アンケートの結果、ライブの日は作者に任せると言うことですので第0話として投稿いたします。
それでは第0話どうぞ。
追記 一度投稿しましたが、ミスがあり投稿を取り消しました。ご覧なっていた皆様、誠に申し訳ありません。 また、一部文章を編集いたしました。また、サブタイトルが変わっていますが内容は同じものです。
1
「すげーーーーー!!めっっちゃ高えええ!!」
地上より遙か高い場所にて、
「こら、当麻。大きな声ではしゃぐな」
「だって、父さん!俺、こんな景色見たことないんだから、はしゃぎたくもなるよ!」
そして少年はハイテンションのままどこかへ走り出していった。
「あ、おい当麻!勝手にどこかに行くな!」
「まあまあ、刀夜さん、そうカリカリしないで下さいな。当麻さん、昨日からずっと楽しみにしていたんですから。今日くらい少しハメを外したっていいじゃないですか」
そしてそんな刀夜に、
「それに、今日『ツヴァイウィング』のライブにこれたのは
そう、今日上条一家が沢山の人が注目している音楽グループ『ツヴァイウィング』のライブにこれたのは彼らの息子がライブのチケットを
「はぁ。相変わらず母さんは当麻に甘いんだから」
「あらあら、そう言いながら、当麻さんを追いかけてないところを見ると刀夜さんも甘いんじゃないですか」
そうだな、と言いながら上条夫妻は笑い合っていた。一方、そんな彼らの息子はというと・・・
ドスンッ!
「うわっ!」
「きゃっ!」
誰かとぶつかってしまっていた。
「ご、ごめんなさい。大丈夫ですか?」
「う、うん大丈夫です。はい」
「良かった。・・・・あ、あのもしかして立花だよな?」
「えっと上条君だよ、ね?」
彼がぶつかってしまったのは彼の同級生、立花響であった。
「ここで同級生と会うとはな。立花もライブのチケット当たったのか?」
「ううん、私じゃなくて未来が当たったんだ」
「未来・・・ああ小日向のことか。というか、小日向のやつチケット二枚も当たってるなんてすごいな」
「へへっそうでしょー」
「何でお前が得意げなんだよ・・・」
「そういえば上条君は一人なの?」
「いや、三枚当たったから親ときてる」
「そっちほうがすごいじゃん!?」
へへっ、と自慢げに返した上条であった。すると立花の鞄から着信音が聞こえてきた。
「あ、未来からだ、ちょっとごめんね上条君」
「おう、どうぞどうぞ」
「もしもし、未来今どこ?私もライブ会場着いたよ。・・・ええっ!!今日来られないの!?誘ったの未来じゃん!・・・うん、うん分かった。じゃあ未来の分まで楽しんでくるね」
そう言って彼女は辛そうな顔で電話を切った。
「・・・小日向こられないのか?」
「うん、親戚の家に急に用事が出来たから来れないって。私、呪われてるかも・・・」
「そうか。それは残念だったな・・・」
見るからにどんよりとした雰囲気が立花の周りからでていた。そんな彼女を見て何とか楽しめる方法はないものかと上条は考える。そしてある一つの案が思い浮かんだ。
「・・・なあ立花、もしよかったら俺と一緒にライブに行かないか?」
「ふぇ?」
「このまま一人で見たってちょっとつまらなくなっちまうかもしれねえだろ。だったら俺と一緒に見に行こうぜ」
「いいの、上条君?お母さん達と来てたのに・・・」
「まあ、お袋一人で来てるんじゃねえし、それに親父だっているから大丈夫だろ」
「・・・じゃあお願いしようかな」
「ああ、いいぜ」
「・・・ありがとうっ!上条君!!」
そう言って彼女は先ほどの雰囲気とは違い、まるで太陽のような笑顔を浮かべていた。
「あのさ、もう一つお願いしてもいい?」
「ん?なんだ」
「上条君のこと名前で呼んでいい?」
「ああ、別に構わねえよ」
「ほんと?!じゃあ、あらためて宜しくね。当麻君!!」
「!?あ、ああよろしくな。立花」
(やべえ、女の子に名前で呼ばれるのって破壊力すげえな・・・)
「?どうしたの当麻君、顔真っ赤だよ。それと私のこと、響って呼んでもいいんだよ」
