シルヴァリオサーガRPG ブランシェ家亡命√RTA   作:TTオタク

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 オリキャラが増殖する。


裁剣天秤/再会

 ここから一気に乙女ゲーになっていくRTAはーじまーるよー。前回はゼファーさんと再会して曇らせたあたりですね。

 

 暗殺任務はあっさり終了します。ゼファーさん自分を卑下しがちだけど、一般兵基準で考えると本当に強い人だからなぁ。というか帝国軍内でトップクラスの実力者なんですがね。比較対象がアレだからね。

 

 任務の資料を書くために深謀双児(ジェミニ)本部にゼファーを連れて行きます。暗殺時の状況や、殺害方法の報告書をまとめるのですが、ゼファーさんは書類作成がクッソ遅いです。本当に将校なのか? と疑問に思うレベルです。

 

 まあスラム街出身なのに高い頭脳と教養を要求される諜報機関の部隊長やってるアルのおっちゃんとかが異常なだけで、ゼファーさんみたいなタイプは案外普通なのかもしれません。それはそれと、座学寝てたあたり普通に勉強嫌いなんでしょうけどね、ゼファーさん。

 

 書類作成が遅いので、口頭報告をタイプライターで出力してあげます。実はこれやると、ゼファーさんが「学がないくせにそれを補おうとしない俺は屑だ」的な思考に陥って曇るのですが、タイム優先です。

 

 そして隊長のおっちゃんが不在なので、副司令であるシロウ・漣・アマツ准将に報告に行きます。

 

 副司令というのは副隊長とは別物で、事務方の副隊長みたいな物です。一国の軍隊である以上、それを12に分けても結構な人数になります。12部隊の内の2部隊である血染処女(バルゴ)猟追地蠍(スコルピオ)だけで東部戦線を支えられているあたりに、その巨大さが窺えます。

 

 なので、実行部隊の次席指揮官が副隊長。裏方の事務や補給、その他もろもろの次席指揮官が副司令となるわけです。隊長たちがわりと自由に動き回ってるのはそういう理由があるからですね。

 

 階級的には副司令の方が高く、少将から最低でも大佐クラスです。なぜなら、隊長の副官としての側面が強い副隊長と違い、隊長不在時に数万規模になる部下を取りまとめる職務を負わされるからですね。そりゃ階級も高くなります。

 

「朧大尉。任務ご苦労だった。コールレイン中尉もよくやってくれた。貴官のような才能溢れる将兵が我が軍に居る事は国全体の幸福だな」

 

 はい、そんな話をしていると副司令のシロウ・漣・アマツ准将の元に到着です。漣という名前の通り、実は彼はアオイちゃんの従兄弟です。この時代のアマツに珍しい公明正大なタイプで、スラム出身者だろうがちゃんと実力を評価してくれます。スラム出身者の隊長の下で働いてる辺りにもその人間性が窺えます。

 

「勿体無いお言葉です。小官は任務を遂行したまでであります」

 

 ゼファーさんはガッチガチに緊張してますね。そりゃまぁ中佐以下は実は一般兵でもちょくちょく会うくらいの地位なので、中尉のゼファーさんも慣れていますが、大佐以上はVIPなので会う機会は基本ありません。

 

 まだ裁剣天秤の副隊長じゃないゼファーさんにとっては式典以外じゃ基本会わない立場の人なので緊張しているわけですね。

 

「楽にしてくれよコールレイン中尉。もし僕が貴種(アマツ)の生まれだからとかで緊張しているなら全く気にする必要はない。それに君は優秀なんだから、将来的には僕以上の階級の将と接しなきゃいけなくなる。その時に今みたいに緊張してたら身がもたないぞ」

 

「は、はぁ」

 

 アオイちゃんと違い、シロウはフランクで緩い性格です。なのでシロウとアオイちゃんが会話するイベントでは、アオイちゃんが小言を言い、シロウが苦笑いする一枚絵があります。アオイちゃんファンにとっては彼女のまた違う一面を見れるのでおすすめなイベントです。

 

 一通り報告を終えると、イベントが発生します。

 

「そうだコールレイン中尉。この際だからうちの突入部隊の奴らに裁剣天秤の一員としての戦訓や経験を教えてやってくれないか? 精鋭兵の経験談は貴重だし、うちにも裁剣天秤に憧れる奴は結構いてな、話してくれるとありがたい」

 

「はい? まぁ自分でよろしければ……」

 

 ゼファーさんは「俺の話なんか聞いてどうすんだよ。聞くならチトセとかにしとけよ」とか思って困惑してますね。自己評価低い、低くない?

