明日でとあるIFが1周年となり、戦姫絶唱シンフォギアXDも3周年と色々めでたい7月に入りました。熱中症に注意しながら今月も頑張っていきます。
それでは第16話どうぞ。
3
『私立リディアン音楽院高等科。つまり特異対策機動2課本部近くで頻発しているノイズ発生の事例から、その狙いは本部最奥区画「アビス」に厳重保管されている「サクリストD」、デュランダル強奪目的と政府は結論づけました』
『移送場所は永田町最深部の特別電算室、通称「記憶の遺跡」。そこならば、と言うことだ。どのみち俺達が国家の役人である以上、お上の意向には逆らえないのさ』
『デュランダル予定移送日時は、明朝〇五〇〇。詳細はこのメモリーチップに記載されています』
『それまでは各自、本部にて待機ッ!』
「あと数時間で任務開始か・・・」
上条は数時間前に行ったミーティングの内容を思い出す。今回の任務は完全聖遺物であるデュランダルの移送、そして上条に与えられたのは立花と共にデュランダルを守ることである。本来ならば立場上一般人である上条は不参加である筈なのだが、彼が無理矢理弦十郎に頼んだため参加を許されているのである。そしてそんな彼の現在の心境はというと、
(やっべぇ、眠れねえ・・・。今更ビビってんのかよ、俺)
普通の高校生らしく緊張のため眠れずにいた。任務開始が午前5時ちょうど、そのことを考えるとそろそろ眠らないとそれまでに起きられない時間になっていた。そんな緊張をほぐすために温かい飲み物をもとめ自販機へ向かっていた。
(・・・コーヒーや緑茶とかはカフェイン入ってるからパス、イチゴおでんは論外。となると他になんかあるかなー)
悩んだ結果、『熊のスープカレー』なんていう普通の自販機では売っていなさそうな飲み物を購入。買った飲み物を手に近くにあるソファーに座り、机の上にあったスポーツ新聞を読みながら飲み物を飲み始めた。味の感想は、熊肉がすこし癖が強い以外は普通のスープカレーといった感じだそうだ。そして上条が読み始めた記事は野球やサッカーといったスポーツの記事ではなく……
「・・・すっげぇでかいなーこの娘」
グラビアアイドルの水着写真や、たまに生まれたままの姿の写真が載ってある所謂大人向けなページであった。上条だって思春期真っ盛りな少年ではあるが、だからといってこういうページを人前で読むほどの度胸があるわけでもないため、今のような人がいない状況は読むにはベストタイミングなのである。
(・・・やっぱり包容力があるお姉さんが1番だよなー。土御門や青髪は小さい子が良いっていうけど、俺にはさっぱりだわ〜)
「・・・結局、胸の大きな女の人が良いんだね。当麻は」
「ッ!?た、立花!?」
声のした方を向くと、冷め切った目で
「立花、勘違いしてもらっちゃあ困る。俺は別に、胸の大きな人が好みじゃなくてだな・・・」
「でも、すっごく鼻の下伸ばしていたじゃん」
「いや、男の人ならだれしもそういう反応をするもんなの!するんだよするんですよの三段活用!」
ふんっ!とでも言いそうな雰囲気で顔を背ける立花を見て上条は少し焦りを覚えた。今から数時間後には背中を預けるこの少女の機嫌をそこねるのはとてもマズい。
そう思った上条は何とか彼女の機嫌を戻せる物はないのかと考える。その時自身が持っていた新聞にのっているある記事を立花に見せた。
「あ、これ見ろよ立花。翼さんの記事があったぞ。えっと内容は・・・」
「『風鳴翼 過労で入院』これって・・・」
「情報操作も僕らの仕事でして」
「「緒川さん」」
二課にて情報収集や風鳴翼のマネージャー(情報元は風鳴弦十郎&立花響)をしている緒川慎次がにこやかに話かけてきた。
「翼さんが一番危険な状態から脱しました」
「本当っすか!?」
上条と立花は、緒川からの報告を聞き、明るい顔になった。
「ですが、しばらくは二課の医療施設で安静な状態が必要です。来月のライブは中止ですね」
緒川はそう言って上条達が座っているソファーに腰をかけた。
「響さんと上条君もファンの皆さんへどうあやまるか、一緒に考えてもらえませんか」
その言葉を聞いた瞬間、上条達は暗い顔になってしまった。その顔を見て、緒川は慌てて上条達を励まし始めた。そんな彼の顔を見て上条達すこし笑った。
「ごめんなさい、責めるつもりはありませんでした。伝えたかったのは何事も沢山の人間がすこしづつ、色んなところでバックアップしているということです。だからお二人も、もう少し肩の力を抜いては大丈夫じゃないですか」
「・・・優しいんですね、緒川さんは」
「・・・怖がりなだけです。本当に優しい人は他に居ますよ」
「でも、忙しい中、こうやって俺達の緊張をほぐしてくれるのは、本当に優しい人だと俺は思いますよ」
「・・・そう言ってもらえると、すこし嬉しいですね」
緒川は照れ恥ずかしそうに笑った。そして緒川からの言葉を聞いて立花達は先ほどより緊張がなくなった顔になっていた。
「緒川さん、ありがとうございます。私、少し楽になりました。では、立花響、はりきって休んでおきますね!!」
そういって立花は今日の寝床へと走って行った。
「・・・俺もそろそろ休むとしますか。それじゃ緒川さんまた明日・・・」
「上条君、ちょっと待ってもらえませんか」
「ん、なんすか」
