最近型月wikiを見て、それっぽい新しいスキルの名前とか考えてるんですが、全く思い付きません。
単独顕現とかも考えたんですけどあれ確かビーストのでしたし……。
そんなこんなで破壊神っぽいオリジナルのスキル名とか色々あったら教えて下さい……。
では、本編にどうぞ。
規則正しく音を立てるのは、私の家のリビングの壁にてド真面目に時を刻み続けている掛け時計。
そんな掛け時計が視界を持っていたら確実に見守っているであろうリビングには2つの人型が。
1つは私──月鳴 紗夜。
そしてもう1つは……。
「あ、あの……これ、良かったどうぞ」
「ん……?これは感謝する、我がマスター」
海外のアメコミに出てきそうな黒く染まった全身に緑のラインと目が所々に刻まれ、恐竜のような尻尾とモサッとした髪を持つ、見るからに悪役だと語るような姿。
その人型は己をアヴェンジャーと名乗り、見た目に反して先程青タイツに殺されかけていた自分を助けてくれた命の恩人である。
ただ、胡座をかいているだけなのに威圧感満載のアヴェンジャーには取り敢えずコップに市販のお茶を入れて出しておいた。
すると、相手は自分に感謝の一言を述べてそのままコップの中身を飲み干す。
(……お茶、飲めるのね)
いや、確かに自分に語りかける時には顔だと思う黒い面についた口が開いていたのを確認してはいるが、見た目が見た目だ。一見すると飲食をするようには思えないために、少し意外だった。
そうしてコップの中に入っていたお茶を全て飲み干した後に、まるで壊れ物を扱うかのように静かに私と彼の間に存在するテーブルに置く。
暫くの間私達の間を沈黙が支配する。
それに耐えきれなくなり、私は彼(?)に尋ねることにした。あなたは何者なのか。何故自分が襲われたのか。そして、自分の手の甲に現れたこの赤い痣のようなものはなんなのか。
問われたアヴェンジャーは佇まいを直すと、静かに口を開き、私の疑問に答えた。
──聖杯戦争。
願望器『聖杯』を求める七人のマスターと、彼らと契約した七騎のサーヴァントがその覇権を競う。
他の六組が排除された結果、最後に残った一組にのみ、聖杯を手にし、願いを叶える権利が与えられる血で血を洗う血みどろの戦い。
目の前の彼はそのサーヴァントであり、私がそのマスターで、私の右手の甲にある赤い痣のようなもの──令呪というらしい──がその証拠らしい。
そして、話した情報から私があの青タイツ……アヴェンジャーが言うにはランサーのサーヴァントに襲われたのは、聖杯戦争の小競り合いの一部を見られたからだと言う。
聖杯戦争は一般人には秘匿にされるべきものであり、それを見てしまったものは軒並み排除されるらしい。
……良く生き残ったな私。アヴェンジャーが来なければ文字通り一巻の終わりだったと言うわけだ。
私がアヴェンジャーに感謝を告げると、面のような顔についた碧の目は動くことは無く。
「気にすることはない、マスターが助けてと言ったのだから、助けるのがサーヴァントとしての当たり前の行動だ」
との返事が返って来た。
「どういたしまして」とかくらい言えないのだろうか、このよく分からないアメコミ忍者みたいなサーヴァントは。
……私は『基本』争い事は好きじゃない。昔から普通の人とは違う力を使うことが出来たから、極力人を傷付けたり、ましてや殺すなんてことは避けて来た。
かといってこのままだと他のマスターやサーヴァントから何も出来ないまま殺されるかもしれない。
なら、私はどうするべきなのだろうか。
私が今後について悩んでいると、暫く黙っていたアヴェンジャーか再び口を開いた。
「フン、そこまで闘争を拒むのであればこの戦いから足を洗うか?マスターよ」
……え?
