戦姫絶唱シンフォギア IB   作:ドナルド・カーネル

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どうも作者です。
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ちょっとここからは本編とは関係のない話なのですが、FGOの新サーヴァントにCV井口さんと日笠さんのサーヴァントが登場して、そろそろシンフォギアパか禁書パ作れそうになってきたなと思います。阿部さんと高垣さんと南條さんボイスのサーヴァントの実装まだかな〜
それでは第10話どうぞ。



第10話 約束

2

 

「だ〜か〜ら〜、何でもかんでもメイドや義妹にすればええってもんちゃうんやって土御門君!」

 

「ハッ、知らないのか青髪ピアス。“メイドや義妹はすべての道に通ず”って昔の人がいってたにゃー」

 

「いやそんな諺ねえからな」

 

上条はアホなことを言ってる友人、メイド好きのシスコン野郎(土御門元春)にツッコミをいれていた。そしてそれに対してもう一人の友人、変態エセ関西人(青髪ピアス)もそうだそうだと合いの手を入れた。彼らは、上条が通う高校『とある高校』で出来た友人である。しかし彼らもまた平凡な少年とは言えず、入学一ヶ月近くで起こした様々な問題行為により、学内の人間からは青髪ピアス(変態)土御門元春(シスコン)上条当麻(セクハラ常習犯)と認識され、そんな彼ら三人のことを人は“バカのデルタフォース”と呼んでいるようだ。

 

「それより、カミやんおすすめのお好み焼き屋ってまだつかないかにゃー」

 

「もう少しで着く・・・ってほらここだよ」

 

彼が連れてきたのは以前食べに来ていた『ふらわー』であった。

 

「あれ?ここって、リディアンから結構近いやん。ハッ!もしかして、純粋無垢なお嬢様系女子高生とかがおるんちゃうか!?」

 

かもなー、と青髪の発言に適当な反応をしながら彼らは店に入った。すると店の中には上条の見覚えのある顔があった。

 

「あれ、当麻。久しぶり」

 

「おう。小日向、久しぶり」

 

「なに、ヒナの彼氏?」

 

「まあ、そうなのですか」

 

「ち、違うよ~当麻はただの・・・」

 

「ああ!!当麻ってこの前あんた達が言っていたアニメに出てきそうな「わーー!わーーー!!」ああ、これは言っちゃ駄目なんだっけ。ごめんね☆」

 

「・・・一体俺の何について話していたんでせうか、小日向さん」

 

「え!?な、何も話してないよ!!」

 

「お、おう、そうか」

 

小日向は顔を真っ赤にして、上条の疑問に答えていた。そんな上条を見て青髪はフルフルと震えながら彼に話しかけ始めた。

 

「・・・まてやカミやん。お前リディアンの子と知り合いやったんか」

 

「ああ、そうだけど言ってなかったけ?」

 

「初耳やわ!!」

 

「このフラグメーカー!自分が通う高校だけじゃなくて他校の女子にまで毒牙をかけやがったに違いないぜよ!!」

 

「お前ら適当な事言ってんじゃねえ!あとそんなにフラグが立ってるなら上条さんにも彼女の一人が出来てるに決まってるだろがッ!?」

 

「「黙れッ!!このクソ野郎ッ!!!」」

 

ギャーギャーワーワーと叫び完全に迷惑な客となっている上条達に対しさすがに普段は温厚なおばちゃんも怒り心頭であった。

 

「あんた達!これ以上騒ぐなら警察呼ぶよ!!」

 

「「「すみませんでした!!!」」」

 

上条達は一斉に土下座をし、何とかおばちゃんの怒りは収まったのである。そんな彼の姿を見て小日向は頭を抱え、彼女と共にいた少女達は面白いものを見る目で見ていた。

 

「もう、本当バカ当麻なんだから」

 

「いやー確かにアニメみたいな生き様してるわね、彼」

 

「ええ、まるで男性版響さんのような方ですわね」

 

「いや、ビッキーよりも色々やらかしてる気がするんだけど・・・」

 