 

「感謝する。3階の2課作戦会議室に場所を用意してあるから、ぜひ話してやってくれ。あとガーランド少佐が君のブーツを磨きたがってたから応えてやってくれ、彼なりの敬意の表れなんだ」

 

「り、了解しました」

 

 ゼファーさんの頬が引きつってますね。自分より階級が上の人に靴を磨かれるのは特殊部隊あるあるなのですが、ゼファーさんみたいな小心者にはきついのかもしれません。

 

 ゼファーさんが部屋を出ると、シロウは会話を続けます。

 

「さて、ヒジリ。君に話しておきたい事がある」

 

 はい、ここからが本題です。ゼファーさんは人払いされた訳ですね。

 

「君は、最近の改革派をどう思う?」

 

 選択肢「頭痛の種」を選択します。ここで「帝国の未来を担う存在」を選ぶとシロウの好感度が下がるのでやめておきましょう。

 

「良かった、君も同じ心境か。僕もこの国の現状が良くないのはわかっている。だが、改革派は事を急ぎすぎじゃないか?」

 

 シロウは一応改革派に近い思想の持ち主なのですが、穏健派思想の持ち主で、数十年をかけた無血改革を良しとするタイプです。

 

「本当に、奴らは一体何を考えているんだ? 内戦でもおっ始める気か? 二正面作戦を展開中の我が国で内戦なんて始まったら、それこそ諸外国の介入を招くだけじゃないか。星辰奏者(エスペラント)技術の流出の可能性も出てくる。今月だけでどれだけのスパイを仕留めたと思ってるんだ。全く度し難い」

 

 はい、穏健派だけあって慎重論を唱える質で、カリスマ改革者ヴァルゼライドに任せておけばどうにかなる的な楽観思想ができないタイプです。まあヴァルゼライド閣下にかかれば内戦なんて起きないですがね。それを信じられないから穏健派な訳で。

 

「それに次代隊長だろうチトセの事も気がかりだ。彼女が優秀なのはわかるが、いささか潔癖すぎないか? 一応朧は特定勢力に加担しないという名目がある以上はそこまで動かないだろうが、それでも隊長に就任すれば汚職を見逃したりはしないだろう。せっかく作った関係性がおじゃんになってしまう」

 

 シロウなりに国を良くしようと、汚職政治家や軍人と関係を作り、ゆっくりと良い方向へ向けているようですが、今の犯罪を見逃す気のないチトセネキとは最悪の相性でしょうね。

 

「なのでヒジリ、君にチトセの監視を頼みたい。これは軍人としてでなく、1人の人間としての頼みだ。軍事力に依存した改革なんて所詮大博打だ、旧暦を含めて失敗だらけのな。そんな大博打に国を、民を、そして僕たちの家族を売り渡す訳にはいかない」

 

 選択肢「もちろんです」を選択します。

 

 これで完全にチトセルートが閉じます。ひいては改革派で暴れるルートともおさらばです。

 

「そうか、感謝する。改革によってアマツの栄華は幕を閉じるだろうが、それでもアマツが長きにわたって差別される事態は避けたい。改革によって権力者が零落すれば必ず一般より下に置かれる。男は日銭を稼ぎに、女は色街に売られるような立場にな。大博打にそんな破滅の運命を託してたまるか」

 

 シロウも改革をする以上、アマツは断罪される必要があると感じてはいますが、改革派の流す「今」流れる血を我慢できないのでしょうね。価値観の違いという奴です。

 

 はい、なので数ヶ月もしないうちに裁剣天秤に出向する事になります。あるイベント後にチトセネキから要請が来るので待ちましょう。

 

