アンケートは8/21まで実施しています。よろしければお願いします。
また、宜しければこういった絡みが見たいというのがありましたら、感想欄にお書き下さい。実は未来さんと奏さんの二人ネタは思いつかないのです。力を貸して下さい。
それでは第19話どうぞ。
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立花響は花束をお見舞いの品として、一人風鳴翼の病室に向かっていた。向かう途中、彼女は例の任務で起きたことを思い出す。デュランダルを握ったときに流れた全て壊したい、滅茶苦茶にしたいという黒い感覚…破壊衝動とでも言うのだろうかそのような重い想いが彼女を支配した。だが少女が一番恐れたのは、その黒い感覚ではなく、
(・・・当麻やあの子に、躊躇いなくあの力をぶつけようとしたのが一番怖い)
もしあの時、上条が体を張ってデュランダルを止めていなければ、人を殺していたのかもしれない。その事実は、少女の心に重くのしかかっていた。
(・・・また当麻に助けてもらった)
今回も裸にひん剥かれてしまったが、自分が未熟でなければこんなことにはならずにすんだ。自分が持つ力を制御出来なかったせいで辺り一帯を滅茶苦茶にし、親友に怪我を負わせてしまった。もっと強ければ彼を守ることが出来たのに、彼に追いつくことができるのに。でも、現実はそうはいかなかった。いつまでも守られてばかりで、追いつくどころか肩を並べることも出来ない。どうすれば力を制御できるのか、少女は何度も考えたか答えは出なかった。
そんな時に緒川から連絡をもらった。それは翼のお見舞いのお願いであり、彼女は二つ返事で了承した。そうこう考えている内に目的の場所に着いた。深呼吸をし、ドアをノックをする。翼からの返事がありドアを開ける。そして、扉の向こうには・・・・
散らかっている衣服と、下着を持った
「・・・何してるの?当麻」
その声を聞いた瞬間、少年がビビりながらこちらを向く。
「それ、翼さんの下着、だよね?」
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そんなわけで頭に大きなたんこぶができていた上条当麻は本日二度目の土下座をしていた。そんな目の前の光景に翼はオロオロし、立花は怒りのオーラを身に纏い少年を睨み付けていた。
「で、何をしていたのかなこの変態」
「ち、違うんですよ姫!俺が下着を手にしたにはたまたまで。というかですね、こんなことになるのは予想外というかですね・・・」
「立花、彼もわざとやったことではないのだからそんなに怒らなくても・・・」
「ダメですよ翼さん。この変態は一度甘やかすとその優しさにつけ込んでくるに決まってるんですから。ここいらでガツンと言わないと」
「元々、私が片付けが苦手なので彼がやってくれるからお願いしたのだから」
「でも、下着は違いますよね?」
「いいえ。私は別に気にしないって「「だから気にして下さいよ(気にしなきゃダメですよ)!!」」わ、分かったから、次からは緒川さんにもできるだけ頼まないように気をつけるわ」
「ハァ、とりあえず当麻がわざと変態行為に走ったわけじゃないのは分かりました。でも、なんで当麻は下着を持っていたの」
立花は睨む目から、ジト目に表情を変え再度問い詰める。
「いや、たまたま持った服の中から出てきたんですよ、まじで」
「またいつものなんだね、このバカ」
「いや、すぐに手放さかった俺にも悪いところもあったけど・・・」
「悪いところしかないよ、全く」
立花は上条が悪意を持ってやっていないことを理解し、彼に土下座をやめさせるよう言った。
「さて、じゃあ私が代わりに畳むことにするよ。当麻はそこに座ってて」
そう言って彼女は慣れた手つきで服をたたみ始めた。彼女もまたリディアンでの寮生活や遅くに帰ってくる母の代わりに洗濯を片付ける事もあり、こういったことは慣れっこであった。散らかっていた服はきれいに畳まれ、上条が最初に見た光景が嘘のようであった。
「・・・やっぱあれは俺の見た幻覚だったんじゃねえのかな」
そんなつぶやきに立花が小声で質問をする。
「ねえ、当麻。翼さんの部屋ってそんなにひどかったの?」
「・・・とりあえず、あそこにあるゴミ袋、全部この部屋に散らかっていたものを片付けたもんだよ」
「ええ・・・。当麻、今私の中にある風鳴翼像が音を立てて崩れ始めてるよ・・・」
「まあ、完全無欠な人間なんていないわな・・・」
「貴方たち、さっきから何をコソコソ話しているのかしら」
「「何でもないですハイ!!」」
翼は少し頬を膨らませながら上条達に声をかけた。何というか今日は翼の新しい表情をよく見るなと、上条は思った。
「貴方たち、本当にありがとうね。こういうことには少し疎いのよ私」
「『少し』……?まっ、まあ得手不得手は人それぞれッすから。今まで出来なかったことをこれから少しずつやっていけば良いですよ」
「ええ。もし、時間が出来たら私にも教えてくれないかしら、
「っ!?はい、喜んで」