アヴェンジャーが発したその言葉は、ついさっきまで私が考えていたものを根本から覆すものだった。
彼曰く、聖杯戦争はあくまでサーヴァントが居ることで成立している部分があるらしく、サーヴァントを失ったマスターは事実上失格扱いとなり、マスター自身が望むのであれば聖杯戦争の監督役である聖堂教会が終戦まで身柄を保護してくれるらしい。
それなら、私もそうしようかな……そう思った私の心を読んだかのようにアヴェンジャーが言葉を発する。
「ただし、マスターの身柄が保護されるのはあくまでも『終戦まで』だ……終戦を迎えたマスターは良い意味でも悪い意味でも自由の身、そこを狙う輩が居たとしても可笑しくはないだろう」
「つまりアヴェンジャーさんは聖杯戦争で勝ち残った他のマスターが私を殺しに来るかもしれないって言いたいの?」
「そう言うことだ」
成る程、そう言われればそうだ。
私だって願いを叶えるための不穏分子は方法は選ぶけど、出来る限り無くしたいと思うだろう。
それが人を殺すことにあまり抵抗感の無い人物が優勝者になればどうなるか……そりゃ少しでも反逆の可能性がある人物を願いが叶った後に殺すことがあるかもしれない。
私自身の考えは纏まりかけている。
その前に自分のサーヴァントである目の前の彼に1つだけ聞いておきたいことがあった。
「アヴェンジャーさん、1つ良い?」
「……なんだ、マスターよ?」
佇まいを直し、自分に問いかけた私に対して何を思ったのかは分からないが、彼自身も佇まいを直してこちらに対して答えを求める。
「マスターもそうだけど、サーヴァントも願いがあるから聖杯戦争での召喚に応じるって言ったよね?」
「そうだ、召喚は強制でなく任意。願望器に興味がなければ召喚には応じないし、逆に願望器と関係なく聖杯戦争に参加したいという意思があるのなら、聖杯に願う程の願いが無かったとしても召喚に応じる者もいる」
アヴェンジャーは何処か得意気に答える。
そんな彼に反してこれからする質問をした後の事を考えて私は緊張で手に汗を握る。
「なら……アヴェンジャーさんの願いは何?」
「………………何?」
ついさっきまで動いていた彼の口がピタッと止まり、数秒の沈黙の後にたった一言告げられた言葉にどんな気持ちが含まれているのかは、分からなかった。
その感情が驚きや呆れなのか、それとも怒りなのかは分からなかったが、私の質問が相手にとって投げ掛けられると予想していなかったものだと言うことだけは確かだった。
それから暫くの間沈黙が部屋を支配し、私はその間首筋に死神の鎌の切っ先が当てられている気がして生きた心地がしなかった。
そしてどのくらい経ったかは時計を見なければ分からないほどの時間が経過したように感じた時、アヴェンジャーが溜め息を付きながら口を開いた。
「……我の願いはマスターにとって利益を呼ぶものでは無い、それでも聞くのか?」
「うん、自分のサーヴァントの願いくらいはマスターとして把握しておくべきだと思ったから」
私のその言葉を聞いた彼が少し驚いたような感じがした。「クックックッ……」と肩を少し上下させながら小さく笑う。
「私、何か変なこと言った?」
「いや、気にすることはない。マスターはお人好しだな……と思っただけだ」
「……え、そうなの?」
そう返すと、今度はやれやれと言わんばかりに肩を竦めながら呆れたようにアヴェンジャーは話し出す。
「ああ、基本的に叶えられる願いは1つ。マスターからしてみればサーヴァントの願いなぞどうでも良いと切り捨てる事だって出来るのだからな。それに比べて自分にとって利益にならない願いを持つと言う相手の願いをわざわざ聞く者がお人好しと言わずなんと言う?」
「う、うーん?……そう言われたらそうなのかも?」
そう一息に語ったアヴェンジャーの意見に納得……はあんまり出来ないが、それでもそうなのかもしれないとは思う。
……っていうか、それよりもだ。
「そんな事よりアヴェンジャーさんの願いは結局なんなんですか?」
「あぁ……そうだったな、我の願いは1つ」
そこで区切り、一息付くアヴェンジャー。
その動くことの無い緑の瞳には何処か決意の色が宿っている……ような気がした。
「我が願うのは──願望器、聖杯の破壊だ」
「……え?」
◇
「えっと……」
アヴェンジャーの願い。
それを興味本意で聞いた私に、返って来た答えは先程私が彼の予想に反した回答をしたように、私の予想していたものとは全く異なるモノだった。
そんな私の困惑を分かっていたと言わんばかりに彼は口を開き、私の口から溢れた呟き続く言葉を発する。
「マスターの反応は至極当然だ、願いを叶える装置を破壊することが願いだと言うのだからな」
「そ、そうだよね……一応どうしてか、聞いても良い?」
その言葉にアヴェンジャーの雰囲気がガラリと変わり、最初にあった時のように禍々しくも何処か神々しい威厳のあるモノへとなる。
そしてそのまま顔を此方へ少し近づけ、ドスの聞いた声で問いかけてくる。
「……マスターよ、それを聞けば後戻りは出来ぬぞ?」
「ッ!……うん、それでも聞くよ」
どうしてこの時ここまで念押しされたのに聞いたのかは今でも分からない。けど、これがなければ今の私や彼らの生活は無かったんじゃないかなって思う。
私の答えを噛み締めるように「そうか……」と小さく呟いたアヴェンジャーは大きくため息をついた後、此方に視線を合わせて口を開いた。
「聖杯戦争の聖杯は汚染されている……まぁ正確には大聖杯が、だがな」
その言葉から始まった彼の説明は聖杯戦争についてさっきまで素人同然だった私でも今の聖杯がどれだけ危険なのかが充分理解できるほどのモノだった。
第三次聖杯戦争──今起きている第五次聖杯戦争から約70年以上前に起きた聖杯戦争。
その際に御三家と言われる三つの家の中の1つである、アインツベルンが必勝を期して「アヴェンジャー」のサーヴァントを召喚する。
しかしそのサーヴァントは早期に敗退してしまい、詳細は省くがこの「アヴェンジャー」のサーヴァントの影響で聖杯が「この世全ての悪」に汚染されてしまい、以降汚染された聖杯が「必ず悪意を持って願いを叶える」ようになってしまったらしい。
ん……?