 なぜチトセネキから要請があるかと言うと───はい、当主のおじいちゃんが死にました。チトセネキからの要請が通ってる辺りそう言う事ですね。

 

 カティアは葬式で泣いていますね。一応それなりの期間親を務めてくれた人なので、懐いていたのでしょうね。逆に、葬式で一切涙を流さなかったチトセネキが不穏ですね。もうすでに覚悟ガンギまりの目をしています。

 

 葬式後に正式に裁剣天秤隊長に就任したチトセネキはバリバリと正義執行に勤しみます。シロウが裁剣天秤本部に文句を言いに行くイベントがあるのですが早送りします。まあチトセネキに一蹴されて終わるだけですからね。

 

「ヒジリ、裁剣天秤に所属した以上、お前の力は正義のために使え。出向とはいえ、正義の天秤の一員たる自覚を欠かすなよ」

 

 裁剣天秤に着隊した当日、チトセネキが釘を刺してきます。鉄の女モードのチトセネキは迫力がありますね。

 

「ああ、久しぶりだなカティア」

 

 はい、だいぶ生気が失せてきているゼファーさんです。まだ大虐殺前のロボットゼファーさんじゃないですが、それでも目が虚で辛そうですね。カティアがゼファーを心配していますね。

 

 そして、いい感じにカティア→チトセへの好感度が下がりましたね。なのでカティアを身内優先思考にする必要があったんですね。

 

 あとは天秤兵としての任務を───ファッ! 旅行イベント⁉︎ ゼファーの体調を気遣って、カティアが慰安旅行を計画したようですね。やめてくれよ、タイム壊れちゃ^〜う。

 

 はい、どうにかスキップ連打で旅行イベントを終了させて今回はここまで。

 

 

「ゼファー! カトレア! ヴィル! アイス買ってきたよ。」

 

「おいおいそんなに走んなって、また転ぶぞ」

 

 俺ことゼファー・コールレインは久々に笑う。場所は旧フランス領西岸のビーチ。幼馴染同士の再会と、慰安を兼ねて旅行に来ていたのだった。

 

「何年前の話よそれ。だいたい私が子供の頃に転びやすかったのだって、外であまり運動したことがなかったからだし。私がおっちょこちょいなわけじゃないし。もう大人なんだから子供扱いしないでよ。こら! カトレアも頭撫でないで」

 

「はいはい、この前階段で滑って書類ぶちまけたのお姉さん忘れてないからね〜」

 

「ちょ、ちょっとカトレア? それ秘密だって言ったじゃん」

 

 きゃいきゃいと、黄色い声を上げながらカティアがカトレアに抗議する。

 

 数ヶ月前の自分からは考えられないほど俺の周囲は賑やかだった。思えば裁剣天秤で友人と言える存在はほとんどおらず、ダメ人間としての部分を笑って許してくれるタイプの部下を除けば、人付き合いは胃をすり減らすだけだった。

 

「ん、このアイス美味いな。ゼファーも食えよ、溶けるぞ」

 

「いやお前な……」

 

 呑気にアイスを食う男。彼はヴィル───ヴィルヘルム・ニールセン。カティア、カトレアと同じくあのスラム街でのメンバーであり、裁剣天秤で再会した人物だった。

 

「昔からああだろあの2人。カティアが丸め込まれるまで時間かかるんだから、待ってる義理はないぜ。いやむしろこれはアイスへの義理だ。義理を通すことは全将兵の模範たる天秤兵の基本だぞ。ほら食えよゼファー。要らないなら貰うぞ」

 

 半ば本気の目で俺のアイスを狙うヴィル。20にもなってその食い意地はどうかと思うが、かつてヴィルが風邪で寝込んで食事を拒否しただけで皆そろって大騒ぎしたのだ。ある意味正当な成長なのかもしれない。

 

 俺はとりあえずアイスを平らげ、パラソルの下で横になる。疲れというより、激務からいきなり解放されても体は遊び方を思い出せていない状況からの行動だった。

 

「暇な時はいっつも昼寝してたよねゼファー。そんなに寝ると頭ボケるよ?」

 

