戦姫絶唱シンフォギア IB   作:ドナルド・カーネル

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どうも作者です。
明日5/9は、はいむらきよたか先生のとある魔術の禁書目録の画集発売日です。このご時世なので作者はAmazonで購入することにしました。
それでは第7話どうぞ。


第7話 状況説明は必要です

6

 

「んー終わった-」

 

「今日の授業も難しかったよなー上条」

 

「ああ、おかげで、上条さんの脳はパンク寸前ですよ・・・」

 

「俺もだよ。やっぱ高校入ってから授業もムズくなってるよなー」

 

「確かになー。それより、この後遊びに行かねえか?」

 

「悪い。今日ちょっと用事が・・・」

 

「そうか。そりゃ残念だわ」

 

「また誘ってくれよな。じゃあな」

 

「おう、またな。上条」

 

そう言って彼は学校を後にした。彼が今から向かうのは、この前無理矢理連れてこられた二課本部であった。

 

 

 

 

「こんにちは」

 

「おう。忙しい中すまないな、上条君」

 

「ヤッホー、当麻。ひさしぶり~」

 

「ハロー。上条君」

 

「・・・・・」

 

弦十郎,立花,櫻井の順番に上条に声をかけた。だが、翼だけは、彼の存在をはじめから認識しないような素振りをしていた。上条は少し気まずそうな顔をしたがすぐ、弦十郎達に向き合った。いま、上条達がいるのは先日のパーティー会場ではなく、小さな部屋だった。どうやら最後に来たのは上条だったらしく、他のメンバーは全員集まっていたようだ。

 

「それでは、先日行った検査の結果発表!まず最初に響ちゃんからね」

 

「は、はい」

 

「初体験の負荷は若干残っているものの、身体に異常はほぼ見られませんでした~」

 

「ほぼ、ですか・・・」

 

「とりあえず、今んとこ立花の体は大丈夫ってことですかね?」

 

「そうゆうことよー。そして、上条君の身体も異常なし。あれから身体に異変とかは起きてないかしら?」

 

「はい。別段体が痛んだり、崩れたりもしていません。」

 

「なら大丈夫かもしれないけど、もし何かあったらすぐに言ってちょうだいね。あなたは世界で初めてノイズに触れて無事だった人間だけど、だからこそ何かが起きてもおかしくはないのだからね」

 

「分かりました」

 

「よろしい。さ・て、あなたたちが聞きたいのはこの事じゃないわよね」

 

その通りだ。自分たちが知りたいのは体調ではなく、あの摩訶不思議な力のことである。

 

「教えて下さい、あの力のことを」

 

「何か知っているんですよね」

 

「ああ勿論だ。翼」

 

弦十郎は翼に何かするよう呼びかけた。すると彼女は自身の首に掛かっているペンダントを出してきた。

 

「『天羽々斬』。翼が持つ、第一号聖遺物だ」

 

「「せいいぶつ?」」

 

「聖遺物とは、世界各地に登場する現代では製造不可能な異端技術の結晶のこと。多くは遺跡から発掘されるのだけど、経年による破損が著しくて、そのままの形で発掘されるのは本当に稀少なの」

 

「翼が持つ天羽々斬も刃の欠片のごく一部に過ぎない」

 

「欠片に残されている力を増幅して解き放つ唯一の鍵が、特定振幅の波動なの」

 

「「特定振幅の波動?」」

 

「つまりは歌、歌の力によって聖遺物は起動するのだ」

 

「その歌の力で活性化した聖遺物を一度エネルギーに還元し、鎧の形として再構成されたものがアンチノイズプロテクター『シンフォギア』なの」

 

「・・・なるほど」

 

(あのとき、立花の体が変わったのはそういうことだったのか)

 

「じゃあ、歌さえ歌えれば誰でも起動できるんすか」

 

「違う!どんな歌、誰の歌にでも聖遺物を起動させる力があるのではない!」

 

上条の言葉に風鳴翼は強く反応した。その言葉にどれだけこの場を沈黙させる力を持っていたのか、彼は知らない。少し重い雰囲気の中、弦十郎が口を開いた。

 

「聖遺物を起動させ、シンフォギアを纏い、力を振るえる者を、我々は適合者と呼んでいる。それが翼であり、君であると言うことだ」

 

「立花にそんな力があったなんて・・・っておい立花、お前完全に分からないって顔をしているけど大丈夫なのか」

 

「え!?も、勿論分かって・・・ごめんなさい、さっぱり分かりません」

 

立花は、はにかみながら笑っていた。

 

「だろうね」

 

「だろうな」

 

「まあ、俺もなんとなくでしか分かってないけど・・・」

 

「いきなりは難しかったかもしれないわね。だとしたら、聖遺物からシンフォギアを作り出す唯一の技術、『櫻井理論』の提唱者がこの私、櫻井了子であるということは、覚えてくださいね」

 

「は、はい」

 

「あのー」

 

「あら、どうしたの上条君。何か質問でも」

 

「とりあえずその聖遺物のこととかはなんとなくだけど分かったんすけど、じゃあ俺がノイズを殴れたのもそのシンフォギアのおかげなんですか?あと、俺もあいつも翼さんが持っているようなペンダントを持ってないと思うんすけど」

 

