転生サーヴァント(?)の日常   作:黒夢羊

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どうも皆様、始めましての方は始めまして。
そうでない方はどうも、黒夢羊です。

今回Fateの二次創作を書こうと思った次第です。
まだまだ知識不足な為に博識な皆様から見たら少々おかしな点が多々出てくると思いますが、その時はこっそりとでも良いので教えてくださると嬉しいです。
……直せるかどうか分かりませんが。



では、本編へどうぞ。




第1話 目覚めよ、深き碧の君

 

キーンコーンカーンコーン……

 

 2年近くも聞き慣れた鐘の音が校内に響き、それを聞いた数学の教師の竹中先生が「今回はここまで」と言いながら教壇から降り教室を出ていく。

 

 先生の姿が見えなくなると同時に教室の中は騒がしくなり教室で友人と会話する人、飲み物を買いに行く人、読書を始める人や寝る人など多様だ。

 そんな穂群原学園2年B組のありふれた彼らの日常の光景の構成する部品の1つである私─月鳴(つきなり) 紗夜(さよ)は、次の授業に使う教科書等をせっせと机から取り出していた。

 

「おっ、もう次の授業の準備?いやー、紗也殿は真面目ですなぁ~」

 

 机の上に次の時間に使うものを置き終えた時に明らかにふざけていると分かる声色で私の友人の1人である浅霧(あさきり) (なぎさ)が私の右横から茶髪のポニーテールを揺らしながら近づいてきた。

「次の授業世界史Bだから」

「えーっと、世界史B……ってことは宮藤(みやふじ)?……萎えますな~」

 

 そう言いながら右手で頭を抑えながら舞台の俳優のようにオーバーな動作をする。それに対して、私は小さくため息を付きながら返答する……呆れたような口調になってしまったは何時もの事だ。

 

「気持ちは分かるけど、本人の前では控えなよ?」

「いや~無理だと思う!だって気持ち悪いんだもの、どうせなら宗一郎先生見たいなイケメンが良いの!」

 

 そう笑顔で自信満々に答える彼女に私は再度ため息を付いてしまう。ハッキリと物事を言える彼女を羨ましいとは思ったことはあるけど、なりたいとは思ったことは無い。

 そんなこんなで二人で話し込んでいると次の授業のチャイムが鳴り、それを聞いた渚は「うへー」と口に出しながら廊下側後ろから2番目の机へと戻っていった。

チャイムが鳴り終わる頃に少し細身で目に濃い隈を作っている宮藤先生が入ってくる。

 

「はい、欠席とかは……いませんね。じゃあこの前の続きから行きましょうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 授業中に本筋から脱線して狂気を感じるレベルで話続ける宮藤先生の声を聞き流しながらすぐ隣にある窓の外へ視線を向ける……外にいるのは2年生の男子だろうか、何処かで見かけた覚えのある赤髪の子と生徒会長の子がなにやら話しているようだ。

 

 ペン回しをしながらそれを眺めていると、どうやらいい加減痺れを切らした何人かのクラスメイトが先生に苦情を出し始めたみたいだ。

 語りだしたら止まらない先生も流石に数人からの苦情だと止まざるを得ないのか、渋々……本当に渋々としたように通常の授業へと戻っていった。

 

 

それも、もう見慣れた光景。

あと1年程しか続かない私にとっての大切でありふれた日常だった。

 

 

 

 

 

──少なくとも、あの時までは。

 

 

 

 

 

 

 

 ある日の帰りのSHRで担任からまた近くで殺人事件が起きたとの話が上がり、それに対して早く帰宅することや夜間の行動を避ける等の注意を行う。

 ……まただ、何かが起こるでもなく毎日が平穏だったのに、突如ここ数日で殺人事件がよく起きている……そんなにこの街は治安が悪いわけではないので、ちょっと異常じゃないだろうか?