上条は翼の呼び方が変わったことに少しは仲良く、彼女を一人にさせないように出来たのかと思った。翼も、一瞬自分が彼の呼び方が変わったことに気がつかなかったが、自分の心は彼を認めているのだと感じた。そんな彼らを見て立花は先程の翼以上に頬を膨らまし、上条を見ていた。
「・・・当麻のバカフラグメーカー」
「ん?なんか言ったか」
「べっつにーー。何でもないよ」
「?あっそ。とりあえず、立花も来たことだし俺が買ってきたゼリー食べませんか」
「ゼリー!?食べる食べる!!」
「そうね、それでは頂きましょうか」
立花はおやつを待ちわびていた子どものように目をキラキラさせ始めた。
「あ、俺ちょっと喉渇いたんで飲み物買ってきますけど、二人ともなんかいりますか」
「良いの?じゃあ私、ヤシの実サイダーで!」
「『やしのみさいだー』?何かしらそれは」
「え、翼さん知らないんですか。その名の通り、ヤシの実の味をしたサイダーですごくおいしいんですよ」
「ごめんなさい。そう言った世間の話題には疎くて・・・。それじゃあ私もそれにしようかしら」
「了解です。それじゃあちょっくら行ってきます」
すぐに帰ってくるから電話はいらないかと、財布を片手に上条は病室を出た。
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「・・・病院内の自販機のヤシの実サイダー全部売り切れてるとか、不幸だ」
そんな風に愚痴りながら上条は外にある自販機にて注文の品を買っていた。病院の近くにはあのジュースを売ってる自販機はなかったので、そこからすこし離れた場所にある自販機をつかっていた。
(・・・なんで俺が買おうとした瞬間に売り切れるんだよチクショウ)
約2年間この不幸体質と付き合っているため、こういった事態には慣れっこではあるがやはり面倒くさいものだな、思ってはいる。
(さて、キンキンに冷えてる内に・・・)
戻ろう、そう思いかけた瞬間、彼の頭上を何かが通り過ぎた。最初は鳥かと思っていたが、影の大きさが明らかに違った。そしてその方向を見るとそこには……
(あいつ、あの時の鎧女!?)
例の鎧を纏った少女が空を駆け抜けていた。見間違いかと思ったが最初にあの女と会ったとき、空を飛んで逃げていた事をおもいだした。
「何でこんな所に・・・ッ!?」
狙いは立花かデュランダルか、それとも入院中の翼か。どちらにせよ急いで弦十郎に連絡しなくてはそう思ったが、携帯を病院に置きっぱなしにしていたことを思い出す。
(・・・今から戻っても襲撃されたら終わりだ。どうする?)
翼に戦うなと言われた。弦十郎からも後ろにてサポートに徹してくれと言われた。
でも。だけど。
「それで納得してたら、いつまでたっても誰も守れないままだろうがッ!?」
覚悟なら決まってる。ならやることは一つだ。少年は買ったジュースをベンチに置き少女を追いかけ始めた。運が良いのか少女は全速力ではなく、何かを探すように動いていた。この速さなら、上条でも追いかけることはできる。
だが、こちらから攻撃することは出来ず、不意打ちなんかもってのほかだった。ならどうする。答えは簡単だ。
「おい、待ちやがれ!鎧女!!」
大声で叫び、こちらに注意を向かせる。初歩的で単純なやり方…しかし少年にはこれしかなかった。高く飛ぶことも速く走ることも出来ない少年のやり方であった。そして声が聞こえたのか女はこちらの方を向く。上条は手招きしながら挑発をする。
「これ以上進みたきゃ、俺を倒してから行け。三下!?」
そのわかりやすい挑発の言葉を聞いた少女は獰猛な笑顔を見せ、弾丸のような速さにて、まっすぐ上条の方に向かって飛んでくる。上条はギリギリの反応でさっき居た場所から跳び避ける。
「チッ!相変わらずバッタみたいにぴょんぴょん跳びやがって・・・ッ!?いい加減鬱陶しいんだよ。ささっとあたしにボコられるか、おとなしくついて行くかを選びやがれ!!」
「ハッ!誰がお前の言うことなんか聞くかよ。テメエを病院送りにして、鎧の出所を吐いてもらうぞ!!」
少年にとっても、少女にとっても三度目の対決。もういい加減決着をつける、奇しくも彼らは同じ事を思い、地面を蹴り己が敵に向かって殴りかかった。
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轟!そんな音を立て少女は鞭を振るう。速いのは当り前、普通の人間だと反応すら出来ず真っ二つであろう。だが上条はその速さに少しずつではあるが慣れていた。自分めがけてなぎ払われる鞭をギリギリでかわし、間に合わなければ右手で鞭を消していく。だが右手を使う度に痛みが走る。
「ッ~~~~!!」
(クソッ!痛みのせいで
「オオァッ!!!」
つかの間の鎮痛効果を期待して叫ぶ。アドレナリンが分泌すれば痛みを和らげるなんていうが、思ったほど効果はない。だが、まだ堪えられる痛みだ。なら今は、これでいい。
(・・・あいつを悲しませるのが嫌だからここにいるんだろ。ならこんな痛み耐えろ!!)
