シルヴァリオサーガRPG ブランシェ家亡命√RTA 作:TTオタク
前回言っていた通り、カティアは深謀双児の対テロ部門に配属されます。配属は捜査課事前対策班となっていますね。はい、この事前対策班というのが新設された対テロ部隊になります。
対テロ部隊と聞くと、テロリストの本拠地に突入してどんぱちやるイメージが強いですが、そんなことは全然しません。というかできません。
なにせ諜報部隊の対テロ部隊。班の名前が事前対策と付けられている通り、テロの準備をしようとしている奴らをとっちめるお仕事です。要は銃器を買い集めたり、違法爆薬を買ったりした時点で逮捕です。そもそも戦闘になる戦力じゃないので、一応星辰奏者の居る深謀双児相手では一瞬でお縄です。
一応、こちらに反抗できる戦力を揃えてしまうケースや、敵側に星辰奏者が存在する場合も無いわけではないです。でもまあそんな事、深謀双児側も想定していまして。
はい、そんな時の
そういう訳なので、深謀双児は割と平和です。裁剣天秤に居るゼファーさんに何故かやたらと修羅場が回されたのはそういう経緯だったんですね。別にチトセネキが意地悪していた訳ではないんですよ?
というわけで大して戦闘が無い、あっても
捜査課事前対策班のお仕事は単純です。マップから場所を選び【捜査】コマンドを選択。基本的には何もないですが、【技量】【精神】【知力】【幸運】の合算値の判定で何か証拠を発見できます。だから知力を上げておく必要があったんですね。
元部隊が
一応変装はしていますが、腐ってもおっちゃんにヘッドハンティングされただけの才能はあります。あっさり見破って追跡の末、なにやら金持ちが集まる集会場を発見します。
乗り込んで無双したりはしません。成果だけ持って帰ります。そういうのは裁剣天秤の仕事だからね、仕方ないね。
おっちゃんを含めた班員と話し合い、情報を共有しつつ徐々に証拠を集めていきます。班員全員がおっちゃんのスカウトで集められているので、クッソ優秀です。多分スカウト式にしたのはスパイの混入を防ぐためもあったんでしょうが、おっちゃんの審美眼の凄まじさが伺えます。これは総統閣下の幼馴染ですわ。
はい、そんな事を話していると犯罪集団を逮捕できましたね。どうやら改革派の活動家の演説台に爆弾を仕掛ける気だったようです。
逮捕した貴族がなにやら喚いていますね。「貴種の誇りはどうした? このままではアマツも地に落ちるぞ」とか言っています。
選択肢「興味ない」を選択します。そりゃまあアマツ一族に入った理由が幼馴染救済の人に誇り説いても聞く耳持ちませんわ。
なので主犯格の貴族を下っ端協力者ごと独房へご招待します。ここから尋問チャートで、拷問したり自白剤つかったり、普通に対話したりで情報を引きせます。
ですが、ホルモンや薬物生成系の星辰光を持っていると尋問チャートが恐ろしく早く進みます。
皆さんボロボロ口を割ってくれますね。都合良く仲間の幻覚でも見てるんでしょうか? まあこんな事すれば脳にダメージが行きますが、自白剤使うよりは人道的です。
はい、逮捕した皆さんの協力によって組織壊滅にまで至りました。イイぞーコレ。この調子でテロが発生する前にテロ組織を壊滅させて行きましょう。
実は改革派の急進的グループによるテロとかあって推理パートは結構おもしろいのですが、倍速します。画面が代わり映えしないので仕方ないね。倍速中暇になってしまった視聴者のみーなーさーまーのーたーめーにー。
アルバート・ロデオンことおっちゃんとのコミュを紹介します。
「よう、朧大尉。このあと一杯どうだ?」
