本日は2連続投稿になります。まずは行間一を投稿いたします。次回はいつも通り18:00投稿になります。
ツンツン頭やご飯大好き娘は登場しませんがあの二人は次回登場です。お楽しみに
それでは行間一どうぞ。
「・・・終わったのか」
少女は磔台のような装置に体を預けながら目を覚ました。今、彼女が居る場所は町の外れに佇むまるで映画のセットのような豪邸にいた。その豪邸に居るのは彼女だけでなく、もう一人いるが、その人物は現在誰かと話しているらしくここには居なかった。少女は一人あることを思い出していた。
(・・・あれが幻想殺し。完全聖遺物であるネフシュタンの鎧の力を簡単に消しやがった。あんなもんがあり続ける限りあたしの願いは・・・ッ!?)
「どうしたのかしらのクリス、そんなおびえた顔をして」
「・・・フィー、ネ?」
少女はとある男のことを考えていると、女の声が聞こえた。フィーネと呼ばれたその人物は金色の髪と男を魅了する体を持つ女であった。女は少女のおびえた顔を見ると上辺だけ心配そうな顔をして少女に近づいてきた。
「あの男が怖いのかしら?人の願いを否定し、完全聖遺物ですら消す力を持つあの男を・・・あなたや私の願いは、あの男がいる限り成就しない。私があなたに力を貸すのはあの邪魔者を排除したいからという同じ思いがあるため。だから・・・」
「ッ!ガッアアアアアアアアァァァァッッ!!!!??」
フィーネと呼ばれた女が近くにあるレバーを下ろしたその瞬間、少女の体に電流が走った。なんども味わってはいるが未だになれない痛みが彼女の体を蝕んだ。
「あなたは私の言うとおりに動けば良いのよ・・・次こそは、あの男と融合症例をここに連れてきなさい。ただ、あの男に関しては最悪の場合殺しても構わないわ」
少女は未だしびれる口を無理やり動かし返答した。
「・・・わかっ、たよ、フィーネ。次こそは、成功させる。だから、見捨て、ないで・・・」
「ええ、見捨てないわ。痛みだけが私とあなたの絆を繋ぐ唯一の存在、それを忘れない限り・・・」
「忘れない!忘れないからっ、だから・・・ッ!?」
「そう。利口な子は好きよ・・・次こそは期待しているわよ」
少女はその言葉を聞いたとき、やっとの思いで母親を見つけた子供のような顔をしていた。そして、その顔を見た女は笑いながらもう一度レバーを下ろした。少女の体と記憶に痛みという歪な絆を刻みつけるために・・・
「私、生きてる・・・?」
生き残ったのではない、死に損なっただけだ、風鳴翼は緩やかに落下しながらそんな事を思う。彼女は、防人である。国を守り、人を守る、それが彼女にいや、風鳴家に与えられた使命であると。そしてあの日、彼女はその使命を全うしその人生は閉じたのだと思った。だが、自分は生きていた。何故、どうして生き残ってしまったのだ?
「奏は何のために生きて、何のために死んだのだろう?」
翼はそんなことを考える。天羽奏は元々は普通の人間であった。親は考古学者で普通の暮らしをしていた。だけど幸せは長くは続かなかった。ノイズが彼女の親を殺し、彼女だけ生き残った。ありきたりな言葉ではあるが、天羽奏はあの日から『復讐者』となった。ノイズへの憎しみを胸に、文字通り血反吐を吐くような努力をし、そしてある日彼女はガングニールの適合者となった。だが、翼とは違い彼女は
「真面目が過ぎるぞ、翼。あんまりガチガチだと、その内ポッキリいきそうだ」
天羽奏がいた。また彼女と話せた、ただそれだけでのことで風鳴翼は笑顔になれた。
「一人になった私は一層の研鑽を重ねてきた。数え切れない程のノイズを倒し、死線を越え、そこに意味など求めず、ただひたすら戦い続けた。そして、気づいたんだ。私の命に意味や価値などないと・・・」
「・・・戦いの裏側とかその向こう側にはまた違ったものがあるんじゃないかな。私はそう考えてきたし、そいつを見てきた」
どこか悟ったような顔で、天羽奏は話す。
「それは何?!」
「そいつは、自分で見つけるもんじゃないかな」
「奏は私にいじわるだ・・・」
どこかすねたような甘えたような感じで翼はそう言った。だが、そんないじわるを言ってくれる彼女はもういない。そんな寂しさが彼女を襲う。それに対し天羽奏は笑って、そいつはいいじゃないかと言い、翼はそれを拒んだ。
「私は奏にいてほしいんだよ!一緒にまた歌いたいよ・・・」
「・・・そばにいるかどうかは、翼が決めることだよ・・・。じゃあ、翼、ひとつだけ私が見ていたもののヒントをあげるよ」
「ヒント・・・?」
「あの子達と一回腹割って話してみな。・・・あの子達は私や翼とは違う理由で戦っている、そこから何かが見えるんじゃないかな?」
「あの子、達と・・・?」
瞬間、彼女は後ろから引っ張られる感覚に陥った。そして気がつくと、彼女は病室にいた。どこからか、歌が聞こえる。その歌が流れていた場所は、彼女が通うリディアンであった。
(・・・あれは、夢だったのかしら・・・?)
不思議な感覚だった。まるで自分の時間だけゆっくりと流れているかのようであった。そう感じるのは学校のある日に、任務や仕事でもないのに休んでしまったからなのだろうか。そんなことを考えているともう一人の片翼との会話を思い出す。
(心配しないで、奏。私、あなたが言うほど真面目じゃなから、ポッキリ折れたりしない・・・)
だからこうして、今日も生き恥をさらしている。それは生死の境から舞い戻ってきたにもかかわらず、暗く悲しい感想であった。しかし。それでも。あの夢の中で会った親友との会合はもう一度彼女を奮い立たせる力になっていた。
誤字、脱字、感想等お願いいたします。
上条×IF装者 見たいのは?(ビッキーは『翳裂閃光』があるので今回はなしで)
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風鳴翼
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雪音クリス
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月読調
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暁切歌
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マリア・カデンツァヴナ・イヴ
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セレナ・カデンツァヴナ・イヴ