「だ、大丈夫だぜ、立花さん。上条さんはこの通りピンピンしているのことですよ・・・」
「あ、もしかして照れてるの。可愛いな〜」
「と、とりあえず親父たちのとこに行くぞ、立花」
そう言って彼は立花の手を引っ張り歩き始めた。ある程度行くと、上条の両親が見えてきた。
「おーい親父」
「お、当麻戻ってきたのか・・・」
「あらあら」
刀夜は驚き、詩菜はいつものように微笑んでいたが、内心は夫と同じように驚いていた。それもそのはず、少し前に走ってどこかに行った息子が女の子を連れて来たからである。
「当麻、その子は・・・」
「ああ、同級生の立花だ」
「は、初めまして。当麻君の友達の立花響です。よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いしますね、立花さん」
「いつも息子がお世話になっています」
そう言いながら上条夫妻は立花に微笑みかけた。そして立花もつられて笑いかけた。
「それで当麻さん。彼女を連れて来たのは何かあるかじゃないのですか?」
「あ、そうそう。実はこいつとライブを一緒に回りたいんだけどいいかな」
「あら、大丈夫ですよ」
「ああ、私は母さんと一緒に見るよ」
「あの、私が言うのも何ですけどいいんですか。当麻君と一緒に回る予定だったんじゃ・・・」
「いいんですよ、立花さん。私たちは気にしてませんから」
「だってさ、じゃあ行こうぜ、立花」
「えっとそれじゃあ当麻君をお借りします」
そういて彼らは上条夫妻から離れていき、ライブ会場へ向かった。
2
「そろそろ時間だな」
「うん、すっごく緊張してきたよ当麻君!」
先ほど売店で買ったサイリウムを握りながら彼らはライブを今か今かと待ちわびていた。そしてライブ会場のスピーカーからメロディーが流れてきた。メロディーが聞こえたと同時に、会場はオレンジ色に染まった。いよいよ待ちに待ったライブが、始まる。
会場の叫び声とともに空から
そこからは圧巻の一言だった。息の合った踊り、天羽奏の力強い歌声と風鳴翼の優しい歌声、歌詞からは何か力がわいてきたようにも感じた。
(すげえ。さっきから胸が痛くなるほど高鳴っている!)
(ドキドキして目が離せない。すごいよ、これがライブ!)
((これが、ツヴァイウィング!!))
彼らはコールやサイリウムを振るタイミングなどは全く知らなかった。しかしそんな彼らでさえ会場と一体化しているように感じた。これが、音楽の力なんだと上条は感じていた。そんなことを感じている内に、最初の曲『逆光のフリューゲル』は歌い終わったようだ。しかし会場の熱狂はおさまるどころかヒートアップしていった。
「まだまだいくぞーーー!!!!」
ツヴァイウィングの一人、天羽奏は今以上に会場のテンションを上げるために叫んだ。そして会場はそのテンションのまま次の曲『ORBITAL WING』が始まろうとしていた。だが次の瞬間……。
ライブ中央から爆発音が聞こえてきた。
それがライブを盛り上げるためものではなかったのは明らかだった。すると爆風に紛れて黒い何かが舞っていることに上条は気づいた。
(なんだこの黒いの。炭?)
そんなことを考えていた時、爆心地から何かが出てくるのが見えた。それは・・・
「ノイズ!?」
それは“ノイズ”と呼ばれる人類の厄災であった。それに気づいた人々は恐怖に震え逃げ始めた。そこからは地獄としか言い様がなかった。ノイズに触れられた人間は人としての形を喪い、炭と化す。それを見た人は余計に混乱し我先にと動いていた。
「と、当麻君、私たちも逃げようよ」
「ああ、分かってるよ。でも・・・」
そう、彼らは逃げようにもタイミングを逃がしてしまったためそこにとどまってしまっていた。そして大勢の人に押しつぶされそうな立花を守るため上条は彼女に覆い被さっていた。
(立花の言うとおり逃げなきゃいけないのは分かっているが・・・この状況で逃げても他の人に押しつぶされて怪我するに決まってる。クソ、どうする!?)