 こんな短期間で何回もそんなに事件が起こるとは考えられない。しかも、同じ街で。

 そんな事を考えているとSHRは終わり、クラスの皆がそれぞれの行動を取る。

 

 私も机の横に掛けてあった鞄を取り、渚と一緒に教室を出る。「周囲では逃走中の連続殺人犯がここら辺りに潜んでいる」とか「何かの呪い」など噂話が絶えない。

それを私と同じく聞いていた渚は何時もように明るく声を出す。

 

「殺人犯はともかくさー、呪いとかそんな事があるわけないよね」

「うーん、そうだね。まだ連続殺人犯とかの方が説明は付くと思う……それでも充分怖いけど」

 

 私も渚も話題が話題なので他の生徒よりも声を潜めて会話を行う。幾ら噂話が眉唾物だろうと、亡くなった人が居るのは確かなのだ。

 それを茶化すなんて人として間違っていることはしたくないし、渚はどうか分からないがそんな度胸も勿論ない。

 

 

 

 

 校門を出て少しすると渚とは帰り道が別れる。

 私とは違って、渚の家はすぐ近くなので大丈夫だと思う。互いに「また明日」と言ってそれぞれの帰路へと着く。

 ……先程、噂に上がっていた「何かの呪い」と言うワードが頭のなかで強く引っ掛かっている。

 普通であればあり得ないとか迷信だと、そういうのを信じる人以外は笑い飛ばすだろう。一般的に考えればそんなものは存在しない……架空のモノだと定義付けされている。

 

 そう、一般的に考えれば……だ。

生憎私はその『一般的』からはほんの少しだけはみ出てしまっている。

 

 私の家、月鳴家は神秘を起こす魔術を使うことの出来る魔術師の家系で、月鳴家の初代当主が海外の有名な魔術師の人に弟子入りして、魔術刻印と言うものを少しだけ分けてもらったらしい。

 それから代々月鳴家の人間は現代において架空の存在とされる魔術を使うことができ魔術師の家系となった……とは言ったものの、実はそこまで凄い訳じゃない。

 使える魔術とかもそこまで多いわけではなく、私は皆の中でも特に少ない。

 

 父さんとか姉さんは魔術回路多いのになんで私は……おっと、話が逸れた。

 

 

 

 

 まぁ、そう言うことで「何かの呪いと言うのはあながち間違いじゃないかもしれない……と、私は思っている。

これも噂話程度だから真実かは分からないけど、今回亡くなった人達は心臓をピンポイントで一突きされて殺されているのが多いらしい。

 

 綺麗に胸を貫くなんて呪いがあるかは知らないし、連続殺人犯の方が現実味があるのは事実だから、あくまでもこれは可能性の話。

 

 

 それよりも早く犯人が捕まることを祈っておこう。

夕暮れの中、私は自宅へと歩みを進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「やってしまった……ッ!」

 

 学校から歩を進めて商店街を抜けた所にある、2LDKで平屋建てである、一人暮らしをするには充分すぎる我が家のリビングで私は1人頭を抱えていた。

その原因は明日提出の終わらせておかなければならない課題を学校に忘れてしまったのだ。

 

「しかもよりによって科学基礎か……厳しいんだよなぁ菊地先生」

 

 このままだと減点は免れない……いや、通常の課題なら仕方ないかで終わらせるんだけど、今回のは先生が成績に結構関わると言っていたので確実に提出しなければヤバイ。

壁に掛けた時計を見ると時刻は7時過ぎ……まだ間に合うかな?外出は控えろとは言われてるけど禁止はされてないし、何より何かあっても一般人であれば対処はまだ出来るだろう。

 

 肌寒いので少し厚手の灰色のコートを羽織り、玄関を出る……前にお爺ちゃんから貰った御守りがポケットに入っていることを確認する。

お爺ちゃんが言うには『いざという時には持ち主の身代わりとなる魔術を掛けてある』らしく、こんな時間だし持っておくに越したことはないだろう。

 

 

 