「ねぇ、1つ聞いても良い?」
「なんだ、マスターよ?」
首を傾げ、分かりやすく自分が疑問に思っていると此方に伝える私のサーヴァント。
そんな彼に向けてかなり引っ掛かった単語があったので質問してみる。
「貴方は『アヴェンジャー』さんだよね?」
「そうだ、我は『アヴェンジャー』のサーヴァントだが?」
「……ってことは、貴方が聖杯が汚染された原因ってこと?」
私の質問に納得が言ったようで「あぁ、そう言うことか」言いながらと左の掌を握った右の拳でポン、と叩く……何処でそんなジェスチャーを覚えたんだろうか。
いや……それよりも彼曰く、「そのアヴェンジャーとはクラスは同じだけ」とのこと。
同じ名前のクラスでも、その中身は千差万別なので気を付けるように……と言われた。
取り敢えず、1つ目の疑問は解決したので続いて2つ目の質問に移ることにする。
「じゃあ『悪意を持って願いを叶える』ってどう言うこと?」
「フム……例えばある男が『争いの無い平和な世界』を願ったとしよう、聖杯はそれを周囲の人間を皆殺しにして『争いの無い平和な世界』という願いを叶える──と言う訳だ」
「……嘘、でしょ?」
もしそうだとしたら、どんな優しい願い事を願ったとしても帰ってくる答えは最悪の結果ということだ。
驚愕を隠せない私に対して彼は至って普通に現実を告げる。
「残念だが事実だ。一応上手く扱う方法もあるにはあるが、それが出来るのはそれこそ一部のサーヴァントや余程優秀な魔術師で無いと不可能だ」
「因みにアヴェンジャーさんは上手く扱うことは……」
「無理だ、そもそも上手く扱う事が出来れば破壊する。何て事は言わぬ」
にべもなくそう言う彼に対して、私が返すことは無言の沈黙だった。
それに対して彼は何を言うことも無く、黙りこむ私に1つの答えを求めてきた。
「さて……引き返せぬとは言ったが、そろそろ答えを聞いておこう」
「……答え?」
「そうだ。マスターはこの聖杯戦争に参加するのか否か……それに答えてもらおう」
聖杯戦争に参加すること、それはさっきの青タイツと合った時のように命の危機に出くわす事が多くなるということ、普通ならこの戦争から直ぐに身を引くべきだ。
でも、このまま放って置けば誰かが聖杯戦争に勝利して聖杯に願いを叶えてもらうだろう。もし本当にアヴェンジャーの言うとおり聖杯が汚染されているのなら、その先に待つのはどんな願いであったとしても誰かが不幸になる結末。
それなら……
私はアヴェンジャーを強く見つめる。
自分のこの選択が強く、揺るがないと言うことを、何を考えてるかわからないサーヴァントに伝わるように。
「聖杯戦争は降りない」
他の人から見れば馬鹿を通り越して愚かとしか言いようが無い選択だと思う。実際頭の何処かで「今すぐ撤回して参加を止めるべきだ」という声が聞こえる。
だけど、私は参加する。
私が……いや、私達が勝てば聖杯を破壊して、傷付く人を出さなくて済むのだから。
もし仮に破壊できなくても、その性質を知っているのだから、それを上手く利用すれば良いだろう……具体的な方法はまだ思い浮かばないけど。
それに、これはきっと運命だ。
私が乗り越えなきゃ行けないモノなんだと思う。
私が参加を決めたことが意外だったのかアヴェンジャーが驚きの色を含めた声で喋る。
「驚いたな……てっきり参加しないものだと思っていたが」
「私もそう思うよ……でも、アヴェンジャーさんが言ったように知った以上は見過ごせないからね」
「良く言った、マスターよ」
そんな私の言葉を聞いたアヴェンジャーは満足げに小さく頷くと、此方に手を差し出してきた。
なんの手か?と、問い掛けるのも無粋だろう。
私はその手を握り、彼もまた握り返してくる……あの常識外の戦闘を行った手から出るとは思えないような優しさで。
こうして私達の聖杯戦争が静かに幕を開けた……これが後々にどう影響するのかを知らないままに。
今回も最後まで読んでいただき有り難う御座います。
書き始めた当初の予想よりも多くの方に読んでいただけているので感謝です。
作者は聖杯戦争にわかなので色々とおかしな点があると思いますが、どうかご了承ください。
それではまた、次のお話で。
主人公の宝具は幾つが良いですか?
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3つ
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4つ
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5つ