戦姫絶唱シンフォギア IB   作:ドナルド・カーネル

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どうも作者です。
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それでは第14話どうぞ。


第13話 小さくも大きな一歩

5

 

立花響は学校の屋上にあるベンチに座り1人考えていた。鎧の少女の目的が自分である事、二課内部に内通者がいるかもしれないという事、今もなお目を覚まさない風鳴翼の事。そして、

 

(私の守りたいもの・・・)

 

胸の中でつぶやき、様々な人の顔が浮かぶ。自分の家族、新しい学校でできた友達、一番の親友達(未来と当麻)。彼らを守りたい、守っていきたい。だけど未熟な自分が誰かを守ることが出来るのだろうか。そんなことを考えていると、

 

「響」

 

「未来・・・」

 

親友の一人、小日向未来が話しかけてきた。

 

「最近一人で居ること多くなったんじゃない?」

 

「そうかなあ。そうでもないよ、私一人じゃ何にも出来ないし。それに、この学校を選んだのも未来が進学するから私も一緒って決めたわけだし。それに、もしも未来がリディアンを選ばなかったら未来に当麻と一緒の学校通おうよって誘ってたよ私。ア、アハハハハ」

 

今の自分を悟られないように立花はそう言って笑って誤魔化そうとした。しかし・・・

 

「・・・本当に大丈夫?」

 

親友には分かってしまうものらしく結局心配をかけてしまった。まるで読心能力者(サイコメトラー)のように心の内がバレてしまうのは長い付き合いからなせるものなんだろうと立花は思った。

 

「・・・やっぱり未来にはかなわないや」

 

「うん、だって、今の響すごく無理してるもん」

 

「・・・でもごめん、もう少し一人で考えさせて。これは私が考えなきゃならないことだから」

 

「・・・分かった」

 

「ありがとう未来・・・」

 

親友は深く聞かずに自分の手を握ってくれた。その手はいつも自分を元気づけてくれるとても温かいものだった。

 

「あのね響。たくさん悩んで出した答えで一歩前進したとしても、響は響のままでいてね」

 

「私のまま・・・?」

 

「そう。変わってしまうんじゃなく、響のまま成長するんだったら私も応援する。だって響の代わりはどこにも居ないんだもの、居なくなってほしくない」

 

「・・・私、私のまま居てもいいのかな?」

 

今でも人と戦うのはイヤだし、アームドギアを出すことが出来ない。そんな未熟なままの自分でいいのだろうか。

 

「響は響じゃなきゃイヤだよ」

 

しかし、親友はそんな自分に変わってほしくないと願ってくれた。そんな親友の方をチラリと見る。そこにはいつも通りの陽だまりのような笑顔で笑いかけてくれた。そんな彼女の顔を見て少女は決意する。今でも人と戦うのはイヤだし、アームドギアを出すことも出来ない。それでもそんな自分を好きでいてくれる、そのままでいてほしいと言ってくれた人達がいる。なら・・・

 

「・・・ありがとう未来。私、私のままで歩いて行けそうだよ」

 

このままの自分でいよう。変わってしまうのではなくそのまま成長するんだ。

 

「ねえ、響。こと座流星群見る?動画撮っておいたよ」

 

小日向はそういって自分のスマホを見せる。しかし、動画には何も映ってはいなかった。

 

「・・・あれ何も映ってないよ?」

 

「光量不足で映らなかったみたい・・・」

 

「それじゃあ駄目じゃん!?・・・フフ」

 

「「アハハハハ!!!」」

 

笑い合った。そして何故か立花の目から涙がこぼれてきた。それは、笑いすぎて零れたものなのか、それとも別の理由で流れてしまったものなのか。だけど、この涙は少女にとって不快な涙ではなかった。

 

「今度は絶対に三人で見に行こうね、未来」

 

「約束。次こそは約束だよ」

 

「うん!」

 

立花は元気よく返事をした。そして彼女は心の中でこう思った。

 

(私の守りたいもの・・・)

 

それは何でもない約束や小さな日常なのかもしれない。それでも守りたいものを守れるように……

 

(私は私のまま強くなりたい)

 

少女はここに決意を示す。今度こそ自分の手で、その小さなものを守ることを。

 

(なら、今、私がやることは・・・)

 

少女は一人の男の顔を思い浮かべる、頼ってくれと言ってくれた彼の事を。

 

 

 

 

6

 

そして放課後。

「当麻!私に戦い方を教えてッ!!」

 

「・・・ハァッ!?」

 

少女は少年を呼び出し弟子入りを願った。

 

「いやいや待て待て待ちなさい。立花、お前いきなり人呼び出して何言ってんだすか?」

 

「だって当麻以外にこういうこと得意な人知らないんだもん!」

 

「いや、そう言われても、人に教えるほど俺喧嘩強くねえよ」

 

「じゃあ戦いのイロハ的なものだけでも・・・!」

 

「相手煽って、向こうのスタミナ切れるまで走って逃げる」

 

「ノイズ相手じゃ意味ないじゃん!?他にはないの?」

 

「相手の顔面に意識を飛ばすようなキツいの入れりゃいいんじゃねえの」

 

「だからノイズ相手じゃ意味ないじゃん!?」

 

「そうは言ってもな・・・」

 