 

 外に出ると冬の夜らしく肌寒く、吐息は白い。

辺りの住宅も明かりはついているが静かで、なんとなくその静寂が──寒さも合わさってなのかは分からないけど──何処か不気味に感じる。

私は何かから逃げるように小走りで学校へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「良かった……」

 

 明かりの付いていない暗闇に包まれ、月明かりが差し込む校舎、その2年C組の教室で私は自分の机から目当てのプリントを見つけてそう安堵して呟いた。

 

 何故か警備員の人はおらず、校舎の鍵もまだ開けっぱなしだったのが少し気になるけど、こうして問題なく入ることが出来たのだからラッキーだったと考えよう。

 だけど、自分の足音しかしない暗闇の校舎はそういうのにある程度の耐性がある自分でも怖く、さっさと帰ることにした。

 

 

 

 

 校舎から出て自宅に戻ろうと帰路に着いていると、聞きなれない音が聞こえてきた。

 

「ん……?何の音?」

 

 出る時はまだ7時過ぎだったが、学校から私の家まではそこそこの距離がある。だから今の時刻は大体7時半過ぎくらいではないのだろうか?

時計を確認すると7時47分……全然違った。

 少しだけ恥ずかしさで顔が赤くなるが、それよりもこの音の正体だ。何かを破壊……というか叩いている?ような音だけど、こんな夜に何をしているんだろうか。

 

 ……もしかして、殺人犯?

だとしたらかなりヤバイ状況なんじゃないだろうか。もしも本当に殺人犯ならどこかの民間へ侵入したか、誰かを追いかけている途中なのかもしれない。

 仮に殺人犯じゃないにしても不審者か何かの可能性だってある。携帯を握りしめながらその物音の方向へと向かった。

 

 

 

 

「けっ……突然襲い掛かって来たと思えば単なる雑魚か」

 

 私の視界に入り込んできたのは真紅に染まった槍を振るい、骨の標本みたいな化け物……そう、スケルトンのような奴を蹴散らす青いタイツ見たいな服を着た青髪の美青年だった。

スケルトンみたいな奴等がいる時点で、この場は危ない……だが、それ以上にその化け物をいとも容易く蹴散らしたあの男の人は一体?

 

 一先ずここから逃げよう……そう思い、後ろへ退こうとしたその時。

 

 

ザッ

 

 

 日常であれば聞き逃すであろう小さな足音。

だがこの状況ではやけに響いていた気がした……自分でも聞こえたこの音が相手に聞こえていない訳もなく。

 

「誰だッ!」

 

 そう言いながら思いっきり振り向く。

そうすると必然的に私と彼は目が合うわけで。

 

「……ん?なんだ、一般人か」

 

 一瞬だけ感じた恐ろしさは霧散して、急に普通の人のような雰囲気を感じ始めた青いタイツの人。

 しかし、私は先程の出来事を目撃している。だから目の前のこの人が一般人とは掛け離れた存在だというのは分かりきった事実だ。

 

 何も言わない私に対して青タイツの人は何か困ったように槍を持たない左手で頬を掻いた後に、ため息をついて口を開く。

 

「はぁ……なぁ、お嬢ちゃん」

「は、はい」

「アンタ……さっきの光景見たか?」

 

 何か返さなければ。

そう心では思うが、恐怖からか口が上手く動かず声を発することができない。

真冬なのに緊張し汗が垂れ、頬を伝う。

 そんな私を見て確信したのか青タイツの人は申し訳なさそうな顔をした後、槍を強く握りこう言い放った。

 

「沈黙は肯定だぜ、お嬢ちゃん……ま、見ちまったんなら申し訳ねぇが……」

 

 

 

 

 

 

「ここで死んでもらう」

 

 

 

 

 

 

 

 瞬間。私の体は本能か、硬直は解除されすぐに動き出した。

 後ろは見ることが出来ない、そして相手はさっき見たように人の形をした異常な存在だ。

 

(まさか、あれが例の殺人犯……?)