「・・・翼さんのこと、ありがとうございます。響さんから聞きました。ひとりぼっちにさせないって、言ってくれたんですよね」
「・・・別に礼を言われることじゃないですよ。ただ、ひとりぼっちなろうとする女の子を見捨てるなんて出来ないですから」
「・・・あんなことがあったのに、ですか?」
「あんなことがあったからこそ、尚のことほっとけないって思っただけですよ」
「・・・君は本当に優しい人ですね」
「そんなことないっすよ。それじゃあ、おやすみなさい」
「はい、おやすみなさい」
上条もまた明日に備えて休息をとりにいった。
4
数時間後、デュランダル護送作戦、またの名を『天下の往来独り占め作戦』(櫻井命名)が始まった。
作戦概要としては、広木防衛大臣殺害の名目で犯人を検挙する為、各所に検問所を配備し、その間に記憶の遺跡まで突っ走るといったものである。上条と立花は櫻井が運転する車に乗りデュランダルを直接護衛、風鳴は上空からの監視を行っている。
上条達は神経を尖らせながら周辺を警戒していた。そんな彼らを見て櫻井は笑いながら上条達に話しかけた。
「貴方たち、そんなに力んでいるといざって時に動けないわよ」
「で、でも、どこから誰が来るかなんて分からないですし」
「大丈夫よ。護衛車とヘリコプターが上空からの警戒してくれてるし、検問のおかげで私たちが走るルートには人っ子一人居ないのだから少しは力を抜きなさいな」
(まあ、普通ならそうなんだけどなぁ・・・)
上条はそれでも警戒心を緩めなかった。上条はこの2年間で自身の運の悪さを理解している。その運の悪さは、風鳴と共に見たクリスマスのビルや空港で強盗やテロリストとやり合った警察官と同じかそれ以上のものだと自負している。
だからこそ、上条はこの護送で何か起きるのではないかと胸騒ぎがしていた。すると櫻井は何かを思い出したかのように上条に話しかけた。
「あ、そういえば上条君。あなたの右手のことなんだけど・・・」
「あれから何か分かったんですか?」
「いいえ、色々調べてはいるけど特にこれといった新しい情報はないわ」
「じゃあ一体・・・?」
「その右手の力に名前を考えたのよ」
「名前ですか・・・」
「ええ。いつまでも、右手や右手の力だけじゃあ、あじけないでしょ」
上条はその言葉を聞いてすこし不安を覚えた。今回のそのまんまな作戦名や自身が提唱する理論に自分の名前をつける自己主張の強さからわかる独特な感性から『上条ハンド』みたいな変な名前がつけられるのではないのかと思ったのだ。それとは逆に立花は先ほどまでの緊張感はどこかへ行ってしまいわくわくしていた。
「どんな名前なんですか!?了子さん!」
「ふっふっふっ、それでは発表です!上条君の右手の名前は・・・」
ドラムロールがなりそうな雰囲気のなか、ためにためて出てきたその名は・・・!!
「
「「いまじん、ぶれいかー・・・?」」
「幻想殺しと書いて、イマジンブレイカーと読むのよ。まあ、本来の英語読みだとイマジンキルって読みになっちゃうのだけど、ノイズやシンフォギアといった本来あり得ない
「
上条は名前をつぶやきながら、右手を見た。少し中二病じみた名前ではあるが、なんだかとってもしっくりときた。
「・・・はい!すごく気に入りました、櫻井さん。名前を考えてくれてありがとうございます」
「
「そう言ってもらえるとうれしいわぁ。それじゃあ、引き続きよろしくね貴方たち」
「「はいッ!!」」
上条達は窓から顔を出しながら警戒を続けた。そして、橋の上を通っていた瞬間、
橋が急に崩れ去った。
「了子さんッ!」
「ッ!?」
櫻井はハンドルを無理矢理切り爆発した場所を回避する。それに続き共に走っていた車も避けたが、一台だけ間に合わず橋から落下してしまった。
「・・・嘘、だろ・・・」
(人が、死んだ・・・)
上条は一瞬で人の命が消えた事態を理解できなかった。しかし櫻井達は振り返ることなく進み続ける。
「上条君!」
「さくらい、さん・・・」
「今は、今だけは振り返ってはダメよ。ここで止まれば、彼らの命は本当に無駄になるわよッ!!」
「ッ!?・・・了解、です・・・ッ」
上条は歯が砕けそうなほど噛みしめ、先程の理不尽を無理矢理受け入れた。だがそれでも、上条は先ほど起きた事実に納得してはいなかった。
「それでいいわ。それじゃあスピードを出すからしっかり掴まってなさい。私のドラテクは凶暴よ・・・!」
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上条×IF装者 見たいのは?(ビッキーは『翳裂閃光』があるので今回はなしで)
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雪音クリス
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月読調
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暁切歌
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マリア・カデンツァヴナ・イヴ
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セレナ・カデンツァヴナ・イヴ