立花はアテが外れてしまいがっかりしてしまった。彼女は上条が自分を守る為に10対1だろうと1歩も引かずに戦った事を思い出し戦い方を教わろうとした。しかし冷静に考えてみると、彼が戦っているところはあまり見た事がない。基本的に自分と一緒に逃げていた。本人も「3対1までなら何とかなるけどそれ以上の人数だと、お前を守りながら戦うのは厳しいから逃げに徹する」と言っていたのを思い出した。

上条当麻は確かに喧嘩には慣れている。だがそれは素人に毛が生えた程度のものであり、本格的格闘術を習っている相手や武器を持った相手になら普通に負けてしまう位の実力である。そして彼がよく会うような相手(不良達)は基本的に群れて行動し襲いかかってくるのがほとんどなので、相手の数が多いなら向こうのヤル気がなくなるまで逃げるか、数が少ないのならリーダー格のやつを一撃で倒しこちらがとても強い相手だと思わせる演技にて他の取り巻きの戦意を削る、と言うのが上条の喧嘩によって培った経験則である。

 

「うう、どうしよう。私、当麻以外に戦える人なんて知らないよ。やっぱり呪われてるかも・・・」

 

「俺以外に戦い方を教えられる人か・・・」

 

上条は自身の人間関係を考えるが、自分以上に戦いなれている人はいるが、教えてもらえる状況では無いため実質的にはいないのと同じであった。じゃあ、自分が強くなった方法を教えればいいじゃないかと言われても、上条が戦いにある程度なれたのも色々なことに首を突っ込んだ結果であるため、彼女にも同じ事をやれば良いのではないかとは絶対に言えるわけがないのである。

 

(さて、どうしたものか。俺より強い人なんて翼さん位しか思い出せないし、あの人以上に強い人なんて・・・)

 

「「あ!!」」

 

「立花!一人思いあたりがいたぞ!!」

 

「うん。私もすごい人がいたの思い出した!!」

 

奇しくも、彼らが思い浮かべていた人物は同じであった。上条と立花を余裕で倒そうとした翼を止めた人物がいるではないか。

 

「よし、思い立ったら何とかだ!すぐに頼みにいくよ!!」

 

「いや、お前、あの人の居場所知ってんのか?」

 

「今から聞くからちょっと待ってて」

 

そう言って彼女はその人物に電話をかけ始めた。数分後、場所が分かったため彼らはそこに向かった。行く先は風鳴弦十郎の自宅である。

 

 

 

 

「・・・それで、俺のとこに来たのか」

 

「お願いします。私に戦い方を教えて下さい!弦十郎さんならきっとすごい武術とか知ってるんじゃないかと思って」

 

「あの時、翼さんの大剣の衝撃を地面に逃がしていましたよね。そんなすごい技術があるんならそれを立花に教えてやってほしいんです。お願いします!」

 

上条は頭を下げ、立花はまっすぐな瞳で弦十郎に頼み込んでいた。そして弦十郎は腕を組みそんな二人を見ながら、

 

「俺のやり方は厳しいぞ」

 

と彼らの覚悟を見ていた。そしてその覚悟に対し立花は元気な声で、望むところですッ!!、と答えた。一方上条はそこまで乗り気ではなかった。この少年、色んな事件に首を突っ込むが、基本的には面倒なことからは逃げる性格であるため、こういった練習や特訓といった事に関しては自分から進んでやらないタイプなのである。

 

「上条君、君も戦い方を習いたいのか」

 

「いや、俺は別に今のままでいいかと「いや、当麻も一緒に鍛えて下さい!」おい、何勝手に頼み込んでんだコラ」

 

「どうせ当麻のことだから何かと理由つけて関わろうとするんでしょ。じゃあちゃんとした戦い方を学んだ方が良いよ」

 

「いや、なんて言うかさ。こういう技術って俺には合わないというか、それに、右手オンリーで戦う方法ってありませんし・・・」

 

「・・・それなら攻める力をつけるのではなくではなく、避ける力をつけるというのどうだろうか」

 

「避け方、ですか」

 

「ああ。君にはノイズと遭遇したら戦うなとは言ったが君の性格や今までの行動からみるに、考えるより先に体が動くタイプなんだろう。ならばちゃんとした身の守り方を覚えていて損はないぞ」

 

「だから当麻も一緒にやろうよ。ねっ!!」

 

立花は上条の手を握り笑顔で頼んでいた。そんな彼女達の言葉を聞いて上条もついに折れてしまった。

 

「・・・分かりました。俺も一緒に鍛えて下さい!」

 

「ああッ!よろしく頼むぞ響君、当麻君!!」

 

「「ハイッ!!」」

 

「よし。ところで君たちアクション映画とかは嗜むほうかい?」

 

「「えっ?」」

 

 

結論から言うと弦十郎の鍛え方は独特というか普通のものではなかった。彼が嗜むアクション映画や特撮シリーズであった動きや特訓などを実際に行うというものであった。例えば立花響を鍛えるのであれば、カンフー映画の動きを真似る鍛錬を行い、上条当麻であれば、何故かバッティングセンターで飛んでくる球にある数字を見極めるといった動体視力を鍛えるものであった。弦十郎の言ったとおり、特訓はとても厳しいものであったが、彼らはそんなことを感じることは少なかった。自分が少しづつ、一人ではなく二人で成長しているのを感じられたからであろう。




誤字、脱字、感想等お願いいたします。

上条×IF装者 見たいのは?(ビッキーは『翳裂閃光』があるので今回はなしで)

  • 風鳴翼
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