「うう、不幸だ」

 

「自業自得でしょ、まったく」

 

うなだれている上条を見て小日向はいつもの調子だなと思い、ツッコミをいれていた。ツッコミをいれられながら上条は一人足りないことに気がついた。

 

「あれ、そういや立花は?」

 

「うん。本当は一緒に食べに行く予定だったんだけど、用事が入ってこられないって・・・」

 

「そうか。そりゃ残念だな・・・」

 

(多分、ノイズの件だろうな)

 

先日ノイズと戦うことを決意し今も頑張っているんだろうな、と上条は思ったが、心の底では何故か怒りのようなものがこみあがっていた。

 

「ねえ、もしよかったら私たちと一緒に食べない?」

 

「ええの!?僕らも一緒で!!?」

 

「うん、それに上条君からもビッキー達の話が聞きたいし」

 

「じゃあ、お言葉に甘えるぜよ」

 

そんな感じで彼らはリディアン女子との合同食事会となった。

 

「それじゃあ自己紹介ね。私は板場弓美、趣味はアニメ鑑賞!よろしく」

 

「私は寺島詩織と申します、よろしくお願い致しますわ」

 

「私は安藤創世、よろしくねカミやん」

 

「あんたもカミやん呼びなのか・・・」

 

「うーんじゃあ上と条(じょうとじょう)でジョ・・・」

 

「いや、カミやんでいい。なんかそのあだ名はヤバい気がするし」

 

「じゃあ、よろしくねカミやん!」

 

「最後に私は小日向未来っていいます。当麻がなにかとご迷惑をおかけしてますがよろしくお願いしますね」

 

「お前は俺の母親か・・・」

 

「だっていっつも何か起こしてるじゃん。この前だって・・・」

 

「はいはい、夫婦漫才はそこまでにしてよね、お二人さん!」

 

「「夫婦じゃねえよ(じゃないよ)!」」

 

「ええ〜本当〜?」

 

ニヤニヤと板場は上条達をイジっていたが、さすがにこのままイジられているのは面白くないので上条は無理矢理自己紹介を始めた。

 

「じゃあ、こっちも自己紹介っと。俺の名前は上条当麻、改めてよろしくな」

 

「俺の名前は土御門元春だぜ。気軽につっちーって呼んでくれにゃー」

 

「ほんで僕の名前は「こいつのことは青髪ピアスって呼んでやってくれ」ってカミやん!何、人の自己紹介にかぶっとんねん!!」

 

「いや、お前のことだから何かとんでもねえこと言いそうだなーっとおもって」

 

「何でや!僕だってTPOくらいわきまえとるわ!!」

 

「いや、TPOわきまえてる奴は授業中に『スクール水着が似合うのは小学生までで、中学生以降は痛いコスプレイヤーと何も変わりはせえへん!』とか抜かさねえんだよ!」

 

「ハァッ!?そんなん言うんやったらカミやんだって『高校生くらいならまだイけるだろ!ていうか、ああいうのはボンキュッボンなお姉さんが少し恥じらいながら着ているのがいいんだろうがッ!!』って熱弁してたやんけ!」

 

「ああッ!?」

 

「やんのかッ!?」

 

上条と青髪は今日の出来事に決着をつけるために、女子への好感度そっちのけで互いの胸ぐらを掴み一触即発の雰囲気を醸し始めていた。

 

「あーあ、こんな変態共はほっといてとりあえず注文でもするにゃー」

 

「テメエもこっち側だろ土御門!『結局、白いスク水をロリに着込ませときゃいいんだにゃー』って言ったの忘れてねえぞおいッ!?」

 

義妹(いもうと)にメイド服着せてにゃんにゃんプレイ自慢しとるくせに何自分だけええ子ぶってんねん!この異常性癖者!!」

 

「久々にキレちまったぜよ。表に出やがれテメエらッ!!」

 