 と、いつの間にか戻ってきたカティアが俺の隣に座る。相変わらず距離が近く、見上げる姿勢とビキニの水着という状況も相待って、彼女の胸部に揺れる双丘(ロマン)から目が離せなくなる。

 

 見事に実ったものだと、昔のつるぺたボディを思い出して感慨深くなる。星辰奏者ゆえか生来のものか、程よく鍛えられた腹筋の恩恵による引き締まった腹部から大きく膨らんだ曲線は、男性なら誰もが見惚れるだろう。

 

「ゼファー、お前なぁ」

 

「カティアちゃんにそれはちょっとねぇ」

 

 視線の方向に気づいたのか、2人揃って俺に苦言を呈する。

 

「いやこれは条件反射って奴です。決してやましい気持ちがあったとかそういうあれじゃなく。ただ単にあまりの曲線美に目を奪われてしまっただけで、ほら芸術ってそういうものじゃん? だからカトレアさんその視線をやめていただけると───っていうかおいヴィル。なんでお前までそっち側なんだよ。今更カマトトぶるんじゃねえ」

 

 お前貧乳好きとはいえ巨乳も案外いける性癖知ってるんだぞと暗に示す。だが親友の返答はそっけないものだった。

 

「いや相手がカティアだしなぁ。うん、そういう感情を抱くのに罪悪感があるって言うか。なんか妹に劣情を催してる感があるというか」

 

「ほらカティアちゃん聞いちゃダメよ。ああいう話を女性の前でする輩と結婚したりしちゃだめだからね〜」

 

 カトレアはそう言って素早くカティアの耳を塞ぐ。相変わらずの子供扱いであった。

 

 そんな騒がしい状況の中、何故かふとあくびが漏れる。別に寝不足ということは無かったはずだが、何故だろうか?

 

「やっぱり結構疲れてたんだね。よし、ゼファー。ちょっと失礼するよ」

 

 安心した表情でカティアは言う。カティアは俺の後ろに座り、ゆっくりと寝転ばせる。

 

 そして、頭を軽く持ち上げ、下ろす。同時に後頭部に伝わる柔らかい感触。目線の先には視界を埋め尽くす夢の山。まさか、まさかこれは。

 

「カティアさん? もしかして今膝枕されてます?」

 

「そうだけど、嫌だった?」

 

 無料(タダ)で美人に膝枕されるなんて役得に困惑していると、幼馴染たちが急に態度を変える。

 

「大人しく甘えとけよゼファー。お前最近働き詰めだろ? こういう時は羽を伸ばすもんだぜ」

 

「そうそう、せっかく任務から離れたんだし、今はゆっくり休みなさい。エッチなことしない範囲でなら、私も協力してあげるから」

 

「なんだよ急にお前ら」

 

 急に優しくなった幼馴染たちに困惑してしまう。まるで重病人みたいな扱いだ。だがまぁ、役得を投げ捨てるほど俺は無欲じゃない。

 

「んじゃまぁお言葉に甘えて、ちょっとばかしゆっくりさせてもらいますわ」

 

 水着美女の膝枕を堪能する気満々でいた俺だったが、程なくして本当に眠気が襲ってきた。

 

「わりぃ、結構疲れてたみたいだわ。足痺れてきたらおろしてくれていいからな」

 

 一応カティアに言っておく。そうでもしないと目覚めるまで動こうとしないだろうから。

 

「そう。じゃあゼファーが寝るまではこうして居ようかな。だから安心してねゼファー。私が一緒に居るから」

 

「俺は1人で眠れない子供かっつうの」

 

 相変わらずの過保護っぷりだ。思えば昔はと考えるうちにまぶたが重たくなり、ふと最後にカティアの顔を見る。

 

 その顔は昔と変わらず優しさに溢れていた。だがちんちくりんの少女だった頃とは違う、女性としての魅力に溢れた笑顔は、少しだけ睡魔を追い払ってくれた。

 

 そのおかげでできた時間に、俺は言葉をねじこむ。

 

「おやすみ、カティア」

 

 昔、集まって雑魚寝していた頃みたいに寝る前の挨拶をして。

 

「うん、おやすみ、ゼファー」

 

 カティアもそれに答え、そっと俺の目に手を乗せた。

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