そうこう考えている内に会場から人が少なくなっているのに気づいた。そして上条達はステージの景色を見た。
「なんだよ、あれ・・・」
「すごい・・・」
そこでは先ほどまで会場を盛り上げていたツヴァイウィングが見たこともない衣装を纏い、剣や槍を振り回しながらノイズと戦っていた。二人は息の合ったコンビネーションでノイズ達を倒していった。そんな彼女らの活躍を彼らは見とれていた。このままここにいれば助かるかもしれない、そんなことを思っていた矢先、上条達の足場が崩れだした。
「うわああぁぁぁぁ!!!」
「立花!!」
落ちるのは一瞬であった。安全地帯だと思っていた場所が崩れ消え、ノイズ達が暴れまくる場所に来てしまったのだ。上条は立花の安否を確認しようとする。しかし……
「があッ!」
自分の足から今まで感じたことのない痛みが走った。くじいたのか折れたのかは解らないが少なくとも簡単には動けない状態なのはわかった。
「当麻君!!大丈夫!?」
そう言って彼女は足を引きずりながらこちらに向かってきた。
「馬鹿、来るんじゃねえ!!逃げろッ!!」
「嫌だッ!当麻君と一緒に逃げるんだ!!」
立花は彼を引きずるように動こうとした。しかし、今の彼女は上条よりはいくらかましな怪我であったが、怪我をしている同級生を引きずりながら動くことは出来なかった。すると、そんな彼らを見つけたノイズ達はこちらに向かって走ってきた。彼らはここまでかと思い、目を閉じた。しかしいつまでたっても体が炭にはならなかった。上条達は恐る恐る目を開けた。
すると目の前で天羽奏が彼らを守るように戦っていた。そんな彼らに気づいたのか彼女は彼らに向かって叫んだ。
「今のうちに走れ!男の方は私が連れて行くッ!!」
「行け!立花ッ!!」
「ッ!」
そして、立花は、天羽奏の言葉を信じ、足を引きずりながら逃げ出した。だが、そんな彼女をノイズ達は見逃すことなく追撃してきた。ノイズ達の攻撃を防ぐために天羽奏は奴らの前に立ち塞がった。自身の得物を回しながら、ノイズの猛攻を防いでいく。しかし、彼女を纏う鎧や槍は少しづつひびが入り始めていた。そして、それらはやがて限界を迎えた。パキンッ!鎧と槍は砕かれ、破片は飛び散り、そして
「立花ァ!!!」
彼は痛む足を無理矢理引きずり、天羽奏もまた、彼女に駆け寄っていった。
「おい、死ぬなッ!」
「立花、目を開けろよ!おいッ!?」
そして、天羽奏は振り絞るように叫んだ。
「生きるのを諦めるな!!」
だが、どれだけ彼らが叫ぼうと彼女の目から光は消えていった。このままだと彼女は確実に死ぬ、そんなことが上条の頭によぎった。そして彼は無意識に天羽奏の肩に手をかけ、彼女に語りかけていた。
「・・・なあ、頼むよ。こいつを助けてくれよ」
「え・・・」
「あんたならノイズを倒せるんだろ。そうすりゃ、立花を早く病院に連れて行けるだろ。だから、さっさとあいつらを倒してくれよ!あんたしか何とか出来る人がいねぇんだよッ!!俺にはあいつらを倒せる力なんてない。俺みたいなどこにでもいるガキじゃどうしようも出来ないんだよッ!だから・・・」
そして、彼は今にも泣きそうな声でこう言った。
「お願いだから、助けてくれよ」
情けないと言われるかもしれない。みっともないと言われるかもしれない。だか、
「ああ、分かったよ、お前の気持ち。だからもう泣くな。後は何とかしてやる」
「ほ、本当か」
「ああ、安心しろ。えっと名前・・・」
「上条、上条当麻」
「上条、後はあたしが何とかする。だからお前はこの子を守ってやってくれ。それとさ・・・」
「・・・何だ?俺に出来ることなら何でもやるよ」
そう言って上条は彼女を見た。彼女は折れた自分の槍を掲げこう言った。
「あたしの歌、聞いててくれ」
「・・・わかった。聞くよ、あんたの歌」
「・・・ありがとな。上条」
そう言って彼女はニカッと笑った。そして彼女はノイズ達に向かい合い、歌い始めた。
「♪Gatrandis babel ziggurat edenal」
「♪Emustolronzen fine el baral zizzl」
(これが、天羽さんの歌。今まで聞いてきた歌とはなんか違う)
歌詞もメロディーもどんな歌なのかも分からない。自分が今まで聞いてきた歌と違うものだと感じた。上条は歌を聞き続ける、それが自分に出来ることだと信じて。
「♪Gatrandis babel ziggurat edenal」
「♪Emustolronzen fine el zizzl」
歌が、
「すげえ、すげえよ!!天羽、さん・・・」
上条は何かを言い続けようとしていたが、それは出来なかった。目の前で天羽奏の体がノイズと同じように崩れだしていたからである。
「なんで、なんで?!天羽さん、体が・・・ッ!!?」
「ああ、やっぱこうなっちまうか。わりい、あたしはここまでだ」
「“やっぱ”ってどういう意味ですか!?」
「まあ、絶唱の反動に体がもたなかったんだろ。あたしの体、もう駄目みたいだわ」
「そんな・・・」
「お前のせいじゃない。気にするな上条」
「ッ!天羽さん!!」
倒れかかった彼女を支えようと上条は彼女に駆け寄ろうとした。だが、彼の体も限界を迎え、動くことができなかった。元々立花ほどではないが彼の体からも血が流れていたのである。
「奏ッ!!」
するともう一人のツヴァイウィング風鳴翼が彼女を支えていた。
「あ、もうさん・・・」
体に力が入らない。どれだけ足に力を込めても立つことは出来なかった。
「あ、ああ」
そして、
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッッ!!!!!!??」
彼は力の限り叫びながら、気を失った。上条が最後に見たのは、崩れ去る天羽奏と泣き叫ぶ風鳴翼であった。
この物語の上条当麻はヒーローではない。そこにいるのはどこにでもいるただの少年であった。
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上条×IF装者 見たいのは?(ビッキーは『翳裂閃光』があるので今回はなしで)
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