これは深謀双児で一定以上の成果を上げると発生するイベントです。スラム街出身者が傍系とはいえアマツの令嬢を飲みに誘うという血統派大激怒のイベントですが、もちろん快諾します。
「朧大尉、いや───カティア。最近調子はどうだ? カトレア准尉を副官に付けてからだいぶ大人しくなったが、お前さん未だに無茶したがるからな。頼むからたまには休んでくれよ。班の連中も俺自身も、またお前さんがぶっ倒れるんじゃないかと気が気じゃねえんだ」
この会話は精神が光寄りだと発生する会話で、光度合いによって内容が変化します。光を極めてるとある友人の話、闇側だと鉄火場への恐怖についての話になるのですが、割愛します。
選択肢「それでも、止まってなどいられない」を選択します。
するとおっちゃんはしばらく考え込んで言います。
「なあカティア。差し障りが無いのなら教えてくれ。お前は一体、何のためにそんなにしゃかりきに頑張るんだ?」
選択肢「今度こそは失わないため」を選択します。この選択肢は、過去に大切な人物を失っていると発生する物です。カティアの場合はマイナや幼馴染たちが該当します。
カティアの返答におっちゃんは真剣に頷きますが、顔は安堵していますね。
「なるほど。これならカトレア准尉もまだどうにかできそうだ。カティア、ちゃんと自分を止めてくれる人を見失うんじゃねぇぞ。そうしとかねぇと、お前みたいなタイプはどこまでも突っ走っちまうんだからな」
おっちゃんの安堵は、カティアの内面に輝く光の中に、過去を想う一条の闇を見たからですね。
はい、コミュを流している間に新西暦1026年、カティアが事前対策班の班長になります。そして世間からは
血統派の重鎮が星辰奏者を護衛につけていますね。クソ厄介なので裁剣天秤に援軍を要請しましょう。今は当主のお爺様が隊長ですが、あと数ヶ月もしないうちに死ぬので、あまり頼りたくはなかったんですが仕方ないですね。
裁剣天秤から星辰奏者が派遣されましたね、今回は暗殺系任務なので、十中八九あの人が来ます。
「裁剣天秤から出向しました、ゼファー・コールレイン中尉です。上官のチトセ・朧・アマツ大佐よりお話は伺っております。どうかその優秀さでもって楽な仕事を割り当ててくれると幸いです」
はい、お目々のハイライトがまだ生きている
ゼファーさんは、カティアがヒジリ・朧・アマツという名で呼ばれているのと、髪色が変わってしまっている事で気付いていませんね。
あ、勝手にカティアが抱きつきましたね。ゼファーさんはうろたえています。クッソいいとこのお嬢様が泣きながら抱きしめてきたら誰だってビビりますけどね。
ゼファーさんがこっちの正体に気が付きましたね。
「カティア……なのか? いや冗談ですよね。だって髪。彼女の髪はもっと───」
あれ? 幼馴染が美女になって帰ってきたのに不満そうですね。
はい、ゼファーさんは勘が鋭いので、髪色が人工的な物じゃない事くらいすぐに気づきます。大方、発動値が使用できない欠陥星辰奏者という噂と照合して、真実にも気がついたのでしょうね。
はい、今回はこの辺りで終了です。
†
「ゼファー? 本当にゼファーなんだよね? 嘘じゃないんだよね?」
俺───ゼファー・コールレインは激しく動揺していた。
出向先の上司、しかもあのアマツのお嬢様が抱きついてきたのだ。動揺しない理由がない。
まして、あのチトセの妹であり、氷のような冷静さと鋼のような決断力をもって深謀双児の特殊部隊を率いている女傑と聞いていたのだ。十中八九チトセの同類であり、俺を腑抜けと叱咤するタイプだと思っていた。
だが実際は、俺の胸に顔を埋め。ようやく顔を上げたかと思うと、俺の頬に手を当てて涙ぐんでいる。まるで感動の再会と言った風だが、あいにく俺はこんな銀髪美人は知り合いに居ない。
