle Ended》

 

 

 それから、メイジンや手伝いの金髪、アラン・アダムスは子供達と一緒にガンプラを作り、バトルを教えている。私はそれを少し離れた場所から見ていた。

 

「若い世代、か・・・・・・」

 

 フ、と一つ息を吐く。思えば、私は自分のバトルにばかり熱中していて、次の世代のことなど考えていなかったな。やはり、私は未熟だ。ユウキ先輩に追いつくのは、まだ先のことになりそうだ。

 

「混ざらないんですか、コウスケさん」

 

 ふと、背後から声を掛けられる。驚きながら私が振り返ると、そこには私の妻、エイカ・アサヒがいた。

 

「来ていたのか、アサヒ・・・・・・」

 

「ええ。久しぶりに、先輩のダサい仮面でも見ようかと思いまして」

 

 相変わらずの毒舌だが、口調は柔らかいものだ。恐らく、私が一人で黄昏れているのを見て、彼女なりに気遣ってくれたのだろう。その好意に、口元が緩むのを自覚する。

 

「あ、あのっ!」

 

 一人の少年が、工具箱を持ってこちらを見ていた。彼は躊躇うように俯いた後、工具箱とペンをこちらに差し出す。

 

「ふ、ファンです! サインください!」

 

「「!?」」

 

 揃って驚いてしまう私とアサヒ。サイン、か・・・・・・確かに、第七回大会ではハム仮面の名前で出場していたし、たまにこういったイベントにも出ているが、初めての経験だ。

 

「ふむ。私で良ければ、喜んでサインしよう」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

 ペンを受け取り、蓋部分に『Masked Ham』と書く。少年は顔を輝かせて喜んだ。

 

「あの、ガンプラ、見て貰えませんかっ? 僕、フラッグが好きで・・・・・・」

 

「ほう、君もフラッグファイターか!」

 

「コウスケさんの影響でフラッグを使い始めた人、結構いるらしいですよ。良かったじゃないですか」

 

 そんなやり取りをしながら、私とアサヒもまたガンプラを教える側に回り、次の世代のビルダー達に技術を教えていく。この日のイベントは、大盛況で終わった。




エイカ・コウスケ
とうとうシステムも付いていけなくなった変態。アシムレイトは使えないが、逆にそれなしでそれだけの反応をするヤバい男。ガンプラの製作技術も上昇し、世界大会にも何度か出場している。が、相変わらず友人は少ない模様。

エイカ・アサヒ
久しぶりに登場した本作のヒロイン。現在は家事や育児もあってあまりガンプラに触れていないが、ガンプラのコンテストにちょくちょく参加していたりする。

ユウキ・タツヤ/メイジン・カワグチ
地方だろうと小規模だろうと全力でイベントを盛り上げる名人の鏡。新型粒子のテストに若人の育成、その他イベントに参加&その打ち合わせと忙しい日々を送っている。いつもお疲れ様です。

コシナ・カイラ
バーの店主にまでなったタツヤの旧知。コウスケのことはコスプレ好きのやべーヤツだと思っている。そして大体合っている。

クラモチ・ヤナ
ちょっとだけ登場。色々と大きい人。前から思ってるけど、歳いくつなんです?
コウスケのことはタツヤさんの後輩でバトルが強い人、くらいの認識。

ゴンダ・モンタ
名前だけ登場。タツヤへの尊敬心も相変わらず。コウスケとも長い付き合いで、たまに飲みに行ったりもする良い友人。

レオス・カラックス
同じく名前だけ登場。実は元ガンプラ塾生で、タツヤともバトルした経験があったりする((アメイジング)三巻にエクストリームとHi-vガンダムヴレイブが戦うシーンがある)。この設定が本編で使われることは多分ない。

キタミ・アガタ
彼も名前だけ登場。どこまでもアッガイを使う。多分そのうちアッガイ使いとして名前が通るようになると思う。


漫画に登場するカイラ、普通に可愛いと思うんですよ。何でピクシブとかのイラストが少ないんですかね? ヤナさんもですけど。
検索したら、ゴンダの方が圧倒的に多いとか・・・・・・アニメキャラとの格差なんですかね。
個人的には、もっとグラハムとかフラッグとかのイラストが増えて欲しいですが。
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