上条は今自分が一番聞きたかったことを櫻井に訊いた。先ほどの話からすると、立花達の力について、詳しく知っている彼女なら何か知っているかもしれない、と。

 

「そうね・・・とりあえず上条君の1つ目の質問に対してだけど、あなたのその体質については天才である私にも分からなかったわ」

 

「え・・・ま、まじですか」

 

「ええ。正直なことを言うとデータが不足しすぎて何が何だか分からないのよ。その右手がシンフォギアのように『位相差障壁』を調律して物理的効果を与え消したって言うのなら分かるんだけど、君の場合、最初からそこにノイズが居なかったように跡形もなく消し去っているのよね」

 

「・・・じゃあ俺がノイズを消すことができたのは、シンフォギアの力ではないってことですか」

 

「今のとこはそう答えるしかないわ。一応あなたの体を隅から隅まで検査したけど()()()()()()聖遺物の反応は見つからなかったわ」

 

「そうですか・・・って俺からは?」

 

上条の疑問に対し、櫻井は映っているディスプレイの画面を変え始めた。画面に映ったのは誰かの胸部レントゲン写真であった。ただし、普通の写真とは違い心臓部周辺に何かが写っていた。すると写真を見た立花はすぐさま反応した。

 

「これ、私のレントゲン写真だ」

 

「お前のってことは・・・」

 

「うん、あのライブの時に怪我をしたあとに撮った写真と似てる」

 

「心臓付近に複雑に食い込んでいるため、手術でも摘出不可能な無数の破片。調査の結果、この破片はかつて奏ちゃんが身に纏っていた第三号聖遺物『ガングニール』の砕けた破片であることが判明しました」

 

「「「ッ?!」」」

 

その話を聞いて翼,立花,上条の三人はとても驚き、翼は顔を押さえながら部屋を出て行った。そんな中、上条はあの日のことを思い出していた。あの時、天羽の持っていた槍が壊れ、その破片が立花の体を貫いたことを。

 

(あのときの傷が立花を守ってくれたのか・・・)

 

「あの」

 

「どうした」

 

「このこと、やっぱり誰かに話しちゃいけないのでしょうか?」

 

立花は不安そうに弦十郎に尋ねた。

 

「・・・君がシンフォギアの力を持っていることを知られた場合、君の家族や友人周りの人間に危害が及びかねん。命に関わる危険すらある」

 

「命に、関わる・・・」

 

(小日向・・・)

 

弦十郎の言葉を聞き、二人はとある少女のことを思い出した、とても大切な親友の顔を。

 

「俺たちが守りたいのは機密などではない。人の命だ。そのためにも、君たちの力のことは隠し通してもらえないだろうか」

 

「あなたたちの秘められた力は、それだけ大きな力だということをわかってほしいの」

 

「人類ではノイズに勝つことは出来ない。人の身でノイズに触れると言うことは、炭となり崩れることを意味する。そしてまたダメージを与えることは不可能だ」

 

「でも、俺たちは違うんですよね。俺に限っては生身でノイズを倒せることができるし・・・」

 

そう言って上条は自分の右手を見た。なぜかは分からないが自分には神様が作った理不尽(当たり前のルール)を壊す力がある。だったらそれを使えば困ってる誰かを助けることが出来るのではないかと・・・

 

「たった一つ、いや二つ例外があるとすればシンフォギアを纏った戦姫と、上条君が持つその力のみだ。そのこと踏まえた上で本政府特異災害対策機動部二課として、改めて君に協力を要請したい、立花響。君が持つ力を対ノイズのために役立ててはくれないだろうか」

 

「・・・ちょっと待って下さい風鳴さん!協力を要請するのは立花だけですか?俺も一緒に戦い・・・」

 

『あなたは!!奏からもらった命を無駄にするのッ!!?』

 

「ッ!?」

 

上条は自分も戦えると言おうとした。しかし、あの日、風鳴翼に言われた言葉を思い出し、最後まで言い切ることはできなかった。

 

「・・・すまない上条君。君の気持ちはとてもありがたい。だが、君の力は君が思っている以上にとんでもないものなんだ。もし君の力が誰かに知られたら、立花君以上に危険にさらされる可能性がある。君の持つ力は日本、いや世界中が知りたがっているものなのだよ」

 

「・・・・・」

 

(この人は本当に俺達のことを守りたいんだろう。いや、それどころか本当なら立花を戦いに巻き込むことも嫌なはずだ・・・)

 

気持ちはとても嬉しかったが、それでも、上条は納得がいかなかった。立花響(親友)は危険な目に遭うかもしれないのに、自分は何もできないことが悔しくてたまらなかった。

 

「・・・私の力で誰かを助けられるんですよね」

 

「立花・・・」

 

その言葉に弦十郎と櫻井の二人は微笑みながらうなずき、上条は心配そうに名前を呼んだ。

 

「分かりました、私、戦います」

 

そして、立花響は決意を言葉にした。

 

(やっぱり、お前はそういうやつだよな)

 

上条は小さく笑いながら、拳に爪痕が残るほど握っていた。それは悔しさからなのか、それともあの時、風鳴翼に対して言葉を返せなかった自分の不甲斐なさからなのか。今の上条には分からなかった。




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上条×IF装者 見たいのは?(ビッキーは『翳裂閃光』があるので今回はなしで)

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