土御門がキレたのは自身も変態であることをバラされたのもあるが、一番許せなかったの崇高な意思(性癖)を異常なもの呼ばわりされたことだ。ギャーギャーと店の中でまた騒ぎ始めた馬鹿三人に対し、店のおばちゃんの堪忍袋の緒が切れてしまい騒ぎの元凶をボコボコにし始めていた。

 

「うわぁ、当麻すっごくイキイキしてるなあ・・・」

 

そして小日向は、たまにしか出てこなかった変態な彼が普通に出てきていることに少し引いていた。

 

 

 

 

 

 

3

 

「いやーおいしかったな、小日向」

 

「いや、あれをなかったことにするのは無理があるよ変態(当麻)

 

「ちょっとまて小日向さん。なんか今色々と間違っていると思うのですが」

 

「気の所為じゃないの変態」

 

「気の所為じゃねえ!」

 

上条は小日向のボケをツッコミながら彼女を寮へ送っていた。すると、小日向から真面目な話を切り出してきた。

 

「・・・ねえ、当麻。ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

 

「ん、どうかしたか」

 

「最近ね、響がクタクタになって帰って来ることが多くなってるんだけど、何か知ってる?」

 

「・・・いや、知らねえな」

 

「本当?」

 

小日向はその特徴的な碧眼を光らせ上条に確認を取った。そんな彼女の目を見て、上条はまるで心臓を締めつけられるような感覚に陥った。しかしそれを悟られないようもう一度知らないと答えた。

 

「・・・そっか。ごめんね、急に変な事聞いて」

 

「・・・いや気にしてねえよ。それよりあいつなんかあったのか」

 

「うん。最近帰ってきたらいつも疲れていたり、急に夜出かけたりすることが増えたの」

 

「そうか・・・」

 

(あいつ、本当に大丈夫なのか・・・)

 

上条は彼女がそこまで疲れていることを知らなかった。ここ最近彼女とは会うこともなく、連絡の際はSNSを使っていたため彼女の調子については全く知るよしもなかったのである。

 

「・・・今度、あいつに会ったら無茶するなって言っとく」

 

「うん、ありがとう。それより当麻も大丈夫?すごく疲れている感じがするんだけど」

 

「ああ、最近ノイズの発生場所にいることが多くてな・・・」

 

上条当麻は不幸な少年である。その不幸度合は通り魔に襲われる位の確率で出会うはずのノイズに昨日を含め先月だけで10回以上遭遇するレベルの不幸具合である。そのためこの少年、今日は出会わなかったから運がいいなと思う位に感覚が麻痺してしまっているのである。

 

「最近ノイズの発生多いもんね。当麻、わかってると思うけどノイズが出たらすぐに・・・」

 

「シェルターに避難、だろ。わかってるし安心しろ。じゃあ俺こっち「あ、そうそう当麻」ん、どうかしたか」

 

小日向を寮前まで送った上条は帰ろうとした時、彼女から呼び止められてしまった。

 

「今週の金曜日空いてる?」

 

「特に用事もないけど、それが?」

 

「金曜日に響と一緒に流れ星を見に行く約束したんだけど、よかったら当麻も一緒にどう?」

 

「ああ、別にいいぜ」

 

「本当に!?じゃあ約束だよ当麻」

 

「おう、約束な、小日向」

 

「うん!響、当麻が来ること聞いたら喜ぶよきっと」

 

先ほどまでの暗い顔とは一変して明るい笑顔を見せた小日向に、上条は少し安心した。

 

「じゃあな、小日向」

 

「うん、またね、当麻」

 

そう言いながら、彼らは、自身の帰る道へと歩み始めた。

 

 

 

 

 

「ただいま~未来」

 

「おかえり響、今日も遅かったね」

 

「うん、ごめんね・・・」

 

「いいよ、別に。そういえば今日当麻と会ったんだよ」

 

「え、当麻と」

 

「うん。それでね当麻も一緒に流れ星見に行くって」

 

「本当!?」

 

「うん、だからレポートさっさと仕上げちゃおうね、響」

 

「うん!私、頑張るよ!!」

 




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上条×IF装者 見たいのは?(ビッキーは『翳裂閃光』があるので今回はなしで)

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