「いや、これが酒場の姉ちゃんだったらなぁ」
俺は聞こえないような声で、ほとんど声にも出さず呟く。
本当に、相手があのヒジリ・朧・アマツで、あの
自分に好意的でスタイルがよく、胸の大きい美人など嫌う理由が無い。現にぐいぐいと押し付けられる豊満な胸には男としての幸せを感じないでもないが、その巨乳が朧の血筋によるものだと思うと、どうしても師匠と姉弟子の顔がよぎってしまう。
だが妙な話だ。チトセはあれだけ美しい濡れ羽色の髪をしていたのに、妹のヒジリはどうして銀髪なのだろうか? 瞳の色も深い海を思わせるダークブルーで、興奮しているのかエメラルドの色彩を帯びて綺麗にきらきらと───
ふと、脳裏にある幼馴染の顔が映る。だがあり得ない事だ、彼女はアマツではなく、そもそもスラム街で出会った没落貴族の娘だったはずで、それに彼女は太陽のように輝く金髪をしていた。あの悪臭ただよう下水道でさえ、ランプの光を帯びて暗闇を振り払う
だがそれでも、じっと自分の瞳を見つめる仕草が、ハグの時に全身を使って抱きしめる所が、何より興奮が光彩に出てしまう所が、脳内の
「カティア……なのか? いや冗談ですよね。だって髪。アイツの髪はもっと───」
当たって欲しくないとさえ思いながら、俺は言う。だってそんな、あんまりじゃないかと。もしカティアであったなら、その銀髪の理由に心当たりができてしまうから。
「カティアだよゼファー! ずっと、ずっと会いたかったよ」
涙を零しながら笑うカティア。その笑顔があの日々の、俺の無事を知って泣きながら笑ったあの笑顔と繋がってしまって。
「クソがっ。あんまりじゃねえかよ」
聞こえないように細心の注意を払って、密かに星辰光さえ使用して、聞こえないように悪態を漏らす。なにせこれで完全に繋がってしまったから。
チトセの妹は直接の血のつながりが無かった理由が。事前対策班のスラム街での異様な手際の良さについての理由が。何よりカティアが銀髪になった理由が。容易に想像できてしまう。
話の論点はそこではなく、なぜ戦いを嫌い、愛する人と一緒に居る時間を尊ぶカティアが、星辰奏者などという力に手を伸ばしたか。
答えは知っている。カティアが何かを頑張るのも、無茶をするのも決まって大好きな仲間のためだった。そんな彼女が仲間を失ってしまったら、次は失わないようにと力を求めるのは至極当然の流れだ。
だがゼファーは生きている。カティアは全てを失ったわけでは無かった。問題は、失ったと一度でも思ってしまった事だ。
なぜカティアが力を求めたか。今ならわかる。スラム街に定期的に出入りするアマツの令嬢の話は俺も知っている。それがカティアであるのなら、きっと自分たちが居なくなっている事に絶望したのだろう。間に合わなかったと感じたのだろう。
俺たちはもうカティアが帰ってこないと思い、信じるのをやめて離散した。
結果、カティアは別離の負債を背負い、力を求めて星辰奏者になる。そんなひどい巡り合わせで金髪は光を失った。その上、カティアの眼鏡が反動による視力低下を矯正するものであったならいよいよ救われない。
「
もう声にすら出さない。自責の念を見せればカティアはきっと心配するだろう。それが再会後ならなおさらだ。
感動の再会は尊い。だが、別離の傷が消えるわけではない。その時に負った傷は後遺症のように残り、人生に影を残すだろう。むしろ、感動の再会でさえ『今度こそは失わない』という決意の炎の燃料にしかならないだろう。
まして、カティアのような。
こうして、感動の再会はお互いが全く違う感情を抱く形になった。
チトセ「お前を離さない」
カティア「もう離さない」
アマツに挟まれた男の末路はどっちだ?