 

そんな考えが浮かぶが今はどうでも良い。

今は逃げることに専念すべきだ。

 

 

(Es ist gros,Es ist klein ── )

 

 

そう唱え、瞬間的に力を高める。

そして一気に飛び、青タイツから距離を離す。

幾つかの道を通り、曲がり、進む。

しかし、その道中で人に合うことはなかった。

 

 

 

 

 

(幾らなんでもおかしい……そもそもこれが、魔術かなんかの応用だったり──ッ!?)

 

 走りながら思考する私の前方に現れたのは距離を離した筈の青タイツ。

そしてその手に持った真紅の槍を真横に振るい、その刃先が私の体を切りさ────

 

「ひっ!……痛っ!」

 

──くことは無く、私が急ブレーキを掛けて尻餅を付いたお陰でそれは回避できた。

 しかし、青タイツと自分の距離は人一人分ちょっとあるかないか。以前自分が命の危機に瀕していることは変わりなかった。

 

 直ぐに逃げようとするが腰を抜かしているのか、立ち上がることが出来ない。そんな私に青タイツは呆れ半分驚き半分の表情で口を開いた。

 

「運が良いな、お嬢ちゃん……けど、生憎だがそれもここまでだ」

 

 青タイツが槍を構える。

それが示す事に私は恐怖で歯がガチガチと鳴り、心臓が早鐘のように音をたてているのが分かる。

 

「安心しな、苦しめはしねぇ……一瞬で終わらせてやるよ」

 

 青タイツはそう言い、槍の刃先が自分の胸元に目掛けて真っ直ぐに向かってくる。

 

 

 

 

 嫌だ、まだ死にたくない。

私にはまだやりたいことだって沢山あるんだ。

こんなところで死にたくない。

 

 

 

 

「私はまだ─生きたいっ!!」

 

 

 叫びながらも、来るだろう痛みに目を瞑る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(……あれ?)

 

 

 

 

──痛みが来ない。

 

 

 

 

 

 

 

 恐る恐る目を開けると、私の目に映ったのは巨大な人型の背中。

黒い体と髪、そして恐竜の様な太い尻尾。

所々にアクセントのように散りばめられた緑の瞳のような模様とライン。

 そして、先程の青タイツが放っていたモノが生易しく思えるほどの禍々しい雰囲気。

 

 一目で人では無いと分かる異形が私の前に背中を向けて立っていた。

 少し視線をズラすと異形の向こう側に槍を構える青タイツの姿があった。その耐性は私に止めを指す時とは違い脚を大地に確りと付け、腰を少し低く保つ、所謂戦闘体制のようなモノに変わっていた。

 

 

 一難去ってまた一難か──私のそんな思考を読み取ったのか異形が私の方に振り向く。

 背後からは分からなかったが、頭部は鬼のような角が横から1本ずつ生えていて、口は不快そうに歪んでいる……まるで私が邪魔者かのように。

 

 

 

「急に呼ばれてみれば……なんだ?この状況は」

 

 低く地の底から発せられるような、だけど何処か威厳を感じさせる声。

 その声には明らかに不服そうな色が混じっており、よく分からないけどそれが自分に向けられているような気がした。

 

「無視か……まぁ、良い」

 

 ガタガタと震える私を見かねたのか、佇んでいただけの異形が再度口を開く。

私を殺す気なのだろうか、そんなことを考え怯えていた私に掛けられた次の言葉は予想にもしないことだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「我は──。問おう、貴様が我のマスターか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最後まで読んでいただき有り難う御座います。

いつか書いてみたいと思っていたFateの二次創作なんですが、こう……色々と難しいですね。
私がまだまだ勉強不足なだけだと思うんですけどね。
もし、読んでいただける方が居るなら続きを書いて行きたいと思います。


では、また次のお話で。

主人公の宝具は幾つが良いですか?

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