あの少女が人を傷つけそれに苦しむことに比べればこんなのなんてことない。歯を食いしばり、振るわれる鞭に拳をぶつける。もう痛みには慣れてきた。あとは自分の心が折れる前にケリをつける。そう思いながら少年は少女に向かって叫ぶ。
「いい加減に諦めろ!こんなことやっても意味なんかねえだろ!」
「意味ならある!」
少女は上条の言葉にすぐさま反論する。
「お前みたいな力を持つヤツを全員ぶっ潰して、争う気を二度と起こさせないような痛みを植え付ける。そうすれば世界から争いは、戦争は消える!」
そう言って少女は鞭に黒いエネルギーを溜め、振り回して勢いをつける。
NIRVANA GEDON
「分かったならいい加減くたばれよ、
ただし、前回のように一つではなく二つ。一つでダメなら二つで、いくらデュランダルの一撃を打ち消したとはいえ、右手に不調がある今なら押し切れる。そう思い少女は上条めがけてぶつける。
ズドンッ!!!と何かがぶつかった音がした。ぶつかった衝撃で土煙が舞う。
「・・・やった、よな」
あの威力だ、例え打ち消せようが、立っていることは出来ないだろう。そう思っていた、いや、そう思い込む以外なかったのだ。シンフォギアも纏っていない人間が無事でいられるものでないことは、少女が1番よく分かっていた。土煙が晴れ、目の前の光景が見えて来た。そして、少女の目には、
「嘘、だろ……?」
2本の足で立っている少年が映った。右手を前に突き出し、左手は吹き飛ばされないよう右手首を掴みながら、立っていたのだ。ただし、右手も無傷とは言えなかった。指は青紫色に腫れ、腕からは血が流れており、なおかつ少年の頭には痛み以外の刺激が入ってこなかった。それでも、目の前の敵の目から光は消えてはいない。
「・・・本気で言ってんのかテメェ」
上条は少女を睨みながら静かにそう言った。あれだけの傷を負いながらも上条の戦う意思は消えていない。
「ひっ」
ふとそんな声が出た。怖い、右手にしか力がないはずの少年が、鎧の少女からすればこの世のどんなものより恐ろしく感じた。
「痛みを一方的にぶつけて、トラウマ植え付けて、そんな恐怖政治みたいなやり方で、争いをなくせるなんて本気で思ってんのか!!?」
そんな怒鳴り声を聞いて一瞬黙りそうになった。だがここで反論しないと自分が今まで
「当たり前だ!圧倒的な力で捩じ伏せて、戦う気すら起こさせない!痛みという共通の思い
「そんなわけねえだろッ!!」
「ッ!?」
痛む拳を握り上条は少女の言葉すぐさま否定する。
「テメェの過去に何があったかなんて知らねえけどな、やられたやり返すなんてイタチごっこ続けてる限り、争いなんて永遠に終わんねえんだよ!たとえお前が力を持つ奴をぶっ潰す事が出来たとして、今この時は平和になるかもしれねえ!それでもいつかまた同じことが起きる!そんな終わりのないやり方で戦争が止まるように世界は出来てねえんだよッ!!」
ザッ!という音が上条の足から聞こえた。最後の力を振り絞り少年は走り出す。
(どうする。いったん逃げて体勢を・・・)
どこへ逃げる?ここで逃げれば今度こそ私は捨てられる。マタヒトリボッチニナッテシマウ・・・
(っ!?イヤだ、それだけはもう・・・っ)
「痛みだけが人を繋いでいく、だっけ」
少女が気をそらした一瞬の間に少年は目の前にまで来ていた。
(しまっ!?)
逃げることはできない、鞭を振るうにも近すぎる、少女にはもう後がない。おびえながら少女は、鞭を手放し、上条と同じように拳をぶつけようとした。だがもう遅い。
「本当にそれだけが人を繋ぐものだっていうのなら、テメェは親から痛みでしか人は繋がれないなんて教わったのかよ!!!!」
そう言って少年は、少女の顔にめがけて拳を振り抜く。
ゴンッ!!!鈍い音が少女の顔から鳴り響き、少女の体は勢いよく転がっていった。
奏さん、とある透明な少年、お誕生日おめでとうございます。
そして少女を悪魔の首輪から解き放ったヒーロー、お疲れ様。
誤字、脱字、感想等お願いいたします。
上条×IF装者 見たいのは?(ビッキーは『翳裂閃光』があるので今回はなしで)
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風鳴翼
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雪音クリス
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月読調
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暁切歌
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マリア・カデンツァヴナ・イヴ
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セレナ・カデンツァヴナ・イヴ